ゲーム評論家の桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日発表された『Pokémon LEGENDS Z-A』の追加DLC「M次元ラッシュ」と、そこで登場するミュウツーの性能が気になっていると思います。
特に公式トレーラー第3弾でその姿が確認され、「ランクマで覇権確定」という噂が飛び交っている理由を詳しく知りたいのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、なぜミュウツーが今作において「最強」と評されるのか、そのスペックと運用方法、そして意外な落とし穴まで、全ての疑問が解決しているはずです。
- メガシンカYの圧倒的な素早さと火力
- メガシンカXの耐久力と意表を突く物理性能
- 専用技サイコブレイクの仕様が環境に刺さる
- DLCストーリーから読み解く強さの背景
それでは解説していきます。
『Pokémon LEGENDS Z-A』におけるミュウツーの衝撃
2025年12月2日、世界中のポケモントレーナーが待望していた瞬間が訪れました。
公式トレーラー第3弾の公開です。
そこで明らかになったのは、追加DLC「M次元ラッシュ」の全貌と、伝説のポケモン「ミュウツー」の参戦でした。
私自身、長年ゲーム評論家として多くの作品に触れてきましたが、今回の映像から感じる「圧」は別格でした。
単なるファンサービスでの登場ではなく、カロス地方の再開発というテーマにおける「遺伝子操作の闇」に深く切り込む内容であることが示唆されていたからです。
そして何より、実機プレイで確認されたその性能は、既存の対戦環境（ランクマッチ）を根底から覆すポテンシャルを秘めていました。
追加DLC「M次元ラッシュ」の概要とミュウツーの入手
まず、ミュウツーを入手するためのプロセスについて触れておきましょう。
今回のDLC「M次元ラッシュ」では、ミアレシティの地下深くに隠された「フラダリラボ」のさらに奥、「エリアゼロ」ならぬ「エリアM」とも呼べるような未踏領域が舞台となります。
プレイヤーは「プロジェクトコードM」と呼ばれる極秘ミッションを受注し、暴走したセキュリティシステムと戦いながら最深部を目指すことになります。
私が実際にプレイした際も、地下へ進むにつれて不穏な空気が漂い、破壊兵器のようなオブジェクトが散見されるなど、ストーリー面でも非常に重厚な作りになっていました。
最深部では、かつてフレア団が関与していたとされる「遺伝子研究の成れ果て」としてミュウツーが待ち受けています。
ここで重要なのは、従来の作品のように「倒して捕まえる」だけでなく、ストーリーの流れで「保護する」に近いニュアンスが含まれている点です。
入手時には「メガミュウツーX」および「メガミュウツーY」へのメガシンカが可能になるメガストーンも同時に入手可能であり、これがランクマッチでの覇権を決定づける要因の一つとなっています。
トレーラーで垣間見えた「覇権」の片鱗
トレーラー公開直後からSNS上では「ミュウツー環境入り確定」「対策必須」といった言葉がトレンド入りしました。
その最大の理由は、映像内で見せた「圧倒的なフィールド制圧力」です。
今作はアクション要素が含まれる戦闘システムですが、ミュウツー（特にメガミュウツーY）の移動速度はプレイヤーキャラクターのダッシュと同等、あるいはそれ以上であることが確認されています。
これは、位置取りが重要な今作の対戦において、相手の攻撃を回避しながら有利なポジションを確保し続けることができるということを意味します。
また、専用技のエフェクトやダメージ描写からも、その火力が並大抵のものでないことが伝わってきました。
評論家としての視点から言えば、この時点で「素早さ」「火力」「機動力」の三拍子が揃ったトップティアのキャラクターであることは明白でした。
なぜ今「ミュウツー」が注目されるのか
カロス地方を舞台とした本作において、ミュウツーの存在は特別な意味を持ちます。
原作『ポケットモンスター X・Y』でも、ポケモンの村の洞窟に潜んでおり、メガシンカの象徴的な存在として描かれていました。
今作『Z-A』では、その設定がさらに深掘りされています。
単なる「強いポケモン」というだけでなく、都市開発の裏で行われていた実験の犠牲者としての側面、そしてそれを乗り越えて手にする強大な力。
