編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、最近フリマアプリやネット通販でポケモンカードのボックスを購入しようか迷っている、あるいは実際に購入して「これって本物?」と不安を感じている方が多いのではないでしょうか。特に近年、巧妙化する「リシュリンク詐欺」や「中身のすり替え」は、私たちポケカファンにとって許せない問題ですよね。
この記事を読み終える頃には、詐欺商品の見分け方から、万が一偽物が届いた際の具体的な返金申請の手順、そして高額カードを守るための自衛策まで、全ての疑問が解決しているはずです。
- 再シュリンク品やサーチ痕の具体的な見分け方
- 開封時の動画撮影や重量測定などの証拠保全手順
- メルカリで詐欺に遭った際の返金申請とメッセージ例文
- 悪質な出品者を見抜くためのチェックポイント
それでは解説していきます。
近年のポケカ詐欺の現状とリシュリンクの実態
近年、ポケモンカードゲームの人気沸騰に伴い、残念ながら詐欺行為が横行しています。特にメルカリやSNSを通じた個人間取引において、トラブルが後を絶ちません。ここでは、私が実際に見聞きした情報や、検証動画などのソースをもとに、その恐るべき実態について深掘りしていきます。
リシュリンク(再シュリンク)とは何か
「リシュリンク」という言葉、最近よく耳にしますよね。これは、一度正規のシュリンク(外装ビニール)を剥がして開封し、中のレアカード(SRやSARなど)を抜き取ったり、別のパックと入れ替えたりした後、専用の機械を使って再びシュリンクをかけ直す行為を指します。
以前は家庭用のドライヤーやシーラーを使った粗悪なものが多かったのですが、最近では業者レベルの設備を使い、一見しただけではプロでも見分けがつかないほど精巧な「偽シュリンク」が出回っています。
実際の被害例:クレイバーストの場合
例えば、人気パック「クレイバースト」の被害例を見てみましょう。外見上は新品未開封に見えても、よく観察すると以下のような違和感が見つかることがあります。
- シュリンクの質感: 正規品のシュリンクは適度な張りがありますが、偽物はパリパリしすぎていたり、逆にブヨブヨと緩かったりします。
- つなぎ目の位置: 本来の製造ラインとは異なる位置にビニールのつなぎ目がある場合や、接着剤の跡が二重になっている場合があります。
- 空気穴の有無: 公式のシュリンクには微細な空気穴が開いていることが多いですが、リシュリンク品にはそれがなく、完全に密閉されているケースがあります。
ある検証では、シュリンクの「角」が不自然に尖っていたり、ビニールの素材自体が異なっていたりするケースも確認されています。
衝撃の手口!中身が別ゲーのカードに入れ替わっている
「レアカードが抜かれているだけならまだマシ(良くないですが)」と思わせるほど、さらに悪質な手口も存在します。それは、中身のパックごと、全く別のカードゲームやジュースなどにすり替えられているというものです。
イーブイヒーローズから遊戯王が出てくる怪奇現象
絶版ボックスとして非常に高値で取引されている「イーブイヒーローズ」。このボックスを開封したところ、中から出てきたのはなんと遊戯王カードのパックだった、という衝撃的な事例があります。
なぜ、わざわざ別のカードゲームを入れるのでしょうか?
