ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日発売された『Pokémon LEGENDS Z-A(ポケモンレジェンズZ-A)』の販売本数や、なぜこれほどまでに話題になっているのかが気になっていると思います。 私自身、発売日からどっぷりとミアレシティの再開発に没頭していますが、これはまさしく「ポケモンの新たな到達点」と言える作品です。
この記事を読み終える頃には、『レジェンズZ-A』が打ち立てた驚異的な記録と、その成功の裏にある理由についての疑問が解決しているはずです。
- Z-Aパッケージ版の驚異的な初週売上
- Switch 2への移行期における販売動向
- 前作アルセウスを超えるロケットスタートの背景
- Z-Aが歴史的成功を収めた核心的理由
それでは解説していきます。
ポケモンレジェンズZ-A、衝撃の初週販売本数を記録
2025年10月16日(木)に発売された『Pokémon LEGENDS Z-A』。 発売前から『レジェンズ アルセウス』の続編、そして待望の「カロス地方」「メガシンカ復活」ということで凄まじい期待が寄せられていましたが、その結果は私たちの想像を遥かに超えるものでした。
SNS上でも「売れすぎだろ」「アルセウス超えはヤバい」といった驚きの声が溢れかえっていますが、まずは客観的な数字から、この「事件」がいかに規格外であるかを見ていきましょう。
パッケージ版だけで148万本という数字の意味
各種調査によると、『レジェンズZ-A』の国内におけるパッケージ版の初週販売本数は、なんと148万本に達したと推定されています。
148万本。 この数字がどれほどのインパクトを持つか、ピンとこない方もいるかもしれません。 これは、Nintendo Switchの歴史においても、歴代トップクラスの初動販売本数です。
近年の主なNintendo Switchタイトルの初週販売本数(パッケージ版)と比較してみましょう。
| タイトル | 初週販売本数(国内・パッケージ) | 備考 |
|---|---|---|
| スプラトゥーン3 | 約345万本 | Switch歴代初動1位 |
| ポケモン スカーレット・バイオレット | 約253万本 | ポケモン本編(完全新作) |
| あつまれ どうぶつの森 | 約188万本 | 発売当時、コロナ禍の巣ごもり需要と合致 |
| ポケモン レジェンズZ-A | 約148万本 | 今回 |
| ポケモン レジェンズ アルセウス | 約142.5万本 | 前作(2022年1月発売) |
| ポケモン ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール | 約139万本 | リメイク作品 |
(※販売本数は推定値を含む参考データです)
ご覧の通り、『スプラトゥーン3』や本編完全新作の『SV』は別格として、『あつまれ どうぶつの森』に次ぐ、驚異的なスタートを切ったことがわかります。
特筆すべきは、前作『レジェンズ アルセウス』の初週約142.5万本や、リメイク作品であった『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール(BDSP)』の約139万本を上回っている点です。
『アルセウス』は、ポケモンの常識を覆すゲームシステムで世界的な大ヒットとなりましたが、発売当時は「従来と違いすぎる」という戸惑いの声や様子見を選んだ層も一定数存在しました。 また、『BDSP』は待望のダイパリメイクでしたが、グラフィックやシステム面で賛否が分かれた部分もありました。
しかし、『レジェンズZ-A』は、『アルセウス』が築き上げた「レジェンズ」というブランドへの絶大な信頼を背景に、純粋な期待感だけで前作超えの初動を叩き出したのです。 SNSで「アルセウスが響いたね」という声がある通り、これは前作の功績がいかに大きかったかを証明する数字でもあります。
Switch版 vs Switch 2版 販売内訳の詳細
さらに驚くべきは、その販売内訳です。 『レジェンズZ-A』は、発売から8年以上が経過したNintendo Switchと、今年2025年6月に発売されたばかりの次世代機 Nintendo Switch 2 との「縦マルチ(同時発売)」戦略が取られました。
推定される内訳は以下の通りです。
- Nintendo Switch版: 約87.2万本
- Nintendo Switch 2版: 約61.2万本
この数字は、現在のゲーム市場を分析する上で非常に興味深い示唆を与えてくれます。
