編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ドラクエ7リイマジンドをプレイする中で「もっと深く世界観を楽しみたい」「見逃しているイベントがあるのではないか」と気になっていると思います。膨大なストーリーとテキスト量を誇る本作だからこそ、一度のプレイでは気づけない細かな仕様や、開発者の遊び心が隠されています。
この記事を読み終える頃には、仲間の意外な一面や隠されたエンディング分岐など、ドラクエ7リイマジンドのディープな疑問が解決しているはずです。
- 原作から変更されたキャラクター設定の深層心理
- 仲間たちの意外な関係性と「母親化」するマリベル
- 特定の選択肢で発生する「幻のエンディング」
- シリーズファン必見のネーミングや小ネタの元ネタ解説
それでは解説していきます。
エスタード島の住人と設定変更の妙
『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』のリイマジンド版において、冒険の始まりの地であるエスタード島には、原作プレイヤーほど驚くような細かな変更が施されています。これらは単なる名称変更にとどまらず、物語の背景やキャラクターの道徳観にまで踏み込んだ修正と言えるでしょう。
物知りじいさんと崖っぷちじいさん
まず注目すべきは、エスタード城下町の外れ、断崖絶壁に住む老人の名称変更です。 原作(PS版)をプレイした方なら記憶にあるかと思いますが、彼はかつて「崖っぷちじいさん」と呼ばれていました。しかし、今作リイマジンドでは「物知りじいさん」という名称に変更されています。
名称変更の背景にある配慮
なぜ「崖っぷち」から「物知り」へと変更されたのでしょうか。 これには昨今のコンプライアンスや表現への配慮が関係していると推測されます。「崖っぷち」という言葉が持つ、人生の瀬戸際や追い詰められた状況というネガティブなニュアンスを、マイルドな表現に改めた可能性があります。あるいは、彼が単に場所に住んでいるだけでなく、世界の秘密や石版の真実に迫っていた知的な人物であることを強調するための変更かもしれません。
キーファの祖父と「冒険禁止」の真実
名称以上に重要なのが、彼が冒険に出られなかった理由の改変です。 原作では、当時のエスタード国王(キーファの祖父)によって石版を取り上げられ、強制的に夢を絶たれたという、王家の横暴さを感じさせる設定でした。これは「大人の事情で子供の夢が潰される」というDQ7特有の鬱屈とした空気を象徴するエピソードの一つでした。
しかし、リイマジンド版ではこの設定が大きく変わっています。 彼は旅に出る直前まで準備を進めていたものの、当時の友人であった「いかだの番人」をしている老人から、「体が弱い」という健康上の理由で冒険を止められ、断念したことになっています。
エスタード王家の名誉回復
この変更は、物語全体のトーンに大きな影響を与えています。 原作の設定のままだと、キーファの祖父ひいてはエスタード王家全体が「民の夢を理不尽に奪う権力者」として描かれてしまいます。キーファが王家を嫌い、冒険に憧れる動機としては十分ですが、プレイヤーとしては王家に対してあまり良い印象を抱けません。 今回の変更により、王家の理不尽さが消え、代わりに「友人が友人の体を気遣って夢を諦めさせた」という、友情と健康への配慮という優しいエピソードに置き換わりました。ここには、エスタード王族を必要以上に悪役にしないための調整が見て取れます。
幻の「裏主人公」としての可能性
物知りじいさんは、もし健康で、友人に止められていなければ、主人公(アルス)よりも数十年早く石版の謎を解き、世界を救う旅に出ていたかもしれません。 彼は言うなれば「早く生まれすぎたエデンの戦士」であり、もう一人の主人公とも呼べる存在です。リイマジンド版では、彼の知識量や石版への執着を通して、その「ありえたかもしれない未来」をより鮮明に感じ取ることができるようになっています。
マリベルの「母親化」現象とアルスへの過干渉
今作をプレイしていて最も顕著に感じる変化の一つが、ヒロインであるマリベルの言動です。 原作から「口うるさい幼馴染」というポジションでしたが、リイマジンド版ではそれが進化し、もはや「母親」、あるいは「口うるさい妻」の領域に達しています。彼女のセリフの端々から感じる母性について掘り下げてみましょう。
