編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、開催期間の短いメガマスターリーグで勝ちきれず、最強のパーティ構築や立ち回りが気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、現環境におけるゲンシグラードンを軸としたパーティでのレジェンド到達への道筋と、具体的な立ち回りの疑問が解決しているはずです。
- フラージェスを初手に置く環境適応の理由
- ゲンシグラードンの圧倒的耐久と火力
- オリジンパルキアによる詰めと相性補完
- レジェンド到達に必要なメンタルと技読み
この記事を読めば、きっと問題が解決できるはず。
メガマスターリーグにおけるゲンシグラードンの復権と環境考察
今シーズンのメガマスターリーグは、まさに怪獣大戦争と呼ぶにふさわしい環境となっています。その中でも、私がレジェンド達成という結果を持って「結論」と断言できるのが、ゲンシグラードンをメガ枠(ゲンシカイキ枠)に据えた構築です。
なぜ今、ゲンシグラードンなのか。多くのトレーナーがメガレックウザやゲンシカイオーガに注目する中で、地面・炎という複合タイプ、そして圧倒的なステータスを持つこのポケモンの真価を再確認する必要があります。
環境を支配するドラゴンとフェアリーの相性関係
現在のマスターリーグ環境は、ディアルガ(オリジン含む)、パルキア、ジガルデ、そしてザシアンを中心としたドラゴン・フェアリー環境です。ここにメガ枠としてメガレックウザやメガガブリアスが加わることで、ドラゴンの通りが非常に良くなると同時に、それらを狩るフェアリーの重要度が増しています。
この環境下において、ゲンシグラードンは「ドラゴン技を等倍で受けられる」という点こそありませんが、圧倒的な種族値による耐久力でゴリ押しが可能です。さらに、専用技「だんがいのつるギ」の破壊力は、等倍であればほとんどのポケモンを致命傷に追い込めます。
水タイプへの意外な耐久性能
今回の検証と実践で明らかになった驚くべき事実は、ゲンシグラードンの対水性能です。本来、地面・炎タイプのゲンシグラードンは水技が「2重弱点」となります。しかし、今回の実戦データ(レート2979帯での対戦含む)では、本来致命傷になるはずの「ヒヤミズ」や、場合によっては「アクアテール」といった技を耐えきるシーンが確認されました。
これは単なる数値上のバグではなく、ゲンシグラードンのHPと防御の種族値が極限まで高いため、タイプ相性の不利をステータスの暴力で覆していると言えます。この「計算外の耐久」こそが、相手のプランを崩し、勝利をもぎ取る鍵となるのです。
レジェンド達成パーティの構成詳細
今回レジェンドを達成したパーティ構成は以下の通りです。この3体のシナジーは、現在の環境メタに完全に刺さっていると確信しています。
| 役割 | ポケモン名 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| 初手 | フラージェス | ようせいのかぜ | ムーンフォース | チャームボイス |
| 交代 | ゲンシグラードン | マッドショット | だんがいのつるぎ | ほのおのパンチ |
| 大将 | パルキア(オリジン) | りゅうのいぶき | アクアテール | あくうせつだん |
このパーティのコンセプトは明確です。「初手でドラゴンや悪を牽制し、不利対面はゲンシグラードンで強引にまくり、最後はパルキアでスイープする」という黄金パターンです。
初手フラージェスの採用理由と強み
初手にザシアンやゼルネアスではなく、あえてフラージェスを採用している点には深い理由があります。
- 技の回転率: 「ようせいのかぜ」によるゲージチャージ速度は驚異的です。ザシアンの「バークアウト」やゼルネアスの「ジオコントロール(要チャージ)」とは異なる、即効性と回転力を持っています。
- タイプ一致ムーンフォース: ザシアンはフェアリー技をタイプ一致で打てませんが(※じゃれつく採用型を除くが主流はインファ/ワイボ)、フラージェスはタイプ一致の高火力ムーンフォースを放てます。
