編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方はチャンピオンシップ2025シリーズカップにおける環境考察や、具体的な勝ち方について気になっていると思います。特に海外のレギュレーションがベースとなっているため、情報のキャッチアップに苦労されている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には勝率を上げるためのパーティー構築と立ち回りの疑問が解決しているはずです。
- ジュゴンを中心とした環境メタ
- ネンドールやメタングなど独自ポケモンの活用
- ひのこ型バクガメスによる対面操作
- CCTや起点作成を意識した高度な立ち回り
この記事を読めば、きっと問題が解決できるはず。
チャンピオンシップ2025シリーズカップの概要と環境分析
チャンピオンシップ2025シリーズカップは、海外で開催される大規模大会「LIC」などのメタゲームを反映した、非常に競技性の高いレギュレーションです。通常のスーパーリーグとは異なり、採用されるポケモンが限定的であることから、特定のポケモンに対する対策(メタ)が非常に回りやすい環境となっています。
私が実際に1ヶ月以上このレギュレーションをプレイし、海外のオンライン大会等に参加して得た知見に基づくと、この環境は「ジュゴン」を中心に回っていると言っても過言ではありません。ジュゴンはその高い耐久性能と、「こごえるかぜ」によるデバフ(攻撃力ダウン)効果により、不利な対面であっても強引にイーブンまで持ち込む性能を持っています。そのため、いかにジュゴンを通すか、あるいはいかに相手のジュゴンを処理するかが勝敗の鍵を握ります。
また、今回のカップでは「はがねタイプ」や「じめんタイプ」の役割も重要視されています。特にネンドールやメタングといった、普段のスーパーリーグではあまり見かけないポケモンがトップメタの一角として機能している点が非常に興味深いです。これらは特定のトップメタ(ドククラゲや電磁波勢など)に対して圧倒的な耐性を持っており、環境に刺さっているためです。
ここでは、私が実際に検証し、高い勝率を維持できた3つの構築を紹介します。それぞれのパーティーには明確なコンセプトがあり、立ち回りを理解することでランク帯を大きく上げることが可能です。
おすすめパーティーその1:ジュゴン・ヤレユータ・ネンドール構築
まず紹介するのは、環境の覇者であるジュゴンを軸にしつつ、相性補完に優れたヤレユータとネンドールを採用したバランス型の構築です。このパーティーは「出し負け」からの捲り性能が高く、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる構成となっています。
各ポケモンの採用理由と技構成の詳細
このパーティーの核となる3体の構成は以下の通りです。
| ポケモン名 | 通常技 | ゲージ技1 | ゲージ技2 | 役割 |
|---|---|---|---|---|
| ジュゴン | こおりのつぶて | こごえるかぜ | ドリルライナー | デバフ撒き・クッション・フィニッシャー |
| ヤレユータ | ねんりき | ぶんまわす | くさわけ | 高耐久エスパー・対ゴースト |
| ネンドール | どろかけ | がんせきふうじ | だいちのちから | 対毒・対電気・対鋼 |
ジュゴンは、レガシー技である「こおりのつぶて」と「こごえるかぜ」が必須です。この組み合わせにより、相手の攻撃を下げつつ、自身の場持ちを良くすることができます。サブウェポンには、鋼タイプや岩タイプへの打点となる「ドリルライナー」を採用します。
ヤレユータは、通常技「ねんりき」の高火力で相手を削り取る動きが強力です。「ぶんまわす」は回転率が良く、同族のエスパータイプやゴーストタイプへの打点となります。「くさわけ」は攻撃力を上げつつ水タイプへの奇襲として機能しますが、ここを「みらいよち」にして火力を底上げするのも選択肢に入ります。
ネンドールは、アップデートで強化された「どろかけ」が非常に強力です。環境に多い毒タイプ(ドククラゲなど)や電気タイプ(アローラライチュウなど)に対して圧倒的な圧力をかけられます。「がんせきふうじ」で相手の素早さを下げつつ、「だいちのちから」で大ダメージを狙います。特に「だいちのちから」はデスバーンなどの同族対決や、鋼タイプへの決定打として重宝します。
パーティー全体の運用コンセプト
