編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新拡張パック「ニンジャスピナー」に収録される環境必須カードや注目カードの特徴が気になっていると思います。
新たなギミックや強力なメタカードが多数登場し、デッキ構築の幅が大きく広がる大注目のパックとなっていますね。
この記事を読み終える頃には「ニンジャスピナー」の注目カードや環境への影響についての疑問が解決しているはずです。
- 環境に大きな影響を与えるメタカードや妨害グッズが多数収録
- メガゲッコウガexをはじめとする強力なメインアタッカーが登場
- 既存デッキをさらに強化する特殊エネルギーやスタジアムに注目
- 大会環境を見据えたカード評価と採用候補デッキを徹底解説
それでは解説していきます。
『ニンジャスピナー』の基本情報と発売後の環境変化予想
待ちに待った新拡張パック『ニンジャスピナー』がついに発売されますね。
日々ポケモンカードゲームをプレイしている皆様にとって、新パックの発売は環境が大きく動くターニングポイントであり、どのカードを集めるべきか頭を悩ませる時期でもあります。
今回のパックは、単なる強力なアタッカーの追加にとどまらず、これまでの環境を定義してきた強力なデッキに対する明確な解答となる「メタカード」が豊富に収録されている点が最大の特徴です。
ここでは、まずパックの全体的な傾向と、今後の大会環境に与える影響について深く考察していきます。
拡張パック『ニンジャスピナー』の概要と注目の理由
『ニンジャスピナー』は、その名の通り「忍者」を彷彿とさせるような、トリッキーで奇襲性の高いカードが多く収録されています。
特に注目すべきは、相手の行動を制限したり、手札に干渉したりするカードの質が非常に高いことです。
現在のポケモンカードゲームの環境は、序盤から盤面を素早く展開し、高い火力で相手のポケモンを押し切るスピード重視のデッキや、ダメカンを自在に操ってサイドを複数枚同時に取り進めるテクニカルなデッキが上位を占めています。
『ニンジャスピナー』に収録されるカードたちは、こうした上位デッキの動きに待ったをかけるような性能を持っています。
プレイヤーとしては、自分のデッキをどう強化するかだけでなく、相手がこれらの新カードを使ってきた際にどう対策するかを発売前からシミュレーションしておくことが非常に重要になります。
新しいギミックの追加は、既存のカードとの意外なシナジーを生み出すことも多いため、カードリストを眺めているだけでもワクワクが止まりません。
発売直後に控えるシティリーグや大型大会への影響
新弾発売の直後には、シティリーグのシーズン4や、チャンピオンズリーグ(CL)といった非常に重要な大型大会が控えています。
世界大会への出場権をかけた激しいポイント争いが行われる中、『ニンジャスピナー』のカードたちがどのような活躍を見せるかは全プレイヤーの注目の的です。
特に、後述する強力な手札干渉グッズや、特定の特性を完全に封じ込めるメタカードの存在は、大会に持ち込むデッキの選択そのものを変えさせる影響力を持っています。
これまでは「とりあえずこのデッキを握っておけばある程度勝てる」と言われていた、いわゆるTier1(環境トップ)のデッキであっても、新カードによる対策を警戒して構築を歪めざるを得ない状況が生まれるでしょう。
逆に言えば、新カードをいち早く研究し、環境の隙を突くようなオリジナルデッキを組み上げたプレイヤーが、大型大会で一気に上位に食い込むチャンスが広がったとも言えます。
常に環境は変化し続けますが、今回の『ニンジャスピナー』はその変化の波が特に大きく、プレイヤーの対応力と構築力が試される非常にエキサイティングなシーズンになることは間違いありません。
【環境必須級】デッキ構築を揺るがす大注目の汎用カード
『ニンジャスピナー』の収録カードの中で、特定のデッキタイプに依存せず、様々なデッキに採用される可能性が高い「環境必須級」の汎用カードを解説します。
これらのカードはシングルカードの市場でも高い需要が予想されるため、早めに集めておくことを強くおすすめします。
スペシャルレッドカード|終盤のまくりを可能にする最強の妨害グッズ
今弾における最大の目玉カードと言っても過言ではないのが、この「スペシャルレッドカード」です。
発動条件は「相手のサイドの残り枚数が3枚以下の時」という制限がありますが、その効果は絶大です。
相手の手札をすべて裏向きにして山札の下に戻し、その後、山札を3枚引かせるという強力な手札干渉効果を持っています。
グッズであるため、サポートの枠を消費せずに相手の手札を細くできる点が、これまでの手札干渉カードとは一線を画しています。
