編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ポケモンレジェンズZA(以下、ポケモンZA)の「M次元ラッシュ」やランクマッチにおいて、ブラッキーをどのように育成すれば最強の耐久力を発揮できるのか、あるいは環境に刺さるのかが気になっていると思います。
特にブラッキーは、種族値の配分が非常に美しく、努力値(きそポイント)の振り方ひとつで「物理受け」「特殊受け」「両受け」と役割がガラリと変わるポケモンです。 適当にHPに振るだけでは、今の高火力環境を生き残ることは難しいでしょう。
この記事を読み終える頃には、あなたのパーティに最適なブラッキーの調整が見つかり、ランクマッチでの勝率を上げるための具体的な運用方法の疑問が解決しているはずです。
- 耐久指数を最大化するHPと防御・特防の黄金比率
- 仮想敵に合わせた「わんぱく」と「しんちょう」の使い分け
- 「ねがいごと」ループを成立させるための必須テクニック
- M次元ラッシュ環境で腐らない技構成の最適解
それでは解説していきます。
ブラッキーの基本スペックと現環境での立ち位置
まずは、ブラッキーというポケモンがなぜこれほどまでにランクマッチで重宝されるのか。 その理由を数値と環境の両面から深掘りしていきます。 基礎を理解することが、応用的な努力値調整への第一歩です。
驚異的な耐久種族値の分析
ブラッキーの強さは、なんといってもその無駄のない種族値配分にあります。 ポケモンZAにおけるブラッキーのステータスを改めて確認し、他ポケモンと比較してみましょう。
| ステータス | 数値 | 順位(全体499匹中) | 評価 |
|---|---|---|---|
| HP | 95 | 54位 | 高水準。耐久型の合格ラインをクリア |
| 攻撃 | 65 | 326位 | 必要最低限。イカサマや物理技の役割遂行には足りる |
| 防御 | 110 | 67位 | 非常に硬い。物理アタッカーを止める要 |
| 特攻 | 60 | 317位 | 低い。特殊技はバークアウト等のデバフ用と割り切る |
| 特防 | 130 | 16位 | トップクラス。特殊受けとしての性能は伝説級 |
| 素早さ | 65 | 273位 | 激戦区の60族を抜けるライン。調整次第で上から動ける |
| 合計 | 525 | 153位 | 無駄のない配分により数値以上の強さを発揮 |
特筆すべきは、防御110と特防130という圧倒的な硬さです。 HP95と合わせることで、生半可な弱点攻撃なら余裕で耐えてしまいます。 この数値を活かすために、努力値をどこに・どれだけ振るかがトレーナーの腕の見せ所となります。
M次元ラッシュにおける「あくタイプ」の優位性
今作の目玉である「M次元ラッシュ」やランクマッチ環境において、あくタイプであるブラッキーは独自の立ち位置を築いています。
1. ゴースト・エスパー技の一貫切り
環境に多い高速アタッカー(ドラパルトやサーナイト等)のメインウェポンを半減、あるいは無効化できる点は、サイクル戦において極めて重要です。 後出しが安定するため、クッション役として最高峰の性能を誇ります。
2. 「いたずらごころ」の無効化
あくタイプの仕様として、特性「いたずらごころ」による変化技(挑発や電磁波など)を無効化できます。 耐久型ポケモンにとって致命的となる「ちょうはつ」を受けにくいのは、ブラッキーを採用する大きなメリットの一つです。
物理受け特化型(HB)の努力値調整案
ここからは具体的な努力値調整の解説に入ります。 まずは、現環境で最も採用率が高いと思われる「物理受け(HB特化)」の調整です。 物理アタッカーが多い環境では、この型が最も安定します。
性格「わんぱく」での最適解
物理受けとして運用する場合、性格は防御に補正がかかる「わんぱく(防御↑ 特攻↓)」一択です。
【努力値配分例】
| 項目 | 配分 | 実数値(Lv50) | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 252 | 202 | 物理・特殊両面の耐久底上げ。ぶっぱ推奨 |
| 防御 (B) | 252 | 178 | 物理受けとして役割遂行するため極振り |
