編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、M次元ラッシュのランクマッチで無双するための、テラキオンの最適な育成論が気になっていると思います。 特に今作『ポケモンレジェンズZ-A』特有の行動順システムにおける、素早さ調整の正解に悩んでいるのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、あなたのプレイスタイルに合った最強のテラキオンの調整が見つかり、ランクマッチでの勝率が劇的に向上する疑問が解決しているはずです。
- 基本にして王道なのは「ようきASぶっぱ」で行動回数を稼ぐ型
- 確定数をずらす「いじっぱりHAベース」は対面性能重視の玄人向け
- 技の「発動時間」を考慮した素早さ調整が今作の鍵となる
- 環境トップの「メガセグレイブ」を意識した調整ラインが必須
それでは解説していきます。
M次元ラッシュ環境におけるテラキオンの立ち位置
まず、具体的な努力値(基礎ポイント)の話に入る前に、なぜ今のランクマッチ環境でテラキオンがこれほどまでに注目されているのか。 その背景を整理しておきましょう。 これを理解していないと、ただ数字を真似するだけの「弱い」育成になってしまいます。
優秀すぎる種族値と攻撃性能
テラキオンの種族値を見てみましょう。 攻撃種族値は「129」。 これは準伝説ポケモンの中でもトップクラスの数値を誇ります。 さらに素早さは「108」。 この「108」という数字が、現在のM次元ラッシュ環境において絶妙なラインに位置しています。
多くの激戦区である100族(ミュウなど)を確実に抜ける点。 そして、環境に多い105族(メガシンカ勢の一部)の上を取れる点が非常に大きいです。 『ポケモンレジェンズZ-A』のバトルシステムにおいて、相手より先に動けること、そしてあわよくば「連続行動」ができることは、そのまま勝利に直結します。
「いわ・かくとう」という唯一無二の攻撃範囲
テラキオンの代名詞とも言えるのが、「いわ」と「かくとう」の複合タイプによる攻撃範囲の広さです。 この2つのタイプを半減以下に抑えられるポケモンは、環境にほとんど存在しません。
特に、DLC「M次元ラッシュ」で解禁された新メガシンカポケモンの多くに対して、この一貫性が刺さります。 例えば、環境を荒らしている「メガセグレイブ」に対しても、強力な打点を持てるのがテラキオンの強みです。
「行動順」と「技の硬直」の仕様
今作のバトルは、従来のターン制とは異なり、技ごとに設定された「発動時間」と、ポケモンの「素早さ」によって行動順が決まるCTB(カウント・タイム・バトル)に近い形式がランクマッチでも採用されています(一部ルールを除く)。
ここで重要になるのが、テラキオンが覚える技の優秀さです。 主力技である「せいなるつるぎ」は、威力90でありながら、発動時間が「8」と短めに設定されています。 これは、高威力技を連発しながらも、相手にターンを渡さずに連続行動できる可能性を秘めていることを意味します。
【結論】ランクマ用おすすめ努力値調整パターン
それでは、具体的な努力値振りについて解説していきます。 私が実際にランクマッチで数百戦回して導き出した、3つの結論パターンを紹介します。
パターン1:最速行動重視「ようきASぶっぱ」型
これが最も汎用性が高く、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる基本形です。
【性格】 ようき(素早さ↑ 特攻↓)
【努力値配分】
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50) | 備考 |
|---|---|---|---|
| HP | 4 | 167 | 奇数調整 |
| 攻撃 | 252 | 181 | 火力最大 |
| 防御 | 0 | 110 | – |
| 特攻 | 0 | – | – |
| 特防 | 0 | 110 | – |
| 素早さ | 252 | 176 | 最速 |
【解説】 思考停止でこれにして良いレベルの完成度です。 理由は単純で、「同速対決」と「行動回数の確保」のためです。 テラキオン同士の対面や、同じ108族である「ゴウカザル(等の同速仮想敵)」との対面で、50%の確率で先手を取れるか、確実に後攻になるかは雲泥の差です。
また、今作の仕様上、素早さ実数値が高ければ高いほど、技を使用した後の待機時間が短くなります。 つまり、素早さに極振りすることは、単に「先手を取る」だけでなく、「次のターンが早く回ってくる」という最大の防御にも繋がるのです。 特に「インファイト(時間12)」のような隙の大きい技を使う場合、この素早さ補正が命綱になります。
パターン2:火力特化崩し「いじっぱりAS」型
受けループや、高耐久ポケモンを無理やり突破したい場合に採用する型です。
【性格】 いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)
【努力値配分】
