編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2026年1月23日に迫った「Gレギュレーション落ち」によって、愛用しているデッキが使えなくなってしまうのではないか、次にどのカードを集めればいいのかと、不安や疑問を感じていることと思います。 特に今回は、環境を支配していた主要カードたちが一斉に使えなくなるため、その影響は過去最大級と言われています。
この記事を読み終える頃には、レギュ落ちの仕組みを完全に理解し、新環境で勝つための具体的なデッキ選択やカード収集の道筋が明確になっているはずです。
- Gレギュ落ちの基礎知識とスケジュール
- 環境から消える主要カードと代用カードの徹底比較
- レギュ落ちが既存デッキに与える甚大な影響
- 新環境(H・I・J・K・L)で覇権を握る最強デッキ予想
それでは解説していきます。
Gレギュレーション落ちとは?基礎知識とスケジュール
まずはじめに、初心者の方や「なんとなく知っているけれど詳しいことは不安」という方のために、レギュレーション落ち(スタン落ち)の仕組みについて、優しく、でもしっかりと解説していきますね。
レギュレーション変更の基本ルール
ポケモンカードゲームには、カードの左下にアルファベットのマークが記載されています。これを「レギュレーションマーク」と呼びます。 公式大会のスタンダードレギュレーションでは、使用できるカードの範囲がこのマークによって決められているんです。
これまでスタンダードレギュレーションで使用できていたのは「G・H・I」などのマークがついたカードでしたが、2026年1月23日のレギュレーション変更に伴い、一番古い**「Gマーク」のカードがスタンダードレギュレーションで使用できなくなります。**
これを通称「Gレギュ落ち」と呼びます。
なぜレギュレーション落ちは行われるの?
「せっかく集めたカードが使えなくなるなんてひどい!」と感じる方もいるかもしれません。私も初心者の頃はそう思っていました。 でも、これにはプレイヤーにとって大切な2つの理由があるんです。
- ゲームバランスの適正化 カードの種類が増えすぎると、予期せぬ強力すぎるコンボが生まれ、ゲームバランスが崩壊してしまうことがあります(いわゆる「先行ワンキル」など)。古いカードを使用不可にすることで、健全な対戦環境を保っているのです。
- 新規プレイヤーの参入障壁を下げる もし過去30年分のカード全てが使えるとしたら、これから始める人は膨大な種類のカードを覚え、集めなければなりません。使用できるカードを直近数年分に限定することで、初心者の方でもカードが集めやすく、覚えやすい環境を作っているんですよ。
今後のスケジュール確認
- ~2026年1月22日:これまで通り、Gマークを含むカードが使用可能
- 2026年1月23日以降:Gマークのカードがスタンダードレギュレーションで使用禁止(H・I・J・K・L…が使用可能)
今のうちに、自分の持っているデッキのカードを一枚ずつ確認して、左下のマークが「G」になっていないかチェックしておきましょうね。
レギュ落ちする汎用トレーナーズと代用候補一覧
ここからは、具体的にどのカードが使えなくなり、代わりにどのカードを使えばいいのかを解説していきます。 デッキの動きを支える「トレーナーズ」への影響は本当に大きいので、要チェックですよ。
デッキの安定感を支えたグッズ・サポートの消失
これまでどんなデッキにも採用されていたような、超強力な汎用カードたちが姿を消します。
| 種類 | レギュ落ちするカード (G) | 特徴と失われる影響 | 代用・後継候補 (H以降) |
|---|---|---|---|
| グッズ | ネストボール | たねポケモン展開の要。これがないと序盤の安定感が激減します。 | なかよしポフィン(HP70以下限定)、ハイパーボール、クイックボール(再録予想) |
| グッズ | スーパーエネルギー回収 | パオジアンやサーフゴーの核。エネ管理がシビアに。 | エネルギー回収、夜のタンカ |
| グッズ | あなぬけのヒモ | 入れ替え+相手ベンチ呼び出し。攻守の要でした。 | プライムキャッチャー(ACE SPEC)、ポケモンキャッチャー |