| 素早さ (S) | 4 | 86 | 同族意識の余り |
| 特防 (D) | 0 | 150 | 無振りでも十分高い |
調整のポイント
基本的には思考停止でHBぶっぱ(全振り)で問題ありません。 これだけで、一致インファイトなどの弱点技すら耐える可能性があります。 「ゴツゴツメット」を持たせて、接触技に対して定数ダメージを稼ぐ戦法が強力です。
仮想敵へのダメージ計算
この調整を施したブラッキーが、環境の主要な物理アタッカーに対してどれくらい耐えるのか。 具体的なイメージを持つことが重要です。
- 攻撃特化ガブリアスの「げきりん」
- ダメージ: 85〜102
- 割合: 42.0%〜50.4%
- 確定数: 乱数2発(0.39%)ほぼ2耐え
- 解説: オボンのみを持たせれば確定3発にズレ込みます。後出しから「あくび」や「ねがいごと」が間に合います。
- 攻撃特化ミミッキュの「じゃれつく」(タイプ一致弱点)
- ダメージ: 92〜110
- 割合: 45.5%〜54.4%
- 確定数: 乱数2発(41.0%)
- 解説: 弱点をつかれても、なんと一発耐えます。さらに後攻「ねがいごと」や「つきのひかり」で粘ることが可能です。
16n-1調整などの細かいHP調整について
上級者向けの話になりますが、HPの実数値を「202」にするか、少し削って「191(16n-1)」にするかという議論があります。
- HP252振り(実数値202): 物理耐久指数が最大。
- HP16n-1調整(実数値191): 天候ダメージや、やけどダメージなどの定数ダメージを最小限に抑える調整。
個人的な見解としては、ブラッキーは**「HP252振り(実数値202)」を推奨**します。 理由は、受けるダメージの乱数がズレて生存率が変わる場面の方が、定数ダメージを気にする場面より多いからです。 また、「ねがいごと」の回復量は自身のHP依存であるため、HP総量は多いに越したことはありません。
特殊受け特化型(HD)の努力値調整案
次に、ブラッキー本来の強みである特防の高さを活かした「特殊受け」の調整です。 特殊アタッカーが重いパーティや、特定の伝説ポケモンを見たい場合に採用します。
性格「しんちょう」で要塞化する
特殊受けの場合は、特防に補正がかかる「しんちょう(特防↑ 特攻↓)」を採用します。
【努力値配分例】
| 項目 | 配分 | 実数値(Lv50) | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 252 | 202 | 総合耐久確保のため極振り |
| 防御 (B) | 4 | 131 | 余りを振っておく |
| 特防 (D) | 252 | 200 | 特殊アタッカーを完封するため極振り |
この調整の恐ろしいところは、実数値が200に達することです。 これは、並大抵の特殊攻撃では「みがわり」すら壊せない可能性があるレベルの硬さです。
特殊アタッカーとの対面性能
HD特化ブラッキーがどれほどの理不尽さを発揮するのか見てみましょう。
- 特攻特化サーナイト(フェアリースキン)の「ハイパーボイス」(タイプ一致弱点)
- ダメージ: 104〜126
- 割合: 51.4%〜62.3%
- 確定数: 確定2発
- 解説: 弱点中の弱点であるフェアリー技(しかもスキン補正あり)を余裕で耐えます。返しの「ヘビーボンバー(テラスタル想定)」や「はたきおとす」で仕事ができます。
- 特攻特化ゲンガーの「きあいだま」(タイプ不一致弱点)
- ダメージ: 84〜100
- 割合: 41.5%〜49.5%
- 確定数: 確定3発
- 解説: 役割破壊のためのサブウェポン程度では、ブラッキーを突破することは不可能です。
バークアウト採用時のシナジー
HD特化型にする場合、技構成に**「バークアウト」**を入れることを強くおすすめします。
- バークアウトの効果:威力55の特殊技。確定で相手の特攻を1段階下げる。
ブラッキー自身の特攻は低いですが、ダメージを与えることが目的ではありません。 相手の特攻を下げることで、受けるダメージをさらに減らし、擬似的に耐久力を上げることができます。 これにより、本来受かるはずのない高火力特殊アタッカーをも機能停止に追い込むことが可能になります。
両受け(バランス型)の調整ロジック