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50) | 備考 |
|---|---|---|---|
| HP | 4 | 167 | – |
| 攻撃 | 252 | 199 | 特化11n調整 |
| 防御 | 0 | 110 | – |
| 特攻 | 0 | – | – |
| 特防 | 0 | 110 | – |
| 素早さ | 252 | 160 | 準速 |
【解説】 攻撃実数値が「199」まで伸びます。 この数値の暴力は凄まじく、H振りだけの等倍ポケモン程度なら、「インファイト」で確定一発に持っていける範囲が大幅に広がります。 特に、環境に多い「物理受け」として出てくるポケモンに対し、「つるぎのまい」を一回積むことで、受け出しを許さない火力を手に入れられます。
ただし、素早さが「160」に落ちるため、最速100族(実数値167)に抜かれてしまいます。 ここは大きなデメリットです。 相手の構築に100族以上の高速アタッカーが多い場合、何もできずに倒されるリスクがあります。 この型を使う場合は、「こだわりスカーフ」を持たせて素早さを補うか、味方の「おいかぜ」や「でんじは」でのサポートが前提となります。
パターン3:対面最強「いじっぱりHAベース」型
私が個人的に今期注目しているのがこの調整です。 行動順の仕様を逆手に取り、「一発耐えてから反撃し、高い火力で粉砕する」ことを目的としています。
【性格】 いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)
【努力値配分】
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50) | 備考 |
|---|---|---|---|
| HP | 228 | 195 | 16n-1 |
| 攻撃 | 236 | 196 | 11n |
| 防御 | 4 | 111 | 余り |
| 特攻 | 0 | – | – |
| 特防 | 4 | 111 | 余り |
| 素早さ | 36 | 133 | 最速70族抜き |
【解説】 素早さをバッサリと切り捨て、耐久と火力に回した型です。 素早さは「最速70族(キノガッサなど)」を抜けるラインまで落としています。 これ以上素早さを下げると、中速の激戦区に埋もれてしまい、役割対象である鈍足アタッカーにも先手を取られる可能性があるため、ここが最低ラインです。
HPに厚く振ることで、不一致の「じしん」や、等倍の特殊技なら余裕を持って耐えることができます。 特に、テラキオンは特防種族値が「90」と平均的ですが、H振りをすることで特殊アタッカーとの打ち合いにも強くなります。 「じゃくてんほけん」を持たせて、あえて弱点技を受けて攻撃を2段階上昇させ、返しの一撃で全抜きを狙う動きが非常に強力です。
技構成と「発動時間」の深い関係
努力値と同じくらい重要なのが、技構成です。 今作では「威力」だけでなく「発動時間」を見て技を選ぶ必要があります。 テラキオンの主要技を分析しましょう。
必須級のメインウェポン
- インファイト(威力120 / 時間12)
- 評価:必須
- 最強の格闘技です。耐久が下がるデメリットと、発動時間が「12」と長めなのがネックですが、それを補って余りある火力があります。ここぞという場面でのフィニッシャーとして使います。AS型ならデメリットを無視して上から殴り続けられる可能性があります。
- ストーンエッジ(威力100 / 時間10)
- 評価:優先度高
- 岩技のメインウェポン。命中不安(80%)が常に付きまといますが、急所ランクが高い仕様は健在。発動時間が「10」と標準的なので、インファイトよりは隙が少ないです。
- せいなるつるぎ(威力90 / 時間8)
- 評価:超重要
- 今作のテラキオンを支える神技です。威力はインファイトに劣りますが、**発動時間が「8」**というのが破格の性能。素早さが高いテラキオンがこの技を使うと、相手が動く前にもう一度自分のターンが回ってくることが頻繁にあります。特に「みがわり」持ちや、積み技を使ってくる相手に対して、相手の能力変化を無視して連打できるのが強すぎます。ランクマではインファイトと両採用も十分にあり得ます。
選択肢となるサブウェポン・変化技
- つるぎのまい(時間15)
- 評価:崩し枠
- 発動時間が「15」と非常に重いです。使った直後に相手に連続行動されるリスクがあります。しかし、攻撃2段階上昇は魅力的。使うなら、相手の交代際か、確実に耐えられる対面で。
- でんこうせっか(威力40 / 時間3)
- 評価:テクニカル枠
- 発動時間「3」という驚異的な速さ。ミリ残しの相手を削り取るだけでなく、行動順を微調整するために使えます。
- アイアンヘッド(威力80 / 時間8)
- 評価:フェアリー対策
- テラキオンの弱点であるフェアリータイプへの打点。発動時間が短いので、怯み狙いと合わせて行動回数を稼げます。
対・環境メタ考察:メガセグレイブをどう倒すか?