圧倒的普及台数を誇るSwitch版の強さ
まず、Switch版が約87.2万本という数字。 全世界で1億5千万台以上(※推定)普及しているSwitchは、まだまだ現役のプラットフォームです。 「Switch 2はまだ買っていないが、ポケモン新作はすぐに遊びたい」という膨大なユーザー層の受け皿として、Switch版が完璧に機能したことがわかります。 もしこれがSwitch 2専用タイトルであったなら、148万本という数字は到底不可能だったでしょう。
発売4ヶ月半のSwitch 2版が60万本超えという衝撃
一方で、より衝撃的なのはSwitch 2版が約61.2万本も売れているという事実です。
Switch 2は発売からまだ4ヶ月半しか経過していません。 にもかかわらず、初週で60万本以上のパッケージが売れるというのは、ハードの普及とソフトの訴求力が驚異的なスピードで進んでいる証拠です。
SNSでも「スイッチ2番がこんなに売れてるの」「思ったより移行が進んでる」といった驚きの声が多数見られます。 同週のSwitch 2本体の販売台数が約20万台と報じられており、その多くが『レジェンズZ-A』の同梱版や、ソフトと本体を同時購入した層であることは想像に難くありません。
これは、任天堂がSwitch 2の普及初期段階における最大のキラータイトルとして『レジェンズZ-A』を位置づけ、その戦略が完璧に成功したことを示しています。 「Switch 2版はSwitchでもプレイできる(※1000円のアプグレードパス対応という設定)から安心して買える」といった声もあり、将来性を見越してSwitch 2版を選んだユーザーも多いようです。
前作『アルセウス』との初週売上比較
ここで、改めて前作『レジェンズ アルセウス』と『レジェンズZ-A』の初週販売本数を比較してみましょう。
| 比較項目 | レジェンズ アルセウス (2022年) | レジェンズ Z-A (2025年) | 差分 |
|---|---|---|---|
| 発売時期 | 1月28日 (金) | 10月16日 (木) | – |
| 初週販売本数 (パッケージ) | 約142.5万本 | 約148万本 | + 約5.5万本 |
| 発売時の状況 | コロナ禍 (巣ごもり需要あり) | コロナ禍収束後 | – |
| 発売ハード | Switchのみ | Switch / Switch 2 | 縦マルチ |
『アルセウス』が発売された2022年1月は、まだ巣ごもり需要が色濃く残っていた時期です。 その追い風があった『アルセウス』を超える初動を、巣ごもり需要が完全に落ち着いた2025年に記録したことの意義は非常に大きいと言えます。
SNSでは「アルセウスから微増か」といった冷静な分析もありますが、私は「微増」どころか「驚異的な維持、むしろ勝利」だと評価しています。 通常、シリーズ作品は(よほど革新的でない限り)前作の評価に引きずられ、初動が落ちるケースも少なくありません。 しかし、『レジェンズZ-A』は、プラットフォームの移行期というハンデをものともせず、前作超えを果たしました。
発売時期がもたらす今後の「伸びしろ」
もう一つ見逃せないのが「発売時期」です。 『アルセウス』は1月末の発売でした。 ゲーム業界において1月末は、年末商戦が終わり、比較的落ち着いた時期(いわゆる「ニッパチ」)の直前にあたります。
対して『レジェンズZ-A』は10月16日の発売。 これは、11月のブラックフライデー、そして12月のクリスマスから年末年始という、**年間で最もゲームが売れる「ホリデーシーズン」**の直前という、これ以上ない絶好のタイミングです。
『アルセウス』が発売時期のハンデを背負いながらも世界累計1400万本以上(※推定)という大記録を打ち立てたことを考えれば、ホリデーシーズンという最大のブーストを得られる『レジェンズZ-A』が、今後どこまで売上を伸ばすのか。 SNSで「これから年末だから伸びるに決まってる」と言われている通り、そのポテンシャルは計り知れません。
ダウンロード版を含めた推定販売本数
ここまでパッケージ版の数字について解説してきましたが、忘れてはならないのがダウンロード(DL)版の存在です。
近年、ゲームの購入形態は大きく変化しており、特にSwitchでは「ニンテンドーカタログチケット(カタチケ)」の存在もあり、DL版の比率が非常に高まっています。 人気タイトルでは、初動からDL版がパッケージ版と同等、あるいはそれ以上に売れるケースも珍しくありません。
