編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、近年急増している「ポケカ詐欺」や「リシュリンク品」の存在が気になっていると思います。 特にメルカリやスダンクなどの個人間取引で高額BOXを購入する際、偽物を掴まされないか、万が一の時にどう身を守ればいいのか不安を感じているのではないでしょうか。
私自身もコレクターとしてその不安は痛いほど分かります。だからこそ、皆さんには同じ思いをしてほしくないのです。
この記事を読み終える頃には、悪質な詐欺手口の現状を理解し、トラブル時にあなたを守る「鉄壁の開封動画記録マニュアル」をマスターして、再シュリンクや返品交渉への不安などの疑問がすっきりと解決しているはずです。
- 詐欺被害を未然に防ぎ、被害に遭っても100%勝つための開封動画撮影の完全手順
- プロでも見抜くのが難しいリシュリンク品を見破るためのマニアックなチェックポイント
- 実際に報告されている、信じられないような悪質な詐欺手口のリアルな事例紹介
- 万が一被害に遭った際の、出品者とのメッセージのやり取りから事務局・警察への通報手順
それでは解説していきます。
ポケモンカードゲームにおける「詐欺」と「リシュリンク」の深刻な現状
近年、ポケモンカードゲーム(以下、ポケカ)は純粋なカードゲームとしての枠を超え、投機的な側面も持ち合わせる「資産」として扱われるようになりました。 特定のBOXやカード(特に女性トレーナーのSRやSAR、ピカチュウやリザードンなどの人気ポケモン)の価格が高騰し続けており、発売から数年経った「イーブイヒーローズ」や「蒼空ストリーム」などは、定価の10倍以上で取引されることも珍しくありません。
それに伴い、悲しいことですが、金銭目的の悪質な転売ヤーや、組織的な詐欺グループによる被害が後を絶ちません。彼らはポケカへの愛など微塵もなく、ただ「儲かる商材」として利用しているのです。
まずは、敵を知ることから始めましょう。 なぜこれほどまでに詐欺が横行しているのか、そして具体的にどのような手口が使われているのかを、少し裏側の事情も含めて解説します。
高騰するBOXと横行する「再シュリンク」の闇
「再シュリンク(リシュリンク)」という言葉、最近ニュースやSNSでもよく耳にするようになりましたよね。 これは、一度正規のメーカー出荷時のシュリンク(透明な包装フィルム)を破ってBOXを開封し、中に入っている高額なレアカード(SRやSARなど)を抜き取ったり、レア抜きされた別のパックに入れ替えたりした後、専用のシュリンク包装機やヒートガンを使って再びシュリンクをかけ直し、「新品未開封」と偽って販売する極めて悪質な行為を指します。
なぜ、あえて手間のかかる再シュリンクを行うのか
理由は単純明快で、その手間をかけるだけの「莫大な利益」が出るからです。 例えば、現在市場価格が5万円を超える「イーブイヒーローズ」というBOXがあるとします。 未開封であれば5万円で売れますが、一度開封してしまえば、中身がハズレ(レアカードなし)の場合、その価値は数千円、下手をすれば数百円にまで暴落します。
悪質な業者は以下の手順で、リスクをゼロにして利益を最大化しようとします。
- 正規ルートやフリマでBOXを入手: まずは本物を手に入れます。
- 開封と選別: 丁寧にシュリンクを開け(または側面からカッターで切り込みを入れ)、中身を取り出します。そして、「サーチ」と呼ばれる行為(重量測定や金属探知機、光サーチなど)を行い、高額カードが入っているパックだけを抜き取ります。
- すり替え: 抜き取った高額パックの代わりに、あらかじめ用意しておいた「サーチ済みのハズレパック(カスパック)」や、重量調整のために安価な別タイトルのパック(遊戯王など)を箱に戻します。
- 再封印: 業務用のシュリンク機械を使って綺麗に包装し直します。これにより、見た目は「新品未開封の5万円のBOX」が完成します。
- 販売: これをフリマアプリで販売します。
結果、彼らは「抜き取った高額カード(数万円〜数十万円)の売却益」と、「中身がゴミになったBOXを高値(5万円)で売った利益」の二重取りを行うのです。この錬金術のような手口が、詐欺がなくならない最大の理由です。
精巧化する手口と素人判断の限界
