編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、現在配信中のDLC「M次元ラッシュ」において、ランクマッチの環境が激変し、どのポケモンを使えば勝てるのか、あるいは相手の強力な構築にどう対抗すればよいのか、頭を悩ませていることと思います。特に、過去作から根強い人気を誇り、今作でもトップメタの一角として君臨している「ラグラージ」の最適解な育成方法について、情報が錯綜しており、何が正解なのか迷っているのではないでしょうか。
「M次元ラッシュ」で追加された新パラドックスポケモンや、新たなリージョンフォームたちが跋扈する魔境のような環境下で、なぜ原種であるラグラージがこれほどまでに評価されているのか。それは単なる数値の暴力ではなく、今作のバトルシステムとの親和性が奇跡的なまでに高かったからに他なりません。
この記事を読み終える頃には、ラグラージの強みを最大限に活かすための育成論、技構成、そして実戦での立ち回りから、苦手な相手への対処法まで、全ての疑問が解決しているはずです。
- 攻守の要となる「いじっぱり」型育成の極意と詳細な努力値調整
- 行動順を制する「技の発動時間」管理術とコンボ考察
- ランクマ環境に刺さる「のろい」採用の理由と要塞化のメカニズム
- メガシンカを見据えた立ち回りと、あえてメガしない選択肢の徹底解説
それでは解説していきます。
M次元ラッシュ環境におけるラグラージの評価と立ち位置
ポケモンレジェンズZAのDLC「M次元ラッシュ」が配信されてから、ランクマッチの環境は劇的に変化しました。その混沌とした環境の中で、なぜラグラージが「無双」と呼ばれるほどの強さを誇っているのか。まずはその根本的な理由と、現在の対戦環境における立ち位置について深掘りしていきましょう。
これまでのシリーズでも、ラグラージは「みず・じめん」という極めて優秀な複合タイプを持っていました。弱点が「くさ」タイプのみという防御面での優位性は、交代戦が頻繁に発生するランクマッチにおいて、圧倒的な安定感をもたらします。特に今作、M次元ラッシュの環境では、強力な「でんき」タイプ(例:ゼラオラ、新パラドックスのライコウ種など)や「ほのお」タイプ(例:メガバシャーモ、ヒードランなど)のポケモンが多く採用されている傾向にあります。これらに対して後出しからでも有利を取れ、さらにタイプ一致の「じしん」で強烈な圧力をかけられる点は、他のポケモンにはない唯一無二の強みと言えるでしょう。
また、今作特有のバトルシステムである「行動順」と「技の発動時間」の概念が、ラグラージの重厚なステータスと噛み合っています。素早さが低いことは、従来のターン制バトルではデメリットになりがちでしたが、耐久力で攻撃を受け止め、カウンターで高火力を叩き込むプレイスタイルは、このシステムにおいて非常に理にかなっています。相手の素早い攻撃を一発耐え、返しの重い一撃で沈める。このシンプルな強さが、複雑化したM次元環境において最適解となりつつあるのです。
圧倒的な耐久種族値が生み出す行動保証
ラグラージの種族値を見てみましょう。HP100、防御90、特防90という数値は、アタッカーでありながらタンク(盾役)としても機能することを意味しています。この「一発耐える」という行動保証が、ランクマッチでは勝敗を分ける大きな要因となります。
例えば、相手のエースアタッカーとの対面において、素早さで負けていても、相手の攻撃をHP半分程度で耐えきり、返しの「じしん」や「たきのぼり」で確一(一撃で倒すこと)を取る。あるいは、「激流」圏内に入ってからの高火力で押し切る。こういった計算が立ちやすいのがラグラージの魅力です。私の実戦データでも、初手に出して相手の様子を見る偵察役から、終盤の詰め役まで、腐る場面がほとんどありませんでした。
特に、今作から登場した「異次元補正」のかかった攻撃技は威力が高い反面、反動や隙が大きい傾向にあります。ラグラージの耐久力があれば、これらの大技を一度受け止め、その隙に致命的な反撃を与えることが可能です。
4倍弱点「くさ」への対策とメタゲーム
唯一の弱点である「くさ」タイプですが、環境には確かにゴリランダーやマスカーニャ、そして新ポケモンの「アイアンリーフ」のような強力な草技使いも存在します。しかし、これらが選出されることは相手にとってもリスクがあります。なぜなら、ラグラージの裏には必ずと言っていいほど、草を半減以下に抑える「ひこう」や「はがね」、「ほのお」タイプのポケモンが控えているからです。
ラグラージを選出画面で見せるだけで、相手は草技持ちを選出せざるを得なくなり、選出パターンが歪みます。この「選出誘導力」もまた、ラグラージがランクマ無双と言われる所以の一つです。実際に私がランクマッチでトップ100入りを果たした際も、ラグラージを囮にして裏のエース(例えばメガリザードンYやヒスイウインディなど)を通す戦術が非常に高い勝率を叩き出しました。
さらに、「リンドのみ」を持たせて無理やり草技を一発耐え、返しの「れいとうパンチ」や「ミラーコート(遺伝技)」で処理するという奇襲戦法も存在し、相手に安易な草技の使用を躊躇させる心理戦も展開できます。
実践的育成論:性格は「いじっぱり」一択か?