ポケモンカードゲームにおいて、終盤の手札干渉は勝敗を分ける決定的な要素です。
サポート権を使って「ボスの指令」で相手のベンチポケモンを呼び出しつつ、同時にこの「スペシャルレッドカード」で相手の手札を3枚に減らすという動きは、相手の反撃の芽を完全に摘み取る凶悪なコンボとなります。
| カード名 | 種類 | 使用条件 | 相手のドロー枚数 | サポート権 |
|---|---|---|---|---|
| スペシャルレッドカード | グッズ | 相手サイド3枚以下 | 3枚 | 消費しない |
| ナンジャモ | サポート | なし | 相手の残りサイド枚数 | 消費する |
| ツツジ | サポート | 相手サイド3枚以下 | 2枚(自分は6枚) | 消費する |
| ジャッジマン | サポート | なし | 4枚(自分も4枚) | 消費する |
上記の比較表を見てもわかる通り、サポート権を消費せずに手札を3枚にできるグッズの存在は破格です。
特に、欲しいカードを確定で山札の上に固定できる「暗号マニアの解読」や、必要なグッズをピンポイントでサーチできる特性を持つポケモンを採用しているデッキにおいては、必要なタイミングで確実に手札に引き込むことができるため、非常に強力に機能します。
また、「ドラパルトex」デッキのように、相手を徐々に追い詰めていくコントロール気味のデッキや、「メガプテラex」のように相手の手札が少ないほど強力な効果を発揮するカードと組み合わせることで、さらにその真価を発揮するでしょう。
環境のトップメタとなることは確実であり、プレイヤーの皆様は常に「相手の手札にスペシャルレッドカードがあるかもしれない」というプレッシャーの中でプレイを強いられることになります。
ミネズミ|マシマシラやドラパルトexを完封するメタカードの星
続いて紹介するのは、一見すると地味な非ルールのたねポケモンですが、現環境に強烈な刺さりを魅せる「ミネズミ」です。
特性「かんしゅのめ」は、「お互いのポケモン全員に乗っているダメカンは、別のポケモンに乗せ替えられない」という非常にユニークかつ強力な効果を持っています。
このカードの最大の仮想敵は、ここ数ヶ月の環境で猛威を振るい続けている「マシマシラ」です。
マシマシラの特性「アドレナブレイン」によるダメカンの移動は、確定数をずらしつつ相手のポケモンをきぜつさせるという凶悪な戦術ですが、ミネズミがベンチにいるだけでこの動きを完全に封殺することができます。
さらに、環境トップクラスのシェアを誇る「ドラパルトex」デッキの対策としても機能します。
ドラパルトexの技「ファントムダイブ」は、バトル場に大ダメージを与えつつベンチにダメカンをばらまく強力な技ですが、ミネズミがいれば、ばらまかれたダメカンをマシマシラで押し返されるリスクを消すことができます。
驚くべきことに、ミネズミはHPが70であるため、「なかよしポフィン」の対象になります。
序盤の展開のついでにベンチに置いておくだけで、特定のデッキのギミックを崩壊させることができるため、非常に優秀なメタカードとして重宝されるでしょう。
逆に、ドラパルトexデッキ側が、相手のマシマシラ対策として自らミネズミを採用するという、いわゆる「メタの回り合い」が起きる可能性も十分に考えられます。
変幻の書(へんげのしょ)|奇襲性抜群のギミックカード
「変幻の書」は、非常にトリッキーで面白い使い方が期待できるグッズです。
使用条件として「2枚同時にしか使えない」という厳しい制約がありますが、効果は「自分のトラッシュからたねポケモンを1枚選び、自分の場のたねポケモン1匹と入れ替える(入れ替えたポケモンはトラッシュする)。ついているダメカンや特殊状態は引き継ぐ」というものです。
過去の環境で存在したサポート「ネジキ」に近い効果を、グッズとして使用できる点が最大の魅力です。
2枚セットで手札に揃える必要があるため、どのデッキにも入る汎用カードとは言えませんが、特定のコンボデッキにおいては宇宙のような動きを実現します。
例えば、トラッシュに強力な特性を持つたねポケモンを落としておき、バトル場には別のポケモンを置いて相手を油断させます。
そして、自分の番に「変幻の書」を使用し、突如として強力なポケモンをバトル場に降臨させ、即座に技を使ってゲームエンドに持ち込むといった奇襲が可能です。
エネルギーを大量に加速したポケモンを別のポケモンに入れ替えて奇襲をかける動きや、きぜつ寸前のポケモンをトラッシュの新鮮なポケモンと入れ替えて実質的な回復として扱うなど、プレイヤーの想像力次第で無限の可能性を秘めています。
