編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、スーパーリーグでなかなか勝ち越せず、レート停滞に悩んでいることと思います。 今の環境は強力なポケモンが多く、構築迷子になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、レジェンドランク到達へ向けた明確な勝ち筋とパーティ構築の疑問が解決しているはずです。
- 現環境で実際に高勝率を叩き出したガチパーティ5選
- 各ポケモンの役割と理想的な立ち回り方
- 苦手な対面を覆すための具体的戦術
- レジェンド到達に必要な環境読みの思考法
この記事を読めば、きっと問題が解決できるはず。
おすすめパーティ1:ファイアロー・マリルリ・ユレイドル構築
まずは、安定感と単体性能の高さを重視した、初心者から上級者まで扱いやすい構築を紹介します。 私が「ここぞという時」にレートを上げるために裏で使用していた、信頼度の高いパーティです。
パーティ構成詳細
| ポケモン | 推奨 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| ファイアロー | シャドウ | やきつくす | ニトロチャージ | そらをとぶ |
| マリルリ | 通常 | あわ | じゃれつく | れいとうビーム |
| ユレイドル | 通常 | タネマシンガン | いわなだれ | くさむすび |
構築のコンセプトと強み
このパーティの最大の強みは「補完の優秀さ」と「耐久力」にあります。 初手のファイアローで圧力をかけつつ、裏のマリルリとユレイドルというスーパーリーグ屈指の耐久ポケモンでサイクルを回す構成です。
ファイアローはシャドウ推奨です。 耐久は下がりますが、「やきつくす」の破壊力が跳ね上がり、シールドを強制させたり、等倍対面を強引に突破する力が身につきます。
基本戦術は、ファイアローにシールドを使い、裏の2体は耐久を生かして耐え抜くスタイルです。 マリルリとユレイドルはタイプ相性補完が取れており、ファイアローが苦手な「みず」「いわ」「でんき」をカバーし合えます。
基本的な立ち回り
初手のファイアローは、出し勝ちであればそのまま突っ張ります。 相手が鋼や草タイプであれば、「ニトロチャージ」で攻撃力を上げつつ制圧します。
出し負けた場合、あるいは出し勝ちでも相手がすぐに引いてきた場合のクッションとして、マリルリやユレイドルが機能します。 特にユレイドルは、「いわなだれ」と「くさむすび」の範囲が広く、飛行タイプや水タイプ、地面タイプなど幅広く対応可能です。
ファイアローはHPがわずかでも残っていれば、終盤に高火力の「やきつくす」や「ブレイブバード(またはそらをとぶ)」でフィニッシャーになれるため、安易に捨てずに交代受けを駆使して温存する意識が重要です。
苦手な相手への対処法
注意すべき相手は「トリデプス」と「デデンネ」です。
対トリデプス: ファイアローでは手も足も出ません。 マリルリの「ハイドロポンプ」型であれば対抗できますが、今回の構成(じゃれつく・れいとうビーム想定)やユレイドルだとジリ貧になりがちです。 トリデプスが見えたら、マリルリかユレイドルでなんとか削りを入れる総力戦になります。 多少の不利は割り切り、裏のポケモンで起点を作る意識を持ちましょう。
対デデンネ: ファイアロー、マリルリ共に弱点を突かれます。 しかし、シャドウファイアローであれば「やきつくす」のゴリ押しで、シールドを使えば対面を返せる可能性があります。 逃げずにファイアローで突っ張り、相手にシールドを使わせるか、大ダメージを与えるプランを取りましょう。
おすすめパーティ2:トリトドン・オニドリル・トゲキッス構築
次に紹介するのは、ギミック要素が強く、ハマれば一方的な試合展開に持ち込める「トリ・トリ・トドン(オニドリル型)」構築です。 使用率も高く、環境に刺さっている強力なパーティです。
パーティ構成詳細
| ポケモン | 推奨 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| トリトドン | 通常 | どろかけ | のしかかり | だいちのちから |
| オニドリル | シャドウ | どろかけ(or つつく) | ドリルライナー | ゴッドバード |
| トゲキッス | 通常 | あまえる | げんしのちから | かえんほうしゃ |
※オニドリルの技構成は環境により「ドリルライナー」が必須。
構築のコンセプトと強み
いわゆる「ギミックパーティ」の構成です。 初手のトリトドンが苦手な草タイプなどを、裏の飛行タイプ2体(オニドリル・トゲキッス)で徹底的にカモにする戦術を取ります。
オニドリルは「ドリルライナー」による地面打点を持っており、飛行タイプでありながら、飛行対策に出てくる「はがね」「いわ」「でんき」タイプに打点を持てるのが最大の魅力です。 トゲキッスは「あまえる」による超火力で、相性不利でも強引に削り切る役割を持ちます。
基本的な立ち回り
初手出し負け(草など)の場合: 即座にトゲキッスに引きます。 相手はトゲキッスを追うために、鋼タイプや岩タイプを出してくるでしょう。 トゲキッスは倒されますが、相手のHPを削り、シールドを奪うことを目標にします。