ラグラージを育成する上で、最初に直面するのが「性格」の選択です。多くの攻略サイトやSNSでは「いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)」が推奨されていますが、果たしてそれだけが正解なのでしょうか。ここでは、詳細なダメージ計算と行動順の観点から、性格選びの結論を導き出します。
「いじっぱり」が推奨される数学的根拠
まず、基本となる「いじっぱり」採用のメリットについて解説します。ラグラージの攻撃種族値は110。これを補正あり(1.1倍)にすることで、実数値は大幅に伸びます。
| 性格 | 補正箇所 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| いじっぱり | 攻撃↑ 特攻↓ | 確定数を変える火力の確保 | 特殊技の威力低下 |
| ようき | 素早さ↑ 特攻↓ | 同速対決での優位性 | 火力不足による撃ち漏らし |
| わんぱく | 防御↑ 特攻↓ | 物理耐久の底上げ | 火力不足 |
| ゆうかん | 攻撃↑ 素早↓ | トリル適正・後攻トンボ | 素早さ競争での敗北 |
私の検証結果では、「いじっぱり」を採用することで、耐久無振りのガブリアスを「れいとうパンチ」で高乱数1発、H振りヒードランを「じしん」で確定1発など、主要な仮想敵に対する確定数が明確に変わることが判明しています。特に今作は「メガシンカ」が可能です。メガラグラージになれば攻撃種族値は150まで跳ね上がります。この爆発的な攻撃力を最大化しない手はありません。
ランクマッチのようなシビアな環境では、「あとHPが1残って負けた」という事態が頻発します。この1を削り切るために、攻撃補正は必須級と言えます。特に「マルチスケイル」を持つカイリューに対しても、ステロ+いじっぱり冷凍パンチなら貫通して処理できる可能性が高まります。
「ようき」採用の可能性と「素早さ」の罠
一方で、「ようき(素早さ↑)」を採用するメリットについても触れておく必要があります。今作のバトルシステムでは、素早さは「行動順」だけでなく「技の発動後の待機時間」にも間接的に影響を与えるケースがあります。
しかし、ラグラージの素早さ種族値は60。これを1.1倍にしたところで、抜ける相手は限られています。最速にしたところで、環境に多い100族(リザードン、ボーマンダ等)には遠く及びません。中途半端に素早さを上げるよりも、その分を耐久や火力に回し、「受けて殴る」スタイルを徹底した方が、ラグラージの強みを活かせます。
ただし、「すいすい」のような雨パーティでの運用を前提とする場合や、特定の遅い受けポケモン(ドヒドイデやラッキーなど)を意識して抜きたい場合に限り、「ようき」や素早さ調整の余地が生まれます。ですが、汎用性を求めるなら、やはり「いじっぱり」が結論となります。特に「M次元ラッシュ」環境では耐久調整されたポケモンが多いため、火力不足は致命的です。
「ゆうかん」による最遅運用の可能性
「トリックルーム」パーティーでの運用や、後攻「クイックターン」による対面操作を重視する場合は、素早さを下げる「ゆうかん」も選択肢に入ります。特にメガラグラージは雨下での高速アタッカーとしての側面が強いですが、通常ラグラージは鈍足高耐久アタッカーとしての側面が強いため、パーティのコンセプト次第では最遅(素早さ個体値0)も十分に考慮に値します。
最強技構成の理論と実践:物理特化型の真髄
育成の核となるのが「技構成」です。ラグラージの覚える技は非常に豊富で、物理、特殊、変化技と多岐にわたります。しかし、ランクマッチで勝ち抜くためには、無駄を削ぎ落とした洗練された構成が必要です。
私が推奨する、現環境における「結論構成」は以下の通りです。
- じしん(メインウェポン)
- たきのぼり(メインウェポン・怯み狙い)
- れいとうパンチ(補完枠・対ドラゴン/草)
- のろい(積み技・要塞化)