「暗号マニアの解読」などで確実に2枚を手札に揃える手段を持つデッキや、トラッシュを積極的に肥やすデッキにおいて、研究が進めば進むほど恐ろしいカードに化けるポテンシャルを持っています。
【環境上位候補】強力なメインアタッカーと進化ライン
ここからは、デッキの主軸となる強力なメインアタッカーたちを紹介します。
どれも一癖も二癖もある魅力的なカードばかりで、新しいアーキタイプのデッキが多数誕生することが予想されます。
メガゲッコウガex|手裏剣とスピナーで盤面を制圧する忍者
『ニンジャスピナー』の看板ポケモンである「メガゲッコウガex」は、その名に恥じない圧倒的な制圧力を誇ります。
最大の強みは、特性「ひっさつしゅりけん」です。
バトル場にいる時、手札から基本水エネルギーを1枚トラッシュすることで、相手のポケモン1匹にダメカンを6個乗せることができます。
これは、ルールを持つ強力なポケモンでありながら、技を使わずに相手のベンチを狙撃できるという破格の性能です。
進化前の「ゲコガシラ」が特性「よびよせの実」で山札からポケモンを3枚まで手札に加えられる安定感があり、さらにたねポケモンの「ケロマツ」も無色1エネルギーでドローできる技を持っているため、進化ライン全体の優秀さが際立ちます。
特性で相手のシステムポケモン(HP60程度のたねポケモンなど)を狩りつつ、自身の技「ニンジャスピナー」でバトル場のポケモンにダメージを与えていくのが基本戦術になります。
「ニンジャスピナー」は水エネルギー2個で120ダメージですが、ついている水エネルギーを1個手札に戻すことで80ダメージ追加され、合計200ダメージの中打点を連発できます。
手札に戻した水エネルギーは、次のターンの「ひっさつしゅりけん」のコストに充てることができるため、自己完結した美しいデザイナーズコンボが形成されています。
さらに、別のメガゲッコウガexをベンチで育てておき、入れ替え札を駆使してバトル場に出し直すことで、1ターンに複数回の「ひっさつしゅりけん」を放つ凶悪な動きも夢ではありません。
「波のヴィーチ」などのスタジアムと組み合わせることで、相手の逃げる行動を制限しつつ、一方的にダメカンをばらまき続けるコントロール型のデッキも開発されそうです。
間違いなく新環境のTier2以上、研究次第ではトップメタに食い込む実力を持った大本命のカードです。
メガドラミドロex|特殊エネルギー破壊と超強力な毒ダメージ
強烈な個性を放つ「メガドラミドロex」は、HP330という高い耐久力を持ち、相手をじわじわと苦しめる戦術を得意とします。
上の技「ふしょく」は無色2エネルギーで打てて、相手のポケモン全員についている「ポケモンのどうぐ」と「特殊エネルギー」をすべてトラッシュするという、極めて強力な妨害効果を持っています。
現在のスタンダード環境では特殊エネルギー主体で戦うデッキはそれほど多くありませんが、「ルギアVSTAR」デッキなどの特定の相手には致命傷を与えられます。
また、エクストラレギュレーションにおいては、「ダブルドラゴンエネルギー」などを多用するデッキが多数存在するため、エクストラ環境を大きく揺るがすカードとなるでしょう。
そして、このポケモンの真骨頂は下の技「デッドリーポイズン」にあります。
水・悪エネルギーで相手を毒にし、なんとその毒で乗せるダメカンの数を「16個(160ダメージ)」にするというとんでもない技です。
ポケモンカードのルール上、毒のダメージはポケモンチェックのたびに入るため、相手が逃げたり入れ替えたりできなければ、往復で320ダメージという大抵のポケモンexをワンパンできる超火力を叩き出します。
この技を最大限に活かすために、同じパックに収録されている「ヌメルゴン」との組み合わせが推奨されます。
ヌメルゴンの特性「ぬめぬめスリップ」は、相手が逃げる時にコインを投げさせ、裏なら逃げられないという強力なロック効果を持っています。
さらに、後述するサポート「ホミカの演奏」を使えば、次の相手の番は毒ポケモンが絶対に逃げられなくなるため、確定で320ダメージを押し付ける無慈悲なコンボが完成します。
対策を怠ると一瞬で盤面が崩壊するため、入れ替え札や状態異常回復の手段の重要性がこれまで以上に高まるでしょう。
パンプジンex|ベンチ展開を利用した高火力アタッカー
「パンプジンex」は、ベンチにダメカンが乗っているポケモンを並べることで真価を発揮する、一風変わったアタッカーです。
技「ホラーロンド」は超1エネルギーで打つことができ、素点30ダメージに加えて、ダメカンが乗っている自分のベンチポケモンの数×50ダメージを追加します。
ベンチに5体ポケモンがいて、すべてにダメカンが乗っていれば、たった1エネルギーで280ダメージというVSTARポケモンを一撃で沈める超火力を発揮します。
