編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は2026年3月20日に発売を迎える『紅の砂漠(クリムゾンデザート)』のメディア評価が大きく分かれている理由が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には海外メディアの賛否両論の背景や本作があなたに合うゲームかどうかの疑問が解決しているはずです。
- 圧倒的な物量と自由度が評価を二分する最大の要因
- 最高評価メディアは規格外の探索体験と没入感を絶賛
- 低評価メディアはQOLの低さと物語の薄さを厳しく指摘
- プレイスタイルによって神ゲーにも作業ゲーにもなる作品
それでは解説していきます。
紅の砂漠の評価が真っ二つに分かれる根本的な理由とは?
圧倒的な探索の自由度と不親切な導線のトレードオフ
『紅の砂漠』の評価がメディアによって大きく分かれている最大の理由は、本作が提示する圧倒的な探索の自由度と、それに伴う不親切な導線のトレードオフにあります。
現代のオープンワールドゲームの多くは、親切なチュートリアルや目的地を示すマーカーによってプレイヤーを迷わせない設計が主流となっています。 しかし、本作はプレイヤーを広大な世界に放り込み、自らの足で歩き、目で見て発見することを強く促すゲームデザインを採用しています。
この「手探り感」を最高の冒険体験と捉えるか、単なる不親切と捉えるかで、最初の評価の分かれ道が生まれています。
画面の指示に従って効率よく進めたいプレイヤーにとっては、次に何をすべきか分かりにくいこの仕様はストレスの要因となり得ます。 一方で、未知の領域を自らの直感と好奇心だけを頼りに切り開いていくことに無上の喜びを感じるプレイヤーにとっては、これ以上ない没入感を提供する神ゲーとなるポテンシャルを秘めています。
複雑怪奇なシステム群とUIのユーザビリティ不足
本作には、戦闘、クラフト、探索、成長要素など、非常に多岐にわたるシステムが詰め込まれており、その全貌を把握するだけでもかなりの時間を要します。
これらのシステムは深く理解すればするほど面白みが増すスルメのような味わいを持っていますが、序盤の学習コストの高さは否めません。 さらに、海外メディアの多くが共通して指摘しているのが、ユーザーインターフェース(UI)の分かりにくさや、情報の整理不足といったQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低さです。
膨大なアイテムの管理や、複雑なスキルツリーの把握など、メニュー画面を開くたびに感じる小さなストレスが、長時間プレイにおいて徐々に蓄積していく構造になっています。
ゲームシステムそのものの深さを評価する声がある一方で、それにアクセスするためのUIが洗練されていないことで、途中で投げ出してしまうレビュアーも少なくありませんでした。
緻密なオープンワールドと希薄なメインストーリーのギャップ
世界中のメディアが絶賛しているのが、広大でありながら細部まで作り込まれたマップの密度と、そこを歩き回る楽しさです。
しかし、その圧倒的な世界の作り込みに対して、ゲーム全体を牽引すべきメインストーリーやキャラクターの魅力が弱いという指摘が多数挙がっています。 プレイヤーは主人公に感情移入し、壮大なドラマの行く末を見届けるために冒険を進めるのが一般的なRPGのモチベーションです。
しかし本作においては、「先の世界を見たい」「新しい敵と戦いたい」という探索意欲が先行し、「物語の続きが気になる」という感情的な推進力が不足していると評されています。
世界観の設定は奥深いものの、それをストーリーテリングとしてプレイヤーに伝える手腕において、賛否が分かれる結果となっています。
アクションの重厚感と習熟にかかる学習コストの壁
本作の戦闘アクションは、剣戟の重みや敵との衝突感など、物理的な手応えを非常に大切にして作られています。
ボタンを連打すれば華麗なコンボが決まるような軽量なアクションではなく、スタミナの管理や敵のモーションの見極めが要求される硬派な仕上がりです。 この重厚感とスピード感が同居するバトルシステムは、アクションゲームとしての評価を押し上げている大きな要因の一つです。