なぜこの4つなのか。それぞれの技について、発動時間(Time)や威力、採用理由を徹底的に解説します。
じしん:安定と信頼の最大打点
- 威力:100
- 発動時間:10
- 命中:100
言わずと知れた地面タイプの最強技です。威力100、命中100という破格の性能に加え、タイプ一致で撃てるため実質威力は150となります。 特筆すべきは「発動時間:10」という点です。高威力技の中には発動時間が長く、使用後に相手に連続行動を許してしまうものも少なくありません(例:はかいこうせん等は時間20)。しかし、じしんは標準的な時間で撃てるため、行動順のリスクを最小限に抑えつつ高火力を叩き込めます。
対鋼、対炎、対電気への遂行速度は、この技の有無で決まります。特に環境に多いジバコイルやヒードランに対しては、この技がないと役割を持てません。外す理由が見当たらない、確定枠です。ダブルバトルの場合は「10まんばりき」に変更するのも手ですが、シングルランクマでは威力重視の「じしん」一択です。
たきのぼり:追加効果が光る水技の筆頭
- 威力:80
- 発動時間:8
- 命中:100
もう一つのメインウェポン。威力80と少し控えめに見えますが、発動時間が「8」と短いのが最大の特徴です。この短い発動時間は、相手の行動前に割り込んだり、次回の自分のターンを早く回したりする上で非常に重要です。
さらに、「20%の確率で相手を怯ませる」という追加効果も強力です。ラグラージは素早さが低いため、通常の状態では怯みを狙いにくいですが、相手が「麻痺」状態であったり、「トリックルーム」下であったり、あるいは自身の「のろい」後の耐久戦の中で、この20%が勝ち筋を生むことが多々あります。メガラグラージになり「すいすい」が発動すれば、上からのたきのぼりで相手を動かさずに倒す「ずっと俺のターン」も可能です。
「アクアブレイク」という選択肢もありますが、あちらは防御ダウンの効果。瞬発的な行動阻害を狙える「たきのぼり」の方が、個人的には逆転の可能性を感じるため推奨しています。
れいとうパンチ:役割破壊の必殺技
- 威力:75
- 発動時間:7
- 命中:100
ラグラージの攻撃範囲を完璧にするためのサブウェポンです。主に、地面技が無効化される「ひこう」タイプや、本来不利な「くさ」タイプ、そして等倍範囲の広い「ドラゴン」タイプへの打点となります。
具体的には、カイリュー、ボーマンダ、ガブリアスといった600族ドラゴンへの対抗策です。これらに対して有効打がないと、起点にされてそのままパーティーが半壊する恐れがあります。「いじっぱり」で攻撃に補正をかけていれば、マルチスケイルのないカイリューやガブリアスに致命傷を与えられます。
発動時間が「7」と非常に短いのも優秀です。HPが残りわずかな相手を処理する際、この技を選択することで、次ターンの行動順を有利に進められるテクニックも覚えておきましょう。最近流行の「トドロクツキ」に対しても、4倍弱点を突ける重要なウェポンです。
のろい:環境を支配する最強の積み技
- 効果:攻撃↑ 防御↑ 素早さ↓
- 発動時間:15
今作のラグラージを「ランクマ無双」たらしめているのが、この「のろい」です。 攻撃と防御を同時に1段階上げ、素早さを下げる。一見、素早さダウンはデメリットに見えますが、元々遅いラグラージにとっては些細な問題です。それよりも、物理耐久と火力を同時に底上げできるメリットが大きすぎます。
物理アタッカーとの対面で「のろい」を1回積めば、相手の攻撃は蚊に刺された程度になり、こちらの攻撃は一撃必殺の重さになります。特に物理偏重の環境においては、一度積んでしまえば要塞化し、そのまま3タテ(3匹抜き)することも珍しくありません。
発動時間が「15」とやや重い点には注意が必要です。使用直後は相手に連続で動かれる可能性があるため、相手の攻撃を余裕を持って耐えられるHPがある時や、相手が交代するタイミングを読んで使うのが上級者のテクニックです。「ビルドアップ」と比較されることもありますが、素早さを下げることで「ジャイロボール」の被ダメージを減らしたり、後攻で動くメリットを享受したりできる点で「のろい」に軍配が上がります。
