編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は『紅の砂漠』は本当に買うべきなのか、なぜここまで評価が割れているのかが気になっていると思います。 決して安くない買い物ですし、プレイ時間も膨大になるゲームですから、購入前の不安はとてもよく分かります。
この記事を読み終える頃には本作を買うべきかどうかの疑問が解決しているはずです。
- 序盤の壁を越えれば化ける傑作
- 操作性とボス戦に大きな難あり
- 圧倒的な密度を誇る世界構築
- 探索好きにはたまらない無限の遊び場
それでは解説していきます。
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買うべきか:本作の評価が真っ二つに割れる理由
結論から申し上げますと、このゲームはプレイヤーの求めるものによって評価が180度変わる作品です。 未知の世界を手探りで探索し、少しずつシステムを理解していく過程を楽しめる方には、間違いなく「買い」です。
追加課金なしで200時間以上遊べるボリュームがあり、長く1つの世界に没入したい方には最高の体験を提供してくれます。 一方で、丁寧なチュートリアルや、サクサクと進む快適なアクションを求めている方にはおすすめできません。
重厚な一本道のストーリーを映画のように楽しみたいという方にとっても、本作の方向性は合わない可能性が高いです。 なぜここまで人を選ぶ仕様になっているのか、その背景には開発の経緯が深く関わっています。
本作は元々MMORPGとして2019年に発表され、その後シングルプレイヤー専用に方針転換された経緯を持ちます。 そのため、MMO特有の「世界に放り出されて自分で楽しみを見つける」という手触りが強く残っているのです。
発売直後の数日間、本作の評価は非常に荒れました。 全世界で数百万本を売り上げながらも、不満の声が殺頭し、賛否両論のスタートを切ったのです。
しかし、現在は驚異的な持ち直しを見せ、非常に好評なレビューを獲得しています。 この評価の反転こそが、本作がスルメゲーであることの最大の証明と言えます。
悪い点:購入前に知っておくべき注意点と課題
本作を購入する上で、目を背けてはいけない明確なマイナスポイントがいくつか存在します。 これらを許容できるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの試金石となります。
複雑すぎる操作性と不親切なUI
まず、最も多くのプレイヤーが挫折する原因が、操作性の複雑さです。 とにかく覚えるべきアクションの数が多く、直感的にキャラクターを動かせるようになるまでかなりの時間を要します。
私自身、何も考えずに手足のようにキャラクターを動かせるようになるまで、約10時間ほどかかりました。 さらに、インベントリなどのユーザーインターフェース(UI)も、洗練されているとは言い難い部分があります。
アイテムの管理や装備の変更が煩雑で、どこに何があるのか分かりにくいという声が後を絶ちません。 MMOの複雑なシステムを無理やりコントローラーに落とし込んだような、特有のやりづらさが存在します。
理不尽に感じやすいシビアなボス戦
オープンワールドの探索は楽しいのに、ボス戦で心が折れてしまうプレイヤーも少なくありません。 本作には70体以上のボスが存在しますが、その多くのバランス調整に課題が残されています。
予備動作のない瞬間移動や、理不尽に感じる即死攻撃が頻繁に飛んできます。 さらに、特定のギミックがバグでうまく機能しない場面もあり、プレイヤースキル以外の部分で理不尽な死を迎えることがあります。
難しいというより、納得のいかない理不尽さを感じる場面が多いのが現状です。 アップデートで徐々に改善されてはいますが、根本的なアクション設計の粗さは否めません。
ストーリーの繋がりが薄いアンソロジー構造
本作のストーリーは、全体を貫く太い一本の線が存在しません。 主人公クリフは傭兵団のリーダーですが、各地で巻き起こる物語はそれぞれが独立したエピソードのようになっています。
これは、地域ごとに独自のクエストラインを持つMMOの設計思想をそのまま引き継いでいるためです。 各章のバラエティは豊かで個々のキャラクターは魅力的なのですが、大きな物語のうねりを感じにくい構成です。
結果として「世界を救う」という大目的へのモチベーションが保ちにくくなっています。 素晴らしい声優陣の演技が光っているだけに、物語の構造自体がもったいないと感じる部分です。
序盤に全てを投げ出される不親切な導線
通常のゲームであれば、序盤はシステムを少しずつ教える丁寧なチュートリアルが用意されています。 しかし本作は、序盤から複雑なシステムとルールをプレイヤーに一気に投げつけてきます。