ダイアラックでの「寝坊助」への対応
石化した町ダイアラックでのイベントを思い出してください。 宿屋で寝坊をした主人公を起こす際、マリベルは以下のように発言します。
「本当にあんたって子はいつも起きるのが遅いんだから」
このセリフのイントネーションや言い回しは、完全に休日の朝に息子を叩き起こす母親のそれです。幼馴染としての親愛の情を超え、相手の生活態度を管理・指導する立場からの発言となっています。
ユバールの民との交流における嫉妬と管理
ユバール族の休息地でのイベントは、マリベルの「母親化」と「パートナー意識」が混在する象徴的なシーンです。 夜、キーファの子孫であるアイラと主人公が二人だけで会話をした直後、マリベルは鋭く詰め寄ります。
「何? あんたアイラさんと何話したの? もう仲良くなったの?」
ここまでは嫉妬深い恋人のムーブですが、その直後のセリフで一気に母親へと変貌します。
「鼻の下伸ばしてたら勝てるもんも勝てなくなるわよ。ほらさっさと準備する!」
「鼻の下を伸ばすな」という風紀指導と、「さっさと準備する」という行動管理。これは学校へ遅刻しそうな子供を送り出す母親そのものです。彼女の中でアルスは「放っておくと何もしない、だらしない子」として認識されていることがよく分かります。
ハーメリアでの「説明責任」の追求
過去のハーメリアにて、主人公がアザから発現した水の紋章の力で海底都市への道を開いたシーン。 超常現象を目の当たりにして驚くのが普通ですが、マリベルの反応は一味違います。
「今は聞いてもしょうがないと思うけど、いつかきっちりとその技が何なのか説明してもらいますからね」
この詰め方は、夫が内緒で高い買い物をしたことがバレた時の妻のようです。「今は見逃してやるが、後で覚悟しておけ」というプレッシャー。単なる不思議がり方ではなく、「あんたのことは全て把握しておかないと気が済まない」という支配欲に近い母性が垣間見えます。
滝壺の洞窟における「おんぶ」の要求
さらに決定的なのが、滝壺の洞窟を登っている最中のセリフです。
「アルスお願い。後でお駄賃あげるから。朝から山登りはきついのよ」
ここでのポイントは「お駄賃」というワードチョイスです。 対等な関係や恋人関係であれば「お礼」や「ご褒美」といった言葉が選ばれるはずです。しかし「お駄賃」は、親が子供にお使いを頼む際に使う言葉。彼女はアルスをおんぶさせる対価として、子供扱いすることでバランスを取ろうとしています。 しかし、冷静に考えて成人近い(あるいは思春期後期の)男性に背負ってもらって山を登るというのは、幼馴染という距離感を加味してもかなりのハードルです。それを平然と要求できる関係性こそが、今作のマリベルとアルスの「熟年夫婦」のような絆を表していると言えるでしょう。
デミーラ戦後の「嘘ついたらバチが当たる」
オルゴ・デミーラ(第一形態)を倒した後、バンゾ王から「もうやることは全て終わったのか?」と問われるシーンがあります。 ここでプレイヤーが「いいえ」と答えると、マリベルがすかさず割って入ります。
「ほら、王様に嘘ついたらバチが当たるわよ。王様、この子がごめんなさいね」
「この子がごめんなさいね」。 これは完全に、他所で粗相をした子供の代わりに謝る母親の定型文です。王様という権力者を前にしても、アルスを「うちの子」扱いしてコントロールしようとする姿勢。原作以上に、マリベルの面倒見の良さ(という名の支配力)が強化されていることが分かります。
漁師ボルカノとの対話と「幻の漁師エンディング」
ドラクエ7の物語は、主人公が漁師の息子でありながら冒険に出るという構造を持っていますが、リイマジンド版ではこの「漁師としての運命」を受け入れた場合の「if」がより詳細に描かれています。
終わらない「いいえ」の問答
とあるイベント後、父ボルカノから今後の身の振り方を問われるシーンがあります。 「お前が旅をしたいと言うなら反対しないが、今後も冒険を続けたいのか?」という問いに対し、「はい」「いいえ」の選択肢が出現します。 通常は「はい」を選んで冒険を続けますが、ここで頑なに「いいえ」を選び続けると、ボルカノの反応が変わっていきます。