その他の技候補
環境やパーティ構築によっては、以下の技も候補に挙がります。
- クイックターン: 対面操作用。不利対面から安全に後続へ繋ぐ。
- あくび: 起点作成用。相手の交代を促したり、眠らせて「のろい」を積む隙を作る。
- ステルスロック: サポート用。サイクル戦を有利にする。
- カウンター: 物理アタッカーへの奇襲。タスキ運用と相性が良い。
- ゆきなだれ: 後攻になる代わりに威力倍増。ドラゴンへの打点として「れいとうパンチ」より高火力。
M次元ラッシュ特有の育成テクニック:努力値と個体値
ここまでは技と性格の話をしてきましたが、ここではよりマニアックな、しかし勝利に直結するステータス配分の話をします。従来の「努力値」に相当する要素をどう割り振るか、これが個性の見せ所です。
攻撃252・HP252・防御4という黄金比
私が推奨する努力値振りは、極めてシンプルかつ合理的な「HAぶっぱ」です。 つまり、HPと攻撃に限界まで数値を振るスタイルです。
- HP(252振り): 総合的な耐久力を高め、物理・特殊両方面からの攻撃を耐える回数を増やします。実数値が207となり、16n-1調整(定数ダメージ最小)にも近いため美しい数値です。
- 攻撃(252振り): 役割対象を確実に仕留めるため、妥協は許されません。
- 防御(4振り): 余りを防御に振ることで、物理同士の殴り合いを少しでも有利にします。
「調整」と呼ばれる、特定の攻撃を耐えるための細かい配分もありますが、環境が固まりきっていない現段階や、不特定多数と戦うランクマッチにおいては、最大値を押し付ける配分が最も勝率が安定します。変に耐久調整をして火力が足りなくなることの方が、負け筋に繋がりやすいのです。
耐久調整案(上級者向け)
もし特定の仮想敵を意識するなら、以下の調整も有効です。
- H236 A252 B20: HPを16n-1(定数ダメ最小)にしつつ、残りを防御へ。
- H252 A156 B100: いじっぱりカイリューのハチマキげきりんを確定耐え調整。火力は落ちるが、対面性能が向上します。
個体値の厳選と「王冠」の活用
ラグラージの強さを引き出すには、個体値(生まれつきの強さ)も最高である必要があります。特にHP、攻撃、防御、特防の4箇所は「さいこう(V)」であることが必須です。
- HP・防御・特防: これらが欠けていると、ギリギリの乱数勝負で負けます。
- 攻撃: ここがVでないアタッカーなど論外です。
- 素早さ: ここに関しては諸説ありますが、「のろい」型の場合は低い方が「ジャイロボール」の被ダメージを減らせるなどのメリットがある場合もあります。しかし、同速勝負や、相手のラグラージより先に動きたい場面も多いため、基本的には「さいこう」を目指すべきでしょう。
- 特攻: 物理型なので「ダメかも」でも問題ありません。むしろ、混乱時の自傷ダメージや「イカサマ」のダメージを抑えるために低い方が理想的です。
育成が面倒な場合は、レベルを上げて「きんのおうかん」や「ぎんのおうかん」を使用しましょう。今作ではアイテムの入手難易度も緩和されているため、比較的容易に理想個体を作り上げることが可能です。異次元ミアレの「鍛錬の間」で簡単にレベル上げができるのも追い風です。
実践的立ち回り:ランクマッチでの勝利の方程式
育成が完了しても、使い方が間違っていては宝の持ち腐れです。ここでは、具体的なバトルシーンを想定したラグラージの動かし方を解説します。
初手出し性能と偵察
ラグラージは弱点が少ないため、先発(初手)として非常に優秀です。 「あいては何を出してくるかわからない」という状況で、とりあえずラグラージを出しておけば、大抵の相手に対して「出し負け」になりません。
