編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方はバイオハザードレクイエムの購入を迷っていて、実際の評価や絶対に買うべきと言われる理由が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃にはレクイエムを買うべきかどうかの疑問が完全に解決しているはずです。
- 圧倒的没入感を生む次世代機グラフィック
- 初心者と熟練者で異なる視点の物語体験
- グレースとレオンの対照的なゲームシステム
- 過去最高の熱量を持つプレイヤーコミュニティ
それでは解説していきます。
絶対に買うべきと言われる理由:圧倒的な没入感とゲーム体験
理由1:次世代機が魅せる極限のグラフィック
本作をプレイして最初に度肝を抜かれるのは、間違いなくその圧倒的なグラフィックの美しさです。 私は現在PS5Pro環境でプレイしていますが、フルレイトレーシングをオンにした状態でも60FPSをしっかりとキープしてくれます。 解像度も非常に高く、くっきりとした画面で滑らかにキャラクターが動くため、没入感がこれまでのシリーズとは段違いです。
バイオハザードシリーズは伝統的に、室内の少し薄暗いシーンや、閉鎖的な空間での探索が多く用意されています。 そうした暗闇の表現において、レイトレーシングの技術が凄まじい効果を発揮しています。
例えば、グレースがオイルライターを灯りにして暗がりを進むシーンがあります。 ここでオイルライターの火をつけると、その頼りない光がグレースの髪の毛を透かすように照らし出す表現が確認できます。 光の屈折や反射、そして影の落ち方が現実世界と見紛うほどにリアルに計算されていることがわかります。
この光と影のリアリティが、そのまま「そこに何かが潜んでいるかもしれない」という恐怖のリアリティに直結しています。 ただ映像が綺麗というだけでなく、ホラーゲームにおける「見えないことへの恐怖」と「見えた瞬間の絶望」を視覚的に限界まで高めているのです。
チェンソーを持った敵が滑らかに、そして恐ろしいほどの解像度で迫ってくる迫力は、一度体験すると元の世代のグラフィックには戻れなくなるほどの衝撃を持っています。 ハードウェアの進化が、ダイレクトにホラー体験の質を向上させている明確な証拠と言えます。
理由2:プレイスタイルで選べる1人称と3人称視点
本作の非常に大きな特徴として、カメラ視点を1人称視点(FPS)と3人称視点(TPS)から自由に選択できる機能が搭載されています。 過去のシリーズでは、作品ごとに視点が固定されているのが基本でした。
バイオハザード7やビレッジでは1人称視点が採用され、圧倒的な恐怖体験を提供しましたが、一方で「画面酔いをしてしまってプレイできない」という声も一定数存在しました。 逆にREシリーズのような3人称視点はアクション性が高く周囲の状況を把握しやすいものの、主観視点ほどの直接的な恐怖は得られにくいという側面がありました。
本作レクイエムでは、その両方のニーズを満たすために、ゲーム開始時から視点を切り替えることが可能です。 さらに画期的なのは、操作するキャラクターごとに視点をバラバラに設定できる点です。
ゲームのデフォルト設定では、恐怖体験を強調すべきグレースのパートは1人称視点に、アクション性を優先すべきレオンのパートは3人称視点に設定されています。 開発側が「このキャラクターのパートはこう遊んでほしい」という明確な意図を持っていることが窺えます。 もちろん、この設定はプレイヤーの好みに合わせて変更可能です。
私はグレースの精細に描かれたビジュアルやリアクションを画面上でしっかりと確認したかったため、両キャラクターともに3人称視点でプレイしています。 視点が変わるだけでゲームのプレイフィールや恐怖の質は大きく変化するため、1周目は3人称視点で全体像を把握し、2周目は1人称視点で極限の恐怖を味わうといった、異なるアプローチでの楽しみ方が用意されているのも素晴らしいポイントです。
理由3:過去最高の同接数を記録したコミュニティの熱量
ゲーム自体のクオリティもさることながら、本作を取り巻く環境の熱量も見過ごせない重要な要素です。 PC版(Steam版)はコンソール版からわずかに遅れてのリリースとなりましたが、発売直後に同時接続者数26万7000人という驚異的な数字を叩き出しました。 これは、世界的な大ヒットを記録したバイオハザードRE:4の数値をはるかに凌駕する、バイオハザードシリーズ史上最高の記録です。
