編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「紅の砂漠(クリムゾンデザート)」をPS5や最新のPS5 Proでプレイしようと考えているものの、ネット上で囁かれている「スペック不足」や「頻発する不具合」の噂が本当なのか、非常に気になっていると思います。
次世代のオープンワールドアクションとして、数年前から世界中のゲーマーが待ちわびていた超大型タイトルだけに、期待が大きい分、現状の動作不安定さに戸惑う声も少なくありません。
この記事を読み終える頃には、PS5 Proを含む各ハードでのリアルな動作状況、今発生している致命的な不具合の正体、そして開発元の裏事情までが完全に整理され、今このゲームを買うべきかどうかの疑問が解決しているはずです。
- PS5 Proでも回避不能なフリーズ現象とマップ閲覧バグの深刻な実態
- 独自エンジン「Black Space Engine」の最適化不足が招く描画エラー
- 敵AIの同時攻撃や入力遅延が引き起こす戦闘バランスの破綻
- レビュー用ソフト配布制限から透けて見える開発側の苦渋の判断
それでは解説していきます。
紅の砂漠のPS5Proでの動作状況とスペック不足の真相
PS5Proでもフリーズやカクつきは発生するのか
本作「紅の砂漠」は、パールアビスが総力を挙げて開発した独自エンジンによって、これまでのオープンワールドの常識を覆すほどの高精細なグラフィックを実現しています。 しかし、その代償として要求される演算負荷は凄まじく、最新の「PS5 Pro」をもってしても、完全に制御しきれているとは言い難いのが現状です。
結論からお伝えすると、PS5 Proであっても特定の条件下ではフリーズや、秒間フレームレートが極端に落ち込むカクつき(スタッタリング)が発生します。 通常のPS5と比較すれば、GPU性能の向上とPSSR(AIアップスケーリング)の恩恵により、平均的なフレームレートは底上げされています。
しかし、広大なフィールドを馬で全速力で駆け抜けながら、遠方の地形データをストリーミング読み込みする際や、画面内に数十体の敵と派手なエフェクトが入り乱れる戦闘シーンでは、依然としてハードウェアの限界に近い負荷がかかっています。
ハードの進化をソフトが追い越してしまった現状
これは、PS5 Proのスペックが低いというよりも、ゲームソフト側の最適化(リソース管理)が追いついていないことに原因があります。 12万円という高価な投資をしたユーザーからすれば、「PS5 Proなら完璧に動くはずだ」という期待があるのは当然です。 しかし、ソフト側のプログラムに「メモリを効率よく解放しない」といった根本的な欠陥があれば、どれほどハードの馬力を上げても最終的にはパンクしてしまいます。
現状の「紅の砂漠」は、まさにその「ソフト側の交通整理」ができていない状態であり、PS5 Proの高性能を空回りさせてしまっていると言わざるを得ません。
マップ開閉時に頻発する強制終了問題の詳細
プレイヤーを最も苦しめているのが、冒険の基本である「マップを開く」という動作そのものがフリーズのトリガー(引き金)になっている点です。 本作は、広大なパルウェル大陸を探索するゲームであり、目的地を確認するために全体マップを開く頻度は非常に高いです。
しかし、マップ画面へ切り替える際に、それまで描画していた3Dの広大な世界データをメモリに保持したまま、新たに重いマップデータを読み込もうとして、システムがクラッシュする現象が多発しています。
探索のワクワクを奪う「マップ恐怖症」
SNSでは、「マップを開くのが怖くて、ずっと勘だけで歩いている」というプレイヤーの声も散見されます。 オープンワールドにおいて、地図を見ることがリスクになるというのは、ゲームデザインの根幹に関わる致命的な問題です。 ミニマップで方角は分かりますが、世界全体の美しさや、未踏の地へのルートを俯瞰して楽しむという、このジャンル最大の醍醐味が損なわれています。
開発側がこの問題を事前に把握していたのか、あるいは発売直前のデバッグで見落としたのかは不明ですが、一刻も早い修正パッチの配信が待たれます。
描画エフェクトの消失とPC版とのグラフィック比較
グラフィックの劣化についても、深刻な報告が上がっています。 特に通常のPS5(ノーマル版)において顕著なのですが、本来表示されるべき魔法のエフェクトや、光の反射、パーティクルが描画されず、画面が殺風景になる不具合が発生しています。
PC版との比較で見えてくる「妥協」の跡
PC版の最高設定でプレイした場合、空気中の埃(ダスト)や、風に舞う木の葉、魔法発動時のまばゆい残光などが重層的に描かれ、圧倒的な没入感を生み出します。 しかし、PS5版ではこれらのエフェクトが「間引き」されているシーンが多く、一部のイベントシーンではキャラクターが何もない空間に対して驚いたり、攻撃を受けたりしているような不自然な描写になっています。
PS5 Proなら解決するのか?
