編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、噂されている「スイッチ2」の購入タイミングや、転売による利益の可能性、そしてニュースで耳にする「メモリ不足」がゲーム機にどう影響するのかが気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、なぜ今ハードウェア市場で価格高騰が危惧されているのか、そしてスイッチ2を早期に確保することがなぜ経済的な「正解」になり得るのか、その根本的な疑問が解決しているはずです。
- 世界的なDRAMメモリの40%をOpenAIが買い占めた事実
- トランプ関税の影響による市場の疑心暗鬼と在庫不足
- XboxやAMD製品に見る「買えない未来」のシミュレーション
- スイッチ2の初期ロット確保が「資産」になる経済的理由
この記事を最後まで読めば、探しているソフトがきっと見つかるはず!それでは解説してきます。
スイッチ2と世界的なメモリ枯渇の相関関係
昨今、私の元に届くDMの中で最も熱を帯びているのが、任天堂の次世代機、通称「スイッチ2」に関する相談です。 「いつ出るのか」「いくらになるのか」といった従来の質問に加え、最近急増しているのが「今買っておかないと、将来的に値上がりして損をするのではないか?」という、非常に鋭い経済的な視点を持った質問です。
結論から申し上げましょう。その懸念は、極めて高い確率で現実のものとなります。 むしろ、私が長年ゲーム業界のハードウェア動向を追ってきた中で、これほどまでに「ハードウェアの価格上昇圧力」が高まっている局面は記憶にありません。
その中心にあるのが、今回徹底的に解説する「世界的なメモリ(DRAM)の枯渇問題」です。 ゲーム機にとってメモリとは、人間でいうところの作業机の広さです。これがないと、どんなに高性能な頭脳(CPU)を積んでも、ゲームは動きません。 今、このメモリ市場で、一般のゲーマーが想像もしないような事態が進行しています。 スイッチ2が欲しいと考えているあなたが、なぜ今この情報を知っておかなければならないのか。それは、このメモリ不足が、スイッチ2の製造コスト、販売価格、そして市場流通量に直撃するからです。
OpenAIによる市場の40%買い占めという衝撃
事の発端は、生成AIブームの火付け役であるOpenAIによる、常軌を逸した行動でした。 情報筋によると、OpenAIはSamsungやSK Hynixといった主要なメモリメーカーと契約を結び、市場に流通するはずだったDRAMメモリの約40%を買い占めてしまったのです。
40%という数字の恐ろしさが伝わるでしょうか。 通常、スマートフォン、PC、サーバー、そしてゲーム機など、世界中のあらゆる電子機器が残りのパイを分け合っています。 そこに突然、巨大なクジラが現れて、海の魚の半分近くを飲み込んでしまったようなものです。
しかも、この契約は極めて隠密に行われ、突然発表されました。 「挨拶回りに行っている」程度の噂はありましたが、まさか市場の均衡を崩壊させる規模の契約を、しかもサムスンとSKの両社と同時に結ぶとは、業界の誰も予想していなかったのです。 通常であれば、どちらか一方と契約し、市場の20%程度を確保するのが関の山です。しかし、彼らは両方を押さえました。
これにより、市場には強烈な「疑心暗鬼」が生まれました。 「OpenAIがこれだけ確保したなら、他のAI企業も裏で動いているのではないか?」 「今のうちに確保しないと、我々の製品を作るためのメモリがなくなるのではないか?」 こうした心理が、PCメーカーや部品業者を一斉に「買い占め」へと走らせています。 需要が供給を遥かに上回れば、当然、価格は暴騰します。これが今、メモリ市場で起きている「価格高騰」の正体です。 スイッチ2も当然、DRAMを搭載します。任天堂がどれだけコスト管理に長けていても、部品単価の高騰という津波からは逃れられません。
素材レベルでの「ウェハ」買い占めの意味
さらに事態を深刻にさせているのが、OpenAIの買い方です。 彼らは完成品のメモリチップだけを買っているわけではありません。チップになる前の素材、すなわち「シリコンウェハ」の段階で買い占めを行っているという情報があります。
