編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は2026年3月20日発売の「紅の砂漠(クリムゾンデザート)」のメタスコアが78点と、想定より低かった理由や、万人受けしないマイナス要素が気になっていると思います。
オープンワールドの新たな金字塔と期待されていた本作ですが、実際にプレイしてみると、評価が真っ二つに分かれる強烈な個性を持っていることがわかりました。
この記事を読み終える頃には、紅の砂漠を購入すべきかどうかの疑問が解決しているはずです。
- 序盤の不親切な仕様と高いハードル
- 進行不可バグによるセーブデータの消失リスク
- 理不尽なボス戦と特異な回復システム
- 尖ったシステムがもたらす圧倒的な没入感
それでは解説していきます。
メタスコア78点の背景 : 紅の砂漠の光と影
世界中のゲーマーが期待を寄せていた本作ですが、メタスコアは78点という「良作だが欠点も目立つ」という評価に落ち着きました。
140時間以上プレイしている私からすれば、本作は間違いなく神ゲーのポテンシャルを秘めています。
しかし、レビューアーたちが手放しで満点をつけることができなかったのには、明確な理由が存在します。
ここでは、評価を下げてしまった決定的な背景について詳しく解説していきます。
序盤の壁 : チュートリアル不足と不親切なUI
本作が多くのプレイヤーを最初にふるい落としてしまう原因が、最初の約10時間に及ぶ序盤の展開です。
このゲームはとにかくプレイヤーに対して不親切であり、説明不足な点があまりにも多すぎます。
現代のゲームは手厚いチュートリアルでプレイヤーを導くのが主流ですが、本作は真逆のアプローチを取っています。
ヘルプ機能が機能していない問題
ゲーム内にはヘルプの項目がたくさん用意されているものの、それが全く機能していません。
設定されている特定の場面に行かないと、ヘルプが解禁されない仕様になっているからです。
私自身、140時間プレイしているのに、ヘルプ画面はまだ穴抜けだらけの状態です。
50時間プレイして初めて「状態異常」のヘルプが表示された時は、思わず笑ってしまいました。
しかも、そのヘルプすら「状態異常がある」という事実を伝えるだけで、どんな効果を持っているのか詳細な説明は一切ありません。
この圧倒的な不親切さを受け入れられるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの最初の踏み絵となっています。
序盤の壁を乗り越えれば一気に神ゲーへと進化するのですが、そこに至るまでに挫折してしまう人が多いのが、メタスコアが伸び悩んだ一因です。
バグ問題 : 進行不可バグが評価を下げる要因
大型オープンワールドゲームにはバグが付き物ですが、本作においても深刻な問題が存在しています。
私自身、先行プレイ中に30時間分のセーブデータを失うという絶望的な進行不可バグに遭遇しました。
開発元であるパールアビスと原因を突き止め、デイワンパッチで修正される予定ではありますが、不安は残ります。
終盤にも潜む進行不可のリスク
さらに恐ろしいことに、80時間から90時間プレイして到達するメインクエスト第8章でも、別の進行不可バグが確認されています。
これはセーブデータを何度もリロードすれば回避できることもありますが、完全に進行不能になり「詰んだ」という報告も上がっています。
このような致命的なバグの存在は、レビューアーにとって大きな減点対象にならざるを得ません。
プレイヤーの皆様には、オートセーブだけに頼らず、マニュアルセーブを駆使してバックアップ用のデータを常に2つは用意しておくことを強く推奨します。
ただ、開発スタジオは前作『黒い砂漠』の時からアップデート頻度が非常に高く、対応が早いことで知られています。
これらのバグも早期に修正されると期待していますが、リリース直後の評価としてはマイナスに働いてしまいました。
操作性 : 複雑なアクションと配置変更不可のジレンマ
主人公クリフは片手剣、盾、両手剣、槍、二刀流、さらには素手での格闘やプロレス技まで、多彩なアクションを繰り出せます。
この豊富なアクションは魅力である反面、コントローラーの操作を極めて複雑にしてしまっています。
いくつものアクションが同じボタンに割り当てられているため、意図しない技が出る「誤爆」が頻発します。