しかし、操作体系が複雑であり、プレイヤーのビルドや性格によって立ち回りが大きく変化するため、思い通りにキャラクターを動かせるようになるまでのハードルが高く設定されています。
特にボス戦においては難易度のスパイク(急激な上昇)が激しく、事前の準備や敵のパターンの学習を怠ると、あっという間にゲームオーバーになってしまうシビアさを持っています。 これを「歯ごたえのある挑戦」と楽しむか、「理不尽な難易度」と忌避するかで、戦闘システムに対する評価もまた真っ二つに割れているのです。
プレイヤーのプレイスタイルが評価を決定づける
『紅の砂漠』という作品は、ゲーム側から「こうやって遊んでください」とレールを敷いてくれるタイプの作品ではありません。
プレイヤー自身が世界に飛び込み、泥臭く試行錯誤を繰り返しながら、自分なりの遊び方を見つけていくタイプのゲームです。 そのため、与えられたタスクを効率よく消化していくことに快感を覚えるタイプのゲーマーには、本作のテンポの悪さや寄り道の多さが「まとまりのない散漫なゲーム」に映るでしょう。
逆に、一本道の進行を嫌い、世界の隅々まで探索し、発生する偶発的なイベントや戦闘に身を投じることを愛するゲーマーにとっては、何百時間でも遊び続けられる究極の遊び場となります。
つまり、ゲームそのものの客観的な出来栄え以上に、プレイヤー自身のゲームに対する向き合い方が、評価のスコアにダイレクトに反映される特殊な作品だと言えます。
事前プロモーションのイメージと実際のプレイフィールの乖離
発売前から公開されてきた美麗なトレイラー映像や、派手なアクションシーンの数々は、多くのゲーマーに「完璧に洗練された最高峰のオープンワールドアクション」という期待を抱かせました。
しかし、実際に蓋を開けてみると、そこにあったのは洗練された優等生的なゲームではなく、粗削りでありながらも圧倒的な熱量と物量を詰め込んだ野心作でした。 この事前プロモーションから受けた印象と、実際の泥臭いプレイフィールとの間にあるギャップが、一部のメディアに強い落胆を与え、低評価をつける要因になったと考えられます。
特に、すべてが有機的に繋がる究極のシームレスな世界を期待していた層にとっては、ゲームの進行が章立てで区切られていたり、お使い的なクエストが存在したりすることが、イメージの乖離を生む結果となりました。
海外メディアが高評価をつけた「紅の砂漠」の魅力的な良い点
100時間遊んでも底が見えない規格外のコンテンツ量
高評価をつけたメディアが口を揃えて称賛しているのが、本作の常軌を逸したコンテンツのボリュームです。
メインストーリーを追うだけでも優に100時間を超えるプレイタイムが想定されており、サブクエストや探索要素をすべて網羅しようとすれば、400時間から500時間は遊べるという途方もないスケールを誇ります。 「広いだけで中身がスカスカ」というオープンワールドにありがちな欠点を見事に克服しており、どこへ行っても新しい発見やイベントが待ち受けています。
広大なマップの至る所に、開発者の狂気すら感じるほどの緻密な遊びが仕込まれており、プレイヤーを飽きさせない工夫が凝らされています。 これほどまでに濃密な世界を構築した開発陣の労力と熱意は、手放しで賞賛されるべき偉業であると高く評価されています。
Viceが100点満点!RDR2に匹敵する野心的な世界構築
海外メディアのViceは、本作に対してなんと100点満点という最高評価を下しています。 その最大の理由は、世界のスケール感と探索の自由度の高さを極限まで追求した点にあります。
レビュー内では、ゲーム史に残る名作『レッド・デッド・リデンプション2』に匹敵する、最も野心的なオープンワールドの一つであるとまで位置づけています。 プレイヤーの行動を細かく制限せず、自由な発想で世界と干渉できるシステムは、没入感を飛躍的に高めています。
ただ美しい景色を眺めるだけでなく、そこで生きる人々の生活感や、過酷な自然環境のリアリティが、ゲームという枠を超えた一つの「仮想現実」を生み出していると絶賛されています。