「でも、公式のシュリンクと個人がやったシュリンクなら、見れば分かるでしょ?」と思っている方もいるかもしれません。 以前であれば、家庭用のドライヤーでやったようなシワシワのシュリンクや、素材が明らかに硬すぎるものなど、素人目にも分かる粗悪品が多く出回っていました。
しかし、最近の偽装技術は非常に向上しており、パッと見ただけではカードショップの店員やプロの鑑定士でも判断が難しい「スーパーコピー」レベルの再シュリンク品が増えています。
- 公式と同じ素材の調達: 詐欺グループは、公式で使用されているのと同等の厚みや質感を持つシュリンクフィルムを独自に調達しています。
- 空気穴の再現: 最近の公式BOXには、破裂防止のための微細な空気穴が開いていることが多いですが、偽造業者はこの「空気穴」の位置や大きさまで精密に模倣しています。
- つなぎ目の処理: シュリンクの熱圧着部分(シーム)の処理も、専用の機械を使うことで、メーカー品と遜色ない仕上がりを実現しています。
そのため、「シュリンクがついているから未開封で安心」「綺麗な状態だから大丈夫」という常識は、もはや個人売買においては通用しなくなってきているのが現実です。残念ながら、性善説で取引ができる時代は終わってしまったのです。
メルカリ・フリマアプリで購入する際の潜在的リスク
メルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、スニーカーダンクなどのプラットフォームは、絶版になった貴重なBOXを手に入れるための非常に便利な手段ですが、同時に詐欺師にとっても「匿名でカモを探せる」絶好の狩場となっています。
「評価数」や「本人確認済み」は絶対の安全保証ではない
「評価が100以上あって、悪い評価がない出品者なら大丈夫だろう」 そう思って購入した経験はありませんか?実は、それこそが詐欺師の狙い目です。
- アカウントの売買: SNSなどの裏垢では、評価の良いメルカリアカウントが高値で売買されています。詐欺師は信用のあるアカウントを金で買い、それを使って犯行に及びます。
- 捨てアカウント(トカゲの尻尾切り): 最初は安価なノーマルカードなどを誠実に取引して良い評価を積み上げ、信用を得たタイミングで高額な詐欺BOXを大量に出品し、売り抜けた瞬間にアカウントを削除してドロンする、という手口も横行しています。
- 無自覚な加害者: 怖いのは、出品者自身も騙されているケースです。出品者が別の場所でリシュリンク品をつかまされ、それに気づかずに「新品」としてあなたに販売している可能性もあります。この場合、出品者に悪意はありませんが、届くのは偽物です。
「すり替え防止のため返品不可」という魔法の言葉の罠
商品説明欄で必ずと言っていいほど見かける「すり替え防止のため返品不可」という文言。 これは本来、購入者が中身を抜き取ってから「入っていなかった」と嘘をついて返品する詐欺を防ぐための、出品者側の自衛手段です。
しかし、現在ではこれが詐欺師にとっての「免罪符」として悪用されています。「偽物を送りつけても、この文言を書いておけば返品を拒否できる」と勘違いしている、あるいはそう信じ込ませようとしているのです。
ここで声を大にしてお伝えしたいのは、「ノークレーム・ノーリターン(NCNR)」などの独自ルールは、メルカリ等の規約上、無効であるということです。 届いた商品が偽物であったり、説明と異なる場合(未開封と書いてあるのに開封済みであるなど)は、出品者の独自のルールに関わらず、プラットフォームの規約に基づいて返金・返品の対象となります。 ただし、そのためには口で言うだけではダメです。「届いた商品が間違いなく詐欺であったこと」を証明する、客観的で改竄不可能な証拠が不可欠なのです。
その唯一にして最強の武器が、これから解説する「開封動画」です。
【準備編】開封動画を撮る前に用意すべき完全装備
ここからは、万が一の詐欺被害に遭った際に、運営事務局や警察、消費者センターに提出できるレベルの「法的証拠能力の高い動画」を撮影するための準備について解説します。 「ただスマホで撮ればいいんでしょ?」と甘く見てはいけません。撮影の仕方一つで、証拠として採用されるかどうかが決まります。準備が8割です。
必須アイテムリスト:これだけは揃えて!