これは何を意味するのか。 「使う分だけ買う」のではなく、「他社に使わせないために、素材ごと市場から消し去る」という戦略が見え隠れします。 ウェハがなければ、メモリチップは作れません。 たとえ工場があっても、材料がなければ稼働できないのです。
OpenAIの狙いは、自社のAI開発に必要なリソースを確保することに加え、相対的に市場に出回るメモリ総量を減らし、競合他社の足止めを狙っている可能性すらあります。 チップの使い道は後から考えればいい。まずは市場からモノを減らす。 この戦略によって、2026年頃までメモリ供給が正常化しない可能性が示唆されています。 スイッチ2の発売時期と、この「メモリ冬の時代」が重なってしまった場合、初期在庫の確保は困難を極めるでしょう。
トランプ関税が招いた在庫の「空白」
政治的な要因も、この火に油を注いでいます。 アメリカのトランプ関税にまつわる不確実性です。 関税が上がるのか、下がるのか、あるいは撤廃されるのか。その方針が二転三転することで、企業は在庫を持つことを恐れるようになりました。
「関税が高い時期に仕入れて損をしたくない」 「関税がなくなるかもしれないなら、今は買い控えよう」 こうして、本来であれば市場のクッション役となるはずの中間業者の在庫が、極限まで薄くなってしまったのです。
通常であれば、急激な買い占めが起きても、市場在庫(バッファ)が放出されることで価格変動はある程度抑制されます。 しかし今回は、そのバッファが空っぽの状態でした。 そこにOpenAIという巨石が投じられたため、衝撃がダイレクトに価格へと反映されてしまったのです。 この「政治的不安」と「AI需要の爆発」というダブルパンチが、スイッチ2を含むすべてのハードウェア価格を押し上げる要因となっています。
既に始まっている「買えない」現象と価格への転嫁
「まだ先の話だろう」と高を括っている方もいるかもしれません。 しかし、影響はすでに、目に見える形で現れ始めています。 特に、PCパーツや特定のゲームコンソールにおいては、既に「値上がり」や「在庫切れ」が常態化しつつあるのです。
私が普段チェックしているハードウェア市場の動向を見ても、明らかに風向きが変わっています。 これまで安価に入手できたパーツが、じわじわと値を上げ、あるいは入荷未定のステータスに切り替わっています。 これは単なる需給のバランスではなく、供給の根本が断たれていることによる構造的な問題です。
スイッチ2を狙っているあなたが、他山の石とすべき現状が、AMDのGPUやXboxの市場で起きています。
AMD製GPUとXboxに見る「敗者」の構図
最も深刻な影響を受けているのが、AMD製のGPUと、それを搭載するXboxです。 情報ソースの分析によると、マイクロソフト(Xbox)は、メモリチップの確保において後手に回った可能性が高いと言われています。
Xboxは近年、ただでさえ価格競争力を維持するのに苦労していますが、今回のメモリ高騰の直撃を受け、さらなる値上げ、あるいは販売の一時的な停滞を余儀なくされるでしょう。 「マイクロソフト本社に見放されたのではないか」とすら囁かれるほど、事前にメモリチップを買い占める予算が割かれていなかったようです。
AMDに関しても同様です。 NVIDIAに比べて資金力や市場支配力で劣る彼らは、メモリメーカーとの交渉において不利な立場にあります。 結果として、年内にはAMD製GPUの供給に影響が出始め、製品を出したくてもメモリがないため売れない、という状況に陥る予測が出ています。 特にハイエンド帯のGPU購入を検討していたユーザーにとっては、今すぐ確保しなければ手遅れになる可能性が高いのです。
NVIDIAとPCメーカーへの波及は「時間の問題」
一方で、業界の巨人であるNVIDIAはどうでしょうか。 彼らはAMDよりも事前に多くのメモリ在庫を確保していたとされています。 GPU単体ではなく、メモリとセットでメーカーに卸すビジネスモデルを持っているため、ある程度の備蓄があったのです。
しかし、それも時間の問題です。 来年の前半頃からは、NVIDIA製GPUや、大手PCメーカーの製品にも影響が出始めると予測されています。 大手であればあるほど、バルク(大量)での購入契約を結んでいますが、それらの契約分が尽きた時、市場価格でメモリを調達しなければならなくなります。 その時、製品価格はどうなるか。当然、跳ね上がります。