ただ広いだけではない!寄り道が止まらない有気的なマップ設計
広大なマップを移動する際、ただの移動時間が苦痛にならないよう、本作の地形やイベント配置は非常に巧妙に設計されています。
遠くに見える怪しげな遺跡、森の奥から聞こえる獣の咆哮、街道で偶然出会う行商人など、プレイヤーの好奇心をくすぐる要素が絶え間なく提示されます。 一つの目的を果たそうと移動している最中に、別の魅力的なイベントに遭遇し、気づけば当初の目的を忘れて数時間が経過しているという現象が頻発します。
このように、地形、生態系、イベントが複雑に絡み合い、有機的な繋がりを持っているマップ構造は、探索型オープンワールドの最高峰と言っても過言ではありません。
JeuxActuが95点!歩くことに意味を持たせる環境ビジュアル
フランスのメディアJeuxActuも95点という非常に高いスコアをつけており、特に映像美とアートディレクションの素晴らしさを高く評価しています。
単にグラフィックが高精細であるというだけでなく、そこにある岩一つ、木の一本にまで歴史や意味を感じさせるような環境デザインが秀逸です。 時間の経過や天候の変化によって、同じ場所でも全く異なる表情を見せる世界は、ただ歩き回って景色を眺めているだけでも大きな満足感を得られます。
歩いていて「意味のある場所」が非常に多く配置されており、プレイヤーの探索に対する報酬が、アイテムや経験値だけでなく「息を呑むような絶景との出会い」として機能している点が素晴らしいと評されています。
ズッシリとした重みとスピード感が同居する爽快な戦闘アクション
本作の戦闘は、攻撃を当てた時のヒットストップや、武器の重量感を感じさせるアニメーションによって、非常に手応えのあるアクションを実現しています。
重々しい一撃を放つ一方で、敵の攻撃を瞬時に回避したり、隙を突いて素早い連撃を叩き込んだりするスピード感も併せ持っており、この二つの要素のバランスが絶妙です。 単調なボタン連打では強力な敵を倒すことは難しく、敵のモーションを観察し、的確なタイミングで攻撃や防御を行うアクションゲームとしての奥深さが備わっています。
操作に慣れ、システムを理解すればするほど、キャラクターを思い通りに操る快感が増していき、戦闘そのものがゲームを進める大きなモチベーションに繋がります。
プレイヤーの性格やビルドが反映される奥深い成長システム
主人公の成長要素は非常に多岐にわたり、プレイヤーがどのようなスキルを獲得し、どのような装備を選択するかによって、戦闘スタイルが全く異なるものに変化します。
近接戦闘に特化した猪突猛進型のビルドから、魔法やアイテムを駆使してトリッキーに戦うビルドまで、プレイヤーの性格や好みがダイレクトにキャラクター性能に反映されます。 膨大な数のスキルツリーや装備品の組み合わせを試行錯誤する楽しさは、RPGの醍醐味を存分に味わわせてくれます。
自分の考えた最強のビルドが、強大なボス相手に通用した時の喜びは計り知れず、育成要素の深さがゲームの寿命を大きく延ばしていると評価されています。
挑戦的な難易度とボス戦撃破時の圧倒的な達成感
本作に登場するボスキャラクターたちは、一筋縄ではいかない強敵ばかりが揃っています。
ただレベルを上げて物理で殴るだけでは勝てないよう設計されており、事前の情報収集、弱点を突く装備の準備、回復アイテムのクラフトなど、周到な準備が要求されます。 ボスの攻撃力は高く、少しの油断が命取りになるシビアな難易度設定は、プレイヤーに心地よい緊張感を与えます。
何度もゲームオーバーを繰り返し、敵のパターンを完全に把握し、自らのプレイスキルを向上させることでようやく勝利を掴んだ際の圧倒的な達成感は、近年稀に見るカタルシスをもたらしてくれます。
Forbesも95点!事前広告が嘘ではなかった圧倒的な物量
世界的メディアであるForbesも95点という高得点を与え、本作の規模感がいかに凄まじいかを熱弁しています。