動画撮影において、以下のアイテムは必ず手元に用意してください。 撮影中に「あ、あれがない!」と取りに行ってフレームアウト(商品が画面外に出ること)してしまうと、その時点で証拠能力はゼロになります。
- 高画質のスマートフォン:
- 最近のiPhoneやAndroidであれば問題ありませんが、LOT番号などの細かい文字が読める解像度が必要です。4Kである必要はありませんが、1080p(フルHD)以上の設定にしておきましょう。
- スマホ用三脚・スタンド:
- これは必須です。片手でスマホを持ちながら片手で開封するのは不可能ですし、手ブレで見にくい動画は証拠になりません。
- 100円ショップのものでも構いませんが、できれば机の上を俯瞰(真上や斜め上)から安定して撮影できるアームタイプがベストです。
- カッター・ハサミ:
- スムーズに開封するためです。切れ味の良いものを用意しましょう。
- デジタルスケール(計量器):
- ここがポイントです。キッチンスケールでも良いですが、できれば0.01g単位まで測れる精密なものが望ましいです。
- リシュリンク品の中には、重さを調整するためにパック数を変えているものがあります。0.1g単位では分からない微細な差も、0.01g単位なら違和感に気づける確率が上がります。
- 明るい照明:
- 部屋の明かりだけでは、LOT番号の刻印やシュリンク表面の微細な傷が見えにくいことがあります。デスクライトなどで手元を明るく照らせるようにしましょう。
- 未開封の段ボール(届いた状態):
- ここが最重要ポイントです。商品を取り出した後から撮影を始めるのではなく、宅配便の伝票が貼られた梱包箱を開けるところからスタートしなければ意味がありません。「届いたその箱に入っていたものが偽物だった」ことを証明する必要があるからです。
撮影環境の整備:完璧なスタジオを作る
撮影中に余計なトラブルが起きないよう、環境を整えましょう。
- 机の上を片付ける: 余計なカードや他のBOXが映り込むと、「そっちとすり替えたんじゃないか?」と難癖をつけられる隙を与えます。机の上は何もない状態にしましょう。
- スマホの設定: 撮影中にLINEの通知が来て画面が隠れたり、電話がかかってきて録画が止まったりしたら最悪です。必ず**「機内モード」**に設定し、Wi-Fiも切っておくことを強くおすすめします。
- ストレージ容量の確保: 開封動画は長回しになるため、途中で容量がいっぱいになって録画が切れないよう、十分な空き容量を確保しておきましょう。
【実践編】証拠能力MAX!開封動画撮影の完全フローチャート
それでは、実際の撮影手順をステップバイステップで、これでもかというほど丁寧に解説します。 この手順を一つでも飛ばしたり、ミスをしたりすると、「あなたが編集したのではないか」「撮影外ですり替えたのではないか」と疑われる余地を与えてしまいます。 合言葉は**「ノーカット・一発撮り・フレームアウト厳禁」**です。
STEP 1:録画開始と梱包箱(ダンボール)の現状確認
録画ボタンを押したら、まずは落ち着いて、届いたダンボール全体の様子を撮影します。 ここでは、以下のポイントをカメラに向かって見せながら、声に出して読み上げる(実況する)とより効果的です。
- 配送伝票のアップ:
- 「らくらくメルカリ便」などの伝票部分にカメラを近づけ、追跡番号、発送元(出品者の情報)、**宛先(自分の情報)**の文字がはっきり読めるようにピントを合わせて映します。
- これにより、この動画が「今回のメルカリでの取引ID:○○の商品であること」を紐づけます。
- 梱包の封の状態確認:
- ダンボールをぐるっと回して、底面や側面も含め、全方向を確認します。
- ガムテープが二重になっていないか、一度カッターで切られた跡がないか、底から開けられた形跡がないかを見せます。
- 「テープの剥がし跡はありません。底抜けもありません」と実況を入れましょう。
STEP 2:梱包の開封と商品の取り出し(緊張の瞬間)
カメラを三脚に固定したまま、ダンボールを開封します。ここからは絶対にフレームアウトしてはいけません。
- カッターでテープを切り、箱を開けます。
- 緩衝材(プチプチや新聞紙)を取り除きます。
- 中に入っている商品(BOX)を取り出しますが、この時、絶対に商品をカメラのフレーム(画角)から出さないでください。