- 対ドラゴン性能: 初手に多いディアルガやパルキア、そしてカイリューやジガルデに対して圧倒的な圧力をかけられます。
- 意表を突く: メジャーな伝説ポケモンではないため、相手がダメージ感覚を見誤ることが多々あります。「チャームボイス」でのブラフや確実な削りも優秀です。
交代枠ゲンシグラードンの制圧力
引き先(クッション)としてゲンシグラードンを採用する動きは、一見リスクが高いように見えます。カイオーガやギャラドスが出てきたら終わりではないか?と思われるでしょう。
しかし、前述の通り中火力の水技なら耐えて反撃が可能です。「マッドショット」による高速チャージから放たれる「ほのおのパンチ」はシールド剥がしとして優秀ですし、「だんがいのつるぎ」が通ればカイオーガですら瀕死に追い込めます。
この枠にゲンシグラードンを置く最大のメリットは、**「相手のシールドを強制的に剥がせる」**点にあります。その攻撃力の高さゆえに、相手は等倍技であってもシールドを貼らざるを得ない状況に追い込まれます。これにより、ラスイチのパルキアを通す準備が整うのです。
大将パルキア(オリジン)の決定力
ラストを飾るのはオリジンフォルムのパルキアです。現環境最強の一角であり、その強さは疑いようがありません。
- りゅうのいぶき: ダメージソースとして優秀。削り残しを起点にする性能が高い。
- アクアテール: 優秀なブラフ技であり、ゲンシグラードンが苦手な地面タイプや、ホウオウなどの炎タイプへの打点となります。
- あくうせつだん: 専用技。威力が高いだけでなく、相手の攻撃力を下げる等の付加効果(※本家性能だがGOでは単純な高火力技として運用)がなくとも、そのDPE(エネルギー対ダメージ効率)は最高峰です。
シールドが無い状態でのパルキア同士の殴り合いや、対ディアルガ戦において、「あくうせつだん」の存在が勝利を決定づけます。
実践的な立ち回りと対面解説
ここでは、実際の対戦における具体的な立ち回りを、仮想敵ごとに解説していきます。レジェンドランク帯での戦いは、単なるじゃんけんではなく、緻密なエネルギー管理と心理戦が必要です。
対 ザシアン(初手)
初手ザシアンは非常に多い対面です。こちらはフラージェスですので、タイプ相性的には有利です。
- 基本方針: 突っ張ります。相手の「インファイト」や「ワイルドボルト」は等倍ですが、こちらの「ムーンフォース」は抜群です。
- 注意点: 相手が即交代してくるケースが多いです。その場合、こちらも即座にゲンシグラードンではなく、相手の交代先を見てから適切な対応(基本はグラードン追う形になりますが、相手がカイオーガ等の場合はパルキア投げも考慮)をします。
- 心理戦: ザシアン側が引かずに突っ張ってくる場合、アイアンヘッドを持っている可能性がありますが、現在は採用率が下がっています。強気に攻めて問題ありません。
対 ディアルガ(初手)
ディアルガに対してもフラージェスは有利に動けます。
- 立ち回り: 「りゅうのいぶき」は半減ですが、「アイアンヘッド」は抜群で受けます。シールドを1枚使いつつ、ムーンフォースを当てにいきます。
- 起点作り: もしディアルガが引いてきた場合、裏から出てくるポケモンに対してフラージェスで削れるだけ削り、倒された後にゲンシグラードンで起点にする動きが強力です。
対 メガギャラドス・カイオーガ(苦手対面)
これらが相手のパーティにいる場合、特にゲンシグラードンとの対面を作られると厄介です。
- 対メガギャラドス: 水・悪タイプですが、フラージェスのフェアリー技が抜群で通ります。初手対面なら圧倒的有利。裏から出てきた場合は、パルキアのりゅうのいぶきでゴリ押すか、ゲンシグラードンのだんがいのつるぎを通す(シールドを使わせる)動きが必要です。
- 対カイオーガ: 最も警戒すべき相手です。しかし、動画の実践データにもあるように、ゲンシグラードンは意外と耐えます。諦めずに「だんがいのつるぎ」を打ち込む勇気が大切です。シールドアドバンテージを取れていれば、パルキアで処理可能です。
交代受けとCCT(Cycle Control Technique)の重要性
レジェンド帯で勝つためには、単に技を打つだけでなく、高度なテクニックが求められます。