- 最初の確認:「お前はてっきりまだ続けたいもんだと思っていたが本当にいいのか」
- 真意の確認:「俺や母さんに気を使っているんじゃないか? 本当に行きたくないのか?」
- 警告:「ここで旅を辞めると世界は闇に閉ざされたままかもしれないが、それでもいいのか?」
このように、ボルカノは親として、そして一人の大人として、主人公の意思を何度も確認し、同時に「世界が救われない」というリスクも提示してきます。
訪れるバッドエンド(夢オチ)
それでも全ての問いに「いいえ」で答え続けると、ボルカノは諦めたようにこう言います。 「そうか、そういうことならば、今回のことは綺麗に忘れてしまうのだな。明日からは漁師としての修行をつけてやるぞ」
その後、画面は暗転し、衝撃的なメッセージが表示されます。
「その後、主人公は漁師になり、日々の仕事の中で冒険の思い出は徐々に過去のものへとなっていき、世界はゆっくりと破滅を迎えていくのだった……」
まさに「THE END」と言わんばかりのバッドエンド演出です。 ドラクエシリーズにおいて、明確なバッドエンドルートがテキストで描写されるのは珍しい演出です。しかし、この直後「おい起きろ!」という声と共に叩き起こされ、一連の流れは「夢オチ」として処理されます。 「世界が滅びる夢を見た」ことにしてゲームオーバーを回避させるメタ的な救済措置ですが、プレイヤーに対し「お前がやらなきゃ世界は終わるんだぞ」という事実を突きつける強烈なイベントとなっています。
ガボの無邪気さと仲間たちの財布事情
元々オオカミであったガボですが、リイマジンド版では彼の「人間としての子供らしさ」に焦点が当てられています。野生児としての側面と、愛される末っ子としての側面が絶妙なバランスで描かれています。
マリベルによるグルーミング
フィールド上での会話で、ガボは嬉しそうにこう語ります。
「マリベルはさ、たまにおいらの髪を梳かしてくれるんだよな。『ボサボサじゃないの』って言って。仲間が毛繕いしてくれるみたいでポカポカするんだ」
ここには2つの尊いポイントがあります。 1つは、口うるさいマリベルが、なんだかんだでガボの世話を甲斐甲斐しく焼いている点。文句を言いながらも髪を梳かしてあげる姿が目に浮かびます。 もう1つは、ガボがそれを「毛繕い」と捉えている点。オオカミとしてのコミュニケーション(グルーミング)と、人間のコミュニケーションが彼の中でリンクしており、彼がパーティを「群れ」として信頼していることが分かります。
お小遣い制の導入
ティラノスの化石を見た際、ガボの発言から衝撃の事実が判明します。
「あの化石欲しいな。お小遣い3ゴールドあるんだけど買えるかな」
ガボは財布を握っているわけではなく、誰か(おそらくマリベルかアルス、あるいはメルビン)から「お小遣い」をもらって生活しているようです。しかも「3ゴールド」。薬草すら買えない金額ですが、子供に持たせる額としてはリアルです。 このセリフから、彼が金銭管理を任されておらず、仲間たちに養われている「子供」のポジションであることが確定します。
拾い食いとメルビンの心配
ガボの野生児エピソードとして、「拾い食い」の描写も強化されています。 「疲れたら休憩したほうがいいぞ。おいらは大丈夫だぞ。道端に生えてるキノコをちょいちょい食べてるからな」という発言に対し、老騎士メルビンが反応します。
「それは大丈夫でござるか? 鼻が利くお主だから変なものは食べないと思うが……」
メルビンの真面目な心配性がよく表れています。 また、光苔を食べようとした際にはアイラから「やめなさい! 足りなくなったらどうするの!」と怒られています(毒の心配ではなく在庫の心配をしているあたり、アイラも少しズレていますが)。 さらに、かつて神の兵の長であったフォズ大神官からも「たくさん食べて大きくなるんだぞ」と言われており、ガボは行く先々で「餌を与えられるべき存在」「成長を見守られる存在」として扱われています。
仲間会話で判明するキャラクターたちの裏側
リイマジンド版の醍醐味は、メインストーリーでは語られない仲間たちの「オフの時間」が仲間会話で示唆される点です。
ガボとアイラと王様の部屋
一回目のデミーラ討伐後、ガボが不満を漏らします。