その後、死に出しでトリトドンを展開し、相手の追ってきたポケモンを起点にしてエナジーを溜めます。 最後に、温存しておいたオニドリル(またはもう一方の飛行枠)を通す、というのが黄金パターンです。
オニドリルの役割: オニドリルは耐久が低いですが、攻撃範囲が非常に広いです。 トリデプスなどの天敵が来ても「ドリルライナー」で致命傷を与えられます。 シールド差を作ってオニドリルを通す状況メイクが勝利の鍵を握ります。
苦手な相手への対処法
対ユレイドル・エアームド: ユレイドルは岩技を持っているため飛行勢には脅威ですが、オニドリルであればドリルライナーで対抗可能です。 エアームドに対しても、トゲキッスの「かえんほうしゃ」やオニドリルの回転率で勝負できます。 基本的にはギミックの動き(即引き→起点作成)を徹底すれば、苦手な相手でも五分以上に渡り合えます。
耐久が低いポケモンが多いため、シールド管理が非常にシビアです。 一瞬の判断ミスが命取りになるため、ダメージ感覚を養う必要があります。
おすすめパーティ3:アローラキュウコン・ヌオー・エンペルト構築
今シーズンのレジェンド到達において、私が最も信頼し多用したパーティです。 環境トップメタに対して幅広く対応できる、バランス型の構築です。
パーティ構成詳細
| ポケモン | 推奨 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| Aキュウコン | 通常/S | こなゆき | ウェザーボール(氷) | マジカルシャイン |
| ヌオー | シャドウ | マッドショット | アクアテール | ストーンエッジ |
| エンペルト | 通常 | はがねのつばサ | ハイドロカノン | ドリルくちばし |
構築のコンセプトと強み
初手のアローラキュウコン(Aキュウコン)が、現環境に多い「ドラゴン」「じめん」「あく」タイプに対して圧倒的な出し勝ち性能を誇ります。 グライガー、ガブリアス、アクジキング、ズルズキンなどに対して有利に展開できるのが魅力です。
裏のヌオーとエンペルトは、互いの弱点をカバーし合う「相性補完」に優れています。 Aキュウコンが苦手な炎や鋼を、裏の2体が厚くカバーします。 特にエンペルトは「はがねのつばサ」強化以降、フェアリーや氷タイプへの圧力が凄まじく、等倍相手でもゴリゴリ削っていけます。
基本的な立ち回り
初手Aキュウコンの運用: 出し勝ちの範囲が広いため、基本的には対面維持を狙います。 「ウェザーボール」の回転率が優秀で、等倍相手でもシールドを強要できます。 苦手な相手(炎、鋼、毒など)が来た場合は、裏のヌオーかエンペルトに引きますが、このパーティは引き先が明確です。
裏の連携: ヌオーはシャドウ推奨です。 「マッドショット」からの「アクアテール」連打に加え、不意の「ストーンエッジ」で飛行タイプを撃ち落とす動きが強力です。 エンペルトは耐久もあり、耐性も優秀なため、クッション兼アタッカーとして機能します。
苦手な相手への対処法
対ゴーストタイプ(サマヨール、Gサニーゴなど): このパーティの明確な弱点です。 明確にゴーストを追えるポケモンがいません。 Aキュウコンでシールドを使いつつごり押しするか、エンペルトの「はがねのつばサ」で削り切るなど、立ち回りでのカバーが必須です。
対コノヨザル: Aキュウコンは格闘等倍ですが、カウンターのダメージが痛いです。 エンペルトも格闘抜群、ヌオーも抜群は取れません。 コノヨザルが見えた場合は、Aキュウコンでマジカルシャインを当てることを最優先にし、シールドアドバンテージを取られないように立ち回る必要があります。
おすすめパーティ4:フラージス・アローラガラガラ・リザードン構築
環境に適応した技構成を持つフラージスを軸にした、立ち回り重視の玄人向け構築です。 相手の思考の裏をかき、デバフとバフを駆使して勝利をもぎ取ります。
パーティ構成詳細
| ポケモン | 推奨 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| フラージス | 通常 | ようせいのかぜ | ひやみず | くさわけ |
| Aガラガラ | シャドウ | ほのおのうず | シャドーボーン | ホネこんぼう |
| リザードン | シャドウ | つばさでうつ | ドラゴンクロー | ブラストバーン |
構築のコンセプトと強み
このパーティの核は、コミュニティ・デイで新たな技構成が可能になったフラージスです。 「ひやみず」で相手の攻撃を確定で下げ、「くさわけ」で自身の攻撃を確定で上げる。 このバフ・デバフの組み合わせにより、本来不利な対面(鋼タイプや毒タイプなど)であっても、シールドを使いながら強引に突破したり、後続の起点を作らせない動きが可能になります。
裏のアローラガラガラとリザードンは、フラージスが苦手な鋼や草、虫タイプを焼却処分するための高火力枠です。 特にリザードンは小回りが効き、ブラストバーンの一撃必殺火力があるため、フィニッシャーとして極めて優秀です。
基本的な立ち回り