- コスト削減: イーブイヒーローズのパックは現在、1パック単位でも非常に高価です。詐欺業者が「重さ合わせ」のために中身を詰め替える際、本物のイーブイヒーローズのノーマルパックを集めるよりも、定価割れしているような安価な遊戯王のボックス(例:パワー・オブ・ジ・エレメンツなど)の中身を詰めた方が、圧倒的にコストが安く済むからです。
- 重量の調整: 単純にゴミを入れると振った時の音や重さでバレてしまいますが、カードパックであれば、振った時の「カサカサ」という音や、手にとった時の重量感が似ているため、開封するまで気づかれにくいのです。
このように、詐欺の手口は私たちの想像の斜め上を行くほど巧妙かつ大胆になっています。
ロット番号の改ざんと不一致
通常、ポケモンカードのボックスと、中に封入されているパックには、製造時期やラインを示す「製造番号(ロット番号)」が印字されています。正規品であれば、ボックスに記載された番号と、中の30パック全ての番号が一致します。
しかし、詐欺品の場合、以下のような異常が見られます。
- 番号の不一致: ボックスの番号とパックの番号が違う。あるいは、パックごとに番号がバラバラである。
- 印字の消失: アルコールや除光液で故意にロット番号が消されている。
- 印字の違和感: 自分でスタンプを押したような不自然なフォントや、サイズ違いの番号が記載されている。
特に、「当たり枠」だけを抜いて、別のボックスから「ハズレ枠」を集めて詰め直した場合、このロット番号の不整合が証拠となります。しかし、最近ではロット番号すらも偽装したり、あえて消してしまう手口も増えているため、番号が合っているからといって100%安心はできません。
届いた商品が怪しい…開封前に確認すべきチェックリスト
メルカリなどで購入した高額ボックスが届いた時、嬉しくてすぐにビリビリと破りたくなりますよね。でも、ちょっと待ってください。その開封の瞬間こそが、詐欺から身を守る最後の砦なのです。ここでは、開封前に必ず行うべきチェックリストをまとめました。
外箱とシュリンクの徹底観察
まずは、カッターを入れる前に、外観をくまなくチェックしましょう。違和感を感じたら、絶対に開封してはいけません。
| チェック項目 | 正規品の特徴 | 詐欺品の可能性がある特徴 |
|---|---|---|
| シュリンクの張り | 適度なフィット感。角が綺麗。 | ダルダルに緩い、またはパツパツすぎて箱が歪んでいる。 |
| 空気穴 | 微細な穴が空いていることが多い。 | 穴が全くない、または不自然に大きな穴がある。 |
| つなぎ目(サイド) | 綺麗な一直線、または特定の位置。 | ガタガタしている、接着剤がはみ出ている、二重線になっている。 |
| 箱の形状 | 角がしっかりしている。 | 潰れている、一度開けられたような膨らみがある。 |
特に、「シュリンクのつなぎ目」は要チェックです。一度横からカッターで切り開き、中身を入れ替えてから再度接着剤で止めている場合、その痕跡が光の加減で見えることがあります。
箱の「耳」と再利用の痕跡
シュリンクだけでなく、箱そのものの状態も重要です。ポケモンカードのボックスは、組み立て式の紙箱です。一度開封された箱を再利用している場合、以下のサインが出ていることがあります。
- 差し込み口の白欠け: 箱を開ける際、フラップ(蓋)の差し込み部分に負荷がかかり、紙が折れて白くなることがあります。新品未開封のはずなのに、差し込み口がフニャフニャだったり白く折れていたりする場合は、**「一度開けられている」**可能性が極めて高いです。
- 底面の隙間: 底から開封する「底開け」という手口もあります。箱の底の接着が剥がれていたり、不自然な隙間がないか確認しましょう。
精密秤での重量測定
キッチンスケールなどを使って、開封前にボックス全体の重さを測りましょう。もちろん、製造ロットによって多少の誤差(シュリンクの厚みや紙の質などによる)はありますが、平均的な重量から大きく外れている場合は警戒が必要です。
- 極端に軽い: パックが抜かれている、または中身が少ない可能性があります。
- 極端に重い: 重さ合わせのために、カード以外の異物が入っている可能性があります。
また、可能であれば振ってみて音を確認するのも一つの手です。中身がスカスカの場合、パックが固定されずに「ガサガサ」と大きく動く音がすることがあります。正規品はギッシリ詰まっているので、そこまで大きな音はしません。
【最重要】開封動画の撮影準備
これが今回一番お伝えしたいポイントです。メルカリなどの事務局に返金を認めてもらうためには、「届いた状態から中身がおかしいこと」を証明する客観的な証拠が不可欠です。それが「開封動画」です。
写真だけでは「あなたが開封後にすり替えたんじゃないの?」と言われてしまえば反論できません。しかし、動画であればその疑いを晴らすことができます。
撮影時の鉄の掟
