編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、シリーズ最新作である『龍が如く極3』の評判が割れていることや、買うべきかどうかで迷っていることと思います。特に「シリーズ最低評価」という噂を耳にして、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、本作があなたにとって「買い」なのか「見送り」なのか、その疑問が解決しているはずです。
- メタスコア75点というシリーズ歴代最低評価の真実と、その背景にある「マニア向け」という側面
- 戦闘システムは「原作より改善」だが「ロストジャッジメントより劣化」という賛否両論の仕様
- 物語の改変は「スター・ウォーズ」級の賛否?原作ファンが覚悟すべきシナリオの違い
- 「朝顔」での生活やミニゲームは神コンテンツ!スローライフとやり込み要素の充実度
それでは解説していきます。
龍が如く極3 発売直前の現状と評価の揺れ
ついに2月12日、待望の『龍が如く極3』が発売を迎えます。
2009年にPS3で発売されたオリジナル版のリメイクとして、多くのファンが待ち望んでいた本作。 対応機種は、Nintendo Switch 2、PS5、PS4、Xbox Series X|S、Steamと多岐にわたり、現行のあらゆる環境で遊べる体制が整っています。
私自身、PS5版の最上位エディションを予約し、事前ダウンロードも完了させて発売日の0時を全裸待機している状態です。 しかし、そんなワクワクする気持ちに水を差すような、衝撃的な情報が飛び込んできました。
それは、**「メタスコアが歴代シリーズ最低の75点」**という事実です。
なぜ「シリーズ最低」のレッテルを貼られたのか
まず、冷静に数字を見てみましょう。 大手レビュー集積サイト「メタクリティック」において、PS5版のスコアが75点を記録しました。 これは、過去の龍が如くシリーズと比較しても明確に低い数字です。
参考までに、原作であるPS3版『龍が如く3』のメタスコアは79点でした。 つまり、現代の技術でフルリメイクしたはずの『極3』が、15年前の原作よりも低い評価を受けてしまったことになります。
これを受けて、SNSや掲示板などの一部界隈では「クソゲー確定か?」「地雷なんじゃないか」というネガティブな意見が飛び交っています。 しかし、長年このシリーズを追いかけてきた私から見れば、この数字だけで「クソゲー」と断じるのは早計です。
「点数が低い=つまらない」ではない
確かに75点は、80点台後半を連発していた近年の『龍が如く』シリーズ(特に『7』や『8』、『ロストジャッジメント』など)と比べれば見劣りします。 しかし、平均値を出せば大体81点前後になるシリーズにおいて、75点は「致命的な欠陥がある」というよりは、「人を選ぶ尖った作品になった」と解釈すべきでしょう。
低評価をつけるレビュアーがいる一方で、95点という超高得点をつけているメディアも存在します。 これはつまり、**「刺さる人には猛烈に刺さるが、合わない人には徹底的に合わない」**という、極めてマニアックな仕上がりになっている可能性が高いのです。
一般大衆向けの平均的な面白さよりも、シリーズの深淵を覗くような「濃いファン」に向けた調整がなされている。 そう捉えれば、この評価の低さはむしろ「マニアにはたまらないスルメゲー」であることの裏返しかもしれません。
買う前に覚悟すべき「悪い点」の徹底分析
まずは、購入を検討している皆さんが最も気になるであろう「悪い点」から包み隠さず解説します。 良い話の前に、ネガティブな要素をしっかりと消化しておくことが、購入後のミスマッチを防ぐ最大の防御策だからです。
海外の大手メディア「Metro」などが指摘している辛辣なレビューを中心に、何が問題視されているのかを深掘りしていきましょう。
戦闘システムが「退化」しているという指摘
最も多くの批判が集まっているのが、アクションゲームの核となる「戦闘システム」です。
近年の「ドラゴンエンジン」を使用した作品、特に『ロストジャッジメント』や『龍が如く7外伝』のアクションは、スピーディーかつ爽快感抜群で、シリーズの完成形とも言える出来栄えでした。 しかし、『極3』の戦闘は、それらと比較して以下のような不満点が挙げられています。
- 動きが鈍重で爽快感がない 近作のキビキビとした動きに慣れていると、桐生の動きがもっさりと感じられるようです。
- 敵のガード率が異常に高い これは原作『3』でも悪名高かった部分ですが、リメイク版でも「敵が硬い」「コンボが繋がらない」というストレス要素が残っている、あるいは強化されている可能性があります。
- ボスのスーパーアーマー(オーラ)仕様 ボス敵がオーラを纏うとこちらの攻撃で怯まなくなる仕様があり、これが「攻略する楽しさ」よりも「理不尽な面倒くささ」に繋がっているとの指摘があります。
『ロストジャッジメント』で見せた「流(ながれ)」スタイルのような、敵の攻撃を受け流して反撃するような洗練されたシステムと比較すると、どうしても「古臭い」「ストレスが溜まる」と感じるプレイヤーが多いようです。 「対策は可能だが、楽しいというより鬱陶しい」というレビューは、アクション重視のプレイヤーにとっては重い言葉です。