このパーティーは、ジュゴンとヤレユータという非常に耐久力の高い2体でサイクルを回し、相手のシールドやリソースを枯渇させることを目的としています。とりあえずこの構成を採用しておけば、現在のメタ環境において極端に不利を取ることは少なく、安定した戦いが可能です。
もし初手のアローラライチュウなどが重いと感じる場合は、ヤレユータやネンドールの枠を「バクガメス」に変更することで対応力が上がります。特にネンドールをバクガメスに変える攻撃的なシフトも、環境によっては非常に有効です。
初手ヤレユータ対面の立ち回り
相手の初手がヤレユータだった場合、こちらはジュゴンで対面することになります。お互いに決定打に欠ける展開になりがちですが、以下の手順で立ち回るのが理想的です。
- 最速で攻撃しつつゲージを溜める まずはこちらも攻撃を仕掛けますが、相手の「ねんりき」は非常に痛いため、悠長な行動は禁物です。
- こおりのつぶてを1〜2発入れてから交代 相手のゲージ技(ぶんまわす等)が飛んでくる前に、こちらのヤレユータに交代します。この際、すぐに交代するのではなく、通常技を少し入れておくことで、後半のサイクル戦でジュゴンのゲージ技が即打ちできるようになり、有利に働きます。
- CCT(Cycle Cool Time)を意識する 相手の技カウントを意識し、相手が技を打つ直前、あるいは打った直後の硬直を狙って交代することで、被ダメージを最小限に抑えることができます。
初手スリーパー対面の立ち回り
スリーパー(Hypno)もまた、このレギュレーションで見かけるエスパータイプです。スリーパーは「きあいだま」等の格闘技を持っている可能性があり、ジュゴンにとっては警戒すべき相手ですが、以下の動きで互角以上に戦えます。
- シールドを1枚使って突っ張る 基本的にはジュゴンで突っ張ります。スリーパー側からするとジュゴンへの打点は「きあいだま」や「かみなりパンチ」になりますが、こちらの「こごえるかぜ」による攻撃ダウンが入れば、たとえ抜群を突かれても耐えることができます。
- デバフを優先する シールドを1枚使い、確実に「こごえるかぜ」を当てて相手の火力を削ぎます。これにより、後続のポケモンが起点にされにくくなり、試合全体の被ダメージを抑えることが可能です。
初手バクガメス対面の立ち回り
バクガメスは炎・ドラゴンタイプであり、氷技が等倍で通るため、ジュゴンとしては比較的戦いやすい相手です。
- シールドを使わずに突っ張る 相手の「ドラゴンクロー」などは回転が速いですが、一撃で落とされることはありません。シールドは温存します。
- こごえるかぜでシールド剥がしかデバフを狙う 1発目の「こごえるかぜ」を打ちます。相手がシールドを張ってきた場合はアドバンテージが取れますし、張らなければ攻撃ダウンが入ります。
- 追撃して有利対面を作る デバフが入った後は、さらに「こごえるかぜ」を重ねがけするか、あるいは「ドリルライナー」のブラフを混ぜて相手を翻弄します。
おすすめパーティーその2:メタング・ジュゴン・ギャラドス構築
次に紹介するのは、はがねタイプの耐性を活かしたメタングを軸にした構築です。ジュゴンをクッションとして使いつつ、ギャラドスの広範囲な対応力で詰めていくスタイルです。
各ポケモンの詳細ステータスと役割
| ポケモン名 | 通常技 | ゲージ技1 | ゲージ技2 | 役割 |
|---|---|---|---|---|
| メタング | れんぞくぎり | サイコショック | ジャイロボール | 対エスパー・対フェアリー |
| ジュゴン | こおりのつぶて | こごえるかぜ | ドリルライナー | クッション・引き先 |
| ギャラドス | りゅうのいぶき | アクアテール | かみくだく | 汎用アタッカー・フィニッシャー |
メタングは、進化後のメタグロス同様に優秀な耐性を持ちますが、スーパーリーグ帯では進化前のメタングの方がステータス配分的に耐久力が高くなります。「れんぞくぎり」によるゲージ溜めの速さを活かし、「サイコショック」や「ジャイロボール」を連発します。特に環境に多いヤレユータに対して、虫技である「れんぞくぎり」が刺さるのが大きな利点です。
ギャラドスは、「りゅうのいぶき」による削り性能が高く、等倍以上で戦える範囲が非常に広いです。「アクアテール」は回転率が良くシールド剥がしに最適で、「かみくだく」はエスパーやゴーストへの明確な打点となります。ジュゴンやナマズンといった水タイプが多い環境でも、ドラゴン技でゴリ押しできる点が評価されています。
立ち回りの基本戦略:メタングの役割