- ノーカット・無編集: 商品が映り始めてから、開封し、中身の異常を確認するまで、絶対にカメラを止めないでください。
- 梱包状態からスタート: 商品本体だけでなく、送られてきた段ボールや封筒を開けるところから撮影を始めます。伝票番号が映るようにするとベストです。
- 全体を常に映す: 商品がフレームアウト(画面の外に出る)しないように注意してください。一瞬でも画面から消えると、「その瞬間にすり替えた」と主張されるリスクがあります。
- 手元のアップと引き: ロット番号やシュリンクの違和感を映す際はアップに、開封動作は全体が見えるように、状況に合わせてピントを合わせましょう。
- 複数パックの開封: ボックスの場合、シュリンクを剥がし、箱を開け、さらに中のパックを数パック(できれば全部)開封して、中身のカードを確認するところまでを一連の流れで撮影します。
スマホの三脚などを使って、両手が自由に使える状態で撮影するのがおすすめです。これが有るか無いかで、トラブル時の解決率が天と地ほど変わります。
開封中に見るべきポイントと証拠の残し方
動画を回しながら、いざ開封!という時も、気を緩めてはいけません。中身を確認する際に見るべきポイントを解説します。
全パックの製造番号(ロット番号)の一致
先ほども触れましたが、箱の内側や側面に印字されているロット番号(例:23013401など)と、パックの裏面に印字されているロット番号を照らし合わせます。
- 読み方: 最初の2桁が西暦の下2桁(23なら2023年)、次の3桁がその年の何日目か(013なら1月13日)、続く2桁が製造ライン等の番号と言われています。
- チェック方法: 30パック全てを並べて、番号が全て同じか確認します。1パックでも違う番号が混ざっていたり、番号が消されていたりしたら、それは「寄せ集め」の可能性が高いです。
特に、アルコール等で拭き取られて番号が消えているパックは論外です。メーカーの製造ミスで消えることは極めて稀(ほぼあり得ないレベル)なので、人為的な手が加わっていると判断して良いでしょう。
封入率の法則崩れ
ポケモンカードのボックスには、ある程度の「封入率」が存在します。通常、1ボックスを開ければ以下のようなカードが出ることが一般的です(シリーズによりますが)。
- SR以上(SR, SAR, UR):1枚以上(稀に2枚箱やSR無し箱もありますが、基本は1枚)
- AR:3枚程度
- RR / RRR:規定枚数
もし、1ボックス全て開けて**「SR以上が0枚」だったり、逆に「R(レア)しか入っていなかった」**という場合は、サーチされてレア抜きをされている可能性が濃厚です。
また、先ほどの事例のように「URが出たから安心」とは限りません。詐欺業者が「SR以上抜き」をした後、重量調整のために安価なURをわざと混ぜているケースもあるからです。
パックの圧着・接着痕のチェック
パック自体にも細工がされていないか確認します。
- ギザギザ部分: パック上下のギザギザ(圧着部分)を確認します。再圧着(リパック)されたものは、ギザギザが浅かったり、接着剤がはみ出てテカテカしていたりすることがあります。
- 不自然なシワ: サーチ行為(パックの上からカードをずらして中身を確認する行為)が行われたパックは、表面に不自然な擦れ傷やシワが寄っていることが多いです。
偽物・詐欺確定!メルカリでの対処法と返金申請
「動画を撮りながら開けたら、中身が遊戯王だった…」「ロット番号がバラバラでSRが入っていなかった…」 そんな絶望的な状況になった時、どうすれば良いのでしょうか。ここからは、具体的な戦い方をお伝えします。
絶対に「受取評価」をしてはいけない
これが最も重要なルールです。メルカリのシステム上、受取評価をしてしまうと「取引完了」とみなされ、代金が出品者に渡ってしまいます。一度評価をしてしまうと、そこから事務局に返金対応を求めるのは極めて困難になります。
どんなに相手に急かされても、中身を確認し、納得いくまでは絶対に受取評価ボタンを押さないでください。
出品者へのメッセージ例文
まずは冷静に、出品者に事実を伝えます。感情的になって「詐欺だ!警察に行くぞ!」と罵倒してはいけません。相手を刺激せず、あくまで事務的に対応を求めます。
【例文:中身が違った場合】
出品者様 お世話になっております。商品を受け取り、開封いたしましたが、商品説明と異なる点がありましたのでご連絡いたしました。
未開封ボックスとのことでしたが、開封したところ、中のパックの製造番号がボックスと一致しておらず(または中身が別のカードで)、封入率も公式サイトの仕様と異なっておりました。
開封時の様子は、梱包開封時からノーカットで動画撮影しており、証拠として保存しております。
つきましては、商品の返品およびキャンセルをお願いできますでしょうか。ご対応いただけない場合は、事務局へ証拠動画を提出の上、相談させていただきます。 ご返信をお待ちしております。