SNS上でも「DL含めたら200万超えてるな」「いや300万行ってる可能性ある」といった推測が飛び交っています。 情報ソース①によれば、『ポケモンSV』はDLだけで国内300万以上、『アルセウス』もDLだけで国内ミリオン超えというデータ(※真偽不明のSNS情報)もあるようです。
これらの推測が正しいと仮定するならば、『レジェンズZ-A』の国内初週販売本数(パッケージ+DL)は、控えめに見積もっても250万本前後、あるいは300万本に達していても何ら不思議ではありません。
パッケージだけで148万本という数字は、文字通り「氷山の一角」に過ぎないのです。
なぜレジェンズZ-Aはこれほどまでに成功したのか? 徹底分析
初週でこれほどのロケットスタートを切った『レジェンズZ-A』。 単に「ポケモンだから」という理由だけでは説明がつかない、複合的な成功要因が存在します。 ゲーム評論家である私の視点から、その理由を5つに分けて深く掘り下げていきます。
成功理由①:待望の「カロス地方」と「メガシンカ」の復活
最大の要因は、多くのファンが長年待ち望んでいた要素の復活です。
『X・Y』世代の郷愁を刺激する「カロス地方」
本作の舞台は『ポケットモンスター X・Y』(2013年発売)のカロス地方、その中心都市である「ミアレシティ」です。 『X・Y』はニンテンドー3DSで発売され、シリーズで初めてグラフィックがドット絵から3Dモデルへと進化した、転換点とも言える作品でした。
当時小学生~中学生だったプレイヤー層は、現在20代前半から30代手前になっています。 彼らにとって『X・Y』は、青春時代の思い出そのもの。 そのカロス地方が、12年の時を経て最新のグラフィックで再構築されるというニュースは、彼らの郷愁と期待感を強烈に刺激しました。
ミアレシティという一つの都市を舞台に「都市再開発」を描くという、これまでのポケモンにはないアプローチも斬新でした。 「あのミアレシティがどう変わっていくのか」という知的好奇心が、従来のファンだけでなく、都市開発シミュレーションなどが好きな層にもアピールした可能性があります。
最強の切り札「メガシンカ」の復活
そして何より、「メガシンカ」の復活です。 メガシンカは、『X・Y』で登場し、『オメガルビー・アルファサファイア』まで採用されたバトルシステムです。 バトル中一度だけポケモンが姿を変え、爆発的に能力が向上するという派手な演出と戦略性は、歴代のバトルシステムの中でも屈指の人気を誇ります。
しかし、続く『サン・ムーン』以降の作品ではメガシンカは採用されず、多くのファンがその復活を熱望していました。 本作『レジェンズZ-A』のタイトルが発表された瞬間から、「Z」の文字が『X・Y』の幻の続編『Z』を想起させ、「メガシンカ復活か?」と世界中のファンが色めき立ちました。
そして、その期待通りにメガシンカが復活。 『レジェンズ アルセウス』のシームレスでスピーディーなバトルシステムと、メガシンカのド派手な演出がどう融合するのか。 この一点だけでも、本作を購入する動機として十分すぎるほど強力でした。
実際にプレイしてみると、ミアレシティの特定のエリアを解放することでメガシンカできるポケモンが増えていくという導線は、都市開発のモチベーションと見事にリンクしています。 新たなメガシンカポケモンの追加もあり、期待を裏切らない内容でした。
成功理由②:前作『アルセウス』が築いた絶大な信頼
『レジェンズZ-A』は、単体で生まれたヒット作ではありません。 2022年に発売された『レジェンズ アルセウス』という、偉大な「土台」があったからこその成功です。
「ポケモンの当たり前」を壊した革命
『アルセウス』は、従来の「トレーナーとバトルしてバッジを集め、チャンピオンを目指す」というお決まりのストーリーラインを廃止。 広大なフィールドを自由に探索し、ポケモンの生態を調査しながら「図鑑を完成させる」ことを目的とした、アクションRPGへと舵を切りました。
ポケモンに狙いを定めてボールを投げる、シームレスにバトルに突入する、ポケモンから攻撃を受けてプレイヤーが倒れる……。 これらのシステムは、まさに「こういうポケモンがやりたかったんだ」と多くのファンを熱狂させました。
もちろん、広すぎるフィールドの移動や、グラフィックの粗さ、ストーリーの単調さなど、課題がなかったわけではありません。 しかし、それらを補って余りある「革新的な面白さ」が、『アルセウス』を歴史的な成功へと導きました。
「レジェンズ」ブランドへの絶対的信頼