操作も覚束ないうちに強敵と遭遇し、わけもわからないまま倒されることが頻発します。 プレイ時間が増えるほど評価が上がるというデータがありますが、それは裏を返せば「序盤が最も苦痛である」ということです。
この序盤の壁を乗り越えられないままゲームを辞めてしまうプレイヤーが多いのは、非常に残念な設計です。
良い点:序盤の壁を越えた先にある圧倒的な魅力
悪い点を多く挙げましたが、それを補って余りある魅力が本作には詰まっています。 序盤の不満を乗り越えたプレイヤーたちが、なぜこの世界に熱狂しているのかを解説します。
息を呑むほど美しい世界と恐ろしいほどの密度
本作のオープンワールドは、ただ広いだけではありません。 グラフィックの美しさはもちろんのこと、特筆すべきはその「密度」と「縦方向への広がり」です。
一般的なオープンワールドが平面的な広さを追求するのに対し、本作は山や峡谷、深い洞窟など、高低差を活かした地形で構成されています。 プレイヤーを見下ろすような巨大な建造物や自然の造形が、自分がこの世界でいかにちっぽけな存在かを実感させます。
ライティングの表現も秀逸で、夜は本当に暗く、松明の明かりがなければ一歩も進めないほどの恐怖と没入感を味わえます。 昼夜のサイクルが、ただの背景の変化ではなく、ゲームプレイの緊張感に直結しているのです。
プレイヤーの好奇心を決して裏切らないギミック
世界を探索していると、「もしかしてこれができるのでは?」という予感が至る所で生まれます。 そして、その予感がほぼ100%の確率で現実のギミックとして用意されているのが本作の凄みです。
例えば、フィールドにある巨大なクレーンを操作して、地面に埋まった岩を吊り上げるクエストがあります。 岩をどかした後にぽっかりと開いた穴を見た時、多くのプレイヤーは「ここに入れるのでは?」と考えます。
ゲーム側からの指示は一切ありませんが、実際に降りてみると、そこには広大な隠しダンジョンが広がっています。 中には防衛システムや重要なアイテムが眠っており、自分の好奇心で世界を切り拓いたという極上の体験を得られます。
アビスギアシステムがもたらす無限のビルド構築
戦闘の奥深さを支えているのが、「アビスギア」と呼ばれる装備カスタマイズシステムです。 装備に付与できるギアは190種類以上にも及び、これらを組み合わせることでキャラクターの性能が激変します。
単純なステータスアップだけでなく、スキルの挙動そのものを変えたり、全く新しい効果を追加したりすることが可能です。 さらに素晴らしいのは、ギアの能力と武器の見た目を切り離して管理できる点です。
お気に入りの見た目の武器に、強力なギアの効果を移植するという自由なカスタマイズが楽しめます。 世界中のプレイヤーが日々新しいビルドを研究しており、底なしのやり込み要素となっています。
ボスから直接技をラーニングする熱い戦闘システム
理不尽と評されるボス戦ですが、勝利した時の見返りは非常に大きなものです。 本作には、戦闘中にボスの動きを観察し、その場で敵のモーションや技を「習得」できるシステムが存在します。
強力なボスの大技をギリギリで回避し、その直後にスローモーション演出と共にクリフが技を自分のものにする。 この演出のカッコよさと、苦労して倒したボスの技を実際に使えるようになる快感はたまりません。
苦戦を強いられるボス戦も、「この技を奪ってやる」というモチベーションがあるからこそ挑み続けることができます。
無双系の爽快感と細部への異常なこだわり
戦闘システムは、重厚なソウルライクかと思いきや、実際は大量の敵をなぎ倒す無双系のアクションに近いです。 画面を埋め尽くすほどの敵を相手に、豪快なモーションで立ち回る爽快感は格別です。
これを処理落ちなしで実現している自社製エンジン「ブラックスペースエンジン」の技術力には驚かされます。 また、世界を彩る細部へのこだわりも異常なレベルに達しています。
プレイヤーが全く見ていない場所で、NPCがせっせと石像を建設し続けている様子などが確認されています。 フィールドには様々な動物が生活しており、撫でて懐かせ、自分のペットにすることも可能です。
優秀なフォトモードも搭載されており、写真を撮るのに夢中になって冒険が全く進まないプレイヤーが続出しています。
開発陣の驚異的なアップデート対応速度
本作を語る上で欠かせないのが、開発会社パールアビスの姿勢です。 発売初日に不満が噴出した際、彼らは言い訳をすることなく、翌日には大規模な改善パッチを配信しました。
操作性の改善、倉庫の追加、ボスのバランス調整など、プレイヤーの声を瞬時に反映するスピードは異常です。 この真摯な対応がコミュニティの信頼を勝ち取り、現在の高評価へと繋がっています。
「開発を信じて待つ価値がある」と思わせる運営力は、今後の長期的なアップデートへの期待を抱かせます。
類似タイトルとのスペック比較
本作の立ち位置をより明確にするため、同ジャンルの代表的なオープンワールドRPGとの比較を表にまとめました。 購入の際の参考にしてください。