コントローラー設定の柔軟性の無さ
さらに致命的なのが、ボタン配置の切り替え(キーコンフィグ)機能が一切存在しないことです。
開発者によれば、現在のアクションを詰め込んだ結果として最適化されたレイアウトであり、作り直すのは困難とのことでした。
プレイヤーの手に馴染む操作設定ができないことは、長時間のプレイにおいて大きなストレスとなります。
加えて、PC版では入力遅延の報告も上がっており、アクションゲームとしてのレスポンスに疑問符がつく場面もありました。
直感的にキャラクターを動かせないもどかしさが、アクションの爽快感を削いでしまっている点は否定できません。
ボス戦 : 理不尽な難易度とフードファイト戦法
本作の戦闘システムは、雑魚戦とボス戦でまるで別のゲームかのように性質が変わります。
雑魚敵に対しては無双ゲームのように爽快にコンボを決めることができるのですが、ボス戦になると途端に理不尽な死にゲーへと変貌します。
ソウルライクゲームのような緻密なアクションを想像すると、痛い目を見ることになります。
無敵フレームの不在とごり押し戦術
ソウルライクゲームの基本である「回避時の無敵フレーム」や「ダウン中の無敵時間」が、本作にはデフォルトで存在しません。
回避中も被弾中も敵の追撃を容赦なく食らい続けるため、一度のミスがそのまま死に直結します。
スキルで無敵回避を解禁することも可能ですが、精神力(MPに相当)を激しく消費するため、連続して使用することは不可能です。
メインストーリー第3章以降のボスは殺意が非常に高く、あの手この手で精神力を枯渇させてきます。
では、どうやってボスを倒すのか。
先行プレイヤーたちの間で編み出された共通のメタ戦法、それは「回復アイテムである料理のドカ食い」です。
1回の戦闘に50個から100個のスープを持ち込み、攻撃を食らいながらひたすら飯を食べて回復し続けるという、いわゆるフードファイト状態になります。
ボスの弱点を探し出す推理要素もあるのですが、結局のところ「数百個の飯を持ち込めば絶対に勝てる」という大味なバランス調整になっています。
アクションの腕前よりも事前のアイテム準備がものを言うこの仕様は、硬派なアクションゲーマーからは不満の声が上がる要因となりました。
| 比較項目 | 雑魚戦の特徴 | ボス戦の特徴 |
|---|---|---|
| 戦闘のテンポ | 爽快・無双アクション | 理不尽・死にゲー |
| 無敵フレーム | あまり気にならない | 存在しないため被弾リスク大 |
| 攻略の鍵 | スキルのコンボ | ボスの弱点推察と大量の料理 |
| アイテム依存度 | 低い | 極めて高い(フードファイト必須) |
評価の分かれ道 : スルメゲーとしての真価
ここまで多くの欠点を挙げてきましたが、それでも私が本作を「神ゲーのポテンシャルがある」と断言するのには理由があります。
それは、数々の不便さや理不尽さを乗り越えた先に、他では味わえない圧倒的な没入感とやり込み要素が待っているからです。
プレイを重ねるごとにシステムを理解し、キャラクターが成長していく過程は、噛めば噛むほど味が出る「スルメゲー」の極みと言えます。
終わりなき探求の喜び
140時間プレイした現在でも、まだ足を踏み入れていないエリアが存在し、サイドクエストも表面をなぞった程度に過ぎません。
先行プレイヤーが200人いるDiscordサーバーでも、100時間以内にメインストーリーをクリアした人はたったの2人しかいませんでした。
それほどまでに、この世界はプレイヤーを寄り道へと誘惑する要素に満ち溢れています。
欠点を受け入れ、この世界にどっぷりと浸かる覚悟があるプレイヤーにとっては、メタスコア78点という数字は全く意味を持たないでしょう。
一方で、手軽に爽快感を味わいたい人や、洗練されたUIを求める人にとっては、苦痛な時間が続くゲームになってしまう危険性があります。
この極端な二面性こそが、本作の評価が割れる最大の理由なのです。
万人受けしないマイナス要素 : 紅の砂漠の尖った仕様
メタスコアの背景に続き、本作をプレイする上で知っておくべき「人を選ぶ仕様」についてさらに深く掘り下げていきます。
これらの要素は、リアルさを追求した結果生まれたものですが、ゲーム的な快適さを求めるプレイヤーにとっては大きなマイナス要素として映るでしょう。
