編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、遂に解禁された伝説のポケモン「ゼルネアス」をランクマッチでどのように活躍させるべきか、その具体的な育成論や努力値調整が気になっていると思います。特に今作『Pokémon LEGENDS Z-A(PLZA)』では、メガシンカ環境という特殊なメタゲームが存在するため、過去作の流用だけでは勝てない場面も増えてきています。
この記事を読み終える頃には、あなたのパーティに最適なゼルネアスの育成方針が固まり、ランクマッチでの勝率を劇的に上げるための疑問が解決しているはずです。
- ジオコントロールを軸としたCSぶっぱ型が基本にして最強のスタイルである
- 環境メタに合わせたHB調整やHD調整の具体的な数値ラインが存在する
- PLZA特有の「クエーサー社」や「サビ組事務所」を活用した育成効率化が必須
- サブウェポンの選択で止まりにくいエースポケモンへと進化する
それでは解説していきます。
ゼルネアスというポケモンの真価とPLZA環境での立ち位置
『ポケットモンスター X・Y』で初登場して以来、伝説戦において常にトップメタに君臨し続けているゼルネアス。今作『Pokémon LEGENDS Z-A』においても、その圧倒的な制圧力は健在です。
私が長年ゲーム評論家として見てきた中でも、これほどまでに「完成された強さ」を持つポケモンは稀有です。その強さの源泉は、専用技「ジオコントロール」と特性「フェアリーオーラ」のシナジーにあります。まずは、努力値を振る前に、このポケモンの基本スペックと今作での役割を正しく理解しておきましょう。
圧倒的な種族値と特性「フェアリーオーラ」
ゼルネアスの種族値は、HP126、攻撃131、防御95、特攻131、特防98、素早さ99という配分です。一見すると物理攻撃の方が高い数値をしていますが、最強の積み技「ジオコントロール」が特攻を上昇させるため、特殊アタッカーとして運用するのが絶対的な正解となります。
特性「フェアリーオーラ」は、バトルに出ている全員のフェアリー技の威力を1.33倍にする効果があります。これは実質的な種族値以上の火力を叩き出すことを意味し、半減タイプであっても強引に突破するパワーを秘めています。
PLZAランクマにおける「メガシンカ」との兼ね合い
本作の目玉であるメガシンカポケモンたちは、総じて高いステータスを持っています。しかし、ゼルネアスはメガシンカ枠を消費せずに、メガシンカポケモンと同等以上の爆発力を「パワフルハーブ」+「ジオコントロール」で発揮できます。
これにより、パーティのメガシンカ枠を他のポケモン(例えばメガガルーラやメガメタグロスなど)に割きつつ、第2のエースとしてゼルネアスを運用する「2枚看板構築」が可能になるのです。これがPLZA環境におけるゼルネアスの最大の強みと言えるでしょう。
【基本編】ランクマで勝てるゼルネアスの努力値調整案
それでは、具体的な努力値(きそポイント)の振り方について解説していきます。ランクマッチで結果を残すために推奨される調整は、大きく分けて2つのパターンがあります。
1. CS極振り:ジオコン全抜き型(基本形)
最も使用率が高く、かつ強力なのがこの「CSぶっぱ」型です。迷ったらまずはこの調整から始めることを強くおすすめします。
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50) | 性格補正 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 4 | 202 | – |
| 攻撃 (A) | 0 | – | ↓ |
| 防御 (B) | 0 | 115 | – |
| 特攻 (C) | 252 | 183 | – |
| 特防 (D) | 0 | 118 | – |
| 素早さ (S) | 252 | 166 | ↑ |
- 性格: おくびょう(素早さ↑ 攻撃↓)または ひかえめ(特攻↑ 攻撃↓)
- 持ち物: パワフルハーブ
- コンセプト: ジオコントロールを積んだ後、可能な限り多くの相手を上から制圧するスタイルです。素早さに補正をかけることで、スカーフを持った中速ポケモン(90族~100族付近)すらも、ランク+2上昇後に抜き去ることが可能になります。 特にPLZA環境では、激戦区となる素早さラインを意識する必要があります。「おくびょう」最速にすることで、同族対決(対ゼルネアス、対イベルタル)において50%の勝負に持ち込める点は非常に大きいです。
2. HBベース:対物理特化積み型(環境メタ)