| グッズ | カウンターキャッチャー | 逆転の切り札。負けている時の強烈な捲り手段が消失。 | プライムキャッチャー、ボスの指令 |
| グッズ | すごいつりざお | ポケモンとエネを山札に戻す必須カード。リソース管理が難化。 | スイレンのお世話、夜のタンカ、つりざおMAX |
| ポケモンのどうぐ | 勇気のおまもり | たねポケモンのHP+50。ワンパン耐久ラインが下がります。 | ヒーローマント(ACE SPEC)、エキサイトスタジアム、ブレイブバングル |
| ポケモンのどうぐ | 学習装置 | ベンチへのエネ維持手段。エネ加速が弱いデッキには痛手。 | 力の砂時計 |
| サポート | 博士の研究 | 最強のドローソース。手札を捨てて7枚引く豪快さが消えます。 | リーリエの決心、アイリスの闘志 |
| サポート | ナンジャモ | 手札干渉+逆転要素。終盤の捲りがしにくくなります。 | ゴヨウ、ジャッジマン |
| サポート | ペパー | グッズ+どうぐ確定サーチ。2進化デッキの安定剤でした。 | シークレットボックス(ACE SPEC)、アクロマの執念 |
| サポート | オーリム博士の気迫 | 古代デッキの心臓。エネ加速+ドローが消え、古代は壊滅的。 | アカマツ、ガラスのラッパ(条件厳しめ) |
| スタジアム | ボウルタウン | たねポケモン展開補助。 | リーグ本部などの妨害系へシフト? |
| スタジアム | ビーチコート | たねポケモンの逃げエネ軽減。 | なみのりビーチ(水限定)、ニュートラルセンター |
特に影響が大きい「逆転要素」の喪失
個人的に一番痛いと感じているのが、「ナンジャモ」と「カウンターキャッチャー」の同時落ちです。 これまでは、序盤にサイドを先行されても、終盤にこの2枚を使って相手の手札を減らしながらボスの指令効果を使うことで、一発逆転が可能でした。
しかし、これらがなくなることで、「先行してサイドを取った方がそのまま逃げ切る」というゲーム展開が増えることが予想されます。 代用として「アンフェアスタンプ」などのACE SPECがありますが、デッキに1枚しか入れられないため、以前のような頻度では使えません。
これからの構築は、「捲る」ことよりも「序盤から遅れない」こと、あるいは「相手にサイドを取らせないロック戦術」が重要になってくるでしょう。
ボール系グッズの入れ替えについて
「ネストボール」が落ちるのは衝撃的ですよね。 代用候補の「なかよしポフィン」はHP70以下のたねポケモンしか呼べないため、HPがそれ以上のシステムポケモン(例えばイキリンコexやネオラントVの後継のようなカード)を呼ぶ手段が「ハイパーボール」頼みになってしまいます。 手札コストが重くなるため、ドローソースの重要性がさらに増すことになります。 噂されている「クイックボール」の再録や、新しい「○○ボール」の登場には常にアンテナを張っておく必要がありますね。
環境デッキへの影響:消えるデッキ・生き残るデッキ
Gレギュレーションには、現在の環境トップを走る多くのメインアタッカーやシステムポケモンが含まれています。 ここでは主要デッキごとの影響度を「壊滅」「大幅弱体化」「影響小」で分類して解説します。
【壊滅】構築不可能レベルになるデッキ
以下のデッキは、メインギミックそのものがGレギュレーションに依存しているため、今の形のままでは存続が不可能です。
- サーナイトexデッキ
- 理由:特性「サイコエンブレイス」を持つサーナイトex自体がGレギュです。さらに、ドローエンジンのキルリア(リファイン)も落ちるため、デッキのコンセプト自体が消滅します。
- サーフゴーexデッキ
- 理由:メインアタッカーのサーフゴーexがGレギュ。青天井火力とドローを両立する最強クラスの特性を持っていましたが、代わりになるカードは現状存在しません。
- パオジアンexデッキ
- 理由:パオジアンex自体もそうですが、エネ加速の要であるセグレイブ(きょくていおん)も落ちます。「スーパーエネルギー回収」もなくなるため、水エネを大量に手札に集めて殴るという戦術自体が成立しなくなります。