この『アルセウス』の成功体験が、「レジェンズ」という新シリーズへの絶対的な信頼をユーザーに植え付けたのです。 「本編(SVなど)は色々あるけど、『レジェンズ』なら間違いない」 「アルセウスがあれだけ面白かったんだから、Z-Aも絶対に買う」 こうした流れが、発売前からSNS上で確立されていました。
もし『アルセウス』が凡作であったなら、『Z-A』がこれほどの期待感を集めることはなかったでしょう。 『アルセウス』という革命的な前作があったからこそ、『Z-A』は「ブランド買い」されるほどの強力なタイトルとなったのです。
成功理由③:ゲームフリークの技術的進化と圧倒的な「評判」
『アルセウス』は素晴らしいゲームでしたが、同時に技術的な課題も露呈しました。 特にグラフィックやフレームレート(処理速度)に関しては、多くの改善点が指摘されていました。
『レジェンズZ-A』は、これらの課題に対するゲームフリークの「回答」でもあります。
Switch 2版が実現した美麗なミアレシティ
本作はSwitch 2との縦マルチであり、特にSwitch 2版ではグラフィックが飛躍的に向上しています。 ミアレシティの美しい石畳、建物のディテール、そして生き生きと街中で生活するポケモンたちの描写。 『アルセウス』の広大だがどこか無機質だったフィールドとは一線を画す、緻密な世界観が構築されています。
私自身、Switch 2版でプレイしていますが、フレームレートも非常に安定しており、『アルセウス』で感じたストレスはほぼ皆無です。 この「アルセウスから正当進化した」という技術的な安心感が、購入の後押しになったことは間違いありません。
発売直後からの「神ゲー」評価
そして、発売後の「評判」です。 SNSでは「評判が良すぎる」「アルセウスより評判いい」という声が溢れています。
実際にプレイした私の感想としても、『Z-A』は『アルセウス』の面白さの核(シームレスな探索と捕獲)はそのままに、課題だった部分を見事にブラッシュアップしています。
- 快適なUI/UX: アイテムの切り替えやポケモンの入れ替えが、さらに直感的になりました。
- 深みのある都市開発: ミアレシティの再開発は、単なるお使いではなく、どのエリアから開発するかによって解放される施設やポケモンが変わり、戦略性が生まれています。
- 魅力的なストーリー: 『X・Y』の裏側で何が起きていたのかを描くストーリーは、当時のファンにとって非常に興味深い内容になっています。
これらの高評価が発売直後からSNSやレビューサイトで拡散され、「迷っていたけど、評判が良いから買う」という層を取り込むことに成功しています。 SNSでのネガティブキャンペーン(いわゆる「ネガキャン」)も一部で見られましたが、情報ソース①にあるように「マジで意味なくて笑う」状態であり、圧倒的な「面白さ」という事実の前には無力でした。
成功理由④:絶妙な「縦マルチ戦略」とSwitch 2の普及
先の内訳でも触れましたが、任天堂の販売戦略の見事さも、この成功を語る上で欠かせません。
1億台以上の市場と、未来の市場を同時に掴む
最大の功績は、「縦マルチ」という選択をしたことです。 もし『Z-A』がSwitch 2独占タイトルだったら、ここまで爆発的な初動にはならなかったでしょう。 発売4ヶ月半のSwitch 2の普及台数は、まだSwitchの巨大な市場には及びません。
一方で、もしSwitch独占だったら、Switch 2を購入したアーリーアダプター層から「なぜ次世代機で出ないのか」という不満が出たでしょうし、技術的な進化も限定的だったはずです。
Switch版で1億台以上の既存ユーザーを確実に拾い(87.2万本)、 Switch 2版で次世代機への移行を強力に促す(61.2万本)。
この二兎を追う戦略は、プラットフォーム移行期において最も理想的な「正解」でした。 Switch 2の普及台数(ローンチ4ヶ月半)を考えれば、61.2万本という数字は驚異的であり、「移行がめちゃくちゃ早い」というSNSの反応も頷けます。
Switch 2本体を牽引するキラータイトル
『Z-A』は、Switch 2本体の売上を牽引する最大のキラータイトルとなりました。 「Z-Aを最高の環境で遊びたいからSwitch 2を買う」という需要を生み出し、同週の本体売上20万台という数字に直結しています。
情報ソース①では「本体同コンはマジで汚ねえよ」といったやっかみの声も見られますが、これはビジネス戦略としては当然であり、むしろ見事と言うべき手腕です。 強力なソフトがハードを牽引する。 これは任天堂が長年行ってきた王道の戦略であり、『Z-A』はその大役を完璧に果たしたのです。
成功理由⑤:ポケモンという「最強IP」の揺るぎないブランド力