PS5 Proでのプレイにおいては、このエフェクト消失問題はある程度改善されていることが確認できました。 Pro専用の設定項目である「Proエンハンスドモード」を適用することで、通常版ではオミットされていた反射光や霧の表現が復活します。 ただし、それでもPC版のウルトラ設定と比較すると、テクスチャの解像感や影のシャープさには一歩譲る形となります。
各プラットフォームの動作状況比較表
現状の動作環境を、項目別に分かりやすく比較表にまとめました。
| 項目 | PC (RTX 4090等) | PS5 Pro | PS5 (通常版) | Xbox Series X |
|---|---|---|---|---|
| 平均フレームレート | 120fps以上 (安定) | 60fps (概ね維持) | 30〜45fps (不安定) | 45〜60fps (不安定) |
| フリーズの頻度 | 極めて低い | 時々発生 | 頻繁に発生 | 時々発生 |
| マップバグ | ほぼなし | 稀に発生 | 高確率で発生 | 発生報告あり |
| エフェクト品質 | 最高 (フル描画) | 高 (一部緩和) | 中〜低 (消失あり) | 中 |
| ロード時間 | 最速 (SSD依存) | 高速 | 普通 | 高速 |
この表を見れば明らかな通り、現時点で「紅の砂漠」の真の姿を体験できるのはハイエンドPCのみです。 コンソール(家庭用機)勢は、スペック不足というよりも「開発側の調整不足」のしわ寄せを直接受けてしまっている状態です。
フレームレート低下によるパリー入力への悪影響
本作は、ボタン連打で勝てるようなぬるいゲームではありません。 敵の動きを読み、正確なタイミングで「パリー(弾き)」を行うことが必須のテクニックとなっています。 しかし、この繊細な操作を要求するシステムと、不安定なフレームレートが最悪の相性を見せています。
0.1秒のズレが死に直結する
画面の更新頻度(フレームレート)が一定でないと、プレイヤーの脳が認識する「敵が剣を振り下ろす瞬間」と、ゲームエンジンが認識する「ヒット判定が出る瞬間」にズレが生じます。 これを「入力遅延」や「表示ラグ」と呼びますが、特にPS5通常版の30fps前後でカクつく環境では、目視でパリーを合わせることはほぼ不可能です。
ボスの強力な一撃に対して、完璧なタイミングでボタンを押したはずなのに、ラグのせいで空振りし、そのままコンボを叩き込まれてゲームオーバーになる。 この理不尽な体験が、本作の評価を「神ゲー候補」から「ストレスフルな未完成品」へと引き下げてしまっています。
高負荷なオープンワールドがコンソール機に与える影響
なぜ、これほどまでに動作が重いのでしょうか。 その理由は、本作が採用している「妥協なき物理シミュレーション」にあります。 「紅の砂漠」の世界では、風の強さによって草木のなびき方が変わり、雨が降れば地面がリアルタイムで泥濘(ぬかるみ)に変化します。
さらに、NPCの一人ひとりが独自のルーチンで生活しており、プレイヤーがいない場所でも演算が行われています。 これらの膨大な計算を、PS5の限られた共有メモリ(VRAM兼用)で行うのは、現在の最適化レベルでは荷が重すぎたのでしょう。
PCであれば、物理演算をCPUに、描画を強力なGPUにと贅沢に割り振れます。 しかし、コンソール機は一つのチップですべてをこなさなければならず、どこかでボトルネック(詰まり)が発生すると、システム全体が沈黙してしまうのです。
パールアビス独自エンジンの最適化不足の可能性