大作ゲームのプロモーションにおいて、広大さをアピールしながらも実際にはスッカスカだったという事例は過去にいくつもありました。 しかし、本作に関しては「この広告はさすがに誇張しすぎだろう」と思われていた前評判を見事に裏切り、想像以上の密度でゲーム体験が構築されていたことに驚きの声が上がっています。
戦闘、探索、イベントの多さに加え、それらの遊びの切り替わりが非常にスムーズに行われるため、途切れることなくゲームの世界に没入し続けることができると称賛されています。
海外メディアが低評価を下した「紅の砂漠」の致命的な悪い点
Game Informerが70点!小さなストレスが蓄積するQOLの低さ
Game Informerは70点という中間的な評価を下しており、その最大の理由としてQOL(プレイの快適さ)の低さを挙げています。
個々の不満点は決してゲームを破綻させるほど致命的なものではありませんが、操作のレスポンスの悪さや、移動時のちょっとした引っ掛かりなど、微細なストレスが至る所に散りばめられています。 10時間程度のプレイであれば気にならないかもしれませんが、100時間を超えるプレイが前提となる本作において、これらの小さなストレスは徐々にプレイヤーの気力を削いでいきます。
インベントリの整理が面倒だったり、目的のアイテムを見つけるのに苦労したりと、システム側の配慮不足がゲーム体験の質を落としてしまっている点は、多くのレビュアーが苦言を呈する共通の課題となっています。
長時間プレイの足枷となる不便な移動システムと店舗の悪さ
広大なオープンワールドを探索する上で、移動手段の快適さは非常に重要な要素です。
しかし本作では、ファストトラベルの制限が厳しかったり、乗り物の操作性に難があったりと、目的地に到達するまでのプロセスに不便さを感じる場面が多々あります。 また、メニュー画面の遷移が遅かったり、細かなロード時間が頻発したりと、ゲーム全体のテンポを阻害する要因も散見されます。
探索そのものを楽しむ設計思想は理解できるものの、現代の洗練されたゲームに慣れ親しんだプレイヤーにとっては、この意図的な不便さが単なる時間稼ぎやフラストレーションに感じられてしまうリスクを孕んでいます。
GameSpotが70点!世界観を牽引する中心的なドラマの欠如
GameSpotも同じく70点の評価をつけており、オープンワールドの景観や戦闘の出来栄えは認めつつも、物語面の弱さを鋭く指摘しています。
作り込まれた広大な世界観や歴史背景が存在するにもかかわらず、メインストーリーの展開が平坦であり、プレイヤーの心を揺さぶるようなドラマチックな起伏に欠けています。 魅力的なキャラクターたちとの絆を深めたり、予想を裏切る衝撃的な展開に驚愕したりといった、ストーリー主導のRPGが持つ強烈な引力が本作には不足しています。
「なぜこの世界を救わなければならないのか」「なぜ主人公はこの過酷な旅を続けるのか」といった根本的な動機付けが弱いため、プレイの中盤以降で目的を見失ってしまう危険性が指摘されています。
没入感を削ぐ単調なミッション構造とMMO的な作業感
本作のクエストやミッションは、その数こそ膨大であるものの、内容のバリエーションに乏しいという批判的な意見も存在します。
「指定された数の敵を倒す」「特定のアイテムを収集して届ける」といった、いわゆるMMO(大規模多人数同時参加型オンライン)RPGによく見られるお使い的なタスクが目立ちます。 せっかくの魅力的な世界観も、延々と繰り返される単調な作業によって徐々に色褪せていき、ゲームの進行が「冒険」から「労働」へと変質してしまう瞬間があるようです。
世界観を深掘りするような固有のストーリーを持つサイドクエストがもっと豊富に用意されていれば、この作業感は大きく軽減されたはずだと、惜しむ声が上がっています。
CGMagazineが70点!要素の詰め込みすぎによる全体のまとまりの欠如
CGMagazineは本作を「野心的だが、自重で潰れかけているゲーム」と非常に厳しい表現で評しています。
戦闘、探索、クラフト、拠点構築など、考え得るあらゆる要素を詰め込んだ結果、それらが一本の太い柱として統合されておらず、全体としてちぐはぐな印象を与えてしまっています。 あれもこれもと欲張った結果、一つ一つの要素が洗練されきっておらず、プレイヤーに「結局このゲームは何を楽しめばいいのか」という迷いを生じさせています。
