編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、すでに仁王3をプレイしつつも「自分の進め方は合っているのか?」「クリア後の世界はどうなっているのか?」「他の人の評価はどうなのか?」といった点が気になっていると思います。
私自身、発売日から不眠不休でプレイし、クリア後のエンドコンテンツまで含めて90時間以上を費やしました。 シリーズ初見の方から、前作をやり込んだガチ勢の方まで。 この記事を読み終える頃には、仁王3の底知れぬ魅力と、今後向き合うべき課題のすべてが解決しているはずです。
- シリーズ初のオープンフィールド導入による探索の自由度と没入感の向上
- PC版の最適化不足を完全に払拭した快適な動作環境とキーコンフィグ
- 90時間遊んでも底が見えないビルド構築とハクスラ要素の中毒性
- 序盤の理不尽とも言える難易度とそれを乗り越えた先にある達成感
それでは解説していきます。
仁王3とはどのようなゲームか:正統進化と変革
和風ダークファンタジーの金字塔がオープンフィールドへ
コーエーテクモゲームスが送る「仁王」シリーズの最新作、『仁王3』がついに2月6日に世界同時リリースされました。 今作の最大の特徴は、従来の「ミッション選択制」から、広大な「オープンフィールド」へと移行した点にあります。
これまでのシリーズでは、閉鎖的なマップの中で敵を倒し、ボス部屋へ向かうというリニアな構造でした。しかし今作では、平安、戦国、江戸、幕末といった異なる時代がシームレスに広がる巨大なフィールドとして構築されています。 例えば、浜松城周辺の城下町から、山岳地帯、そして「地獄」と呼ばれる高難易度エリアまでが地続きで繋がっており、プレイヤーは馬や「早駆け」といった移動手段を駆使して、自由なルートで攻略を進めることが可能です。
この変更により、「敵をスルーして重要アイテムだけ回収する」「強敵から物理的に逃げ切る」といった、従来の死にゲーにはなかった戦略性が生まれています。特に、敵の追跡が一定距離で切れる仕様を利用した「ヒット&アウェイ」戦術は、アクションが苦手なプレイヤーにとって大きな救済措置となっています。
時代を超越した重厚なストーリー体験
物語の舞台は、特定の時代に留まりません。主人公(プレイヤー)は徳川家の血縁者(家光、あるいはその影武者としての立場)として、歴史の闇に葬られた「霊石」を巡る陰謀に巻き込まれていきます。
特筆すべきは、時空を超えて様々な時代の英雄たちと邂逅する点です。 武田信玄率いる最強の騎馬軍団との死闘、源頼朝や源義経が覇権を争う平安の世、さらには新選組や坂本龍馬が躍動する幕末まで。それぞれの時代が「地獄」と呼ばれる異界に変貌しており、歴史上の偉人たちが妖怪化、あるいはアムリタ(霊石)の力に魅入られ、強大なボスとして立ちはだかります。
「もしもあの武将が妖怪の力を手にしていたら?」という歴史のIFを体験できる点は、歴史ファンならずとも胸が熱くなる展開です。特に、自身のアイデンティティを巡る兄弟間の確執(家光と国松)が物語の縦軸として機能しており、単なるアクションゲームの枠を超えたドラマ性が付加されています。
90時間プレイして分かった「良い点」の深掘り
1. 圧倒的なPC版の最適化とユーザービリティ
和製ゲームのPC版と言えば、最適化不足や操作性の悪さが懸念されがちですが、『仁王3』においてはその心配は皆無でした。 私が使用しているハイエンドPCはもちろん、設定次第ではミドルスペックのPCでも驚くほど快適に動作します。
PC版最適化の具体的数値と体感
| 項目 | 詳細 | 評価 |
|---|---|---|
| フレームレート | 最大120fps以上張り付き | 非常に快適 |
| DLSS対応 | DLSS 4、フレーム生成対応 | 最新技術への適応が早い |