自分のポケモンに能動的にダメカンを乗せる手段(例えば「大地の器」や特定の特性など)と組み合わせることで、序盤から高火力を押し付けるアグレッシブなデッキが構築できるでしょう。
また、下の技「ゴーストタッチ」も超2エネルギーで140ダメージを与えつつ、相手の手札をランダムに1枚トラッシュするという優秀な効果を持っています。
先ほど紹介した「スペシャルレッドカード」や「アンフェアスタンプ」などの手札干渉札と組み合わせることで、相手の手札を徹底的に削り落とし、何もできない状況に追い込む「ハンデス(手札破壊)」戦術のフィニッシャーとしても活躍が見込めます。
ただし、進化前の「バケッチャ」のHPが60であることが唯一の懸念点です。
現環境には「ドラパルトex」のファントムダイブや、今回登場する「メガゲッコウガex」の手裏剣など、ベンチの低HPポケモンを狩る手段が豊富に存在するため、進化する前に倒されてしまうリスクをどうケアするかが、デッキ構築における最大の課題となるでしょう。
メガエンブオーex|高い耐久力と超火力を併せ持つ炎の重戦車
「メガエンブオーex」は、倒された時にサイドを3枚取られてしまうリスクを背負いながらも、それに見合う強烈なスペックを持った炎タイプの大型ポケモンです。
上の技「吠えたてる」は炎・無色で80ダメージを与えつつ、次の相手のターンに受けるダメージを「-50」するという耐久力を上げる効果を持っています。
もともと高いHPを持っていると予想されるため、この軽減効果によって相手の攻撃を耐え凌ぐことが容易になります。
そして、下技の「ビッグバンファイア」は炎・無色で驚異の290ダメージを誇ります。
ただし、この技は「このポケモンに乗っているダメカンの数×10ダメージ分、威力が小さくなる」というデメリットを持っています。
つまり、無傷の状態で打てばVSTARポケモンをワンパンできる超火力ですが、ダメージを受ければ受けるほど火力が下がってしまうため、HP管理が非常にシビアになります。
先述の「吠えたてる」でダメージを軽減したり、回復系のサポートカードを駆使して常にHPを高く保つ工夫が求められます。
サイドを3枚取られるというデメリットは非常に重いため、環境トップに躍り出ることは難しいかもしれませんが、圧倒的な火力で相手をねじ伏せるロマンあふれるカードとして、一部のプレイヤーから熱狂的な支持を集めることになるでしょう。
【要注目】特定のデッキで大活躍間違いなしのポケモンたち
ここでは、メインアタッカーの脇を固める優秀なサポートポケモンや、特定のデッキタイプにおいて必須級の働きをする注目カードを詳しく解説していきます。
デッキの歯車が噛み合った時、これらのカードは恐ろしいほどの強さを発揮します。
コバルオンex|鋼デッキの新たなフィニッシャー
「コバルオンex」は、鋼タイプを中心としたデッキにおいて、強力なフィニッシャーとしての役割が期待されるポケモンです。
特性「メタルロード」は、このポケモンがベンチからバトル場に出た時に1回使え、自分の場のポケモンについている鋼エネルギーを好きなだけ選び、自身に付け替えることができます。
鋼タイプには、山札から鋼エネルギーを加速できる「メタング」などの優秀なサポートポケモンが存在します。
メタングなどでベンチのポケモンにエネルギーを貯めておき、勝負所でコバルオンexをバトル場に繰り出すことで、瞬時にエネルギーを集結させて大技を放つという奇襲戦術が可能になります。
技の「パワーアタック」は200ダメージを与え、次のターンこのポケモンは技が使えないというデメリットがありますが、200ダメージという数値は多くの非ルールポケモンやシステムポケモンを確実に仕留めるのに十分な火力です。
さらに、先ほど紹介したグッズ「変幻の書」との相性も抜群です。
バトル場にいるエネルギーが大量についた別のたねポケモンを、変幻の書でトラッシュのコバルオンexと入れ替えることで、相手の意表を突く強烈な一撃をお見舞いすることができます。
鋼デッキの戦術の幅を大きく広げる、非常に優秀な一枚と言えるでしょう。
デオキシス(スピードフォルム)|超デッキの新たなドローソース
「デオキシス(スピードフォルム)」は、超タイプデッキにおける序盤の展開を支える、非常に優秀な非ルールのたねポケモンです。
技「サイコスピード」は、わずか超1エネルギーで30ダメージを与えつつ、自分の手札が5枚になるように山札を引くことができるという、序盤に喉から手が出るほど欲しいドロー効果を持っています。
さらに特筆すべきは、このポケモンの「逃げるためのエネルギーが0」である点です。
ポケモンカードにおいて逃げエネ0のポケモンは、バトル場に出して様子を見たり、入れ替え札を使わずにベンチのポケモンと後退したりできるため、それだけで高い価値を持ちます。