「物理も特殊もどっちも見たい」という欲張りな方へ。 ブラッキーなら、それも可能です。 ただし、中途半端にならないよう、明確な意図を持った調整が必要です。
防御特化ベースでのD調整
基本は防御(B)に厚く振りつつ、特防(D)にも回すスタイルが一般的です。 なぜなら、素の特防種族値が高いため、少し努力値を振るだけで特殊耐久が大きく伸びるからです。
【努力値配分例:バランス調整】
- 性格:わんぱく(防御↑ 特攻↓)
- HP (H):252
- 防御 (B):156(補正あり実数値165)
- 特防 (D):100(実数値163)
この調整の意図
- 物理耐久:特化ギャラドスのダイストリーム(旧世代換算)等の強力な物理技を確定耐えラインに設定。
- 特殊耐久:臆病ドラパルトのりゅうせいぐん等の特殊技を、オボンのみ込みで2耐えするライン。
このように、「特定のポケモンの特定の技を耐える」という明確なライン(調整ライン)を設けて配分するのが、上級者のやり方です。 初心者のうちはHBぶっぱかHDぶっぱで構いませんが、慣れてきたら「あと少し特防があれば勝てたのに」という場面に合わせて微調整を行ってみてください。
現環境で刺さる!おすすめ技構成4選
努力値の振りが決まったら、次は技構成です。 ブラッキーは補助技のデパートと言えるほど優秀な技を覚えます。 ここでは、特にランクマで勝利に直結する組み合わせを紹介します。
1. 基本にして至高「願い事サイクル型」
技構成:
- ねがいごと
- まもる
- はたきおとす(or イカサマ)
- あくび(or どくどく)
【解説】 ブラッキーの代名詞とも言える構成です。 「ねがいごと」→「まもる」で安全に自身のHPを回復したり、「ねがいごと」→「交代」で後続のエースポケモンを無償で回復させたりできます。 「はたきおとす」は、相手の持ち物を無効化する強力な技。進化の輝石持ちや、こだわりスカーフ持ちを機能停止にできます。 この型はHB特化との相性が抜群です。
2. 起点作成「壁張りサポート型」
技構成:
- リフレクター
- ひかりのかべ
- あくび
- イカサマ(or はたきおとす)
【解説】 後続に積みエース(龍の舞などを使うポケモン)がいる場合に採用します。 高い耐久を活かして確実に両壁を張り、「あくび」で相手の交代を強制。 眠りを嫌って交代した隙に、安全にエースを着地させる動きが強力です。 「あくび」の枠は、自主退場できる「バトンタッチ」なども候補に入ります(覚える場合)。
3. 特殊完封「要塞デバフ型」
技構成:
- バークアウト
- つきのひかり
- めいそう
- アシストパワー(or あくのはどう)
【解説】 HD特化で採用したい型です。 「バークアウト」で相手の火力を削ぎつつ、「めいそう」で自身の特攻・特防を上げます。 特殊アタッカー相手なら、これだけで詰ませることができます。 回復技は即効性のある「つきのひかり」がおすすめですが、天候に左右される点には注意が必要です。
4. 嫌がらせ特化「定数ダメージ型」
技構成:
- どくどく
- みがわり
- まもる
- イカサマ
【解説】 「どくどく」を入れて、「まもる」と「みがわり」を交互に使う(通称:どくまも)戦法です。 ブラッキーの耐久力があれば、みがわりが壊されにくい対面も多く、ハメ性能が高いです。 ただし、鋼タイプや毒タイプには無力化されるため、取り巻きでのケアが必須です。
ブラッキーを運用する上での必須知識
努力値と技が決まっても、運用方法を間違えればブラッキーはただの置物になってしまいます。 実戦で意識すべきポイントをまとめました。
1. 「ちょうはつ」への警戒心を持つ
ブラッキーの最大の弱点は「ちょうはつ」です。 補助技主体の構成になりがちなため、挑発を受けると「わるあがき」しかできなくなるケースもあります。 相手のパーティに、オーロンゲやボルトロスなど「ちょうはつ」を持ってそうなポケモンがいる場合は、選出を控えるか、メンタルハーブを持たせるなどの対策が必要です。
2. 「はたきおとす」のタイミング
今作ではわざマシンで「はたきおとす」を習得可能です。 この技は、単なる攻撃技ではありません。 **「相手の戦術プランを崩壊させる技」**です。
- 回復ソースである「たべのこし」を落とす。
- 火力を上げている「こだわりハチマキ」を落とす。