上位帯でよく見られるのが、物理耐久に厚く振った形です。メガメタグロスや、物理型の伝説ポケモンの攻撃を一度耐えてからジオコントロールを積むことを目的としています。
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50) | 性格補正 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 228 | 230 | – |
| 攻撃 (A) | 0 | – | ↓ |
| 防御 (B) | 252 | 147 | ↑ |
| 特攻 (C) | 4 | 152 | – |
| 特防 (D) | 4 | 119 | – |
| 素早さ (S) | 20 | 122 | – |
- 性格: ずぶとい(防御↑ 攻撃↓)
- 持ち物: パワフルハーブ
- コンセプト: HPを「16n-1」や「奇数」に調整しつつ、防御に極振りすることで、本来苦手とする鋼タイプの物理技(アイアンヘッドやコメットパンチ)を確定耐えするラインまで引き上げます。 耐えてしまえば、ジオコントロールで特攻・特防・素早さが2倍になるため、返しの一撃で倒し、そのまま全抜きを狙えます。先制技(バレットパンチ等)への耐性がつくのも大きなメリットです。
3. HDベース:特殊受けループ破壊型
特殊アタッカーが多い環境に刺さる調整です。
- 性格: おだやか(特防↑ 攻撃↓)
- コンセプト: ジオコントロールを積むことで特防がさらに2倍になるため、特殊技では実質的に突破不可能な要塞と化します。相手の特殊アタッカーを起点にして積む動きが強力です。
ゼルネアスの技構成:確定枠と選択枠
努力値と同じくらい重要なのが技構成です。ゼルネアスの場合、技スペースの圧縮が非常に悩ましいポイントになります。
確定技:これだけは絶対に外せない
- ジオコントロール これがないと始まりません。1ターン溜めて、特攻・特防・素早さを2段階上げる最強の積み技。パワフルハーブとセットで採用します。
- ムーンフォース タイプ一致のメインウェポン。威力95、命中100という安定感に加え、特性フェアリーオーラで火力が跳ね上がります。30%で特攻ダウンの追加効果があるのも優秀すぎます。
選択技:環境に合わせてカスタマイズ
残りの2枠は、仮想敵に合わせて選択します。
- きあいだま 対はがねタイプへの最大打点。ナットレイやヒードランなど、フェアリー技を半減以下にしてくる相手への対抗策として必須級です。ただし命中70という不安定さが玉に瑕。
- 10まんボルト / かみなり ホウオウやテッカグヤへの打点。雨パーティと組ませるなら必中になる「かみなり」が推奨されます。
- みがわり 状態異常対策や、相手の交代読みで設置する技。有利対面でみがわりを残せれば、勝利は目前です。
- サイコショック ハピナスなどの特殊受け(特防が高いポケモン)に対して、防御計算でダメージを与えられるため有効です。
- アロマセラピー 味方の状態異常を治せる技ですが、アタッカー運用なら優先度は低め。
PLZAにおける効率的な努力値稼ぎの実践フロー
ここからは、『Pokémon LEGENDS Z-A』特有のシステムを活用した、最高効率の努力値振り手順を解説します。私が実際にプレイして検証した結果、以下のルートが最も時間とリソースを無駄にしません。
1. 準備段階:資金とメガカケラの確保
PLZAでは、育成アイテムの入手に「お金」と「メガカケラ」の両方が必要になります。まずはストーリークリア後の金策・カケラ集めを行ってください。
- ドーピングアイテム(タウリン等): ポケモンセンターで購入(1個5000円)
- パワー系アイテム: クエーサー社で購入(1個あたりメガカケラ180個)
- 努力値リセット: サビ組事務所で依頼(1回につきメガカケラ5個)
2. 努力値のリセット(必要な場合)
もし、旅パで使っていたゼルネアスをそのままランクマ用にする場合、余計な努力値が入っている可能性が高いです。その場合は、サビ組事務所にいる「まっさらアネゴ」を訪ねましょう。 メガカケラ5個という低コストで、全ての努力値をゼロに戻してくれます。きのみでちまちま下げるよりも圧倒的に早いです。
特定のステータスだけ微調整したい場合(例えばS調整を崩したい時など)は、ローズ6番地のきのみ屋で「ザロクのみ」や「ネコブのみ」を購入して使いましょう。場所によって品揃えが違うので注意が必要です。
3. ドーピングアイテムによる「ぶっぱ」
最も手っ取り早いのは、お金の力で解決することです。 例えばCS252振りの場合:
- リゾチウム(特攻+10)を26個買う(25個使用+α)
- インドメタシン(素早さ+10)を26個買う