このパーティーにおいて、メタングは「特定の相手を完封する」役割と「裏のジュゴンの苦手な相手を処理する」役割を担います。海外大会では同様の役割でドータクンが採用されることが多かったですが、GBL(GOバトルリーグ)環境においては、不意に現れるアローラライチュウなどの電気タイプや、フェアリータイプに対して、より明確に弱点を突けるメタングの方が適している場面が多く見られます。
立ち回りの基本は、出し勝ちならそのまま制圧、出し負けなら即座にジュゴンかギャラドスに引くというシンプルなものです。
初手デスバーン・ネンドールへの対応
相手の初手がデスバーンやネンドールといった地面タイプの場合、メタングは圧倒的に不利です。
- 即座にジュゴンへ交代 これらに対してはメタングで居座るメリットが皆無なので、即座にジュゴンへ引きます。
- ジュゴンでの場荒らし ジュゴンに対して相手がカウンターで何を出してくるかによりますが、基本的には「こごえるかぜ」で相手の後続にもデバフを入れ、メタングやギャラドスが戦いやすい状況を作ります。
初手バクガメスへの対応
バクガメスに対してもメタングは不利(炎技で焼かれる)ですが、ここではジュゴンではなくギャラドスに引く動きを推奨します。
- ギャラドスへ交代 ジュゴンでも戦えますが、ギャラドスの方が水タイプを含んでいるためバクガメスの炎技を今ひとつで受けられ、かつ「アクアテール」で弱点を突けるため、より有利に展開できます。
- 先に技を打つ意識 ギャラドスの「りゅうのいぶき」で削りつつ、相手より先にゲージ技を打つことでシールドを使わせるか、ダメージを通すかの択を迫ります。
初手ドータクン・ジュゴンへの対応
対ドータクンの場合、メタングは有利に見えますが、ドータクン側も鋼技を軽減してきます。
- ジャイロボールを打ってから交代 「ジャイロボール」を一発入れて削りを入れた後、相手の「しっぺがえし」などの重い技が飛んでくるタイミングを見計らってジュゴンに交代します(いわゆる交代受け)。
- 起点の分散 ドータクンに起点を作られすぎないよう、ジュゴンで受け流すことで被ダメージを分散させます。
対ジュゴンの場合、お互いに打点が薄い泥仕合になりがちです。
- ジャイロボールを2発打つ まずはメタングで削ります。
- 相手の2発目のドリルライナーに合わせて交代 相手が2発目の「ドリルライナー」を打ってくるタイミングに合わせてジュゴンに引きます。
- メタングのHP管理 メタングは後半に残しておきたいので、ジュゴン同士の対面を作って消耗戦に持ち込み、メタングを温存する立ち回りが重要です。
おすすめパーティーその3:ひのこ型バクガメス軸
最後に紹介するのは、少しテクニカルですが環境に刺さっている「ひのこ」を採用したバクガメス構築です。通常、バクガメスは「やきつくす」型が主流ですが、あえて「ひのこ」を採用することでミラー対決を制します。
ひのこ型バクガメスの優位性と技構成
| ポケモン名 | 通常技 | ゲージ技1 | ゲージ技2 | 役割 |
|---|---|---|---|---|
| バクガメス | ひのこ | ドラゴンクロー | オーバーヒート | 対面操作・ミラー対策 |
| ジュゴン | こおりのつぶて | こごえるかぜ | ドリルライナー | クッション・相性補完 |
| ヤレユータ | ねんりき | ぶんまわす | くさわけ | 汎用・詰め筋 |
※バクガメスのゲージ技2は「ラスターカノン」等の選択肢もありますが、フィニッシャーとしての役割を持たせるため高火力の「オーバーヒート」が推奨されます。
ひのこ型バクガメスの最大のメリットは、技の発生速度と硬直の短さです。「やきつくす」は威力こそ高いものの、硬直が非常に長く(5ターン技)、その間に技を差し込まれたり、交代受けを失敗したりするリスクがあります。
一方、「ひのこ」型であれば小回りが利き、バクガメスミラー(同キャラ対決)が発生した際に、相手の「やきつくす」の硬直中にこちらの技を通すことができ、ダメージレースで優位に立てます。また、「ドラゴンクロー」の回転率も上がるため、シールド剥がし性能も向上します。
ジュゴンの厳選:防御特化個体の重要性
このパーティーに限らず、このレギュレーションでジュゴンを使う上で極めて重要なのが「個体値厳選」です。
- 防御特化個体(0/15/15付近)を推奨 攻撃力よりも防御力に極振りした個体を使用することで、相手のジュゴンの「こおりのつぶて」のダメージを1抑える(被ダメージを減らす)ブレイクポイントが存在します。