「アイラのやつ冷たいんだ。王様の部屋で遊んでたら『今日は客があるから外で遊べ』って言うんだもん。いつも城ではいい子にしてたのに」
このセリフから、とんでもない事実が分かります。 ガボは日常的に「王様の部屋(おそらくバーンズ王の私室)」に入り浸って遊んでいるのです。一国の王の部屋を遊び場にする野生児。そしてそれを許容しているバーンズ王の懐の深さ。 アイラがそれを止めるのは当然ですが、ガボにとっては「いつもの遊び場」を奪われた理不尽さを感じているようです。
アイラとアルスの早朝稽古
同時期、アイラはアルスに対してこう言います。
「眠い目をこすって私の朝の修行に付き合ったおかげで、なまってないわね」
旅が中断していた平和な期間、アルスはただ遊んでいたわけではなく、アイラの剣の稽古に付き合っていたことが判明します。キーファの剣技を受け継ぐアイラと、その親友であったアルス。二人が剣を交える姿は、亡き(離脱した)キーファへの想いを感じさせると同時に、アルスの強さが維持されている理由付けにもなっています。
マリベルとアイラの「女子会」
神様復活前、旅の終わりを予感したアイラとマリベルの会話もエモーショナルです。
アイラ「もうすぐ旅も終わりか。私とマリベルの夜話もできなくなるのね」 マリベル「そんなこと言わないでよ。その時間だけが唯一の楽しみだったのに」
犬猿の仲に見えることもあった二人ですが、夜な夜な二人だけで「夜話(ガールズトーク)」を繰り広げていたことが明かされます。 男所帯のパーティの中で、女性同士でしか話せない悩みや愚痴を共有していたのでしょう。「唯一の楽しみ」と言うほど、マリベルにとってアイラは精神的な支えになっていたのかもしれません。
全員での温泉旅行計画
決戦前、炎の山(エンゴウ)の足湯に行くと、マリベルから提案があります。
「世界が平和になったら、みんなで足湯に行かない? 久々にゆっくりしましょうよ」
また、現代の風の谷でもアイラが同様の提案をします。
「全部が終わったら、この谷でみんなでゆっくりするのも悪くないかもね。考えておいてね」
世界を救う戦いの最中、彼女たちは「戦いの後」の平和な日常を夢見ています。仲間たち全員で温泉旅行に行く未来。エンディング後、彼らが本当にそんな時間を過ごせたのかを想像すると、胸が熱くなる会話です。
シリーズファンに向けた小ネタとメタ発言
ドラクエシリーズの過去作を知っているとニヤリとできる小ネタも豊富に含まれています。
マリベルのネーミングセンスと過去作オマージュ
ガボが仲間に加入した際、名前を決めるイベントが発生しますが、ここでマリベルが提案する名前が秀逸です。
「ネルチョイ」の元ネタ
マリベルは「ネルチョイ」という名前を提案します。 これは『ドラゴンクエストXI(ドラクエ11)』の小ネタからの引用です。DQ11の異変後、最後の砦で赤ん坊に名前をつける際、主人公が名付け親になることを拒否すると、母親が「それなら仕方がないわね。この子の名前は『ネルチョイ』にします」と言い放つイベントがあります(ちなみに承諾すると『イレブン・トンヌラリア2世』になります)。 時系列的にはDQ7の方が先ですが、リイマジンド版として新しい作品のネタを逆輸入している形になります。
「ゲレゲレ」の元ネタ
もう一つの提案「ゲレゲレ」は有名でしょう。 『ドラゴンクエストV(ドラクエ5)』において、ベビーパンサー(キラーパンサー)につける名前の候補の一つです。ビアンカが提案する名前として知られ、独特の語感からカルト的な人気を誇ります。 これらの名前が出た際、仲間たちが微妙な顔をするのもお約束。マリベルのネーミングセンスが「ちょっとアレ」であることを示すとともに、シリーズファンへの目配せとなっています。
「アルスチョイ」への派生
コスタールのイベントクリア後、街中に「あなたにあやかって、この子の名前は『アルスチョイ』にしました」と言う女性が現れます。 明らかに「ネルチョイ」の系譜です。英雄の名前をもじって変な名前にしてしまう、ドラクエ世界の住人たちの独特な感性が光ります。
神様のビジュアル変更の謎
リイマジンド版における「神様」のデザインについても、作中で言及があります。 メルビンは「今の神は随分と柔和でござるが、昔の神はとにかく威厳が半端なくって、今とは随分違っていた」と語ります。