- 自分の体で隠れてしまったり、手元が画面の端で見切れたりしないよう、常に画面の中央で作業することを意識してください。一瞬でも画面から消えると、相手に「その瞬間にすり替えた」という言い訳を与えてしまいます。
STEP 3:BOX外装の徹底チェック(シュリンク・状態)
ここが最初にして最大のリシュリンク判定ポイントです。シュリンクを破る前に、外装の違和感を徹底的に記録します。BOXを手に持ち、360度あらゆる角度から舐め回すように撮影してください。
- シュリンクの質感と張り:
- 正規品はパリッとした硬めの質感で、箱にピタッと張り付いています。
- 再シュリンク品は、素材が薄くてペラペラしていたり、逆に厚すぎてブヨブヨしていたりします。熱処理が甘く、波打っているようなシワが多いのも特徴です。
- つなぎ目(シーム)の処理:
- 側面のシュリンクのつなぎ目が真っ直ぐか、ガタガタしていないか。
- 角の部分に、溶け残ったプラスチックの塊のようなものがないか。
- 空気穴の確認:
- 最近のBOXには微細な空気穴が開いています。光に反射させて、空気穴があるか、その穴が大きすぎないか(手作業で針で開けたような穴ではないか)を確認します。
- 逆に、偽物は完全に密閉されていて、空気穴が全くない場合もあります。
- 角の処理(通称:耳):
- リシュリンク品は、ヒートガンでの処理が下手なため、角の部分が不自然に尖っていたり(耳が立っている)、逆に熱を当てすぎて丸まりすぎていたりします。
- 違和感のある汚れや痕跡:
- 接着剤のようなベタつきや、白い粉のような汚れ、指紋が内側についていないかなどを確認します。
STEP 4:重量測定(シュリンク付きの状態)
デジタルスケールにBOXを乗せ、シュリンク付きの状態での総重量を測定します。 事前にネットやSNSで、そのBOXの「平均重量」を調べておきましょう(例:「イーブイヒーローズ BOX 重さ 平均」などで検索)。
- 測定: 0.01g単位までしっかりと映します。
- 比較: 公式の平均値と比べて、極端に軽い(-5g以上など)場合は、中身がパックごと抜かれているか、パック数が足りない可能性があります。
- 異物混入: 逆に重すぎる場合も、重量合わせのために余計な紙や別のカードが詰め込まれている可能性があります。
STEP 5:シュリンクの開封(ここが正念場)
いよいよBOXのシュリンクを破ります。 「未開封でコレクションしたい」という気持ちもあるかもしれませんが、個人売買で購入した以上、中身を確認するまでは所有物とは言えません。 ここでも、手元が隠れないように細心の注意を払ってください。
- 開封の感触: カッターを入れた時の感触や、手で破く時の抵抗感を覚えておいてください。正規品ならスムーズに破れますが、再シュリンク品はビニールが伸びて破れにくかったりします。
- 箱の開封痕: シュリンクを剥がした後、紙箱の「ペリペリ(ミシン目)」部分を確認します。ここが既に一度開けられた形跡があったり、接着剤でガチガチに固められていて開かなかったりする場合は、100%黒です。
- 「あれ?これミシン目が硬すぎて開かないぞ?接着剤の跡があるな…」といったリアクションも重要です。
怪しいシュリンク開封時の特徴
実際にリシュリンク品を開封した際の事例として、以下のような特徴が報告されています。
- 開け口が機能しない: 通常のペリペリがちぎれてしまい、綺麗に開かない。
- 接着剤の痕跡: 箱の接合部分(糊代)に、メーカー工場では使われないような透明なボンドの塊や、両面テープの跡がある。
STEP 6:LOT番号(製造番号)の照合と記録
これが最強の真贋判定ポイントであり、詐欺師が最も嫌がる証拠です。 ポケカのBOXの内側(蓋の裏や底面)と、封入されている各パックの裏面(圧着部分)には、英数字の羅列(LOT番号)が印字されています。 これらは製造ラインや製造日時を示す管理番号で、通常は1つのBOX内であれば、印字されている30パック全てのLOT番号が一致しているはずです。
記録すべきアクション
- BOXの番号撮影: まず箱の内側などに印字された番号をアップで撮影します。
- パックの番号確認: 30パック全てを取り出し、並べます。そして、ランダムに数パック、できれば全パックの裏面をカメラに見せ、印字された番号がBOXのものと一致しているかを確認します。
詐欺商品の特徴(ここを見逃すな!)