- ミライドンexデッキ
- 理由:雷タイプ展開の要、ミライドンexが落ちます。さらに「モココ(エレキダイナモ)」などのエネ加速手段や「ビーチコート」も落ちるため、これまでの速攻型雷デッキは解体となります。
【大幅弱体化】構築の抜本的な見直しが必要なデッキ
- タケルライコex(古代)デッキ
- 理由:「オーリム博士の気迫」が落ちるのが致命的です。これまではトラッシュからエネ加速しつつ3枚ドローができましたが、これに代わる古代専用サポートがない限り、エネ加速手段が極端に乏しくなります。「アカマツ」などで代用する案もありますが、速度は大幅に落ちるでしょう。
- リザードンex(悪テラスタル)デッキ
- 理由:リザードンex自体がGレギュのため本来は「壊滅」ですが、情報ソースにもある通り、「メガリザードン」などの新規カードへ移行する形でデッキタイプとしては残る可能性があります。しかし、これまでの「煉獄支配」による圧倒的なエネ加速と安定感は失われます。ピジョットexも落ちるため、確定サーチギミックもなくなります。
- ロストバレット / ロストギラティナ
- 理由:キュワワー(はなえらび)、アクロマの実験、ウッウ、ヤミラミなど、ロストゾーンギミックの核心となるカードがほぼ全てGレギュです。ロストというシステム自体がスタンダードから姿を消すことになります。
【影響小・追い風】新環境で輝くデッキ
- ドラパルトexデッキ
- 理由:ドラパルトexは比較的新しいレギュレーションのカードであり、進化元のドラメシヤなども残ります。「ネイティオ(アカシックセンス)」は落ちますが、「きらめく結晶」や「ネオアッパーエネルギー」などのACE SPEC、あるいは「アカマツ」を活用することで十分戦えます。HPの低いポケモンをバラマキで倒す戦術は、進化デッキが増える新環境でさらに刺さるでしょう。
- ルギアVSTARデッキ(チラチーノ型以外)
- 理由:ルギアVSTAR自体はFレギュですでに落ちていますが、後継となる「無色タイプのエネ加速システム」が登場すれば、アーケオスのような動きが再現できるかもしれません。ここは新規カード次第ですが、特殊エネルギー主体のデッキは「レガシーエネルギー」などが残る限り可能性を秘めています。
- メガ進化(メガシンカ)主体の新デッキ
- 理由:2026年の新シリーズで推されている「メガ進化」ポケモンたちは、当然新しいレギュレーションに対応しています。カードパワーも高く設定されていることが予想されるため、これらが環境の中心になることは間違いありません。
新環境(Gレギュ落ち後)で活躍する注目カード・デッキ予想
レギュ落ち後の環境は、「手札干渉が減る」「逆転が難しくなる」「2進化・メガ進化の高HP化」という特徴を持つようになります。 これを踏まえて、次に流行るであろうデッキとカードを予想します。
1. メガルカリオexデッキ(闘タイプ)
情報ソースでも言及されていた大本命です。
- 強み:闘タイプであること。
- 新環境で増えるであろう「悪タイプ(ロケット団系)」や「鋼タイプ(ブリジュラス等)」に対して弱点を突けます。
- 構成:
- これまでのルカリオデッキと違い、メガ進化特有の「高いHP」と「高火力」を押し付けるスタイルになります。
- サーナイト(超タイプ)がいなくなることで、闘タイプの天敵が減るのも大きな追い風です。
2. ドラパルトex(コントロール型)
既存のドラパルトexをベースに、妨害要素を強めた構築です。
- 構築の変化:
- 「ナンジャモ」がなくなる分、「ビワ」や「野盗三姉妹」の後継カード、あるいは「ロケット団」系のハンデス(手札破壊)カードを組み込むことで、相手の動きを止めてドラパルトで狙撃する形が強そうです。
- 「ボム」ギミック(ヨノワール等)は残るため、サイドを複数枚取り進める戦術は健在です。
3. ロケット団デッキ(MTR)
新シリーズの目玉である「ロケット団」のカード群です。
- 特徴:
- 「ロケット団のアジト」や「ロケット団の参上」など、専用のサポートやスタジアムが登場しています。