初手フラージスの魔術: 初手で不利対面(例:トリデプスやレジスチル)でも、即引きせずに「ひやみず」を一発入れる動きが重要です。 攻撃を下げてから交代することで、裏のポケモンが受けるダメージを減らせます。
出し負けでなければ、「くさわけ」を積んで攻撃力を上げ、全抜きを狙う動きも強力です。 「くさわけ」は草技なので、水・地面タイプ(ラグラージ、ナマズンなど)への打点としても機能します。
裏の炎2枚看板: ガラガラとリザードンは役割が似ていますが、ガラガラはゴーストタイプを持つため、格闘技(カウンター)を透かせるのが利点です。 リザードンは地面技を無効化できます。 相手の技構成やタイプを見て、どちらを通すかを選出段階で決めておくのがポイントです。
苦手な相手への対処法
対マリルリ・ユレイドル: 水・岩タイプを持つこれらのポケモンは、炎2体にとって天敵です。 しかし、ここでもフラージスが輝きます。 「くさわけ」があるため、マリルリやユレイドルに対しても打点を持てます。 フラージスを安易に捨てず、これらのポケモンと対面させるようにサイクルを回すことが勝利への鍵です。
操作難易度は高いですが、使いこなせれば相手を完封できるポテンシャルを秘めています。
おすすめパーティ5:チルタリス・ニドクイン・エンペルト構築
最後に紹介するのは、最新環境に合わせて組んだ、対応力の高いバランスパーティです。 初手のチルタリスが環境に刺さっており、多くの出し勝ちを拾えます。
パーティ構成詳細
| ポケモン | 推奨 | ノーマルアタック | スペシャルアタック1 | スペシャルアタック2 |
|---|---|---|---|---|
| チルタリス | シャドウ | りゅうのいぶき | ゴッドバード | ムーンフォース |
| ニドクイン | シャドウ | どくづき | どくどくのキバ | ストーンエッジ |
| エンペルト | 通常 | はがねのつばサ | ハイドロカノン | ドリルくちばし |
構築のコンセプトと強み
初手のチルタリスをシャドウにすることで、「ガラルマッギョ」に対しても対面有利を取れるように調整しています。 通常チルタリスだとガラルマッギョに押し負けることがありますが、シャドウの「りゅうのいぶき」の火力であれば、シールド同数なら競り勝てます。
裏のニドクインは、独特な役割を持ちます。 通常の地面枠(ガラガラやトリトドン)が苦手な「ユレイドル」や「マリルリ」に対して、毒タイプ複合であるニドクインは強く出られます。 さらに、今回は「だいちのちから」ではなく「ストーンエッジ」を採用することで、飛行タイプへの奇襲も可能にしています。
基本的な立ち回り
ギミック的な動き: 基本は「チルタリス・エンペルト」の相性補完軸ですが、ニドクインをクッションとして使うこともあります。 エンペルトに引いて相手の地面タイプ(ナマズンやトリトドン)を釣り出し、チルタリスで処理する動きが基本戦術の一つです。
ニドクインの技構成: 「ストーンエッジ」採用型は読まれにくく、エアームドやチルタリスミラー、ファイアローなどに対して決定打となります。 本来であれば地面技がないと鋼タイプ(トリデプスやレジスチル)に弱くなりますが、そこはチルタリスとエンペルトでカバーする割り切り構築です。 毒の牙で防御を下げてからのストーンエッジは、等倍相手でも致命傷を与えます。
苦手な相手への対処法
対トゲキッス: チルタリスにとって絶望的な相手です。 ニドクインも抜群を突かれませんが、あまえるのゴリ押しには弱いです。 エンペルトで受けるしかありませんが、トゲキッス側もそれは承知の上で対応してくるでしょう。 初手トゲキッスの場合は、即座にニドクインに引き、シールドを使わせるか削りを入れる動きで活路を見出します。
対デデンネ: チルタリス、エンペルト共に弱点を突かれます。 ニドクインであれば有利に戦えるため、いかにデデンネとニドクインを対面させるかが勝負の分かれ目になります。 相手の交代タイマーや控えを読み、釣り出しを成功させましょう。
まとめ
今回紹介した5つのパーティは、いずれも私が実際に使用し、レジェンドランク帯でも通用することを証明した「ガチパ」です。
それぞれのパーティに特徴があり、得意な戦術が異なります。
- 安定重視なら:ファイアロー・マリルリ・ユレイドル
- 攻撃重視なら:トリトドン・オニドリル・トゲキッス
- 対応力重視なら:Aキュウコン・ヌオー・エンペルト
- テクニカルに戦うなら:フラージス・Aガラガラ・リザードン
- 環境メタを狙うなら:チルタリス・ニドクイン・エンペルト
ご自身のプレイスタイルや、手持ちのポケモンの育成状況に合わせて、最適なパーティを選んでみてください。
PVPは「パーティ構築」が3割、「立ち回り」が7割と言われます。 強いパーティをコピーしたからといってすぐに勝てるわけではありません。 何度も対戦を重ね、ダメージ感覚を養い、相手の交代読みの精度を高めていくことが、レジェンドランクへの最短ルートです。
残り少ないシーズン期間ですが、この記事が皆さんのレートアップの一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。