インベントリ制限 : 保管庫なしのシビアなアイテム管理
オープンワールドゲームにおいて、アイテムの管理は永遠の課題ですが、本作の仕様は特にシビアです。
なんと、このゲームにはアイテムを預けておく「保管庫(ストレージ)」という概念が存在しません。
手に入れたアイテムは、不要なものも含めて全て自分の手元(インベントリ)に持っておく必要があります。
枠を広げるための終わらない旅
初期状態ではすぐにインベントリが満杯になり、アイテムを捨てるか売るかの取捨選択を常に迫られます。
インベントリの最大枠は230枠まで拡張できますが、そのためにはお店で高額な枠を購入するか、サイドクエストをこなすしかありません。
特に、お使い系の簡単なサイドクエストの報酬がインベントリ枠の拡張になっていることが多く、プレイヤーは枠を求めて世界中を駆け回ることになります。
物を預けられない不便さが、皮肉にも広大な世界を探索する強力な動機付けになっているのです。
アイテムを収集して拠点のチェストに綺麗に並べるのが好きなタイプのプレイヤーにとっては、この保管庫なしのシステムは大きなストレスになるでしょう。
ファストトラベル : 自力開拓が求められる広大なマップ
本作のマップの広さは尋常ではありません。
公式の発表では『スカイリム』の2倍以上、『レッド・デッド・リデンプション2』よりも大きいとされていましたが、実際にプレイした感覚でも驚異的なスケールを誇ります。
ドラゴンに乗って最速で空を飛んでも、隣のエリアに移動するだけで数分かかるほどの広大さです。
隠された移動ポイントを探す苦労
これだけ広いマップであるにもかかわらず、移動を快適にするファストトラベルの仕様もまた不親切です。
街に到着すれば自動的にファストトラベルが解禁される、という親切なシステムではありません。
フィールド上に隠されているファストトラベルのポイントを、自力で見つけ出さなければならないのです。
特定の光を集めるアクション(デュアルセンスならL1+R1)を行うことで隠し地点が光り、そこへ赴くことでようやく解禁されます。
注意深く探索しなければ永遠にファストトラベル地点が増えず、広大な地上を徒歩や馬で延々と移動する羽目になります。
この自力開拓のプロセスを楽しめるかどうかも、プレイヤーの評価を分ける大きな要因です。
| ゲームタイトル | マップの広さの目安 | ファストトラベルの解放条件 |
|---|---|---|
| 紅の砂漠 | RDR2の約2倍規模 | 隠し地点を自力で探し出す |
| スカイリム | 基準となる広さ | 発見したロケーションへ移動可能 |
| RDR2 | 広大だが紅の砂漠より小 | キャンプや駅、駅馬車を利用 |
装備システム : アビスギア依存による見た目と性能の乖離
RPGの醍醐味といえば、新しい街で強力な武器を買い、キャラクターが強くなっていく過程を楽しむことでしょう。
しかし、本作の装備システムはそのような王道のRPGとは全く異なります。
初期に手に入れた武器も、終盤で手に入る武器も、基本的なステータスにはほとんど差がありません。
武器を強化しても、目に見えて攻撃力が跳ね上がるわけではないのです。
ビルド構築の鍵となるアビスギア
では、どうやってキャラクターを強化するのかというと、「アビスギア」という特殊効果を持ったアイテムが鍵を握ります。
各装備に設けられたソケットにこのアビスギアを装着することで、初めてキャラクターのビルドが完成するのです。
アビスギアには体力アップや防御力アップといった基本的なものから、「特定の攻撃を当てると追加効果が発生する」といったユニークなものまで多種多様です。
これらは強力なボスを倒したり、サイドクエストをクリアしたり、探索の果てに隠し要素として見つけることで入手できます。
つまり、武器そのものは単なる「見た目(アバター)」に過ぎず、強さの本質はアビスギア集めに依存しているのです。
最強の剣を求めてダンジョンに潜るのではなく、最適な組み合わせのアビスギアを求めて寄り道をし続けるシステムは、従来のRPGファンには違和感を持たれるかもしれません。
ヘルプ機能の欠如 : 手探りで学ぶプレイスタイル
先ほども少し触れましたが、本作のヘルプ機能の欠如はゲームのあらゆる側面に影響を及ぼしています。
例えば、フィールド上に存在する「アビス」と呼ばれる空中遺跡での謎解きでも、この不親切さが牙を剥きます。