- 番号の不一致: 複数のBOXからサーチ済みのハズレパックを寄せ集めて1つのBOXを作った場合、パックごとにLOT番号がバラバラになります。
- 「あれ?このパックは末尾が01だけど、こっちは02だ。おかしいぞ」と指摘しましょう。
- 印字の消失: アルコールを含ませた綿棒などで、パック裏面の製造番号を擦って消そうとした痕跡がある場合。番号が薄れて読めなかったり、不自然に汚れていたりするのは明らかに異常です。
- フォントの違い: 詐欺業者が自分でゴム印を作って番号を押している場合、本物と比べて文字のサイズが微妙に違ったり、インクの濃さが違ったりします。
- 番号の位置ずれ: 本来の印字位置とは異なる場所に番号があったり、上下逆さまに印字されていたりするのも偽造の証拠です。
LOT番号の読み方(参考例)
情報ソースにもありましたが、例えば「23013401」のような番号の場合、以下のように解読できると言われています(あくまで一例であり、時期により異なります)。
| 数字 | 意味の推測 |
|---|---|
| 23 | 製造年(2023年) |
| 013 | 年始からの製造日数(1月13日) |
| 40 | 製造ロット・ライン番号 |
もし、同じBOXから出てきたパックなのに、「23(2023年製)」と「22(2022年製)」が混在していたら、それはタイムトラベルでもしない限りあり得ません。**100%詰め替え品(詐欺)**です。
STEP 7:全パックの開封と中身の確認
「未開封BOXとして買ったから、パックは開けたくない…」 その気持ちは痛いほど分かりますが、中身がすり替えられている以上、パックを開封して中身を見せないと詐欺の証明が完了しないケースが多いです。 特に、以下の事例があるため、覚悟を決めて全パック開封を推奨します。
異物混入・別タイトルの混入事例
信じられない話ですが、ポケカのBOXを開けたら**「遊戯王カード」や「ワンピースカード」のノーマルパックが入っていた**という事例が実際に多発しています。 これは、ポケカ(イーブイヒーローズなど)よりも単価の安い遊戯王のパックや、サーチ済みの安価なパックを詰め込むことで、重量を誤魔化しつつ中身をすり替える手口です。箱を開けた瞬間、サイズ感の違うパックが入っていたら詐欺確定です。
動画内では、パックの上部や下部(圧着部分)の状態を見せながら、ハサミで開封し、カードの中身をパラパラと見せていきます。
レアリティ封入率の確認
正規のBOX(シュリンク付き未開封)であれば、一部の例外を除き、一定の封入率(SR以上1枚確定など)が保証されている商品がほとんどです。
- SRなし箱: もし、1BOX(30パック)全てを開封して、SR(スーパーレア)以上のカードが1枚も出なかった場合、それはサーチによってレアカードだけが抜かれた「サーチ済みBOX」である可能性が極めて高いです。
- レアリティの偏り: 逆に、R(レア)カードが異常に少なかったり、ノーマルカードばかりが出たりするのも、寄せ集めパックの特徴です。
STEP 8:撮影終了と保存
全てのパックを開封し、結果(SR無しの事実や、異物混入の事実、LOT番号の不一致など)をカメラに見せ、最後に「以上です」と言って録画を停止します。 ここまで一度もカット割りや編集を入れずに撮影しきることが重要です。 動画データは非常に重要なので、GoogleドライブやiCloudなどにバックアップを取っておきましょう。
リシュリンク・詐欺の実例詳細解説:敵の手口を知る
ここで、実際に確認された悪質なリシュリンク品の特徴を、より具体的に、マニアックに掘り下げて解説します。 知識として持っておくだけで、開封時の「ん?なんか変だぞ?」という違和感にすぐ気づけるようになります。
ケース1:接着剤ベタベタの「クレイバースト事件」
あるYouTuberの検証動画でも話題になった、大人気BOX「クレイバースト」のリシュリンク品の事例です。
- シュリンクの形状: 角が不自然にピーンと尖っており(耳立ち)、公式の柔らかいシュリンクとは明らかに素材感が異なりました。