超タイプには、トラッシュから超エネルギーを加速できるグッズなどが豊富に存在するため、序盤にデオキシスをバトル場に出してエネルギーをつけ、ドローしながら少しずつダメージを稼ぎ、後続の準備が整ったらスムーズにベンチに下がる、という無駄のない動きを実現できます。
多くの超デッキにおいて、序盤の潤滑油として採用される可能性が極めて高い、縁の下の力持ち的なカードです。
マフォクシー|炎デッキの強力なドローエンジン
「マフォクシー」は、特性「フレアマジック」によって炎デッキに革命をもたらす可能性を秘めた2進化ポケモンです。
自分の手札から基本炎エネルギーを1枚トラッシュすることで、自分の手札が7枚になるように山札を引くことができます。
毎ターン手札を7枚に補充できるドロー性能は、かつての環境で猛威を振るった名カードたちを彷彿とさせます。
炎タイプには、「マグマの滝壺」などトラッシュにある炎エネルギーを利用するカードが多く存在するため、コストとしてトラッシュした炎エネルギーをそのままベンチへの加速に繋げることができる点が非常に優秀です。
特に、炎エネルギーを大量に必要とする「メガリザードンex(XやY)」といった大型のアタッカーを採用したデッキにおいて、手札事故を防ぎつつ必要なパーツをかき集めるための最強のエンジンとして機能するでしょう。
2進化であるため場に出すまでのハードルはありますが、「ふしぎなアメ」を駆使してでも立てる価値のある、超強力なシステムポケモンです。
炎タイプの復権の鍵を握る一枚と言っても過言ではありません。
ゴルバット|たねポケモン完封のロック性能
一見すると目立たない中間進化の「ゴルバット」ですが、特定のデッキに対しては絶望を与えるほどの強烈なロック性能を持っています。
技「おんみつひこう」は、悪1エネルギーで30ダメージを与え、次の相手のターン、このポケモンは「たねポケモンからのダメージを受けない」という効果を持ちます。
現在の環境には、「タケルライコex」や「トドロクツキex」、「テツノカイナex」など、強力なたねポケモンを主軸としたデッキが数多く存在します。
もし相手のデッキがたねポケモン主体で構成されており、進化ポケモンや効果を貫通する手段が採用されていなかった場合、このゴルバット1匹で相手の攻撃を完全にシャットアウトし、そのまま完封勝利してしまうことも十分にあり得ます。
もちろん、進化ポケモンが主体のデッキ(リザードンexやドラパルトexなど)には全く通用しませんが、環境の分布を読んでピンポイントで採用することで、イージーウィンを拾えるポテンシャルを秘めたジョーカー的なカードです。
悪タイプのデッキを組む際は、お守りとして1枚忍ばせておくと、思わぬところで窮地を救ってくれるかもしれません。
デンリュウ&モココ|雷デッキのグッズロック&高火力コンボ
雷タイプの進化ラインである「モココ」と「デンリュウ」のセットは、相手の行動を制限しつつ高火力を叩き出す、非常にいやらしい戦術を得意とします。
中間進化の「モココ」は、雷・無色エネルギーで打てる技「でんじしょうがい」を持ち、40ダメージを与えつつ、次の相手のターン、相手は手札から「グッズ」を出して使えなくなります。
ポケモンカードにおいてグッズロックは古来より最強クラスの妨害戦術とされており、相手の展開やサーチ、入れ替えといったあらゆる行動を大きく制限することができます。
過去に存在した「クワガノンV」のグッズロック戦術に苦しめられたプレイヤーも多いことでしょう。
モココ自身は非ルールのポケモンであるため倒されてもサイドを1枚しか取られず、序盤からグッズロックをかけ続けて相手のテンポを崩す役割を担います。
そして、進化系の「デンリュウ」は、特性「シンクロパルス」によって火力を爆発させます。
自分の手札と相手の手札が同じ枚数であれば、技のダメージが「+80」されるという条件付きの火力アップ特性です。
手札干渉カードなどで枚数を調整し、雷・無色で打てる技「フラッシュボルト」(素点140)を使用すれば、合計220ダメージというVポケモンをワンパンできる火力を叩き出します。
弱点をつくことができれば、環境に存在する多くの大型ポケモンを一撃で粉砕できるため、雷デッキの新たな主軸として研究のしがいがある面白いデザインのカード群です。
メガフラージェスex|超エネルギー大量加速の可能性
「メガフラージェスex」は、サポート寄りの能力を持った超タイプの大型ポケモンです。
上の技「やさしいひかり」は超1エネルギーでお互いのポケモン全員のHPを30回復するというもので、耐久寄りのデッキでの活用が考えられますが、真に注目すべきは下の技「エタニティビーム」です。