この数字が意味するのは、現在世界中でこのゲームがリアルタイムにプレイされ、語り合われているという事実です。 サバイバルホラーゲームは、一人で暗い部屋で遊ぶのが王道ですが、現代のゲーム体験はそれだけにとどまりません。
難所に直面した時の攻略法の共有、隠されたアイテムの発見報告、あるいは純粋な恐怖体験の共有など、コミュニティ全体で同じゲームを攻略していく「祭り」のような一体感が存在します。 配信サイトでも多くのストリーマーがプレイを公開しており、自分のプレイと並行して他人のプレイを視聴することで、恐怖を共有したり、自分とは違う攻略ルートを発見したりする楽しみ方が広がっています。
死にゲーと呼ばれるジャンルでよく見られる「プレイヤー同士の連帯感」が、本作のシビアなリソース管理や強烈な恐怖体験を通じて、バイオハザードコミュニティにも強く形成されています。 この熱狂的な波に乗ってプレイすることは、発売直後の今しか味わえない特別な体験であり、購入を迷っている方が今すぐプレイを始めるべき大きな理由の一つとなっています。
理由4:初心者も熟練者も楽しめるダブル主人公の視点
本作はグレースとレオンという二人の主人公の視点が交錯しながら物語が進んでいきますが、この構造がプレイヤーのゲーム遍歴を見事にカバーする仕掛けになっています。
シリーズを初めて遊ぶ方、あるいは過去作を少し触った程度であまり設定を覚えていない方は、必然的にグレースに強く感情移入することになります。 グレース自身が、事態の背景を何も分かっていない状態で異常な出来事に巻き込まれるキャラクターだからです。 彼女の頭の中は疑問符でいっぱいのまま、生き残るために恐怖のエリアを探索していくことになりますが、これはシリーズ初心者の心理状態と完全に一致します。 プレイヤーはグレースと共に驚き、恐怖し、少しずつ世界の謎に触れていくことになります。
一方で、過去作をやり込んできた歴戦のファンは、レオンに近い視点で物語を俯瞰することができます。 レオンは過去の事件(ラクーンシティの悲劇やその後のバイオテロ)を経験しており、世界に何が起きていて、裏でどのような組織が暗躍している可能性があるのかをある程度推測できる立場にあります。
過去作のプレイヤーは、レオンと同じように背景知識を持った上で、「だから今こういう状況になっているのか」と納得しながらゲームを進めることができます。 このように、事前知識の有無によってキャラクターへの寄り添い方が自然に変わるように設計されているため、完全な新規プレイヤーでも置いてけぼりにされることがありません。
同時に、古参ファンにとってはニヤリとできる伏線やシリーズの連続性を感じられる構成となっており、非常に間口の広い作品に仕上がっています。
理由5:ホラーとミステリーが融合した濃厚なストーリー
サバイバルホラーにおいて「恐怖」は最大の魅力ですが、本作はそれを持続させるための「物語の推進力」が桁違いに優れています。
ゲーム内には様々なファイルや読み物が散りばめられており、それらを読み解くことで、この狂気に満ちた世界で過去に何が起きたのか、現在何が進行しているのかという謎が少しずつ紐解かれていきます。 単にゾンビや化け物から逃げ回るだけのホラーではなく、良質なミステリー小説を読み進めるような知的な興奮が用意されています。
ストーリーの描写も非常に濃密で、恐怖に怯えながらも必死に足掻くキャラクターたちの姿が丁寧に描かれています。 プレイを進めるうちに、初めはただの操作キャラクターだったグレースやレオンに対して、強い感情移入が生まれてきます。
「先へ進むのが怖い、扉を開けたくない」というホラーゲーム特有の拒絶反応を、「でも彼ら・彼女らの結末を見届けなければいけない」というストーリーへの渇望が上回る瞬間が訪れます。 恐怖を超越してでも先を見たいという、プレイヤーの感情とゲーム内のキャラクターの目的が完全にリンクした時、本作の面白さは爆発的に跳ね上がります。
ただ怖がらせるためだけのびっくり箱ではなく、一本の重厚な映画やドラマを自らの手で体験しているような、深い満足感を得られるストーリーテリングが展開されています。
理由6:Switch2などの別ハードでも快適なプレイフィール
私は主にPS5Pro環境で本作をやり込んでいますが、ゲームメディアのレビューやSNSのプレイヤーの反応を見ていると、任天堂の次世代機であるSwitch2(仮称)版などの別プラットフォームでも非常に高い評価を獲得していることがわかります。