- ミラー対面での優位性 ジュゴン同士の対面は頻発します。この際、防御特化個体であれば被ダメージを抑えられ、HPを少しでも多く残して対面に勝てる、あるいはシールドアドバンテージを取れる可能性が高まります。
基本的な立ち回りと交代受けのテクニック
このパーティーの基本戦術は「初手で荒らしてジュゴンに引く」動きです。
- 対バクガメス(やきつくす型) 「ひのこ」の回転率で勝てるため突っ張ります。相手のゲージ技に合わせてシールドを使うか判断しますが、基本的には有利です。
- 対バクガメス(ひのこ型) 同発勝負になります。どこかで同発の上か下かが分かれば(攻撃実数値の差)、3回目のドラゴンクローのタイミングでジュゴンへの交代受けを狙います。これが決まれば勝負が一気に傾きます。
- 対ジュゴン 「ドラゴンクロー」を一発入れてから、即座にジュゴンに引きます。これにより、相手も交代せざるを得ない状況を作り出し、対面を操作します。「ドラゴンクロー」+「ひのこ」1発分のダメージを入れてから引くことで、相手の後続に対する削りも期待できます。
- 対ヤレユータ 裏にジュゴンがいる可能性が高いため、バクガメスで突っ張ります。「ヤレユータ・ジュゴン」という並びはテンプレ化しており、バクガメスをジュゴンに当てたくないため、ここでヤレユータを処理、あるいは大幅に削ることが勝利への近道です。
不利対面と無理な相手への対処法
このパーティーの明確な弱点は、初手の「トゲデマル」や「ネンドール」です。
- 初手トゲデマル・ネンドール 非常に厳しいマッチアップです。これらのポケモンが多いと感じる場合は、このパーティーの使用を控えるか、立ち回りを変える必要があります。
- 緊急回避策 どうしても当たってしまった場合は、即座にジュゴンに引き、シールドを使ってでも対面を維持し、「こごえるかぜ」でデバフをかけまくります。ネンドール相手であれば、ヤレユータの「ぶんまわす」が抜群で入るため、ジュゴンを捨て石にしてヤレユータを通すルートを探ります。
- 技構成の変更 トゲデマル対策として、バクガメスのゲージ技を回転重視から火力重視(オーバーヒート等)に変える、あるいは「やきつくす」型に戻して強引に削るという選択肢もありますが、基本的には不利対面であることを認識し、環境の流行りを見てパーティーを変更する柔軟性が求められます。
勝率を上げるためのPVP基礎知識とメンタル
最後に、パーティー構築だけでなく、プレイヤー自身のスキルアップについて触れておきます。特にこのレギュレーションは「交代受け」や「起点作り」が勝敗に直結します。
ターン数とCCTの理解
ポケモンGOのPVPは0.5秒を1ターンとして進行します。相手の技が何ターン技なのか(例えば「ねんりき」は4ターン、「りゅうのいぶき」は1ターン)を把握し、相手がゲージ技を打てるタイミングを数えることが重要です。無駄にゲージ技を打たず、相手の技の硬直中にこちらの通常技を差し込む技術(CCT)を意識するだけで、ゲージの溜まり方が大きく変わります。
シールド管理の重要性
このシリーズカップでは、初手対面でシールドを渋ってポケモンを落とすよりも、シールドを使って対面を維持し、有利なサイクルを回す方が良い結果を生むことが多いです。特にジュゴンなどの耐久ポケモンは、HPが少しでも残っていればデバフを撒く仕事ができるため、安易に捨てない判断が求められます。
環境への適応
メタは日々変化します。昨日まで勝てていたパーティーが、今日はトゲデマルばかりで勝てない、ということもあります。その場合は、今回紹介した3つのパーティーの中から、その日の流行りに強いものをチョイスして使い分けることが、ランクを上げるための最短ルートです。
まとめ
今回はチャンピオンシップ2025シリーズカップで活躍するおすすめパーティーを3つ紹介しました。
- ジュゴン・ヤレユータ・ネンドール:安定感抜群。迷ったらこれ。
- メタング・ジュゴン・ギャラドス:鋼の耐性と水の攻撃範囲で攻める。
- ひのこ型バクガメス軸:ミラーに強く、対面操作で盤面を支配する。
どのパーティーも強力ですが、最も重要なのは「自分のプレイスタイルに合っているか」と「環境に刺さっているか」です。まずは紹介した立ち回りを参考に、フレンド対戦などで練習してみてください。特にジュゴンの防御特化厳選や、バクガメスの技構成の違いによる使用感の差は、実際に使ってみて初めて実感できる部分も多いはずです。
この記事が、皆さんのチャンピオンシップでの勝利に貢献できれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。