超エネルギー3つを必要としますが、200ダメージを与えつつ、自分の山札から基本超エネルギーを4枚まで選び、自分のベンチポケモンに好きなようにつけることができます。
山札から一気に4枚ものエネルギーを加速できる技は非常に珍しく、後続のアタッカーを一瞬で育成することができます。
ただし、メガフラージェスex自身がサイドを多く取られるリスクのある大型ポケモンでありながら、技を打つためのエネルギーが重いというジレンマを抱えています。
現時点で単体で環境トップに躍り出る強さとは言えませんが、今後、超エネルギーが大量についていることで強力な効果を発揮するポケモンが登場した際、この圧倒的なエネルギー加速力が輝く日が来るかもしれません。
将来性に期待したいロマン枠のカードです。
オクタン|コイン判定による強力なロック技
「オクタン」は、運要素が絡むものの、決まれば非常に強力な妨害技を持つ水ポケモンです。
技「すみ」は水1エネルギーで30ダメージを与え、この技を受けたポケモンが次に技を使う時、相手はコインを2回投げ、1回でも裏ならその技は失敗するという効果を付与します。
確率としては、相手が技を成功させるにはコインを2回連続で表を出す必要があり、その確率はわずか25%です。
つまり、75%の確率で相手の攻撃を無効化できる計算になります。
相手としては非常にストレスの溜まる技であり、逃げるか入れ替え札を使うことを強要されます。
確実性はないため競技シーンの第一線で活躍するかどうかは未知数ですが、使われると非常に厄介なカードであることは間違いありません。
運を味方につけて戦う、カジュアルプレイでも盛り上がる楽しい一枚です。
スピアーex|草タイプの新たな非ルール展開アタッカー
「スピアーex」は、進化前のビードル、コクーンから素早く展開し、盤面に数を並べることで火力を上げる草タイプのアタッカーです。
技「Bランブル」は、自分の場の「スピア(ポケモンexを含む)」の数×110ダメージを与えます。
つまり、場にスピア系統が3体いれば330ダメージとなり、現環境に存在するほぼすべてのポケモンexやVMAXをワンパンできる超火力を叩き出します。
草タイプには「むしとりセット」のような優秀なサーチグッズが存在するため、展開力は悪くありません。
非ルールのスピアとうまく組み合わせることで、サイドレースを有利に進めつつ、強烈な一撃を見舞うことができる爽快感のあるデッキが構築できそうです。
草タイプの復権に一役買うかもしれない、期待の星です。
マスキッパ|無色エネルギーで動けるトリッキーな草ポケモン
「マスキッパ」は、無色3エネルギーで動ける汎用性の高い草タイプの非ルールポケモンです。
技「丸かじり」は素点80ダメージですが、相手のバトルポケモンに逃げるためのエネルギーがない場合、さらに80ダメージが追加され、合計160ダメージとなります。
条件はやや限定的ですが、後述する「マグネットエネルギー」などで逃げエネがゼロになっている相手や、もともと逃げエネが0のポケモンに対しては、非ルールながら強力な打点となります。
技のコストが無色エネルギーのみであるため、どのタイプのデッキにも出張できるポテンシャルを秘めており、環境に草弱点の強力なポケモンが流行した際のメタカードとして、密かにストレージで出番を待つことになる一枚です。
【汎用サポート・グッズ・スタジアム】デッキの潤滑油となるカードたち
ポケカのデッキの強さを根底から支えるのは、優秀なトレーナーズ(サポート、グッズ、スタジアム)です。
『ニンジャスピナー』には、デッキの動きを滑らかにし、コンボの成功率を高めるための優秀なカードが多数収録されています。
ホミカの演奏&ジプソ|特定タイプを強力にサポートするトレーナーズ
サポートカードには、特定の戦術に特化した尖った性能のカードが収録されています。
「ホミカの演奏」は、使用すると「次の相手の番、相手の毒ポケモンは逃げられない」という効果をもたらします。
前述した「メガドラミドロex」のデッドリーポイズンと組み合わせるためにデザインされたようなカードであり、このサポートを使うことで、相手に絶望的な毒ダメージを強要することができます。
毒を中心としたコントロールデッキにおいて、必須級のサポートとなるでしょう。
一方、「ジプソ」は、自分のトラッシュから基本鋼エネルギーを2枚まで選び、自分の鋼ポケモン1匹につけることができるサポートです。
鋼タイプはエネルギーの消費が激しい傾向にあるため、トラッシュからのリカバリー手段として非常に重宝します。
トラッシュからエネルギーを加速するサポートは総じて強力なカードが多く、今後の鋼デッキの構築において、採用候補の上位に入ってくることは間違いありません。