通常、最新鋭のグラフィックを誇るタイトルを携帯機ベースのハードに移植する場合、大幅なグラフィックの劣化やフレームレートの低下といった問題が発生しがちです。 しかし、本作のSwitch2版に関するレビューを追う限り、そうしたネガティブな意見は驚くほど少数です。 「しっかり動いている」「携帯機でこれだけ綺麗なグラフィックが出せるのか」といった、最適化の技術を賞賛する声が多数を占めています。
カプコンの開発エンジンであるRE ENGINEの汎用性の高さと最適化の技術力が遺憾なく発揮されている結果と言えるでしょう。 もちろん、PS5Proのフルレイトレーシング環境と直接比較すれば描画の差はあるはずですが、ゲームとしての面白さやホラー体験の本質を損なわないレベルでしっかりとチューニングされているようです。
普段は任天堂系のタイトルをメインに遊んでおり、ハイエンドなPCやPS5を所有していないという方でも、Switch2版を購入して全く問題なくこの傑作を楽しむことができます。 プレイ環境のハードルが低く、多くの人が同じゲーム体験を共有できるという点も、本作が現在圧倒的な盛り上がりを見せている要因の一つです。
実プレイの感想:グレースとレオンの対照的なプレイフィール
グレースパート:極限の恐怖とシビアなリソース管理
ゲームの大部分を占めるグレースのパートは、一言で表すなら「従来のバイオハザードを極限までシビアに、そして恐ろしくパワーアップさせたもの」です。 バイオハザード初期作や、7、ビレッジなどの系譜を受け継ぐ、探索と謎解き、そして逃れおののく恐怖が主軸となっています。 広大なエリアを探索し、鍵の掛かった扉を開けるためにキーアイテムを探し出し、時にはパズルや仕掛けを解き明かしていくという王道のプレイフィールです。
しかし、グレースを操作していてすぐに気づくのは、その身体能力の低さを表現した「重みのある操作感」です。 最初の逃げ惑うシーンから顕著ですが、スティックを倒しても動き出しがやや遅く、走ってもどこか足取りが重く感じられます。 これはレスポンスが悪いというよりは、訓練を受けたエージェントではない一般人の非力さや、恐怖で足がすくむ感覚をコントローラーを通じてプレイヤーに疑似体験させる意図的な調整だと感じます。
そして、このパートの難易度を押し上げているのが、非常に細分化され厳しくなったリソース管理です。 これまでのシリーズのように、回復アイテム(ハーブ)と銃の弾薬だけをやり繰りすればいいという単純なものではありません。 道中の探索、アイテムの取捨選択、そして敵との遭遇時に「戦うか、逃げるか」という決断が、かつてないほどの重みを持ってプレイヤーにのしかかってきます。
血液採取とクラフトシステムがもたらす戦略性
グレースパートにおけるリソース管理の核となるのが、本作から導入された「血液採取」とそれに伴うクラフトシステムです。 マップのあちこちに点在する血溜まりや、苦労して倒したゾンビの死体から、特殊なシリンジを用いて血液を採取することができます。
この採取した血液は、ゲーム内における万能のリソースとして機能します。 銃の弾薬を生成することもできれば、グレース自身の身体能力(体力上限や移動速度など)を向上させるための強化アイテムを作ることもできます。 さらに後述する、本作の攻略において極めて重要となる「破血アンプル」の生成素材にもなります。
ここで発生するのが、常に付きまとうジレンマです。 マップから採取できる血液の総量には限りがあるため、全てを最大まで強化・補充することは不可能です。
目の前に強敵が現れた時、弾薬を作って正面突破を図るのか。 それとも、グレース自身の能力を強化して逃げ切りやすくするのか。 あるいは、血液を温存してステルスでやり過ごすルートを探すのか。
プレイヤーは状況を観察し、手持ちの資源と相談しながら、常に最適解を模索し続けなければなりません。 このシステムにより、ただ与えられたアイテムを使って進むのではなく、「自分のプレイスタイルに合わせて生存戦略を構築する」という深いゲーム性が生まれています。 周回プレイを行う際にも、どこに敵が配置されているか、どこにアイテムがあるかを記憶していれば、初回プレイとは全く異なる効率的なリソースの割り振りが可能となり、リプレイ性の高さにも直結しています。
復活するゾンビと「破血アンプル」の重要性
グレースパートの戦闘における最大の恐怖要素であり、リソース管理をさらに悩ましくさせるのが、「倒したゾンビが復活する」というシステムです。 これは初代バイオハザードのリメイク版に登場した「クリムゾンヘッド」を彷彿とさせる、非常に厄介かつ恐ろしい仕様です。