物語の「改変」が招く賛否両論の嵐
リメイク作品において最もデリケートな問題、それがシナリオの改変です。 『極3』では、原作とは異なる新しい解釈や展開が盛り込まれているようですが、これが一部のレビュアーからは**「史上最悪レベルの改変」**と酷評されています。
レビューの中では、あの映画『スター・ウォーズ』の続編3部作(特に『スカイウォーカーの夜明け』)を引き合いに出し、「あれより酷い」とまで言われる始末。 『スター・ウォーズ』の続編といえば、旧作ファンからの評価が大きく割れ、激しい論争を巻き起こしたことで有名です。 それと同レベルの衝撃が、この『極3』のストーリーにも含まれている可能性があります。
具体的にどの部分かはネタバレになるため伏せますが、原作の感動的な展開やキャラクターの扱いが、現代的な価値観やシリーズ全体の整合性を取るために変更されていると考えられます。 原作を神聖視する「原作至上主義」のファンにとっては、受け入れがたい変更が含まれている可能性が高いことを、あらかじめ覚悟しておく必要があります。
グラフィックと演出面の粗さ
PS5やSwitch 2といった次世代機で発売される以上、グラフィックへの期待値は高まります。 しかし、ここにもいくつかの落とし穴があるようです。
- 夕焼けが黄色すぎる 沖縄の美しい夕景が、不自然な色味で表現されているという指摘。
- 夜が暗すぎる 視認性が悪く、プレイに支障が出るレベルの暗さがある場面も。
- 使い回しのアセット 既存の作品からの素材流用が目立ち、「新鮮味がない」「手抜きに感じる」という厳しい意見も散見されます。
現在配信中の体験版でもグラフィックに対する不満の声は上がっており、開発側も「デイワンパッチ(発売日当日の修正データ)」での対応を予告していますが、製品版でどこまで改善されているかは未知数です。
それでも遊びたい!本作が持つ「輝くような良い点」
ここまで厳しい意見を並べてきましたが、それでも本作には95点をつけるメディアがあるほどの魅力が詰まっています。 ここからは、ネガティブな要素を吹き飛ばすほどの『極3』の「良い点」について解説します。
「朝顔」でのスローライフはシリーズ屈指の癒やし
『龍が如く3』の最大の特徴であり、他のシリーズ作品にはない独自の魅力が、沖縄の養護施設「アサガオ」での子供たちとの生活です。
『極3』では、この「アサガオ運営パート」が大幅に強化されています。 ただストーリーを追うだけでなく、実際に施設を運営するような要素が追加されており、桐生一馬の「父親としての側面」を存分に味わうことができます。
- 家事手伝い 料理や裁縫など、生活感あふれるミニゲームを通じて子供たちと交流。
- 教育と遊び 勉強を見てあげたり、マリオパーティ風の虫取り大会を開催したりと、微笑ましいイベントが目白押し。
血なまぐさい極道の世界から離れ、沖縄の青い空の下で子供たちの成長を見守る。 この「家庭的な桐生」を見たい人にとっては、他のどの作品よりも心に刺さるコンテンツになっていることは間違いありません。 「サイドストーリーは相変わらず魅力的」という評価も多く、本編のシリアスさとのギャップが、プレイヤーの心を掴んで離さないでしょう。
復活した「ボウリング」と充実のミニゲーム群
龍が如くシリーズといえば、本編以上に熱中してしまうミニゲームの数々。 本作では、ファン待望の要素が復活しています。
特筆すべきは、「ボウリング」の約10年ぶりの復活です。 かつてのシリーズでは定番だったボウリングですが、近作では収録が見送られていました。 物理演算が進化した現行機で遊ぶボウリングは、当時の感覚を懐かしみつつも新しい楽しさを提供してくれるでしょう。
さらに、恒例の「カラオケ」や「バッティングセンター」も健在。 特に今回は、かつて好評だった「暴走族」のミニゲームも復活しているとの情報があります。 桐生が特攻服を着て、自分だけの族(チーム)を作り、和田アキ子さんのような強力な仲間を引き連れて抗争を繰り広げる。 そんなバカバカしくも熱い体験ができるのは、龍が如くならではの特権です。
マニア垂涎!「ゲームギア」などレトロゲームの収録
ゲーム内のゲームセンター(クラブセガ)で遊べるレトロゲームのラインナップも、今回は一味違います。 セガの携帯ゲーム機「ゲームギア」のタイトルが12本も収録されており、実際にプレイ可能です。
収録予定のゲームギアタイトル(一部)
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- ぷよぷよ
- ファンタジーゾーン
- パックマン(※GG版など)
- マッピー
など、オールドファンなら涙が出るような名作から、かなりマニアックなタイトルまで網羅されています。 「龍が如くの中でレトロゲームをコンプリートする」という、ゲーム内ゲームのやり込みだけでも数十時間は遊べてしまうボリュームです。 これは、ゲーム史の資料的価値としても非常に高いポイントと言えます。