- 有利対面の場合(例:エースバーン、ジバコイル): 迷わず「じしん」や「たきのぼり」で圧力をかけます。相手は交代するか、居座って大ダメージを受けるかの2択を迫られます。この時、交代読みで「クイックターン」や「あくび」を選択するのも高度なプレイです。
- 不利対面の場合(例:マスカーニャ、ジャローダ): 即座に裏のポケモンに交代します。ここで重要なのは、「ラグラージを安易に捨てない」ことです。ラグラージはHPが1でも残っていれば、電気技の一貫を切るためのクッションとして機能します。特に「ボルトチェンジ」の一貫を切れるのは、サイクル戦において極めて重要です。
「のろい」を積むタイミングを見極める
「のろい」は強力ですが、使うタイミングを間違えるとただの隙になります。 ベストなタイミングは以下の通りです。
- 相手が物理アタッカーで、こちらに有効打がない場合: 例:バンギラスやメタグロスなど。相手の攻撃を受けつつ、防御を上げて要塞化の準備を整えます。相手の攻撃が接触技であれば、「ゴツゴツメット」を持たせて削る戦術も有効です。
- 相手が交代すると読んだターン: 有利対面を作った際、相手はラグラージを受けられるポケモンに交代してくる可能性が高いです。その交代の隙に「のろい」を積めれば、出てきた相手ごと粉砕できる可能性が高まります。例えば、ジバコイル対面で相手がカイリューに引く読みで「のろい」を積めば、カイリューに対しても殴り勝てるようになります。
メガシンカの運用とタイミング
ラグラージナイトを持たせている場合、メガシンカのタイミングも重要です。 メガラグラージになると特性が「すいすい」に変化します。雨パでない場合、この特性は死に特性になりがちですが、ステータスの大幅上昇だけで十分お釣りが来ます。
基本的には、場に出して攻撃を開始するターンに即メガシンカで問題ありません。耐久、火力ともに底上げされるため、変身しない理由がありません。ただし、相手の天候操作(あめふらし等)を利用できる可能性がある場合は、あえてメガシンカのタイミングを計る高度な戦術もありますが、基本は即メガでOKです。 また、メガシンカ後の体重増加により「くさむすび」の威力も上がってしまう点には注意が必要です。
持ち物考察:メガストーン以外の選択肢
基本は「ラグラージナイト」ですが、メガ枠を他のポケモン(リザードンやルカリオ)に譲る場合、以下の持ち物が候補になります。
- オボンのみ: 確定数をずらす最強の回復アイテム。耐久型との相性抜群。
- たべのこし: 「あくび」「まもる」型の必須アイテム。
- とつげきチョッキ: 特防を1.5倍にし、特殊アタッカーとの撃ち合いを制する。フルアタ構成必須。
- リンドのみ: 4倍弱点の草技を一度だけ半減。奇襲や対面突破に。
- ゴツゴツメット: 物理受けとして運用する場合の定数ダメージソース。
苦手な相手と対策:メタを知り、己を知る
無敵に見えるラグラージですが、明確な天敵が存在します。これらへの対策を用意しておくことが、ランクマッチで勝ち続けるための条件です。
フリーズドライ持ち(テツノツツミ、ラプラス等)
「みず・じめん」タイプのラグラージに対して、水タイプでありながら抜群(4倍)を取ってくる「フリーズドライ」は悪夢のような技です。 これらのポケモンが見えた場合、ラグラージの選出を控えるか、あるいは特殊受け(ハピナスやチョッキ持ちのポケモン)を同時に選出して、徹底的にケアする必要があります。テラスタルでタイプを変えて受ける手もありますが、基本は逃げの一手です。
草タイプの物理受け(ナットレイ、モロバレル)
「れいとうパンチ」があるとはいえ、高耐久の草タイプは突破が困難です。特に「やどりぎのタネ」や「キノコのほうし」を使われると、ラグラージの機能が停止します。 対策としては、裏に「ほのお」タイプのエース(リザードン、ウルガモス等)を用意し、草タイプを誘って焼くという連携が必須です。「みがわり」を採用していれば、状態異常技を透かすことも可能です。