- 耐久を上げている「しんかのきせき」を落とす。
有利対面を作ったら、まずは「はたきおとす」を選択するのが安定行動になりやすいです。 ゴーストタイプへの打点にもなるため、腐ることがありません。
3. クッションとしての役割遂行
ブラッキーは、相手の攻撃を一度受けてから展開を作る「クッション」の役割を担います。 先発で出すよりも、有利な対面を作った後の引き先として裏に控えさせておく運用が基本です。 例えば、自分のエースポケモンが苦手なゴースト技が飛んできそうなタイミングでブラッキーにバックする。 この動きだけで、相手のターンを無駄にしつつ、有利なサイクルを回すことができます。
おすすめの持ち物(アイテム)考察
努力値と同じくらい重要なのが持ち物の選択です。 ブラッキーと相性の良いアイテムを厳選しました。
| アイテム名 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| たべのこし | ★★★★★ | 毎ターンHPの1/16回復。「まもる」や「みがわり」との相性が最高。確定数をずらせる。 |
| ゴツゴツメット | ★★★★☆ | 物理受けにするならこれ。接触技に対してHPの1/6ダメージ。削り性能が格段に上がる。 |
| オボンのみ | ★★★☆☆ | 確定数をずらすための即時回復アイテム。瞬間的な耐久力が欲しい場合に。 |
| メンタルハーブ | ★★☆☆☆ | 「ちょうはつ」対策。一度だけ変化技を無効化できる保険。 |
| カゴのみ | ★★☆☆☆ | 「ねむる」を採用する場合の必須アイテム。全回復して即起きるコンボ用。 |
基本的には「たべのこし」が最も安定します。 しかし、パーティ内の他のポケモン(ドヒドイデやナットレイ等)と取り合いになりがちなので、その場合は「ゴツゴツメット」や「オボンのみ」で代用しましょう。
相性の良い味方(構築例)
ブラッキー単体では勝てません。 相性補完に優れたパートナーを見つけることが、ランクマで勝ち上がる鍵です。
1. ドヒドイデ(毒・水)
相性補完:最高 ブラッキーが苦手な「格闘」「虫」「フェアリー」をドヒドイデが半減以下で受けられます。 逆にドヒドイデが苦手な「エスパー」をブラッキーが無効化、「電気」は等倍ですが特殊なら受けられます。 この2体でサイクルを回す戦術は「ブラッキー・ドヒドイデ」と呼ばれ、突破困難な要塞となります。
2. アーマーガア(飛行・鋼)
相性補完:非常に良い ブラッキーの弱点である「フェアリー」「虫」をアーマーガアが半減以下で受けられます。 アーマーガアは物理受けとしての性能も高く、トンボがえり等の対面操作技も持っているため、サイクルの潤滑油として機能します。
3. ゲンガー(ゴースト・毒)
相性補完:良い ブラッキーが呼び込む「格闘」技をゲンガーが無効化(透かす)できます。 また、ブラッキーが「あくび」で眠らせた相手に対し、ゲンガーが「たたりめ」等で高火力を叩き込む連携も強力です。 攻めの補完として優秀な組み合わせです。
まとめ:ブラッキー育成の結論
長くなりましたが、ブラッキーの育成・調整についての結論をまとめます。
- 物理受けなら「わんぱくHBぶっぱ」。 ゴツメを持たせて物理アタッカーを削り倒す。
- 特殊受けなら「しんちょうHDぶっぱ」。 バークアウトを絡めて特殊アタッカーを機能停止にする。
- 技構成は「ねがいごと」「まもる」が基本。 これに「はたきおとす」「あくび」等を環境に合わせて選択。
- 持ち物は「たべのこし」が最強。 余っていなければ役割に合わせて変更。
ブラッキーは、派手な攻撃力はありませんが、**「負けない強さ」**を持っています。 相手の攻撃を耐え、回復し、徐々に追い詰めていく戦い方は、使いこなせば病みつきになる面白さがあります。
ぜひ、この記事を参考に最強のブラッキーを育て上げ、M次元ラッシュのランクマッチで無双してください。 あなたの相棒が、相手にとっての「絶望の壁」となることを願っています。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。特にポケモンシリーズは初代から全てのランクマッチを経験しており、受けループ構築を好む傾向にある。




