通常のハンドガンなどでゾンビを撃ち倒し、動かなくなったとしても、それは一時的な活動停止に過ぎない場合があります。 一定時間が経過すると、彼らはより凶暴で、より強靭な怪物へと変異を遂げて蘇ってくるのです。 蘇ったゾンビの戦闘力は凄まじく、まともに相手をすれば貴重な弾薬を大量に消費させられるか、最悪の場合は成す術もなくゲームオーバーに直結します。
この悪夢のような復活を完全に阻止するための唯一の手段が、血液からクラフトできる「破血アンプル」です。 活動停止中のゾンビにこのアンプルを打ち込むか、あるいはステルス状態から背後に忍び寄ってこっそりと打ち込むことで、ゾンビを一撃で完全に沈黙させることができます。
しかし、前述の通り血液は貴重なリソースです。 全てのゾンビにアンプルを使う余裕はありません。 結果としてプレイヤーは、「この通路は何度も通るからアンプルを使って確実に処理しよう」「ここは一度きりしか通らないから、倒さずにステルスでやり過ごそう」といった、エリアの構造と敵の配置を計算した立ち回りを要求されます。
各ゾンビの配置や個性が際立っており、ステルスゲーム的な緊張感を持って攻略を進める必要があるのが、グレースパートの醍醐味と言えます。
レオンパート:爽快感抜群のアクション特化プレイ
極限の緊張感と恐怖を強いるグレースパートから一転して、レオンパートに切り替わるとゲームの性質はガラリと変わります。 こちらはバイオハザードRE:4の正統進化とも言える、アクションに特化した爽快感抜群のプレイフィールとなっています。
レオンは訓練されたエージェントであるため、グレースのような重々しい操作感はなく、機敏に動き回り、多彩な武器を使いこなして目の前に立ち塞がる敵を文字通り「殲滅」していきます。
グレースパートでプレイヤーを苦しめたシビアなリソース管理も、レオンパートではかなり緩和されています。 弾薬や回復アイテムの管理は依然として必要ですが、近接攻撃用のナイフなどのアイテムは、使用しても完全に壊れてなくなるわけではありません。 耐久度という概念は存在しますが、戦闘の合間に自分で研ぐことで切れ味を回復させ、何度でも使用することが可能です。 ゲームを進めればショットガンなどの強力な火器も手に入り、キャラクターの強化も実感しやすくなっています。
面白いのは、グレースが苦労して探索し、恐怖に怯えながら進んだ全く同じエリアを、後からレオンが訪れる展開があることです。 グレースの時には存在しなかった爆発物のドラム缶が都合よく配置されていたりして、純粋なアクションゲームのステージとして再構築されています。 先ほどまで息を潜めていた場所で、今度は派手な銃撃戦と爆発を巻き起こして敵を蹴散らしていく快感は、溜まりに溜まったストレスを一気に解放してくれる素晴らしいカタルシスをもたらしてくれます。
オートセーブとセーフルーム廃止によるテンポの変化
二つのパートの違いは、システム面にも深く根付いています。 その最たる例が、セーブシステムの違いです。
グレースパートには、過去作でお馴染みの「アイテムボックス」と「タイプライター(セーブポイント)」が設置された、絶対安全なセーフルームが存在します。 プレイヤーは恐怖の探索を終えてセーフルームに逃げ込み、インクリボン(難易度によっては不要ですが)を使って記録を残すことで、ようやく安堵の息をつくことができます。 セーブを渋って探索を強行し、不意の事故で死んでしまった場合、長時間のプレイが水の泡になるという古典的なバイオハザードの緊張感がそこにあります。
一方、レオンパートではこのセーフルームの機能が使えなくなっています。 ではどうやってセーブするのかというと、レオンパートは現代的なオートセーブが細かく機能しているのです。 戦闘でゲームオーバーになっても、直前のチェックポイントからすぐに、ほとんどペナルティなしでリトライすることが可能です。
これにより、レオンパートは「死のペナルティを恐れて慎重に進む」のではなく、「トライ&エラーを繰り返してアグレッシブにアクションを楽しむ」ことに集中できるよう設計されています。
ここで、二つのパートのシステム的な違いを表にまとめます。
| 比較項目 | グレースパート | レオンパート |
|---|---|---|
| ゲームの焦点 | 恐怖体験、探索、謎解き | アクション、敵の殲滅 |
| 操作感 | 重く鈍い(一般人の身体能力) | 機敏で軽快(エージェント) |
| リソース管理 | 極めてシビア(血液のやり繰り) | 比較的緩やか(武器の修復可能) |