M次元ラッシュ環境で避けて通れないのが、トップメタである「メガセグレイブ」の存在です。 こいつをどう処理するかで、テラキオンの価値が決まります。
メガセグレイブの基本データ(推測含む)
- タイプ:ドラゴン・こおり
- 素早さ種族値:恐らくメガシンカにより上昇し、100〜115付近の激戦区にいると予想されます。
- 特性:こおりのスキン(仮)等による超火力物理アタッカー
テラキオンでの対策
テラキオンは「いわ・かくとう」タイプなので、メガセグレイブの「こおり」技を半減で受けられます。 一方で、相手からの「じしん」や「つららばり(地面テラス等)」が怖いです。
【立ち回り】 最速AS型であれば、メガセグレイブの上を取れる可能性が高いです。 「インファイト」または「せいなるつるぎ」で弱点を突けば、致命傷を与えられます。 ただし、相手も「りゅうのまい」等の積み技を使ってくる可能性があります。 その場合、「せいなるつるぎ」の「相手の能力変化を無視する」効果が刺さります。 メガセグレイブが防御を上げていようが関係なく、弱点を突いて貫通できるのがテラキオンの最大の強みです。
したがって、対メガセグレイブを意識するなら、「せいなるつるぎ」の採用は必須と言えます。
おすすめの持ち物
努力値振りを活かすための持ち物を紹介します。
1. こだわりハチマキ
- 相性:いじっぱりAS型、HA型
- 火力を底上げし、サイクル戦での負荷を最大化します。
- 「インファイト」で等倍相手も消し飛ばす火力が手に入ります。
2. きあいのタスキ
- 相性:ようきAS型
- 行動保証を得るためのアイテム。
- 弱点が多いテラキオンにとって、確実に一回動ける安心感は絶大です。
- 先発性能を高めたいならこれ一択。
3. いのちのたま
- 相性:ようきAS型
- 技の打ち分けができつつ、火力を補強できます。
- 「つるぎのまい」と合わせて全抜きを狙うエース運用向け。
4. クリアチャーム
- 相性:全型
- 環境に多い「いかく」や、「こごえるかぜ」等の能力ダウン技を無効化します。
- 火力を維持し続けるために地味ながら優秀なアイテムです。
テラキオンと相性の良い味方
テラキオンをパーティに入れる際、相棒としておすすめのポケモンを紹介します。
1. クレセリア
テラキオンの弱点である「エスパー」「かくとう」「じめん」を受けられる浮遊枠。 「みかづきのまい」で、消耗したテラキオンを全回復させて再降臨させる動きが凶悪です。 「トリックルーム」を使えば、HAベースのテラキオンが暴れまわる舞台も整えられます。
2. ハッサム
テラキオンが苦手な「フェアリー」「エスパー」「くさ」に強く出られます。 ハッサムの「とんぼがえり」から、有利対面を作ってテラキオンを着地させる動きがシンプルかつ強力。 相性補完に優れ、古来より「ハッサム・テラキオン」の並びは有名です。
3. カプ・コケコ(または高速電気枠)
テラキオンが苦手な「みず」タイプを牽制できます。 「エレキフィールド」を展開すれば、催眠対策にもなり、テラキオンが安心して攻め込めます。 また、ボルトチェンジでの対面操作も優秀です。
厳選と育成のポイント(補足)
最後に、育成における注意点をいくつか補足しておきます。
オシャボ厳選について
記事前半の情報ソースにもあった通り、テラキオンは「ヘビーボール」に入れるのがトレンドであり、ビジュアル的にも最高です。 メタリックな質感と重量感が、テラキオンの「厳格な剣士」のようなイメージに完璧にマッチします。 対戦で繰り出した瞬間、「おっ、こいつわかってるな」と相手に思わせる精神的アドバンテージも見逃せません。 個体値厳選ができない仕様上、ボール厳選にはこだわりたいところです。
「王冠」と「ミント」の活用
今作ではレベル50以上で「すごいとっくん(王冠使用)」が可能です。 入手したテラキオンの個体値が低くても、すぐに理想個体に仕上げられます。 性格も「ミント」で変更可能なので、捕獲時は性格や個体値を気にせず、とにかく「オシャボに入れること」と「色違いを狙うこと」に集中しましょう。
まとめ
M次元ラッシュのランクマにおけるテラキオンは、環境に刺さっている強力なアタッカーです。 そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえた努力値調整が必要です。
- 基本は「ようきAS252」:最速で上を取り、行動回数を最大化する。
- 技の「発動時間」を意識:「せいなるつるぎ」の回転率を活かす立ち回り。
- 対メガセグレイブ:能力変化無視の攻撃でメタを張る。
- 相性補完:ハッサムやクレセリアで弱点をカバーし、何度も場に出す。
あなたのパーティの足りないピースを埋めるのは、この屈強な聖剣士かもしれません。 ぜひ、この記事を参考に最強のテラキオンを育て上げ、ランクマッチの頂点を目指してください。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。




