- ゼルネアスに投与する
PLZAの仕様では、一つのステータスに最大252まで(システム上は255まで入る場合がありますが、ステータス反映は4の倍数のため実質252止めが定石)振ることができます。ドーピングアイテムだけで上限まで振り切れるようになったのは近年の親切設計ですね。
4. パワー系アイテムを使った節約ルート
資金が足りない場合は、野生ポケモンを倒して稼ぎます。 クリア後にクエーサー社へ行き、メガカケラと交換で「パワーレンズ(特攻用)」や「パワーアンクル(素早さ用)」を入手しましょう。
- パワー系アイテムの効果: 戦闘終了時に対象の努力値を+8加算する
- ポケルス(もし感染していれば): 獲得努力値が2倍になる
これらを装備させて、該当するステータスの努力値をくれる野生ポケモンを倒します。PLZAのマップではシンボルエンカウントが多いため、狙ったポケモンを狩りやすいのが特徴です。
5. 「〇〇のハネ」による端数調整
努力値の合計上限は510です。252・252と振ると、残りは6ポイント余ります。 この端数(実質ステータスに影響するのは4ポイント分)を振るために、マップ上の光るポイントから拾える「ちりょくのハネ」や「しゅんぱつのハネ」を使用します。 ハネは努力値を+1ずつ加算できるため、最後の微調整に最適です。
6. 最終確認
努力値振りが終わったら、ステータス画面で「のうりょく確認」を行いましょう。グラフが水色(または濃い黄色)になっていれば最大値まで振れています。 LボタンかRボタン(あるいはYボタン等、機種設定による)でグラフを切り替え、キラキラ光るエフェクトが出ていれば、そのステータスは252(最大)まで振れている証拠です。
ゼルネアスと相性の良い味方・対策必須の天敵
最強のゼルネアスといえど、単体ですべて解決できるわけではありません。パーティ単位での補完が重要です。
相性の良いパートナー
- グラードン(ゲンシカイキ含む) ゼルネアスの天敵である「はがねタイプ」や「どくタイプ」に対して、地面技で強く出られます。また、グラードンの晴れ効果で、ゼルネアスの苦手な水タイプの技威力を半減させたり、炎技の威力を上げて鋼を焼き払うサポートも可能です。
- ガオガエン 「いかく」と「すてゼリフ」で相手の火力を削ぎ、ゼルネアスが安全にジオコントロールを積む隙を作り出せます。ねこだましによるターン稼ぎも優秀です。
- モロバレル 「キノコのほうし」で相手を眠らせる、あるいは「いかりのこな」で攻撃を吸い寄せることで、ゼルネアスの積むターンを確実に確保できます。
対策必須の天敵(アンチ・ゼルネアス)
- ホウオウ 特防が非常に高く、聖なる炎で物理耐久も確保してくる難敵。ダイマックス(今作ではないですが)やテラスタルがない環境でも、単純な数値受けで止められがちです。
- ハッサム・メタグロス(メガ含む) バレットパンチという先制の鋼技を持っているため、素早さを上げても縛られてしまいます。これらが相手の構築にいる場合は、選出を控えるか、取り巻きで処理してからゼルネアスを着地させる必要があります。
- ラッキー・ハピナス 特殊受けの代名詞。ジオコントロールを積んでも突破できないことがあります。「サイコショック」を採用していない場合は、物理アタッカーで崩す必要があります。
まとめ:PLZAでもゼルネアスは「最強」の一角
今回は、『Pokémon LEGENDS Z-A』におけるゼルネアスのランクマ用努力値調整について解説しました。
記事のポイントを振り返りましょう。
- **CSぶっぱ(特攻・素早さ特化)**が基本にして至高。初心者から上級者まで幅広く使える最強の型です。
- 環境によってはHB調整で物理技を耐えてからの切り返しも有効。自分のプレイスタイルに合わせて調整しましょう。
- 育成にはクエーサー社のパワーアイテムとサビ組事務所のリセット機能をフル活用し、効率よく理想個体を作り上げてください。
- 相性補完として地面タイプや炎タイプをパーティに入れ、ゼルネアスが全抜きできる盤面を整えることが勝利への鍵です。
ゼルネアスは、一度有利な状況を作ってしまえば、そのままゲームセットまで持ち込めるパワーを持っています。「努力値調整」と「技構成」をしっかり理解し、あなたのランクマッチライフに役立ててください。
伝説のポケモンたちと共に、カロス地方(Z-Aの舞台)の頂点を目指しましょう!
筆者紹介:桐谷シンジ ゲーム評論家・攻略ライター。FPSからRPGまで幅広くプレイし、特にポケモンの対戦環境考察には定評がある。所有ゲームソフトは数知れず、徹底的なやり込みに基づいた実践的なアドバイスを信条としている。