【ポイント】
- 「動画という証拠がある」ことを伝えるのが最大の武器です。
- 「返品・キャンセル」を明確に要求します。
- もし相手が「こちらは未開封を送った、あなたがすり替えたんだろう」と言ってきても、「動画で証明できます」と毅然と対応しましょう。
事務局への問い合わせと証拠の提出
出品者がしらを切ったり、返信がなかったりする場合は、速やかにメルカリ事務局へ「問い合わせ」を行います。
- マイページ>お問い合わせ>お問い合わせ項目を選ぶ>取引中の商品について と進みます。
- 対象の商品を選び、「トラブルがあった」を選択します。
- 詳細な状況を記入します。
- どのような状態で届いたか
- 開封して何が起きたか(リシュリンク、中身違いなど)
- **「開封動画という客観的な証拠がある」**こと
- 出品者が対応してくれないこと
- 事務局の指示に従い、外部ストレージ(Googleドライブなど)に動画をアップロードし、そのURLを共有する形などで証拠を提出します(提出方法は事務局の指示に従ってください)。
証拠動画さえしっかりしていれば、事務局が補償やキャンセル対応をしてくれる可能性が格段に上がります。
安全にポケカを楽しむためにできること
詐欺に遭った時の対処法も大切ですが、そもそも被害に遭わないことが一番ですよね。最後に、安全にポケカライフを送るための予防策をお話しします。
購入先の選び方:公式・カドショ・フリマの使い分け
最も確実なのは、やはり**「公式ショップ(ポケモンセンター)」や「大手家電量販店」「信頼できるカードショップ」**で新品を購入することです。これらのお店でリシュリンク品を掴まされるリスクはほぼゼロです。
しかし、人気商品はすぐに売り切れてしまい、どうしてもフリマアプリに頼らざるを得ない時もあるでしょう。その場合は、以下の基準で出品者を選定してください。
- 相場より安すぎる商品は避ける: 「定価以下」や「相場より極端に安い」ボックスは、ほぼ間違いなく詐欺か、何らかの理由(サーチ済みなど)がある商品です。「うまい話には裏がある」と心得ましょう。
- 評価数をチェックする: 評価が0の新規アカウントや、悪い評価が目立つアカウントは避けます。また、良い評価が多くても、過去の取引履歴が「日用品」ばかりで、急に高額トレカを出品している場合は、アカウント乗っ取りや転売ヤーの可能性があります。
- 本人確認済みマーク: メルカリでは「本人確認済み」のアカウントの方が、トラブル時に逃げられるリスクが多少下がります。
怪しい出品者の特徴
- 写真が使い回し: 商品の実物写真ではなく、公式サイトの画像や、他の出品者の画像を転載している。
- 説明文がテンプレート: 「いただきものです」「詳しくないのでわかりません」「中身での評価はご遠慮ください」といった文言は、責任逃れの常套句です。
- レシートがない: 正規店で購入したならレシートがあるはずです。「レシート付き」の商品は比較的信頼度が高いですが、レシート自体を偽造・使い回すケースもあるので過信は禁物です。
最終手段:シングル買いを検討する
どうしてもボックス開封のドキドキ感を味わいたい気持ちは痛いほど分かりますが、欲しいカードが決まっているなら、信頼できるカードショップ(実店舗または大手通販)で「シングルカード」を購入するのが、結果的に一番安く、安全に手に入る近道です。
1000万円以上課金してきた私が言うのもなんですが、ボックス開封は「エンターテインメント」であり、資産形成や確実な入手手段としてはリスクが高いです。特にフリマアプリでのボックス購入は、一種の「ギャンブル」であることを認識しておきましょう。
まとめ
今回は、メルカリ等のフリマアプリで購入したポケモンカードが偽物だった場合の対処法や、見分け方について徹底解説しました。
- リシュリンク詐欺は巧妙化している: 業者レベルの機械や、中身を遊戯王に変えるなどの大胆な手口が存在します。
- 開封前のチェックが命: シュリンクの質感、箱のダメージ、重量測定を行い、少しでも違和感があれば開封しない勇気を持ちましょう。
- 開封動画は最強の武器: ノーカットで梱包開封から中身確認までを撮影することで、万が一の時の返金成功率が飛躍的に上がります。
- 受取評価は絶対にしない: 中身を確認し、問題がないことを確信するまでは、絶対に取引を完了させてはいけません。
ポケカは本来、パックを開ける瞬間のワクワクや、素敵なイラスト、対戦の奥深さを楽しむ素晴らしいコンテンツです。一部の心ない詐欺師たちのせいで、その楽しさが奪われてしまうのは本当に悲しいことです。
この記事が、あなたのポケカライフを守るための一助となれば幸いです。もし、怪しい商品に出会ってしまった時は、この記事を思い出して冷静に対処してくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。





