膨大な素材を用意しながらも、それをコース料理として美しくまとめ上げるシェフの采配が不足していたという指摘は、本作の構造的な弱点を的確に突いていると言えるでしょう。
WellPlayedが50点!豪華な見た目に反して浅く感じるゲームプレイループ
WellPlayedは50点という厳しい点数をつけ、その確信部分として「見た目の豪華さに対して、遊んでいて楽しくない」という致命的な言葉を残しています。
グラフィックや演出のクオリティは間違いなく世界トップクラスであるものの、ゲームの根幹を成す「プレイループ(探索→戦闘→報酬→成長のサイクル)」に中毒性が欠けていると指摘しています。 表面的な派手さやコンテンツの物量でプレイヤーを圧倒しようとしているが、ゲームプレイそのものの面白さの核が磨かれておらず、「器用貧乏」な状態に陥っていると一刀両断しています。
長く遊べば遊ぶほど、作業的なタスクの連続に疲弊し、ゲームを起動するモチベーションを維持するのが難しくなるという、非常に重い批判が投げかけられています。
Gamekultが50点!シームレスな体験を阻害する細切れな章立て構造
フランスのメディアGamekultも同じく50点の低評価を下しており、本作のゲーム進行の構造的な問題点を指摘しています。
事前情報では、すべてが繋がったシームレスで巨大なオープンワールドを自由に冒険できる印象が強かったのですが、実際には物語が細かな「章」ごとに区切られた構造を持っています。 一つの章をクリアするごとに環境や状況がリセットされるような感覚があり、広大な世界を地続きで旅しているという没入感を著しく阻害していると批判されています。
息をするように発見と冒険が連鎖する体験を期待していたプレイヤーにとって、この小刻みな進行ペースは、ゲームへの没入を妨げる大きな壁となっているようです。
Critical Hitsが45点!複雑な割に深みを感じられない戦闘システム
今回紹介するメディアの中で最も低い45点というスコアをつけたCritical Hitsは、本作の戦闘システムに対して非常に手厳しい見解を示しています。
覚えるべき操作やシステムが山のように存在し、表面上は非常に複雑で奥深いように見える戦闘ですが、実際にはその複雑さが面白さに直結していないと断じています。 単に敵のステータスが不当に高く設定されているだけであり、プレイヤーのスキルや工夫で攻略する楽しさよりも、理不尽な難易度の押し付けを感じる場面が多いようです。
さらに、操作の反応の悪さやインターフェースの問題がこれに拍車をかけ、大作アクションRPGの要である戦闘体験が苦痛なものになっているという、開発元にとっては最も痛い部分を突くレビューとなっています。
紅の砂漠と人気オープンワールド名作ゲームの数字比較
プレイ時間とマップ規模で見る他作品との比較一覧
『紅の砂漠』のボリューム感やゲーム性をより分かりやすく把握していただくために、同ジャンルの名作オープンワールドタイトルとの比較表を作成しました。 購入を検討する際の指標としてお役立てください。
| タイトル | 想定クリア時間 | やり込み含めた時間 | 導線の親切さ | バトルアクション性 |
|---|---|---|---|---|
| 紅の砂漠 | 約100時間〜 | 約400時間〜 | 不親切(手探り重視) | 極めて重厚・複雑 |
| ウィッチャー3 | 約50時間 | 約150時間 | 非常に親切 | シンプル・回避重視 |
| RDR2 | 約60時間 | 約180時間 | 普通(リアリティ重視) | 銃撃戦メイン・重厚 |
| ドラゴンズドグマ2 | 約40時間 | 約100時間 | 不親切(手探り重視) | 爽快・役割分担重視 |
クリアまでの想定時間とやり込み要素のボリューム比較
表からも分かる通り、『紅の砂漠』のメインストーリークリアにかかる時間は、他の大作RPGと比較しても頭一つ抜けています。 さらに、すべてのサブ要素を遊び尽くそうとした場合の400時間という想定プレイタイムは、もはや一つのオンラインゲームを長くプレイするのに匹敵するボリュームです。