- 箱の開封痕: 本来のペリペリ(ミシン目)部分は無傷に見えましたが、よく見ると箱の側面(糊付け部分)からカッター等で綺麗に開けられた形跡がありました。そして、再度強力な接着剤で止められていたため、接着部分が分厚く、黄色いボンドがはみ出していました。
- 中身のスカスカ感: BOXを振ると「カタカタ」と大きく音がしました。これは、本来入っているはずのパック固定用の厚紙や仕切りが抜かれている、またはパック数が足りないことによる音でした。
- 封入率の異常: 30パック全て開けても、SR以上のカードが1枚も出ず、URが出るはずの枠も操作されていた形跡がありました。
ケース2:中身が別ゲー!?「イーブイヒーローズ 遊戯王化事件」
さらに悪質なのが、超高額BOX「イーブイヒーローズ」の詐欺事例です。
- 外見: 箱全体がボロボロで、何度も使い回されたような劣化、角の潰れが見られました。
- 重量調整の罠: 重さを合わせるためか、中身のパックが**「遊戯王カード(パワー・オブ・ジ・エレメンツ)」**に入れ替えられていました。
- なぜ遊戯王?: イーブイヒーローズは未開封パック単体でも高値で取引されるため、詐欺師は中身のパックすら惜しいと考えます。そこで、比較的安価に入手でき、パックの重量やサイズ感が似ている遊戯王パックや、他の不人気トレカのパックを詰め込むのです。
- 二重の詐欺: 当然、入れられた遊戯王パックさえもサーチ済みで、光り物(レアカード)が一切出ない「ゴミパック」の詰め合わせでした。開けた瞬間の絶望感は計り知れません。
ケース3:LOT番号の偽装工作「消える番号」
LOT番号による発覚を恐れる詐欺師は、涙ぐましいほどの工作を行います。
- 番号消し: 除光液やアルコールを含ませた綿棒で、パック裏面の製造番号を必死に擦って消そうとします。これにより、パックの裏面が白く変色していたり、ビニールが伸びていたりします。
- スタンプ偽装: 自分で数字スタンプを用意し、適当な番号を押印するケース。しかし、公式の機械印字とは違い、インクが滲んでいたり、数字の間隔がバラバラだったりします。
- 上下逆さま: 焦って作業したのか、本来の印字位置とは異なる場所に番号があったり、上下逆さまに印字されていたりするお粗末な偽造も見受けられます。
万が一、詐欺商品・リシュリンク品が届いたら:対処法マニュアル
どれだけ注意しても、詐欺商品が届いてしまうことはあります。 しかし、ここまでの「開封動画」があれば、あなたは法的に圧倒的に有利な立場にあります。泣き寝入りする必要は1ミリもありません。 冷静に、以下の手順で徹底抗戦しましょう。
1. 絶対に「受取評価」をしない(鉄の掟)
これが最も重要かつ最大の防御です。メルカリのシステム上、受取評価をしてしまうと取引完了となり、出品者に売上金が渡ってしまいます。 一度取引が完了すると、事務局が介入しての返金対応が極めて困難になります。 どれだけ出品者に「急ぎでお金が必要なので評価を早くしてください」「受け取っているのに評価しないのはマナー違反です」と急かされても、中身を確認し、動画を撮り終え、納得するまでは絶対に評価ボタンを押してはいけません。
2. 出品者に連絡する(証拠を突きつける)
取引メッセージで、出品者に対して以下の内容を伝えます。 感情的になって「詐欺だろ!警察行くぞ!」と罵倒してはいけません。あくまで冷静に、事務的に事実を伝えるのがポイントです。相手を過度に刺激せず、逃げ道を塞ぐイメージです。
【送信メッセージのテンプレート】
「お世話になっております。商品が到着しましたが、開封確認を行ったところ、説明文にあった『新品未開封』とは明らかに異なる状態(再シュリンクの痕跡、LOT番号の不一致、SR封入なし等)が確認されました。
到着時の梱包開封からパック開封までの全工程を、ノーカット動画で撮影・記録しております。動画内では、BOXとパックのLOT番号の不一致も明確に映っております。
つきましては、明らかに説明と異なる商品ですので、返品および取引のキャンセルをお願いいたします。 もし『すり替え防止のため返品不可』等の理由で拒否される場合は、動画を証拠として事務局および警察へ提出し、被害届の相談をさせていただきます。」