- 交代受け: 相手のゲージ技(例:ザシアンのインファイトやカイオーガのなみのり)のタイミングを読み、耐性のあるポケモン(このパーティならパルキアやフラージェス)で受ける技術です。これによりダメージレースで優位に立ちます。
- 技回数のカウント: マスターリーグはポケモンの種類が限られているため、技回数の暗記は必須です。「りゅうのいぶき」何回で「アクアテール」が溜まるのか、正確に把握することで、相手のブラフを見抜くことができます。
レジェンド到達へのメンタル管理:「ゾーン」に入る
技術論と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがメンタルです。実況解説でも触れられていましたが、レジェンドに到達する日は「何かが違う」感覚に陥ることがあります。いわゆる「ゾーン」に入った状態です。
ゾーン状態の特徴
- 相手の思考が読める: 「ここはブラフでアクアテールを打ってくる」「ここは強気にあくうせつだんを打ってくる」といった読みが、手に取るように分かります。
- カウントが完璧: 普段なら焦って数え間違える技回数が、無意識レベルで正確にカウントできます。
- 勝ち筋が見える: 劣勢な状況でも、「ここでこう交代して、起点を作れば勝てる」という細い勝ち筋が瞬時に脳裏に浮かびます。
スランプの脱却とモチベーション維持
レートが停滞した時、どうすれば良いのでしょうか。 私が実践しているのは、**「目標の先に別の楽しみ(ご褒美)を用意する」**ことです。
例えば、「レジェンドに行けたら美味しいものを食べる」「好きな映画を見る」といった単純なもので構いません。実況解説ではかなり過激な(ここでは伏せますが)モチベーション管理術が語られていましたが、要は「脳を興奮状態にし、集中力を極限まで高める」ことが目的です。
また、負けが込んだ時は潔く休憩することも重要です。集中力が切れた状態でのプレイは、判断ミスを招き、さらなるレート低下の悪循環を生みます。「今日は調子が良い」と感じた時こそ、フルセット(5セット)を消化し、一気にレートを上げる。このメリハリがレジェンドへの近道です。
パーティの弱点と対策
無敵に見えるこのパーティにも弱点は存在します。
- ホウオウ: 「やきつくす」の威力と「せいなるほのお」の攻撃ダウンが厄介です。パルキアのアクアテールで迅速に処理する必要があります。
- ルギア: 高耐久で、こちらの攻撃を受け流してきます。ゲンシグラードンのストーンエッジ(今回は採用していませんが)がないと泥仕合になりがちです。基本はパルキアで崩します。
- マンムー・氷タイプ: グラードン、パルキア、フラージェス(等倍)と、全体的に氷の通りが良いわけではないですが、パルキアとグラードンにとっては脅威です。特にシャドウマンムーの雪雪崩は壊滅的な被害を受けます。フラージェスで確実に処理することが求められます。
まとめ:今こそゲンシグラードンを信じろ
今回のレビュー記事では、メガマスターリーグにおけるゲンシグラードン軸のパーティについて解説しました。
- 環境適合: ゲンシグラードンは水技すら耐える耐久を持ち、現環境のメガ枠として最適解の一つである。
- 役割分担: フラージェスでドラゴンを狩り、グラードンで荒らし、パルキアで締める黄金リレー。
- プレイスキル: 技カウントと交代受け、そして強気の読みが勝敗を分ける。
- メンタル: 「ゾーン」に入る集中力と、モチベーション管理がレジェンド到達の最後のピース。
レート3000、レジェンドの称号は決して遠い夢ではありません。このパーティ構成は、使い手であるあなたのポテンシャルを120%引き出す力を持っています。
残り少ないシーズン期間、ぜひこのパーティを参考に、自信を持ってメガマスターリーグに挑んでください。あなたのレジェンド達成を心から応援しています。
【筆者プロフィール】 桐谷 シンジ ゲーム攻略ライター・編集デスク。 あらゆるジャンルのゲームをやり込むが、特にポケモンGOのPvPには並々ならぬ情熱を注ぐ。論理的な分析と、情熱的な精神論を融合させた攻略スタイルが持ち味。最高レートはレジェンド帯常連。