パールアビスは、かつて「黒い砂漠」で世界を驚かせた技術集団です。 彼らは他社製のUnreal Engineなどを使わず、自社製の「Black Space Engine」にこだわっています。 自社エンジンは、開発者の理想を100%形にできるというメリットがありますが、特定のハードウェア(PS5やXbox)への最適化には、多大な時間とノウハウが必要です。
汎用エンジンの場合、ソニーやマイクロソフトと協力して世界中のエンジニアがバグを潰していますが、独自エンジンの場合はパールアビスのスタッフだけで解決しなければなりません。 「紅の砂漠」で見られる不具合の多さは、まさに独自エンジンの「若さ」と「複雑さ」が、家庭用機の壁にぶつかっている証拠と言えるでしょう。
現在確認されている主な不具合とプレイヤーの対処法
マップを開かずに探索を進める代替手段
「パッチが出るまでマップを開くな」というのは酷な話ですが、今のところこれが最大の自衛手段です。 幸いなことに、本作の画面左下にあるミニマップは、比較的優秀です。
ミニマップを活用した「目視探索」のコツ
目的地を一度決めたら、全体マップを開く回数を最小限にし、周囲の地形やランドマーク(高い塔、大きな木、特徴的な岩など)を覚えて移動するようにしましょう。 昔のゲームを遊んでいるような感覚になりますが、意外にもこれによって「道中の隠された洞窟」や「NPCのさりげない会話」に気づきやすくなるというメリットもあります。
どうしても全体マップを見たい場合は、戦闘が終わった直後や、建物の中など、画面内の負荷が低い状況で開くようにすると、クラッシュのリスクをわずかですが下げることができます。
複数敵からの理不尽な同時攻撃と戦闘バランス
不具合に近い仕様として批判されているのが、敵AIの「空気を読まない攻撃」です。 多くの良質なアクションゲームでは、敵が複数いても「一度に攻撃してくるのは2体まで」といった内部的な制御がかかっています。 しかし、本作の敵は遠慮がありません。
5〜6体の敵が、一斉に、かつ同時に攻撃を仕掛けてきます。 パリーで1体の攻撃を弾いても、その瞬間に背後や側面から別の攻撃が突き刺さるため、アクションの爽快感よりも「理不尽さ」が勝ってしまいます。
回復アイテム「ゴリ押し」の現状
このバランスの悪さを補うために、プレイヤーは大量の回復ポーションをクラフトし、ダメージを食らいながら無理やり叩き切るという、大味なプレイスタイルを強いられています。 これでは、せっかく作り込まれたアクションシステムが台無しです。 将来的なアップデートで、敵の攻撃頻度や、同時攻撃の回数制限といった「アクションの品格」を保つための調整が行われることを切に願います。
ボス戦におけるラグとアクション性の欠如
ボス戦は本作の目玉の一つですが、ここでも処理落ちが牙を剥きます。 ボスのHPが減り、ド派手な「第2形態」へと移行する際、大量のエフェクトが画面を覆い尽くします。 この瞬間にフレームレートがガタ落ちし、最も重要な回避タイミングを見失ってしまう現象が多発しています。
難易度調整の方向性に疑問
ボスの攻撃力が非常に高く設定されているため、1回の処理落ちによるミスが、そのまま死(リトライ)に繋がります。 「敵が強いから勝てない」のではなく、「ゲームが止まるから勝てない」という状況は、プレイヤーのモチベーションを著しく削ぎます。 攻略ライターとして多くの作品をプレイしてきましたが、これほど「もったいない」と感じる作品も珍しいです。
Xbox版およびPC版での動作状況との違い
Xbox Series Xユーザーからも、PS5ほどではないものの、同様のクラッシュ報告が届いています。 一方で、Xbox版の利点は「PCとの互換性(Play Anywhere)」にあります。 もし家に対応したPCがあれば、セーブデータを共有して、重いシーンだけPCでプレイするといった回避策が取れるからです。