特に、中小規模のPCメーカーやBTOショップへの影響は甚大です。 彼らは大手ほどの交渉力も在庫体力もありません。 メモリ価格の上昇分を、即座にPC本体価格に転嫁せざるを得なくなります。 「来年はPCを組む人がいなくなる」と言われるほど、パーツ価格の高騰が懸念されているのです。
唯一の「聖域」PlayStation 5の現状
この混乱の中で、奇妙なほど安定しているのがPlayStation 5(PS5)です。 ソニーは、メモリ価格が下落傾向にあった時期に、かなり計画的に在庫を積み増していたようです。 経営判断として、メモリの底値付近で長期的な調達契約を結んでいたのでしょう。
そのため、少なくとも来年の前半くらいまでは、PS5の価格や供給は比較的安定していると見られています。 「PCを買うくらいならPS5を買え」という状況が、現実味を帯びてきているのです。 しかし、これも「永遠」ではありません。 ソニーの在庫が尽きれば、次はPS5、そして噂されるPS5 Proの価格にも影響が及びます。 聖域はあくまで一時的なシェルターに過ぎず、嵐はいずれすべてのハードウェアを飲み込むのです。
なぜ今スイッチ2を買うことが「確実な利益」に繋がるのか
さて、ここからが本題です。 なぜ、このメモリ不足の状況下で、スイッチ2を発売直後(あるいは予約段階)で買うことが、転売視点での「利益」に直結するのでしょうか。 単に「人気だから高くなる」という単純な話ではありません。 製造コストと市場価格のギャップ、そして将来的な定価改定の可能性という、より構造的な理由が存在するのです。
スイッチ2が発売されるタイミングは、まさにこのメモリ不足が深刻化している最中、あるいはその入口にあたります。 任天堂は、この逆風の中で価格設定という極めて難しい判断を迫られています。
初回ロットの「価格設定」の矛盾
任天堂のハードウェアは、伝統的に「普及」を最優先します。 どれだけ高性能でも、子供やファミリー層が買えない価格では意味がないからです。 そのため、おそらくスイッチ2の初期価格は、任天堂が相当な無理をして(利益を削って、あるいは赤字覚悟で)設定してくるはずです。
しかし、中身の部品、特にメモリのコストは高騰しています。 つまり、初期ロットのスイッチ2は、「本来もっと高く売らなければ採算が合わない製品」を、「無理やり安く売っている」状態になる可能性が高いのです。 これは、製品そのものが持つ「実質的価値」よりも、販売価格が著しく低い状態、いわゆる「バーゲンセール」の状態です。
転売市場は、この「歪み」を敏感に察知します。 部品コストから逆算される「本来の価値」と、任天堂が設定した「戦略的価格」の差額。これが、転売における利益の源泉となります。 発売直後に手に入れた個体は、世界的な部品コスト高騰を反映する前の、奇跡的な価格設定の産物となるのです。
将来的な「定価値上げ」の必然性
さらに重要なのが、将来的な公式による「値上げ」の可能性です。 これまでのゲーム機ビジネスでは、発売から時間が経てば製造コストが下がり、本体価格も下がる(値下げ版が出る)のが常識でした。 しかし、ここ数年のトレンドは真逆です。 PS5やXbox、そしてMeta Questなど、発売後に「値上げ」を発表するハードウェアが相次いでいます。
今回のメモリ枯渇が長期化(2026年後半まで続くとの予測あり)すれば、任天堂も耐えきれなくなる時が来ます。 初期価格を維持できなくなり、公式に定価を引き上げる。 そうなれば、値上げ前に購入した初期ロットの価値はどうなるでしょうか? 中古市場においてすら、購入価格以上で取引される状況が確約されます。 「今買っておけば、将来的に定価が上がったタイミングで、確実に含み益が出る」。これが、ご質問にあった「確実に利益が出る」というロジックの正体です。
供給不足が招くプレミア化の加速
メモリ不足は価格だけでなく、「量」にも影響します。 OpenAIにウェハごと持っていかれている状況では、任天堂が予定していた生産台数を確保できない可能性があります。 作りたくても、物理的にメモリがない。 そうなれば、発売初期の品薄は、初代SwitchやPS5の比ではないレベルになるかもしれません。