『ウィッチャー3』のような丁寧な物語の導線や、『ドラゴンズドグマ2』のような手探り感のある冒険など、様々な名作のエッセンスを吸収しつつ、それを規格外のスケールに引き伸ばしたのが本作の特徴だと言えます。 この膨大な時間を「最高のコストパフォーマンス」と取るか、「到底遊びきれない重圧」と取るかは、プレイヤーのライフスタイルに大きく依存するでしょう。
紅の砂漠の購入を迷っている方へ!おすすめできる人・できない人
未知の世界を手探りで開拓したい探索好きには神ゲーとなる
地図に頼らず、自らの足と直感だけで広大な世界を探索することに無上の喜びを感じる根粋の冒険家タイプのゲーマーにとって、本作は間違いなく神ゲーになり得ます。
「あそこに見える山には何があるのだろう」「この怪しい洞窟の奥にはどんな強敵が潜んでいるのだろう」という好奇心が、そのままゲームを進める最大の原動力となります。 ゲーム側からの過剰な説明や指示を嫌い、自分の力でシステムの謎を解き明かし、隠されたアイテムを発見していく過程を楽しめる方には、100点満点の体験が約束されていると言って良いでしょう。
重厚な映画的ストーリーを求める方には肩透かしとなる可能性
『ラスト・オブ・アス』や『ゴッド・オブ・ウォー』のように、緻密に練られた脚本と、役者の迫真の演技でグイグイと引っ張っていく映画的なストーリーテリングを重視する方には、本作はあまりおすすめできません。
世界観の設定自体は非常に重厚で凝っているのですが、それをプレイヤーに伝える手法が散発的であり、物語の牽引力が弱いためです。 魅力的なキャラクターの行く末を見届けることよりも、プレイヤー自身が世界に介入し、その結果起こる現象を楽しむことに主眼が置かれているため、ストーリー主導のゲーム体験を期待すると肩透かしを食う可能性が高いです。
複雑なシステムを理解しビルド構築を楽しめる方には最適
スキルの振り分け、装備品の厳選、アイテムのクラフトなど、膨大なデータを眺めながら「あーでもない、こーでもない」と最適な組み合わせを考えるのが好きな方には、本作は最高の遊び場を提供してくれます。
覚えるべきシステムが多く、最初は戸惑うかもしれませんが、それを理解した瞬間にパズルが解けたような快感を味わうことができます。 自分の考えた独自のビルド構成が、難攻不落と思われたボスキャラクターを圧倒した時の達成感は、複雑なシステムを乗り越えた者だけが味わえる特権です。
攻略サイトを見ずに、自らの仮説と検証でゲームシステムをハックしていく過程を楽しめる方には、非常に相性の良い作品です。
サクサクと快適な導線でストレスなく遊びたい方には不向き
日々の忙しい生活の合間に、短い時間でサクサクと気持ちよくゲームを進めたいというタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する方にとっては、本作は苦痛に満ちた体験になるかもしれません。
目的地の分かりにくさ、移動の手間、UIの不便さなど、ゲームを快適に進行させるための配慮が意図的に、あるいは結果的に不足している部分が多々あります。 ストレスフリーなゲームプレイを最優先に求めるのであれば、本作の購入は見送り、もっと導線のしっかりした他のアクションRPGを選んだ方が、貴重なゲームの時間を有意義に使えるはずです。
クリムゾンデザートの事前情報に過度な期待を抱きすぎないこと
大作ゲームによくあることですが、何年にもわたって公開されてきた美麗なトレイラー映像や、開発者の誇大なアピールによって、プレイヤーの中でゲームの理想像が勝手に膨れ上がってしまう現象があります。
本作においても、「すべてが完璧に洗練された究極のオープンワールド」という幻想を抱いたままプレイを開始すると、操作の荒さや泥臭いシステムに直面した際に、強烈な幻滅を感じてしまうでしょう。 本作は決して完璧な優等生ではありません。
圧倒的な熱量と物量を詰め込んだ結果、粗削りな部分や不格好な部分もそのまま世に放たれた、荒々しい野心作であることを理解した上でプレイに臨むことが、本作を楽しむための最大のコツとなります。