賛否あれど「改善」された部分もある
先ほど「戦闘がつまらない」という悪い点を紹介しましたが、一方で高評価のレビューでは「戦闘システムが劇的に改善した」という声もあります。
これは比較対象の違いによるものです。 『ロストジャッジメント』と比べれば劣るかもしれませんが、**「原作のPS3版『龍が如く3』と比べれば」**雲泥の差で遊びやすくなっているのは事実でしょう。 当時のカクカクした挙動や、ロード時間の長さ、不親切なUIなどが解消されていると考えれば、原作をプレイしたことのある人ほど、その進化に感動できるはずです。
峯義孝が主役の追加シナリオ「Dark Ties」の評価
本作の目玉の一つが、本編のライバルキャラクターである「峯義孝」を主人公に据えた追加シナリオ(外伝)『Dark Ties』です。 このコンテンツについても、評価は分かれています。
期待外れ?短すぎるボリュームと描写
低評価レビューでは、以下の点が指摘されています。
- プレイ時間が短い 5時間未満でクリアできてしまうボリューム。
- 掘り下げ不足 既存の情報のおさらいに留まり、峯の内面に深く迫るような新規エピソードが少ない。
- 過激な描写 「神田」というキャラクターによる女性への暴力描写などが多く、不快感を覚えるプレイヤーもいる。
ファンにはたまらない「補完」としての価値
一方で、高評価レビューでは「おまけの域を超えている」「ファンサービスとして異常なクオリティ」と絶賛されています。 峯義孝というキャラクターは、シリーズ屈指の人気を誇る悪役(アンチヒーロー)です。 彼を操作できるということ自体が、ファンにとっては奇跡のような体験なのです。
また、不快と言われる描写についても、「神田という男のクズさを表現するための演出」と捉えれば、龍が如くらしいリアリティの追求とも言えます。 「本編を遊んだ後にプレイすべき」と推奨されていることから、本編の裏側で何が起きていたのかを知るための、重要なパズルのピースになることは間違いありません。
【比較まとめ】原作版と極3、どちらを買うべきか?
ここで、情報を整理するために比較表を作成しました。 自分がどちらに向いているか、判断材料にしてください。
| 比較項目 | オリジナル(リマスター)版 | 龍が如く 極3(リメイク版) |
|---|---|---|
| プラットフォーム | PS4, Xbox, PC | PS5, PS4, Switch 2, Xbox, PC |
| 画質・FPS | FHD/60fps (リマスター) | 4K/60fps~ (最新エンジン) |
| シナリオ | 原作通り (変更なし) | 大幅な改変あり (賛否両論) |
| 戦闘 | 旧来のシステム (やや古い) | ドラゴンエンジン (重厚だが鈍重?) |
| 追加要素 | 特になし | 峯義孝の外伝、アサガオ運営、新ミニゲーム |
| ミニゲーム | 当時のラインナップ | ボウリング復活、ゲームギア収録など |
| 価格 | 安価 (セット販売などあり) | フルプライス |
| 入手期限 | 2026年2月に単品販売終了 | 今後も継続販売 |
「リマスター版」を買うべき人
- 当時のストーリーをそのまま楽しみたい「原作至上主義」の人
- 安価で済ませたい人
- シナリオ改変のリスクを避けたい人
- 2026年2月11日の販売終了までに手に入れておきたいコレクター
「極3」を買うべき人
- 最新のグラフィックで沖縄の街を歩きたい人
- アサガオでのスローライフを深く楽しみたい人
- 峯義孝のファンで、少しでも彼を操作したい人
- 多少のシナリオ改変も「新しい解釈」として楽しめる人
- Switch 2などの携帯機で遊びたい人
まとめ:それでも私は「極3」を遊ぶ
『龍が如く極3』は、決して万人に手放しで勧められる「優等生」なゲームではないかもしれません。 戦闘のもっさり感やシナリオの改変など、無視できない懸念点が存在することも事実です。
しかし、それらの欠点を補って余りある魅力が「沖縄での生活」と「人間ドラマ」にはあります。 メタスコアの点数が低いということは、それだけ「尖った」作品であるという証明でもあります。 平均的な80点のゲームよりも、75点だけど心に深く刺さるゲームの方が、長く記憶に残ることもあります。
結論として、シリーズファンであれば「買い」です。 ただし、「ストーリーが変わっていること」と「戦闘が少し重いこと」を事前に理解した上でプレイすることをお勧めします。 その心の準備さえあれば、きっとアサガオの子供たちとの日々が、あなたにとってかけがえのない思い出になるはずです。
もし、どうしても改変が許せないという方は、2026年2月に販売終了となるリマスター版を今のうちに確保しておきましょう。 どちらを選ぶにせよ、桐生一馬の物語を最後まで見届けること、それが我々ファンの務めなのですから。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。特に『龍が如く』シリーズは全作プレイ済みで、サブストーリーのコンプリートに命を燃やすタイプ。





