また、相手の手札のポケモンの枚数分山札を引く「マチエール」というサポートも収録されていますが、相手の手札に依存し、ドロー枚数が不確定であるため、安定感を求める競技シーンでの採用は見送られるケースが多いと予想されます。
プリズムタワー&アンジェフラエテ|注目の新スタジアム
スタジアムカードも、戦局を大きく左右する重要な要素です。
「プリズムタワー」は、お互いのプレイヤーが自分の番に1回、手札を2枚トラッシュすることで山札を1枚引けるという効果を持っています。
一見すると手札が減っているように見えますが、トラッシュにエネルギーや特定のポケモンを送りたいデッキにとっては、ドローを進めつつ能動的にトラッシュを肥やせる最高のスタジアムとなります。
トラッシュのエネルギーを利用する「レジドラゴVSTAR」や「ソウブレイズex」、あるいはトラッシュの基本エネルギーを回収して戦う「ハピナスex」などのデッキにおいて、非常に強力な潤滑油として機能するでしょう。
多くのデッキで採用が検討される、汎用性の高い優良スタジアムです。
もう一つのスタジアム「アンジェフラエテ」は、少々特殊なカードです。
このカードは、場に「プリズムタワー」が出ていなければプレイすることができません。
効果は「お互いの場のメガフラージェスex全員の最大HPが『+150』される」というもので、メガフラージェスex専用の強化スタジアムとなっています。
HPが大幅に上昇するため、要塞のような耐久力を得ることができますが、発動条件の厳しさから、メガフラージェスexを主軸とした専用のファンデッキでのみ輝く一枚となりそうです。
3種類の特殊エネルギー(マグネット・バブル・ニトロ)の評価
今回のパックでは、それぞれのタイプに恩恵をもたらす3種類の特殊エネルギーが収録されており、デッキ構築に新たな選択肢を与えてくれます。
「マグネットエネルギー」は、ついている鋼ポケモンの逃げるためのエネルギーをすべてなくすという素晴らしい効果を持っています。
鋼タイプのポケモンは総じて重量級で逃げるエネルギーが重く設定されていることが多いため、このエネルギー1枚で入れ替えの悩みが解消されるのは非常に大きなメリットです。
鋼デッキを組む際には、優先して採用が検討される強力な特殊エネルギーです。
「バブル水エネルギー」は、ついている水ポケモンが特殊状態にならず、受けている特殊状態をすべて回復する効果を持ちます。
毒や火傷、こんらんといった厄介な状態異常を無効化できるため、耐久力の高い水ポケモン(例えば「アローラロコンVSTAR」など)につけることで、より盤石な盤面を築くことができます。
ただし、現環境では状態異常を主体とするデッキがそこまで多くないため、メタの状況を見て採用枚数を調整することになるでしょう。
「ニトロ炎エネルギー」は、ついている炎ポケモンが使う技の効果でこのカードがトラッシュされた際、トラッシュに行かずに手札に戻るという効果を持ちます。
手札に戻るためエネルギーの完全な喪失は防げますが、再び場に出すためには手張りの権利を消費する必要があるため、手放しで強力とは言いにくい性能です。
技のコストで炎エネルギーをトラッシュしまくる「メガリザードンex」などのデッキで、エネルギーの枯渇を防ぐための保険として採用される可能性がありますが、実用性においてはマグネットエネルギーに一歩譲る印象です。
大量ネット&永遠の安らぎ|再利用と耐久を支えるグッズ
その他にも、いぶし銀な働きをするグッズが収録されています。
「大量ネット」は、自分のトラッシュから水ポケモンと基本水エネルギーをそれぞれ3枚まで選び、山札に戻して切るという効果を持っています。
「ふつうのつりざお」や「すごいつりざお」に似たリカバリーカードですが、水タイプに特化している分、戻せる枚数が多いのが特徴です。
しかし、手札に直接加えるわけではなく山札に戻すため、その後にサーチカードやドローカードを使わなければ手札に引き込めないというテンポの遅さがネックとなります。
現環境では即効性が求められる場面が多いため、採用率は低めにとどまるかもしれません。
「永遠の安らぎ」は、自分のバトルポケモンとベンチポケモンを入れ替える、いわゆる「ポケモンいれかえ」の上位互換的なグッズです。
さらに、入れ替えたポケモンが「ポケモンex」であった場合、そのポケモンのHPを80回復するというオマケ効果がついています。
耐久力の高いポケモンexで戦線を維持しつつ、ダメージが蓄積したらこのカードでベンチに逃がしつつ回復する、という粘り強いプレイングが可能になります。