| ロード時間 | SSD環境で数秒 | 死亡時のストレスがない |
| 操作遅延 | 感じられないレベル | アクションにおいて致命的欠点なし |
特筆すべきはキーコンフィグの自由度です。 「同時押し」を個別に設定できる機能は、使用するボタン数が膨大なこのゲームにおいて革命的でした。例えば、マウスのサイドボタンとキーボードの特定のキーを組み合わせることで、構えの変更やアイテム使用を直感的に行えます。 「日本メーカーはPC操作に疎い」という定説を覆す、世界基準のUI設計と言えるでしょう。
2. 「死にゲー」と「ハクスラ」の究極の融合
90時間プレイしても飽きが来ない最大の理由は、やはり「ハクスラ(ハック&スラッシュ)」要素の奥深さにあります。
装備収集のサイクル
- 敵を倒す(雑魚・ボス問わず)
- 大量の装備品がドロップする
- 装備の「特殊効果(オプション)」を確認する
- 不要な装備を奉納・分解し、強化素材にする
- より強い装備を求めて、さらに高難易度のミッションへ
このサイクルが、オープンフィールドの探索と見事に噛み合っています。 特に今作では、装備のレアリティによって戦況が劇的に変化します。1周目では「紫(最上大業物)」装備を集めるのが基本ですが、クリア後の2周目以降で解禁される「緑(神器)」装備を手に入れてからが、本当の『仁王3』の始まりと言っても過言ではありません。
また、「地獄武器」と呼ばれる特殊な武器群や、セット効果(揃え効果)の組み合わせを考える時間は、戦闘している時間と同じくらい楽しいものです。「忍術特化ビルド」「重装備タンクビルド」「属性攻撃特化ビルド」など、プレイヤーの数だけ正解があります。
3. 戦略の幅を広げる「スタイル」と「妖怪技」
今作の戦闘システムは、シリーズの集大成とも言える完成度です。 基本となる「上段・中段・下段」の構え変更に加え、「侍スタイル」と「忍者スタイル」の切り替えが可能です。
- 侍スタイル: ガード性能が高く、重厚な一撃を叩き込む。ボス戦での安定感がある。
- 忍者スタイル: 回避性能に優れ、忍術や遠距離攻撃が得意。探索や雑魚処理に向く。
さらに、敵の妖怪からドロップする「魂代(たましろ)」を装備することで、その妖怪の技を使用できるシステムも健在です。 例えば、「蛇骨婆」の魂代を使えば水属性の遠距離攻撃ができ、「一反木綿」なら敵の移動速度を低下させることができます。 物理攻撃が効きにくい敵には属性攻撃の妖怪技を、素早い敵には範囲攻撃の妖怪技を、といった具合に、相性を考えながらデッキを組む楽しさがあります。
4. 快適すぎるシステム周りと「おもてなし精神」
個人的に最も感動したのは、ユーザーへの配慮(QoL)の高さです。 大量にドロップするアイテムを一つ一つ選別するのは面倒ですが、今作には「一括奉納」や「自動取得設定」に加え、「不要なアイテムを自動で奉納する」設定まで完備されています。
また、漢字にルビが振ってある点や、装備品一つ一つに詳細な歴史的背景や解説文がついている点など、「プレイヤーに世界観を楽しんでもらいたい」という開発チームの熱意、「おもてなし精神」を随所に感じました。 ミッションのリプレイ機能「戦絵巻」により、いつでも好きなボスと再戦できる点も、素材集めや練習において非常に便利です。
90時間プレイして感じた「悪い点」と課題
1. オープンフィールドゆえの「迷いやすさ」
オープンフィールド化は素晴らしい進化ですが、一方で弊害も生まれています。 マップが広大かつ高低差が激しいため、目的地へのルートが非常に分かりにくい場面が多々ありました。
特に「地獄」エリアや、入り組んだ城郭内部などは、ミニマップだけでは高低差や壁の有無が判別しづらく、「ボス部屋の目の前にいるはずなのに辿り着けない」という状況に陥ることがあります。 従来のステージクリア型であれば一本道で迷わなかった部分が、自由度と引き換えに複雑化してしまった印象です。より詳細な3Dマップや、導線となるガイド機能の拡充が望まれます。