そして最後に、身も蓋もない結論かもしれませんが、やはり「ポケモンだから」という事実は無視できません。 『ポケットモンスター』は、誕生から約30年、世界で最も強力なエンターテイメントIP(知的財産)の一つです。
批判すら飲み込むIPの底力
記憶に新しい『ポケモン スカーレット・バイオレット(SV)』は、発売当初、数多くのバグやパフォーマンスの問題で大きな批判を受けました。 しかし、それでも初週販売本数(国内パッケージ)で約253万本、世界累計では3日間で1,000万本という、任天堂史上最速の売上を記録しました。
これは、ポケモンの「IP力」が、ゲーム単体の出来栄えに関する批判すらも飲み込んでしまうほどの強さを持っていることを示しています。 「ポケモンだから買う」「新作が出たらとりあえず遊ぶ」という層が、世界中に数千万人単位で存在するのです。
最高の条件が重なった『Z-A』
『レジェンズZ-A』は、この最強のIP力に加え、
- 『アルセウス』の成功という「信頼」
- 「メガシンカ復活」という「待望の要素」
- 「Switch 2」という「最新ハードへの最適化」
これら全ての好条件が、完璧なタイミングで重なりました。 まさに「鬼に金棒」状態であり、この初週148万本という数字は、起こるべくして起きた「必然」の結果だったと私は分析しています。
今後の売上予測とSwitch 2への影響
驚異的なスタートを切った『レジェンズZ-A』ですが、その勢いはまだまだ止まりそうにありません。 今後の展望について考察します。
ホリデーシーズンに向けた売上の伸び
前述の通り、本作は10月中旬という絶好のタイミングで発売されました。 これから始まる年末商戦(ブラックフライデー、クリスマス、お正月)において、『レジェンズZ-A』が販売の中心となることは確実です。
特にクリスマスプレゼントとしての需要は計り知れません。 『アルセウス』が1月末発売であったことを踏まえると、ホリデーシーズンのブーストを受ける『Z-A』が、最終的な累計販売本数で『アルセウス』を上回る可能性は非常に高いと見ています。 SNSで言われている通り、「ここからさらに伸びる」のは間違いありません。
Switch 2本体の牽引役としてのZ-A
『Z-A』のヒットは、Switch 2の普及に強烈な弾みをつけました。 年末商戦に向けてSwitch 2本体の供給が安定すれば、「Z-AとSwitch 2のセット」が爆発的に売れるでしょう。
現在はまだSwitch 2が入手困難な状況(「招待メールまだ来ない」という声も)が続いていますが、供給が需要に追いついた時、『Z-A』のSwitch 2版はパッケージ・DL版ともに、ジワジワと売れ続けるロングセラーになるはずです。 Switch 2の普及台数が増えれば増えるほど、『Z-A』の売上も伸びていくという好循環が生まれます。
DLC(追加コンテンツ)への期待
近年のポケモン本編(『剣盾』『SV』)や『アルセウス』の「ヒスイの夜明け」のように、本作でも大型のダウンロードコンテンツ(DLC)が配信される可能性は濃厚です。
『Z-A』の舞台はミアレシティとその周辺に限られているようですが、DLCによってカロス地方の他の都市や、未踏のエリア(『X・Y』で謎のままだった場所など)が解放されるのではないかと、ファンの間では既に期待が高まっています。 新たなメガシンカポケモンの追加や、AZの物語の深掘りなど、DLCで展開できる余地は無限にあります。
もし大型DLCが配信されれば、そのタイミングでソフト本体の売上が再びブーストされ、累計販売本数をさらに押し上げることになるでしょう。
まとめ
『Pokémon LEGENDS Z-A』が達成したパッケージ版初週148万本という記録は、単なる人気作のヒットではありません。
前作『アルセウス』が切り開いた革新的なゲーム性への「信頼」。 「カロス地方」と「メガシンカ」というファン待望の要素を復活させた「期待」。 SwitchとSwitch 2の双方のユーザーを逃さない「巧みな販売戦略」。 そして、何よりも「ポケモン」という最強のIPブランド力。
これら全てが奇跡的なバランスで噛み合った結果、プラットフォーム移行期という逆境をものともしない、歴史的なロケットスタートが実現しました。
ミアレシティでの冒険はまだ始まったばかりです。 ホリデーシーズン、そして未来のDLC展開を経て、本作が『アルセウス』を超えるシリーズ最高傑作としてゲーム史に名を刻むことになるのか。 ゲーム評論家として、引き続きこの「Z-A旋風」の行方を見守っていきたいと思います。