ポータブル機(ROG AllyやSteam Deck)での動作については、現状は「非常に厳しい」と言わざるを得ません。 最低設定にしても、広大なフィールドでは秒間15〜20fps程度まで落ち込むことがあり、本格的なプレイには耐えられません。 本作を外出先で遊びたいと考えている方は、ストリーミングプレイ(リモートプレイ)を活用するのが現実的な選択肢でしょう。
メディア向け先行プレイ用ソフト配布の謎
ゲーム業界には、発売前にメディアにソフトを配る際の「不文律」があります。 しかし、「紅の砂漠」のプロモーションには不自然な点がありました。 多くの大手メディアに対し、提供されたのは「PC版」のプロダクトコードばかりだったのです。
コンソール版の隠蔽疑惑
PS5版の検証動画が極端に少なかったのは、開発側が「今の状態のPS5版を触らせると、評価が下がる」と判断したからではないか、と囁かれています。 唯一、技術検証に定評のあるDigital FoundryにPS5 Pro本体ごと貸し出したのは、Proの力でなんとか見栄えを保とうとした最後の抵抗だったのかもしれません。
このような「良い部分(PC版)だけを見せる」手法は、期待を煽るには有効ですが、実際に製品版を手にしたコンソールユーザーの落胆を招く諸刃の剣となりました。
今後のアップデートによる修正見込みとロードマップ
悲観的な内容が多くなりましたが、パールアビスは「投げ出す会社」ではありません。 彼らにとって「紅の砂漠」は、今後の数十年を支えるフラッグシップタイトルです。
修正の優先順位はどうなる?
- メモリリークの解消とマップバグの修正(最優先)
- フレームレートの安定化(シェーダーコンパイルの最適化)
- 敵AIの行動バランス調整
- コンソール版のエフェクト品質向上
おそらく、このような順序でパッチが当たっていくはずです。 「黒い砂漠」がそうであったように、1年後には「発売当時の面影がないほど快適な神ゲー」に化けている可能性は十分にあります。
過去の大型タイトルにおける初期不良との比較
「サイバーパンク2077」や「ウィッチャー3」など、今でこそ神ゲーと称えられる作品も、発売当初はバグの温床でした。 「紅の砂漠」も、その系譜に連なる可能性があります。 圧倒的なビジョンを持っているからこそ、それを現在の技術で実現しようとすると、どうしても綻びが出てしまうのです。
もしあなたが「完璧な体験」を求めているなら、今はまだ時期尚早かもしれません。 しかし、「未完成の巨獣が、パッチによって進化していく過程を共に歩みたい」という熱意あるゲーマーなら、今この混沌とした砂漠に飛び込む価値はあるでしょう。
まとめ
「紅の砂漠」は、PS5 Proという現役最強のコンソール機であっても、その野心的な設計ゆえにスペック不足(最適化不足)を露呈しています。
特にマップのフリーズバグや、戦闘中のラグは無視できない問題です。 しかし、これらはハードウェアの限界というよりも、ソフトウェア側のブラッシュアップで解決可能な領域にあります。
今は苦しい時期ですが、パールアビスの技術力なら、この「不具合の嵐」を乗り越え、真の神ゲーへと昇華させてくれるはずです。 購入を迷っている方は、まずは最初の大型修正パッチの配信ニュースを待つことをお勧めします。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。