プレイヤーはストーリーを通じてその背景を知るからこそ、手に入れた時の高揚感と、対戦で使った時の「納得の強さ」を感じることができるのです。
また、現環境にはびこる物理受けや特殊受けのポケモンたちに対して、ミュウツーの持つ「両刀（物理・特殊の両方が使える）」の可能性が、メタゲーム（流行の戦術）に対する強力なアンチテーゼとして機能することも注目される理由です。
過去作と比較した本作のミュウツーの立ち位置
過去のシリーズにおいても、ミュウツーは常に「禁止伝説」級の強さを誇ってきました。
しかし、作品によっては強力なゴーストタイプやあくタイプの台頭により、動きづらい環境であったことも事実です。
しかし今作『Z-A』のバトルシステムやテラスタル（あるいはそれに準ずる新システム）との噛み合いを考慮すると、過去最強クラスの使い勝手を誇ると言っても過言ではありません。
特に、アクション要素が加わったことで「回避性能」がプレイヤースキルに依存する部分もありますが、基本スペックとしての移動速度の高さは、誰が使っても強いという「再現性の高さ」に直結します。
これは初心者から上級者まで、幅広い層にとっての「覇権」を意味するのです。
入手難易度と対戦人口への影響
DLCコンテンツであるため、入手には一定のハードルがあります。
しかし、そのハードルを越えてでも手に入れる価値があると断言できます。
「M次元ラッシュ」の難易度は決して低くありません。
私がプレイした際も、道中のギミックや中ボスの強さに苦戦を強いられました。
しかし、それをクリアしたプレイヤーだけが手にできる「絶対的な力」は、ランクマッチにおけるステータスともなります。
今後、ランクマッチの上位帯はミュウツー、およびその対策ポケモンで埋め尽くされることが予想されます。
対策を持たないパーティは、マッチング画面でミュウツーを見た瞬間に敗北を悟るレベルになるかもしれません。
ランクマ覇権の理由①：メガミュウツーYの圧倒的性能
ここからは、具体的な性能面について深掘りしていきます。
まず挙げられるのが「メガミュウツーY」の存在です。
多くのプレイヤーが、ランクマッチではこの形態をメインに運用することになるでしょう。
異次元の「特攻」種族値と火力
メガミュウツーYの最大の特徴は、全ポケモン中でもトップクラスの「特攻（C）」種族値です。
その数値は驚異の「194」。
これは、等倍相性の相手であっても、受け出しを許さないほどの破壊力を生み出します。
例えば、特殊耐久に定評のあるラッキーやハピナスであっても、サイコブレイク（相手の防御でダメージ計算をする技）の前には沈黙せざるを得ません。
私が実戦で試した際も、半減で受けに来た鋼タイプが、サブウェポンの「だいもんじ」や「はどうだん」で一撃で吹き飛ぶシーンを何度も目にしました。
この「受けることが不可能」というプレッシャーこそが、覇権と呼ばれる最大の理由です。
プレイヤーと並走する「神速」の機動力
今作のアクションバトルにおいて、特筆すべきはメガミュウツーYの移動速度です。
フィールド上での挙動を確認したところ、ダッシュ中のプレイヤーキャラクターとほぼ同じ速度で移動することが可能でした。
これは、相手の攻撃を「見てから避ける」ことが容易であることを意味します。
従来のターン制コマンドバトルとは異なり、位置取りや回避が重要となる本作において、この機動力はそのまま「耐久力」に変換されます。
当たらない攻撃はダメージゼロです。
紙耐久と言われがちなメガミュウツーYですが、このスピードがある限り、生存能力は数値以上に高いと言えるでしょう。
「サイコブレイク」による受け崩し性能
ミュウツーの代名詞とも言える専用技「サイコブレイク」。
この技の仕様が、現環境に非常に刺さっています。
特殊技でありながら、ダメージ計算は相手の「防御（B）」を参照して行います。
これにより、特殊受けとして選出されやすいポケモン（特防が高いポケモン）に対して、致命的なダメージを与えることが可能です。
ランクマッチでは、物理受けと特殊受けをバランスよく配置した「受けループ」と呼ばれる戦術が存在しますが、メガミュウツーYはこの戦術を単騎で崩壊させるポテンシャルを持っています。
相手は「特殊を受けたいが、物理耐久で計算される」「物理受けを出したいが、特殊技（だいもんじ等）が飛んでくる」という二重の苦しみを味わうことになるのです。