過去に存在した「マントとすりぬけ」に似た使用感で、耐久寄りのデッキや、大型のポケモンexを複数採用しているデッキにおいて、数枚採用されることで相手の計算を狂わせる良い働きをしてくれるでしょう。
『ニンジャスピナー』環境で強化される既存デッキと対策
新パックの登場は、単に新しいデッキを生み出すだけでなく、既存のデッキをさらに強力に進化させる起爆剤にもなります。
ここでは、『ニンジャスピナー』の収録カードによって特に強化が見込まれる既存の環境デッキと、その対策について深掘りします。
ドラパルトexデッキのさらなる飛躍と構築の変化
現環境の絶対王者とも言える「ドラパルトex」デッキは、『ニンジャスピナー』の発売によってさらなる凶悪さを手に入れることになりそうです。
まず、最大の強化要因は「ミネズミ」の登場です。
これまでドラパルトexが苦手としていた、ベンチにばらまいたダメカンを特性「アドレナブレイン」で押し返してくる「マシマシラ」の存在を、ミネズミ1枚で完全に無力化できるようになります。
ミネズミをベンチに置いておくだけで、ドラパルトex側は反撃のリスクを一切気にすることなく、得意の「ファントムダイブ」で一方的に相手の盤面を崩壊させることが可能になります。
さらに、手札干渉グッズである「スペシャルレッドカード」の存在も、ドラパルトexのコントロール戦術を後押しします。
相手の盤面にダメカンを蓄積させつつ、終盤にスペシャルレッドカードで手札を3枚に刈り取る動きは、相手に絶望を与える必勝パターンとなるでしょう。
ドラパルトexを使用するプレイヤーは、ミネズミを採用するためのベンチ枠の確保や、スペシャルレッドカードを適切なタイミングで引き込むためのドローソースの調整など、構築の最適化が求められます。
一方、ドラパルトexを相手にするプレイヤー側も、ミネズミを突破するための「ボスの指令」や「カウンターキャッチャー」の重要性がさらに増し、盤面構築のシビアな駆け引きが展開されることになります。
ルギアVSTARやサーナイトexへの影響と今後の課題
環境上位に君臨し続ける「ルギアVSTAR」デッキや「サーナイトex」デッキにとっても、『ニンジャスピナー』のカードたちは無視できない存在となります。
ルギアVSTARデッキは、特殊エネルギーを多用する構築が基本となっているため、「メガドラミドロex」の技「ふしょく」による特殊エネルギー全トラッシュは、デッキの機能不全を引き起こす致命的なメタとなります。
ルギアVSTAR側としては、メガドラミドロexを早期に倒すための高火力アタッカーの準備や、エネルギーがトラッシュされた後のリカバリー手段をあらかじめ構築に組み込んでおくなどの対策が必須となるでしょう。
また、「サーナイトex」デッキは、トラッシュから超エネルギーを加速しつつ、自身のポケモンにダメカンを乗せる戦術を得意としますが、ここでも「ミネズミ」の特性が間接的に影響を与えます。
直接的なメタではありませんが、環境にミネズミが増えることで、相手のダメカン移動を前提とした戦術や、ダメカンを利用した特定のコンボが阻害される場面が出てくるかもしれません。
さらに、超デッキであるため「デオキシス(スピードフォルム)」の採用が検討されます。
序盤の安定したドローソースを手に入れることで、事故率を減らし、より安定して盤面を構築できるようになるというポジティブな強化要素も存在します。
どのデッキも、新カードの恩恵と脅威を天秤にかけながら、常に構築をアップデートし続ける必要があります。
これがポケモンカードゲームの奥深さであり、最も楽しい部分でもありますね。
まとめ
今回は、新拡張パック『ニンジャスピナー』に収録される注目カードの徹底解説と、それらが環境に与える影響について深く考察してきました。
「スペシャルレッドカード」や「ミネズミ」といった強力なメタカードの登場により、これまでの大会環境の常識が大きく覆ることは間違いありません。
また、「メガゲッコウガex」や「メガドラミドロex」といった魅力的な新アタッカーたちは、プレイヤーの構築意欲を大いに刺激してくれるでしょう。
発売直後から様々なデッキが試され、メタが目まぐるしく回っていく刺激的なシーズンが幕を開けます。
皆様もぜひこの記事を参考に、新カードの強みや対策をしっかりと頭に入れて、シティリーグやチャンピオンズリーグといった熱い戦いに備えてください。
どのような驚きのデッキが上位に勝ち上がってくるのか、今から楽しみでなりません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
筆者情報
筆者: 橋本ユア。 フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。