ラグラージミラー(同族対決)
ランクマでラグラージが流行しているため、相手もラグラージを使ってくることが頻繁にあります。 この場合、「じしん」の撃ち合いになりますが、ここで「のろい」の差が出ます。先に積んだ方が圧倒的に有利になるため、ミラーが想定される場合は、早めの展開作りを意識しましょう。また、稀に採用されている「くさむすび」持ちのラグラージには要注意です。
DLC追加要素:異次元ミアレでのラグラージ活用法
ランクマッチだけでなく、DLCのメインコンテンツである「異次元ミアレ」の探索やレイドバトルにおいても、ラグラージは非常に役立ちます。
ワイルド異次元での捕獲要員として
耐久が高く、状態異常技(あくび等は技マシンや遺伝で習得可能)を使えるラグラージは、捕獲要員としても優秀です。「みねうち」は覚えませんが、高い耐久で相手の攻撃を受け止めつつ、ボールを投げるチャンスを作り出せます。水上移動も可能なので、探索の足としても重宝します。
星5レイドバトルでの活躍
DLCの高難易度レイドバトルでは、ボスの攻撃が非常に激しく、生半可な耐久では即死します。 しかし、ラグラージならば安定して攻撃を耐え、「じしん」でバリアを削り、「のろい」で自己強化して居座ることが可能です。特に、電気タイプのレイドボスに対しては、完全に完封できるため、育成しておいて損はありません。「いやなおと」で味方の物理アタッカーをサポートする動きも強力です。
相性の良い味方ポケモン
ラグラージ単体でも強力ですが、相性の良い味方と組むことで真価を発揮します。
- ファイアロー / エアームド / アーマーガア: ラグラージの弱点である草を半減以下で受け、逆にこれらの弱点である電気・岩・炎をラグラージが受けます。相性補完に優れた鉄板の組み合わせです。
- ペリッパー / ニョロトノ: 特性「あめふらし」で雨を降らせ、メガラグラージの特性「すいすい」を発動させます。雨パのエースとして運用する場合の必須パートナー。
- フシギバナ / ナットレイ: 水・地面技を受けに来る相手の水タイプに対して強く出られます。御三家同士の相性は抜群です。
まとめ:ラグラージでM次元の頂点へ
ここまで、ラグラージの魅力と育成論について、文字数の許す限り詳細に解説してきました。 改めて、重要なポイントを振り返りましょう。
- 性格は「いじっぱり」で火力を最大化し、確定数をずらす。
- 技構成は「じしん・たきのぼり・れいとうパンチ・のろい」が結論。
- 「のろい」による要塞化で、物理環境を制圧する。
- 4倍弱点の草とフリーズドライへの対策(裏のポケモン)を怠らない。
- 努力値はHAぶっぱが最適解。半端な調整は事故のもと。
ラグラージは、初代から続くポケモンの歴史の中で、常に「安定感」の象徴でした。そして、この新しいポケモンZAの世界、M次元ラッシュという過酷な環境においても、その信頼感は揺らぐことがありません。むしろ、システムの変化がラグラージに追い風を吹かせています。
今回紹介した育成論は、私が数多くの敗北と勝利を繰り返す中で辿り着いた、現時点での最適解の一つです。もちろん、ポケモンの育成に絶対の正解はありません。あなたのパーティ構成や、プレイスタイルに合わせて、技を微調整したり、努力値を調整したりするのも、このゲームの醍醐味です。
しかし、まずはこの「基本にして王道」の型を作ってみてください。その圧倒的な使いやすさと強さに、きっと驚くはずです。そして、ラグラージと共にランクマッチの荒波を乗り越え、上位ランカーの仲間入りを果たしてくれることを願っています。
積みゲー消化に追われる日々ですが、ラグラージの育成だけは手を抜けません。皆さんも、最高の相棒を育て上げてください。それでは、異次元ミアレのランクマッチでお会いしましょう。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。