需要は爆発的にあるのに、供給は絞られる。 教科書通りのインフレが発生します。 転売市場において、スイッチ2の価格は定価の倍、あるいはそれ以上に跳ね上がるでしょう。 特に、メモリ不足が解消されると予測される2026年後半までの間、スイッチ2は「金塊」のような資産価値を持つことになります。 この期間に定価で入手できるチャンスがあれば、それは即ち「利益確定」のチケットを手に入れたも同然なのです。
ゲーム評論家としての提言と対策
ここまで、経済的な側面からスイッチ2の購入メリットを解説してきました。 しかし、私はゲーム評論家です。 単に「転売で儲けよう」と煽るのが本意ではありません。 真にゲームを愛する皆さんが、この混乱した市場で損をせず、適正にゲームを楽しむための防衛策として、今の状況を理解してほしいと願っています。
このメモリショックは、我々ゲーマーの財布を直撃する大問題です。 だからこそ、感情論ではなく、冷徹な市場分析に基づいた行動が必要になります。
「待つ」ことが最大のリスクになる時代
昔のように「様子見」をする余裕は、今のハードウェア市場にはありません。 「初期不良が怖いから」「ソフトが揃ってから」といって購入を先送りにしている間に、定価そのものが上がってしまうリスクがあります。 あるいは、数年にわたって入手困難な状況が続くかもしれません。
PCパーツ市場を見てください。 「もう少し待てば安くなる」と待っていた人たちが、今のGPU価格を見て絶望しています。 来年はCPUの価格が下がる(PCを組む人が減るため)という予測もありますが、肝心のメモリやGPUが高ければ意味がありません。 総合的に見て、ハードウェアは「欲しいと思ったその時」が、最も安く手に入るタイミングになりつつあります。 スイッチ2に関しても、予約開始と同時に全力で確保に動くのが、経済合理的にも、ゲーマーとしてのQOL(生活の質)を守る上でも、最適解です。
今後の市場動向を見極めるポイント
今後、ニュースを見る際は以下のポイントに注目してください。
- DRAMスポット価格の推移 これが上がり続けている限り、ハードウェアの値下がりは期待できません。
- AMD製品の在庫状況 記事の前半で触れた通り、最初に影響が出るのはAMDです。彼らの製品が市場から消え始めたら、いよいよ本格的なメモリ枯渇のサインです。
- トランプ関税の行方 関税政策が安定すれば、業者の在庫積み増しが再開され、多少は緩和されるかもしれません。しかし、現状では不透明です。
これらのシグナルを見落とさず、来るべきスイッチ2の争奪戦に備えてください。
スマホ、PC、全てが連動している
忘れてはならないのは、この問題がゲーム機単体の話ではないということです。 あなたが使っているスマートフォン、仕事で使うPC、それら全ての更新サイクルにも影響します。 もし、PCのメモリ増設や、新しいスマホへの買い替えを検討しているなら、それも「今」行うべきかもしれません。 特にDRAM単体パーツなどは、小規模な店舗ではまだ値上がりが反映されていない可能性があります。 田舎の電気屋さんや、あまり目立たないPCショップには、旧価格の在庫が眠っているかもしれません。 そういった「穴場」を探すのも、賢い自衛策の一つです。
まとめ
今回の記事の要点を整理します。
- OpenAIによる40%のメモリ買い占めが、市場価格高騰の主犯である。
- トランプ関税による先行き不安が、市場の在庫バッファを消滅させた。
- スイッチ2は原価高騰の中で発売されるため、初期価格は実質的なバーゲン価格となる可能性が高い。
- 将来的な定価値上げや供給不足が確実視されるため、早期購入は資産価値の確保(=利益)と同義である。
「転売で利益が出る」という言葉は刺激的ですが、その本質は「通貨としてのハードウェア価値の保存」です。 インフレと部品不足の時代において、人気ハードウェアを定価で手に入れることは、最も確実な投資行動の一つとなってしまいました。 ゲーマーとして、遊びたいゲームを適正価格で遊ぶためにも、今回のメモリショックの波に乗り遅れないよう、情報のアンテナを張り続けてください。 そして、予約開始のホイッスルが鳴った瞬間、迷わず走り出す準備をしておきましょう。 それが、あなたのゲーミングライフと資産を守る、唯一の方法です。