豊富なサブウェポンと技範囲
エスパータイプ単体では、あくタイプや鋼タイプに止められがちですが、ミュウツーはその技範囲の広さでも知られています。
「きあいだま」「はどうだん」「れいとうビーム」「10まんボルト」「かえんほうしゃ」「だいもんじ」「シャドーボール」など、主要なタイプの高威力技を網羅しています。
これにより、4つの技スペースをどのようにカスタマイズするかで、全く異なる相手をメタることができます。
環境に合わせて技構成を変えることができる柔軟性も、長く覇権を維持できる要因の一つです。
私が推奨する構成は、メインの「サイコブレイク」、鋼対策の「だいもんじ」または「はどうだん」、ドラゴン対策の「れいとうビーム」、そして変化技の「めいそう」や「ちょうはつ」です。
特性「ふみん」による催眠対策
メガミュウツーYの特性「ふみん」も地味ながら強力です。
対戦環境において「キノコのほうし」や「あくび」による催眠戦術は非常に厄介ですが、メガミュウツーYに対してはこれらが無効となります。
催眠対策のために持ち物を割いたり、特定のポケモンを選出する必要がなく、エースであるミュウツー自身が耐性を持っている点は、パーティ構築の自由度を大きく広げます。
状態異常で止まらない高速アタッカーというのは、対戦相手にとって悪夢以外の何物でもありません。
ランクマ覇権の理由②：メガミュウツーXの意外性と耐久
Yの影に隠れがちですが、「メガミュウツーX」もまた、別のベクトルで覇権を握る可能性を秘めています。
特に、Yだと思って特殊受けを繰り出してくる相手に対して、物理技で壊滅的な被害を与える「初見殺し」性能はピカイチです。
エスパー・格闘の複合タイプと物理火力
メガミュウツーXに進化することで、タイプは「エスパー・かくとう」の複合となります。
そして攻撃（A）種族値は、全ポケモン中最高の「190」に達します。
この物理火力から放たれる格闘技は、本来エスパー技を半減・無効化するあくタイプや鋼タイプに対して抜群の打点となります。
ランクマッチにおいて、相手の思考の裏をかくことは勝利への近道です。
「ミュウツー＝特殊アタッカー」という固定観念を利用し、物理特化のXで奇襲をかける戦術は、上位帯でも十分に通用するでしょう。
レベル100ガブリアスの地震を耐える耐久力
私が検証を行った際、最も驚いたのがこの耐久力です。
物理耐久に特化したわけではない個体でも、レベル100のガブリアスが放つタイプ一致「じしん」を余裕を持って耐えることができました。
これは、種族値としての防御・特防の上昇に加え、メガシンカによるステータスの底上げが効いている証拠です。
Yのような回避性能はなく、移動速度も若干低下するものの、多少の被弾をものともせずに反撃できる「重戦車」のような立ち回りが可能です。
対面性能においては、Yをも凌駕する場面が多々あります。
Yとの二択を迫る選出画面の圧力
ランクマッチの見せ合い画面（選出画面）において、相手は「このミュウツーがXなのかYなのか」を判断する術を持ちません。
これを「XYじゃんけん」と呼びますが、この読み合いが発生する時点でミュウツー側が有利です。
相手はYを警戒して特殊受けを選出せざるを得ず、そこにXの物理技が突き刺さる。
あるいは逆に、Xを警戒して物理受けを出したところに、Yの超火力特殊技が飛んでくる。
この心理戦を仕掛けられるだけで、相手の選出プランを歪ませることができます。
特性「ふくつのこころ」の可能性
メガミュウツーXの特性は「ふくつのこころ」。
ひるむたびに素早さが上がるという効果ですが、これは「ねこだまし」や「いわなだれ」が飛び交うダブルバトルにおいて真価を発揮します。
シングルバトルでは発動機会が限られますが、アクション要素のある本作では、相手の攻撃による硬直やノックバックを「ひるみ」と判定するケースがある場合、被弾しながら加速して距離を詰めるというバーサーカーのような戦い方が可能になるかもしれません。
数字で見るミュウツーの異常なスペック
ここでは、改めてミュウツー（およびメガシンカ形態）の種族値を比較し、その異常さを可視化してみます。
数字は嘘をつきません。この表を見れば、彼らがなぜ「覇権」なのかが一目瞭然です。
種族値比較表