| 戦闘スタイル | ステルス推奨、逃走の選択 | 正面突破、積極的な戦闘 |
| セーブ方式 | 手動セーブ(セーフルーム依存) | オートセーブ(リトライ容易) |
| ゲーム全体の比重 | 長め(物語のメイン視点) | 短め(アクションのアクセント) |
日本版の表現規制(CERO)に関する実情と所感
国内のプレイヤーにとって気になるのが、CEROレーティングに伴う日本版特有の表現規制(ゴア表現の制限)についてでしょう。 私は日本版をプレイしており、その後海外版のプレイ映像(Twitchなどの配信)を確認して比較してみました。
結論から言うと、日本版にも明確な表現規制は存在します。 海外版では、強力な武器で敵を攻撃した際、頭部が完全に吹き飛び脳髄が露出したり、目玉が飛び出してぶら下がったり、大量の血が吹き出したりといった非常に強烈でグロテスクな表現が採用されています。 対して日本版では、部位欠損が起きた箇所の断面が真っ黒に塗りつぶされる処理が施されています。 血の量も海外版に比べるとマイルドに調整されている印象を受けます。
しかし、誤解してほしくないのは「欠損表現そのものが無いわけではない」という点です。 ゾンビの腕が飛んだり、首がもげたりといった部位破壊の判定と視覚的な変化は日本版でもしっかりと実装されています。 あくまで「その切断面の生々しい描写が黒塗りされている」という状態です。
確かに、激しい戦闘の中で断面が不自然に真っ黒になっているのを見ると、一瞬現実に引き戻されるような違和感を覚えることはあります。 しかし、それがゲームの本質的な恐怖体験や、リソース管理の緊張感、アクションの爽快感を大きく損なうかと言われれば、決してそんなことはありません。 CEROの規定上避けられない仕様ではありますが、ゲームとしての面白さは日本版でも100%味わえるようになっています。
唯一の懸念点:パート切り替えによる好みの分かれ道
ここまで本作の素晴らしい点ばかりを挙げてきましたが、忖度なしのレビューとして、プレイしていて感じた唯一の懸念点にも触れておきます。 それは、グレースとレオンのパートが交互に入れ替わるというゲーム構造そのものが、プレイヤーの好みを真っ二つに分ける可能性があるという点です。
本作は全体的なプレイ時間の比率で言うと、グレースパートの方が長めに設定されています。 じっくりと時間をかけて探索し、恐怖を乗り越えて区切りのいいところまで進むと、レオンパートにバトンタッチします。 レオンパートは比較的短時間で激しいアクションをこなし、それが終わるとまた長めのグレースパートに戻る、というサイクルを繰り返します。
これまでのバイオハザードシリーズの多くは、一人の主人公(あるいは途中で少しだけ交代する程度)で、物語の最初から最後までノンストップで駆け抜ける没入感がありました。 本作のようにシステムも操作感も全く違う二つのゲームが交互に展開される構成は、非常に欲張りでサービス精神旺盛な作りである反面、「テンポが削がれる」と感じる人もいるはずです。
純粋なホラーや探索をじっくり楽しみたい人にとっては「レオンの派手なアクションが恐怖の余韻を台無しにする」と感じるかもしれません。 逆に、RE:4のようなアクションシューティングを求めている人にとっては「グレースの遅い操作感や面倒なリソース管理が苦痛だ」と感じるでしょう。
二つの異なる面白さを高次元で融合させようとした野心的な試みですが、それゆえに「どちらか片方だけをずっと遊んでいたかった」という不満を生み出すリスクを孕んだ、好みの分かれる仕様であることは間違いありません。
まとめ
バイオハザードレクイエムは、次世代機のパワーをフルに活かした極限のグラフィックと、初代から続く純粋な恐怖と探索、そして最新のアクション性を一つのパッケージに詰め込んだ、シリーズの集大成とも言える傑作です。
血液採取という新たなリソース管理がもたらす戦略性と、初心者と熟練者の両方を引き込む見事なストーリーテリングは、時間を忘れて没頭させる力を持っています。
パート切り替えによるテンポの変化という懸念点はありますが、それを補って余りある圧倒的なクオリティと、今しか味わえない世界中のプレイヤーとの熱狂の共有は、間違いなく「今」体験すべきゲーム体験です。
購入を迷っているなら、迷わず即買ってよしと断言します。 極上の恐怖と興奮が、あなたを待っています。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。