もし相手が「すり替え防止のため無理」「俺は知らない、お前がやったんだろ」と言ってきても、「偽物・説明と異なる商品の送付は規約違反であり、独自のルールは無効です。証拠動画があります」と毅然と対応しましょう。
3. メルカリ事務局へ通報・相談する
出品者が返品に応じない、音信不通になる、または話し合いにならない場合、メルカリ事務局に「問い合わせ」から連絡します。
- 状況説明: 詐欺の疑いがある詳細(LOT番号不一致、シュリンクの異常など)を具体的に書きます。
- 証拠の提出: 撮影した動画をYouTube(限定公開設定)やGoogleドライブにアップロードし、そのURLを事務局へのメッセージに貼り付けます。「この動画のXX分XX秒あたりで、LOT番号の不一致が確認できます」と添えると親切です。
- 要望: 「偽物が届いたため、取引のキャンセルと返金を希望します」と明確に伝えます。
ノーカットの開封動画という「動かぬ証拠」があれば、事務局も動きやすく、購入者保護の観点から補償(返金)されるケースが非常に多いです。
4. 最悪の場合は警察・消費者センターへ
事務局の対応でも解決しないような大規模な組織的詐欺や、あまりに悪質な場合(脅迫めいたメッセージが来るなど)は、最寄りの警察署の生活安全課や消費者センター(局番なしの188番)に相談しましょう。 この際も、撮影した動画や相手とのやり取りのスクショ、出品者のアカウント情報などが強力な武器になります。
Q&A:よくある質問
Q: 動画は途中で切ってもいいですか? A: 絶対にダメです。 一瞬でも切れると、その間にすり替えたと主張されます。トイレに行きたくなっても我慢して撮りきってください。
Q: スマホスタンドがないので、友人に撮ってもらってもいいですか? A: 可能です。 ただし、手ブレで見づらくならないように注意し、友人の声が入ってもいいですが、開封者の手元と商品が常に映るように指示してください。
Q: 相手が「動画なんて偽造できる」と言ってきます。 A: 無視して事務局へ。 梱包箱の伝票からノーカットで開封している動画を偽造するのは、ハリウッド映画並みの技術が必要です。事務局は分かってくれます。
Q: 安いBOX(数千円)でも動画は必要ですか? A: 必要です。 最近は数千円のBOXでもシュリンク詐欺があります。金額に関わらず、フリマアプリで買う=リスクがあると考え、習慣づけることが大切です。
まとめ:高額カードを守るために自衛力を高めよう
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 10,000文字近い長文になってしまいましたが、これだけ詳しく書いたのは、それだけ今のポケカ市場が「戦場」だからです。
今回の記事のポイント4点
- メルカリ等の個人取引では、受取評価前の動画撮影が生存率を分ける
- 開封は梱包箱の伝票確認からパック開封まで、完全ノーカットで行う
- LOT番号の不一致やSRなしは、詐欺を証明する決定的な証拠になる
- どんなに脅されても、異常があった場合は絶対に受取評価ボタンを押さない
「自分だけは大丈夫」「日本人はそんなことしない」という平和ボケは捨ててください。 1万円、5万円、時には10万円を超えるようなBOXを購入する際は、必ず面倒くさがらずに動画を回す癖をつけてください。そのたった数分の手間が、あなたの大切なお金と、何より「ポケカを楽しむ心」を守ることにつながります。
本来、ポケモンカードはパックを開ける瞬間のドキドキや、好きなカードが出た時の喜びを楽しむ、世界一素晴らしいコンテンツのはずです。 悪質な詐欺師たちにその楽しみを奪われないよう、正しい知識と鉄壁の守備力で武装して、安全で楽しいポケカライフを送りましょう!
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。 最近は「ナンジャモ」のSARを当てるために徳を積む日々。自称リーリエの旦那。 好きなポケモンはニンフィアとブラッキー。最近の悩みは、増えすぎたストレージの収納場所と、湿度管理のための防湿庫の電気代。






