- これらは「相手の妨害」や「トラッシュ利用」に長けており、かつてのロストバレットのような「トリッキーな動き」を好むプレイヤーに愛用されるでしょう。
- 手軽に手札干渉ができるカードが含まれているため、ナンジャモロスを埋める存在として環境入り確実です。
4. ハラバリーex(ナンジャモのハラバリー)
情報ソースのサンプルリストにあった、新しい形の雷デッキです。
- コンセプト:
- 「ナンジャモのハラバリー」という名称のカード(またはそれに準ずるカード)を軸にします。
- 特性でダメージを受けた時に反撃したり、エネ加速をする能力を持つ可能性があります。
- ミライドンexが消えた後の雷タイプを支える、中速〜耐久型のデッキとして注目されています。
5. 水バレット(なみのりビーチ軸)
「なみのりビーチ」という強力なスタジアムの登場により、水タイプの評価が上がっています。
- 強み:
- 水ポケモンの逃げエネがゼロになる(実質)。
- これにより、アタッカーをクルクルと入れ替えながら戦う「バレット戦術」が可能になります。
- パオジアンは消えますが、テラスタルゲッコウガexなどが残っていれば、それを軸にした柔軟なデッキが組めます。
Gレギュ落ちに向けた準備:今やるべきこと
あと少しでレギュレーション変更です。直前になって慌てないために、今からできる準備をリストアップしました。
1. 資産の整理と売却・購入
- 手放すべきカード(高レアリティ)
- GレギュのSR、SARなどの高レアリティカードで、コレクション需要よりも対戦需要で価格がついているものは、レギュ落ちとともに価格が暴落する傾向にあります。
- 特に「ナンジャモSAR」や「リザードンex SAR」などは、プレイ用としての価値がなくなる前に、手放すかコレクション用として割り切るか決断しましょう。
- 集めておくべきカード
- Hレギュ以降の汎用トレーナーズ:「なかよしポフィン」「大地の器」「アンフェアスタンプ」などは、今後さらに需要が高まります。
- ACE SPEC全般:各デッキに1枚必須のため、種類を持っておくとデッキ構築の幅が広がります。
2. Hレギュ以降限定構築での練習
友達との対戦やジムバトルの一部では、既に「Gレギュなし」のルールで遊んでいる場所もあります。 今のうちから、Gレギュのカードを抜いたデッキで対戦してみましょう。 「あ、ここで入れ替えがないと詰むな」「ドローが足りないな」といった、新しい不便さに気づくはずです。その不便さをどう埋めるかを考えるのが、新環境でスタートダッシュを切る鍵になります。
3. 新弾情報のチェック
12月、1月に発売される新弾には、レギュ落ちするカードの「互換カード(似た効果のカード)」が収録されることが多いです。 例えば、「博士の研究」の代わりに「○○の研究」が出たり、「レベルボール」のようなカードが再録されたりします。 公式からの発表をこまめにチェックし、代用カードを見つけたらすぐに確保するようにしましょう。
まとめ:変化を恐れず、新しいポケカを楽しもう!
いかがでしたでしょうか。 Gレギュレーション落ちは、これまでの環境をガラリと変えてしまう大きなイベントです。 愛用していたデッキが使えなくなるのは寂しいですが、それは同時に「新しい最強デッキ」を作るチャンスでもあります。
記事のポイントまとめ
- 2026年1月23日よりGマークのカードが使用不可になる。
- サーナイト、リザードン、パオジアンなどの現環境トップデッキの多くが解体・再構築を余儀なくされる。
- ナンジャモ、カウンターキャッチャーの消失により、逆転よりも先行逃げ切りやロック戦術が重要になる。
- メガルカリオ、ドラパルト、ロケット団などの新デッキが次世代の覇権候補。
私自身、レギュ落ちのたびに「どうしよう!」と悩みますが、試行錯誤して新しいコンボを見つけた時の喜びは何にも代えがたいものです。 この記事を参考に、皆さんもぜひ新環境の準備を始めてみてくださいね。 新しいカードで、また熱いバトルができることを楽しみにしています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。





