2. 序盤の難易度が「初見殺し」すぎる
「死にゲー」である以上、高難易度は売りですが、序盤のバランス調整には疑問符がつきます。 特に最初のボスや、チュートリアル直後のエリアに配置された中ボス(山形昌景など)は、こちらのステータスやスキルが整っていない状態では、文字通り「瞬殺」される強さです。
敵の攻撃には「スーパーアーマー(こちらの攻撃で怯まない状態)」が付与されていることが多く、ゴリ押しは通用しません。 気力管理(スタミナ管理)や「残心」といった独自システムを理解していない初心者は、ここで心を折られる可能性が高いでしょう。 「レベルを上げて物理で殴る」ことがしにくい序盤こそ、もう少しマイルドな導線があっても良かったのではないかと感じました。
3. 敵の追尾性能と理不尽なロスト
敵の攻撃、特にボスの掴み攻撃や遠距離攻撃の追尾性能(ホーミング)が異常に高いケースがあります。 「明らかに避けたはずなのに、空中で軌道を変えて吸い込まれた」という現象が散見されました。
また、オープンフィールドには落下死ポイントも多く存在します。 狭い足場で戦う際に、敵の攻撃で吹き飛ばされて落下し、経験値(アムリタ)を全ロストする……という展開は、緊張感を生む一方で、理不尽なストレス要因にもなり得ます。 特に「新選組」が登場する幕末エリアでは、銃撃や大砲による遠距離からの狙撃が多く、視界外からの一撃で死ぬ理不尽さを感じることがありました。
90時間プレイ後の総評:間違いなく「買い」の傑作
圧倒的なボリュームと中毒性
不満点も挙げましたが、それを補って余りある魅力が『仁王3』にはあります。 1周目のクリアに約75時間、そこからエンドコンテンツやビルド構築を楽しめば、優に300時間は遊べるボリュームです。
「アクションゲームが好き」「ハクスラで最強装備を掘るのが好き」「歴史のIFを楽しみたい」 これらに一つでも当てはまるなら、本作は間違いなく「買い」です。
これからプレイする方へのアドバイス
最後に、これから本作を手に取る方、あるいは現在苦戦している方へ、私なりの攻略のヒントを記しておきます。
- ガードを信用する: 回避(ドッジ)よりも、ガードの方が安定する場面が多いです。特に侍スタイルでは、ジャストガード成功で気力が回復するスキルを早めに習得しましょう。
- 「残心」を癖にする: 攻撃後の隙を消し、気力を回復する「残心」は必須テクニックです。最初は意識して行い、手癖になるまで練習しましょう。
- 遠距離武器を活用する: 弓や銃は、敵の頭を狙えば大ダメージを与えられます。戦闘開始前に数を減らすのが定石です。
- マルチプレイを躊躇しない: どうしても勝てない時は「義人塚」でNPCを呼ぶか、オンラインマルチプレイで助けを求めましょう。恥ではありません。立派な戦略です。
まとめ
『仁王3』は、日本のデベロッパーが世界に向けて放った、渾身の和風アクションRPGです。 高い難易度はプレイヤーを選びますが、それを乗り越えた時の快感と、理想の装備を手に入れた時の喜びは、他のゲームでは味わえない極上の体験です。
2月6日の発売以降、世界中で多くのサムライたちが落命し、そして蘇っています。 あなたも是非、この「地獄」という名の極上のエンターテインメントに身を投じてみてください。
これにて、90時間プレイの感想まとめとさせていただきます。 もし、特定のボスの攻略法や、おすすめのビルドについて知りたいことがあれば、お気軽にリクエストしてください。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。特に本作『仁王3』のハクスラ沼にハマり、他のゲームに手が回っていないのが現状。




