クリムゾンデザート発売前夜!桐谷シンジの独自見解と期待
パールアビスがシングルプレイに挑戦した大きな意義
開発元のPearl Abyssは、世界的ヒットを記録したMMORPG『黒い砂漠』で知られるスタジオです。
彼らがオンラインゲームで培ってきた「広大で緻密な世界構築」と「重厚なアクション戦闘」のノウハウを、完全なシングルプレイ専用タイトルとして結実させようとしたこと自体に、私は非常に大きな意義を感じています。 オンラインゲームならではの制約(サーバー同期や他プレイヤーとのバランス調整)から解放されたことで、物理演算を駆使したド派手なアクションや、世界の隅々まで干渉できるシステムを心ゆくまで詰め込むことが可能になったのだと推測します。
MMOの開発会社が本気で作ったシングルプレイRPGという、他に類を見ない成り立ちを持つ本作は、ゲーム史において特異なポジションを確立するはずです。
評価の分かれ目は「不便さ」を「リアルな冒険」と捉えられるか
多くのメディアレビューを読み解き、そして私自身の長年のゲーマー経験から考察するに、本作の賛否を分ける究極のポイントは、「ゲーム的な快適さ」と「泥臭いリアリティ」のどちらを重んじるか、というプレイヤーの感性の違いに帰結します。
ファストトラベルが制限されていたり、UIが不便だったりする要素を、「ゲームとして未完成で遊びにくい」と切り捨てるのは簡単です。 しかし、見方を変えれば、過酷な自然環境を生き抜く傭兵の旅において、すべてが便利で快適である方が不自然であるとも言えます。
迷い、苦労し、時間をかけてようやく目的地にたどり着くプロセスそのものを「リアルな冒険の手応え」として噛み締められる精神性を持つゲーマーにとっては、メディアの低評価など全く気にならない最高の体験が待っていると確信しています。
今後のアップデートによるQOL改善への大いなる期待
発売直後の現段階では、操作性の悪さやUIの不便さといったQOLの低さがメディアから厳しく指摘されていますが、私はこの点についてそこまで悲観していません。
現代のゲーム開発において、発売後のプレイヤーからのフィードバックを基にしたアップデートやパッチの配信は当たり前のこととなっています。 世界観の構築や戦闘の基礎システムといったゲームの「骨格」部分の修正は困難ですが、UIの改善や移動の利便性向上といった「肉付け」の部分は、今後のアップデートで十分に改善される余地があります。
Pearl Abyssという開発力のあるスタジオであれば、ユーザーの声を真摯に受け止め、数ヶ月後には見違えるほど快適なゲームプレイ環境を提供してくれるはずだと、大いに期待しています。 発売日に飛び込んで未完成の熱量を楽しむも良し、アップデートで洗練されるのを待ってからプレイするも良し、それぞれのスタンスで本作に向き合っていただければと思います。
まとめ
今回のレビュー解説はいかがだったでしょうか。 『紅の砂漠』は、決して万人が手放しで絶賛するような、無難にまとまった80点のゲームではありません。
刺さる人には100点満点の人生を変える一本になり、合わない人には途中で投げ出してしまうような、非常に尖った魅力と欠点を併せ持つ強烈な個性を持ったタイトルです。 圧倒的な物量で描かれる世界を手探りで旅する喜びに満ちている反面、不親切な導線や粗削りなシステムがプレイヤーを選ぶという、まさに「評価が真っ二つ」になるべくしてなった作品だと言えます。
海外メディアの賛否両論のレビューは、本作の持つ多面性を如実に表したものであり、どの意見も一つの真実を突いています。 本記事で解説した「良い点」と「悪い点」を天秤にかけ、ご自身のプレイスタイルや好みに合致するかどうか、じっくりと検討してみてください。
私はもちろん、発売日の0時からこの広大で残酷な世界へ身を投じ、泥臭い冒険の旅に出発するつもりです。 この記事が、皆様のゲーム選びの一助となれば幸いです。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。