これは、回想シーンなどで登場する「昔の神様」と、現代に復活した(あるいは隠しダンジョンにいる)「神様」の見た目が、ステレオタイプな神様像から、コミカルな小太りのおじさんへと変化していることへのフォローです。 メルビンが偽物の神様(オルゴ・デミーラ)に気づけなかった理由の一つとして、「神様の見た目が変わりすぎていて、今の神様がどういう姿が正解なのか分からなかった」という可能性が示唆されています。大魔王に敗れた後、力を蓄える過程でなぜあのような姿になったのかは謎ですが、究極の強さを手に入れると逆に見た目がシンプルになる、というのはフリーザ様的な進化論なのかもしれません。
細かすぎるキャラクターモーションと「視線」の演技
リイマジンド版のグラフィックにおける最大の進化は、テキストには表示されない「キャラクターの演技」です。
無言のリアクション
- 砂漠の墓作り:過去の砂漠でハディートから墓作りを手伝えと言われた際、アルスとガボは無反応ですが、マリベルだけが「ゲッ」とした嫌そうなリアクションを取ります。労働を嫌う彼女の性格がモーションだけで表現されています。
- 老楽師への反応:過去ハーメリアで老楽師に「昔、わしの一族を助けてくれた若者たちに似ておる」と言われた際、ガボとマリベルだけが反応します。彼らはこの老人が、かつて旅をしたユバールのジャンであることに気づいたのです。
- 決戦前の睨み合い:アイラ加入時のイベントで、敵対していたゴトスがマリベルを睨み、マリベルが負けじと睨み返す描写があります。テキストでは語られない「女の戦い」あるいは「敵意の交錯」が描かれています。
戦闘終了後の安否確認
過去ユバールでジャンと戦った後のイベントシーンも見逃せません。
- ライラは真っ先にキーファの元へ駆け寄ります(愛する人への確認)。
- ガボは自分の無事を確認します。
- そしてアルスは、なんとマリベルのことを気遣って振り返っています。
これは、アミット(マリベルの父)と交わした「娘を守る」という約束を守っている描写であると同時に、アルス自身がマリベルを大切に思っていることを示す数少ない、しかし強力な証拠です。
英雄メルビンとパフパフの嗜み
最後に紹介するのは、堅物と思われがちな伝説の英雄メルビンの意外な一面です。
コスタールのカジノで特別会員証を入手した後、テラスにいる踊り子に話しかけると「パフパフ」を提案されます。これはラッパを「パフパフ」と鳴らすだけの健全なイベントですが、神復活後にメルビン一人で訪れると会話が変化します。
踊り子からのパフパフの誘いに対し、「はい」と答えると……
「わしは英雄メルビン。慎んでお受けするでござる」
と、謎の使命感を持って快諾します。英雄の名乗りを上げてまでパフパフを受けるその姿勢。 逆に「いいえ」で断ると……
「今急ぐゆえ、ここで失礼するでござる。神よ、なんと過酷な試練をわしに与えるでござるか」
パフパフを断ることを「過酷な試練」と表現します。彼にとってパフパフは神の試練と同等の重みを持つ誘惑のようです。伝説の英雄も一人の男。この人間臭さが、メルビンというキャラクターをより愛らしくしています。
まとめ
今回は『DQ7リイマジンド』の小ネタや設定変更について深く解説しました。
- 設定の軟化:物知りじいさんやエスタード王家の設定がマイルドになり、現代的な配慮がなされている。
- 関係性の深化:マリベルの母親化や、アイラとの女子会など、仲間同士の絆がより深く、リアルに描かれている。
- Ifの追求:漁師エンドや夢オチなど、プレイヤーの選択に対するフィードバックが強化されている。
- 細部のこだわり:視線やモーション、シリーズオマージュなど、製作者の愛と遊び心が詰まっている。
リイマジンド版は、単なるリメイクにとどまらず、キャラクターの解像度を極限まで高めた作品と言えます。もしこれからプレイする、あるいは再プレイする機会があれば、ぜひこれらの小ネタを意識して、仲間たちの会話や挙動をじっくり観察してみてください。きっと、今まで見えていなかった新しい『エデンの戦士たち』の姿が見えてくるはずです。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。




