説明されない必須アクション
アビスの内部では、チュートリアルで手に入れたグラップリング機能を使ってオブジェクトを動かすなど、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のウルトラハンドを彷彿とさせる謎解きが展開されます。
アビスをクリアすれば貴重なファストトラベル地点が解禁され、育成アイテムである「アビスアーティファクト」も手に入るため、攻略は必須と言えます。
しかし、謎解きの過程において「ゲーム内で一度も説明されていないアクション」を突如として求められることがあるのです。
プレイヤーはヒントのない状況で、手持ちのアイテムとアクションの組み合わせをひたすら試し、手探りで正解を見つけ出さなければなりません。
昔ながらの「ゲーム雑誌を見ながら攻略する」ような手探り感を楽しめる方にはたまらない仕様ですが、サクサクと謎を解いて進みたい現代のプレイヤーにとっては、理不尽な壁として立ちはだかるでしょう。
複数キャラ操作 : クエストによる制限と育成の偏り
本作は主人公のクリフだけでなく、ストーリーを進めることで女性騎士のデミアンと、オオカミ獣人のウンカという二人のキャラクターが仲間になります。
彼らは独自の戦闘スタイルを持っており、例えばデミアンはレイピアでの連続攻撃や、盾をドローンに変形させてビームを撃つといった、クリフとは全く異なるアクションを楽しめます。
育成リソースの枯渇と偏り
しかし、ここにもまた罠が潜んでいます。
キャラクターごとのステータス以外のスキルは全て個別に設定されており、育成リソースを共有できません。
さらに、メインクエストはクリフでしか進行できないという大きな制限があります。
デミアンはストーリーの途中で長期離脱する期間があり、ウンカに至っては加入時期がかなり遅い設定になっています。
結果として、限られた育成リソースは自然とメインクエストを進められるクリフに集中することになり、他のキャラクターを育てる余裕が生まれません。
最近のアップデートによって、最大3人で同時に探索できるシステムが実装されましたが、まだ挙動が不安定な部分もあります。
魅力的な仲間がいるにもかかわらず、システム上の制約によって十分に活用できない点は、非常にもったいないマイナス要素だと感じています。
デス時のペナルティ : 無敵フレームなしのシビアな追撃
戦闘システムの項目でも触れましたが、本作における「死(デス)」の扱いは非常に過酷です。
ボス戦に限らず、強力な雑魚敵の群れに囲まれた際にも、無敵フレームが存在しないことの恐ろしさを痛感することになります。
敵の攻撃を受けて吹き飛ばされ、地面に倒れ込んでいる間も、敵は一切の容赦なく追撃を加えてきます。
復活の隙を突かれる理不尽
戦闘中に体力が尽きても、所持している復活アイテムを使用することでその場でリトライすることが可能です。
しかし、ここでも無敵モーションが用意されていないため、キャラクターが立ち上がろうとしている復活のモーション中に再び敵の攻撃を食らい、そのまま再起不能になるという理不尽の極みのような現象が発生します。
せっかく貴重なアイテムを使って復活したのに、何も操作できないまま再び死を迎える絶望感は、プレイヤーの心を簡単にへし折ります。
この極度にシビアな戦闘バランスは、緊張感を生み出すスパイスであると同時に、多くのプレイヤーにストレスを与える大きな要因となっています。
まとめ
今回は「紅の砂漠」のメタスコアが78点にとどまった理由と、万人受けしないマイナス要素について詳しく解説してきました。
本作は、圧倒的なスケールと生き生きとした世界観を持つ一方で、不親切なUI、理不尽な戦闘バランス、そしてバグといった明確な欠点を抱えています。
しかし、そうした「尖った部分」を乗り越え、世界に没入することができたプレイヤーにとっては、140時間遊んでも底が見えないほどの魅力を持つ神ゲーへと昇華します。
効率やタイパを求める方には絶対におすすめできませんが、未知の世界を手探りで開拓し、寄り道に次ぐ寄り道を楽しめる生粋のオープンワールドファンであれば、手を取る価値は十二分にある作品です。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。