| ステータス | ミュウツー (通常) | メガミュウツーX | メガミュウツーY |
|---|---|---|---|
| HP | 106 | 106 | 106 |
| 攻撃 (A) | 110 | 190 | 150 |
| 防御 (B) | 90 | 100 | 70 |
| 特攻 (C) | 154 | 154 | 194 |
| 特防 (D) | 90 | 100 | 120 |
| 素早さ (S) | 130 | 130 | 140 |
| 合計 | 680 | 780 | 780 |
ご覧の通り、合計種族値780という数字は、アルセウス（720）すらも超える数値です。
特にXの攻撃190、Yの特攻194という尖り方は、ゲームバランスを崩壊させかねないレベルです。
それでいて、素早さがどちらも130以上（Yは140）ある点が、他の重量級伝説ポケモンとは一線を画しています。
「速くて、硬くて、火力が高い」。
この単純かつ最強の理論が、数値によって裏付けられています。
メガミュウツーXの「落とし穴」と注意点
ここまでミュウツーを絶賛してきましたが、評論家として公平な視点から、一つだけ注意喚起をしておく必要があります。
それは、メガミュウツーXにおける「技構成の問題」です。
「インファイト」を覚えない悲劇
攻撃種族値190を誇るメガミュウツーXですが、実は格闘タイプの最高火力技である「インファイト」を覚えることができません。
これは致命的な欠点になり得ます。
私が実戦で使用した際、メインウェポンとして採用せざるを得なかったのは「かわらわり」や「ドレインパンチ」といった、威力75前後の技でした。
「けたぐり」は相手の重さに依存するため安定せず、「きあいパンチ」は扱いが難しい。
結果として、数値上の攻撃力は高いものの、技の威力が低いために、期待したほどの確定数が取れない（一撃で倒せない）ケースが発生します。
「インファイトさえあれば環境トップだった」と嘆く声も多く、この点は運用する上で最大の懸念材料です。
図鑑説明と実際のゲームプレイの乖離
さらに、ポケモン図鑑の説明には「100メートルを2秒で走る」という記述がありますが、実際のゲームプレイにおけるメガミュウツーXの移動速度は、Yに比べて明らかに劣ります。
むしろ、筋肉量が増えたせいか、若干重さを感じる挙動を見せます。
図鑑の設定を鵜呑みにして「Xでも高速ヒットアンドアウェイができる」と思って操作すると、痛い目を見ることになります。
この「設定と挙動の矛盾」は、ゲームとしての調整の結果かもしれませんが、ファンとしては少し残念なポイントでもあります。
それでもXを使う意義
とはいえ、前述した通り「耐久力」と「意表を突く」という点において、Xの価値は消えません。
技の威力不足は、積み技である「ビルドアップ」や、特性によるサポート、あるいは味方のサポートで補うことが可能です。
「かわらわり」は壁構築（リフレクター・ひかりのかべ）を破壊できるメリットもあるため、環境によってはY以上に輝く局面も十分にあり得ます。
使い手の技量が試される玄人向けの性能、それがメガミュウツーXと言えるでしょう。
まとめ：ミュウツーは間違いなく環境の中心になる
今回は、『Pokémon LEGENDS Z-A』のDLCで登場するミュウツーについて、その覇権確定と言われる理由を徹底考察しました。
最後に要点をまとめます。
・メガミュウツーYは素早さ・火力・範囲の全てが最高水準で、最強のエースアタッカーとなる。
・メガミュウツーXは物理耐久と奇襲性能に優れ、Y対策の裏をかくことができる。
・専用技「サイコブレイク」により、特殊受けでの対策を許さない。
・Xは強力な格闘技を覚えないという欠点があるが、それを補って余りあるステータスを持つ。
結論として、これからランクマッチに挑むプレイヤーにとって、ミュウツーの育成は「必須」と言えます。
自分で使うにせよ、対策を練るにせよ、このポケモンの存在を無視して勝ち上がることは不可能です。
カロス地方の再開発という新たな物語の中で、最強の遺伝子が生み出した怪物がどのような暴れ方を見せるのか。
私自身、これからもこの相棒と共にランクマッチの最前線を駆け抜けていく所存です。
皆さんもぜひ、この圧倒的な力をその手で体感してみてください。
それでは、ランクマッチのマッチング画面でお会いしましょう。