| 比較項目 | 紅の砂漠 | タイトルA(王道ファンタジー) | タイトルB(高難易度死にゲー) |
|---|---|---|---|
| 価格 | 買い切り(追加課金なし) | 買い切り(DLCあり) | 買い切り(DLCあり) |
| 想定クリア時間 | 約60時間(探索込みで200時間超) | 約50時間(探索込みで150時間) | 約80時間(探索込みで200時間超) |
| マップ構造 | 縦方向の起伏が激しい・高密度 | 平面的で広大・シームレス | 複雑な立体交差・シームレス |
| 戦闘スタイル | 無双系乱戦 + ボス戦はシビア | 戦術的な剣戟・魔法 | 回避とパリィ重視のシビアな戦闘 |
| 序盤の難易度 | 非常に高い(システム理解が壁) | チュートリアルが丁寧で快適 | 非常に高い(敵の強さが壁) |
| マルチプレイ | 完全シングルプレイヤー専用 | シングルプレイヤー専用 | 協力・敵対マルチプレイあり |
| ビルドの自由度 | 極めて高い(190種のアビスギア) | 比較的高い(スキルツリー形式) | 極めて高い(ステータス割り振り) |
このように比較すると、本作は「ビルドの自由度」と「探索の密度」に特化したピーキーな作品であることがわかります。 万人受けを狙った作りではなく、刺さる人にはとことん刺さる設計になっています。
攻略ライター視点:序盤を乗り切るためのコツ
本作の最大の難所である「最初の10時間」をどう生き抜くか、攻略ライターとしての視点からアドバイスを送ります。 ここを乗り越えれば、本作はあなたにとって忘れられない神ゲーへと変わります。
最初の数時間は「逃げること」を恐れない
序盤は操作に慣れていないだけでなく、キャラクターのステータスも貧弱です。 複数の敵に囲まれたり、強そうな敵に出会ったりした場合は、迷わず逃げることを推奨します。
本作の世界はどこまでも逃げることができますし、地形を利用して敵を振り切るのもアクションの醍醐味です。 無理に戦闘をこなすよりも、まずは世界を歩き回り、安全な場所で操作の練習を行うことに時間を割いてください。
壁の登り方、アイテムの採取、基本的なコンボの繋ぎ方など、基礎を体に覚えさせることが先決です。
探索を最優先し、レベルと装備を整える
ストーリークエストを進めると、強力なボスにぶつかって進行がストップすることがあります。 そんな時は、一度ストーリーの進行を忘れ、全く別の方向へ探索の旅に出ましょう。
本作のマップには、至る所に宝箱や隠しアイテム、簡単なサブクエストが用意されています。 これらをこなすことで経験値が溜まり、強力なアビスギアを入手できる可能性が高まります。
「勝てない時は別の場所へ行く」というオープンワールドの基本を徹底することが、ストレスなく進めるコツです。
おすすめの初期アビスギア運用法
序盤に入手できるアビスギアの中で、特に優先して装備したいのが「回避距離アップ」と「スタミナ回復速度上昇」の2つです。 本作の戦闘は、いかに敵の攻撃を避けて自分のターンを作るかが重要になります。
回避性能を底上げすることで、被弾率が劇的に下がり、戦闘の難易度が大きく緩和されます。 攻撃系のギアは、自分のプレイスタイル(近接メインか、魔法メインか)が固まってきてから徐々に集めていけば問題ありません。
まずは「死なないこと」を最優先にしたビルドを組むのが、序盤攻略の鉄則です。
戦闘におけるマインドセットの切り替え
本作のボス戦は、初見でスマートに勝てるようには作られていません。 「何度も倒されながら敵のモーションを覚えるゲーム」だと、最初からマインドセットを切り替えてください。
理不尽な攻撃を受けてもイライラせず、「今のモーションの後は隙ができる」と冷静に分析することが大切です。 そして、苦労の末にボスを倒し、そのボスの技を自分が使えるようになった瞬間のカタルシスを信じて戦い続けてください。
操作が複雑だからこそ、自分の指が思い通りに動いてボスを圧倒できた時の喜びは、他のゲームの比ではありません。
まとめ
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。
今回は『紅の砂漠』の評価と、買うべきかどうかについて深く掘り下げてレビューを行いました。 本作は決して完璧なゲームではなく、荒削りな部分や不親切な仕様が目立つ作品です。
しかし、その欠点を補って余りあるほどの「圧倒的な世界の密度」と「探索の喜び」が詰まっています。 どこまでも行けると思わせる広大なフィールド、予想を裏切らないギミック、そして底なしのビルド構築。
これらに魅力を感じる方であれば、序盤の苦労を乗り越えてでもプレイする価値は十分にあります。 あなたがゲームに求めているものが「未知の世界への冒険」であるなら、本作はきっとあなたの心に深く刺さるはずです。























