編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、現在プレイ中の『オクトパストラベラー0』において、キャラクターの育成要素が「ナッツ」によるドーピングのみに集約されてしまっているという噂や、実際にプレイしていて感じる虚無感について気になっていると思います。特に、エンドコンテンツにおける「ナッツ栽培」が必須化しているという情報に、RPGとしてのバランスを危惧している方も多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、なぜ「ナッツゲー」と呼ばれるようになったのかの背景と、その批判に対する真実、そしてナッツ育成の先にある真の楽しみ方が解決しているはずです。
- ナッツ育成が批判される背景とゲームバランスの現状
- 裏ボス攻略におけるナッツ栽培の必要性と時短効果
- 批判を覆す1ターンキル戦術の論理的構築
- 従来のレベル上げと異なる新たな育成の楽しみ方
それでは解説していきます。
オクトパストラベラー0が「ナッツ育成ゲーム」と批判される理由
シリーズ最新作(あるいは前日譚的位置づけ)としてリリースされた本作ですが、発売から時間が経過し、エンドコンテンツに到達するプレイヤーが増えるにつれ、SNSや掲示板ではある一つのキーワードが飛び交うようになりました。
それが「ナッツゲー」という言葉です。
従来のRPGにおけるキャラクター強化といえば、敵を倒して経験値を得てレベルを上げる、あるいは装備品を更新する、といったプロセスが一般的でした。しかし、本作のエンドコンテンツにおいては、ステータスアップアイテムである「ナッツ」の重要度が極端に高まっており、これに対する賛否両論が巻き起こっています。
従来のレベル上げシステム崩壊の危機
RPGの醍醐味である「レベル上げ」の価値が低下しているという指摘です。
通常、レベル99を目指す過程でキャラクターへの愛着が湧き、少しずつ強くなる実感を得るものです。しかし、本作ではストーリークリア後、特定の条件を満たすことで「ナッツの種」が入手可能となり、畑で野菜のようにナッツを量産できるシステムが解禁されます。
これにより、以下の現象が発生しています。
- 戦闘によるレベル上げよりも、ナッツ回収効率の方がステータス上昇効率が良い
- レベル99のステータスキャップを超えた強化が前提となっている
- どのキャラクターもナッツさえあれば最強ステータスになれてしまう個性没入感の欠如
「時間をかけてダンジョンに潜るよりも、畑に水をやる方が強くなる」という事実は、硬派なRPGファンにとって「作業ゲー」「ソシャゲ的」と映り、批判の対象となっているのです。
ナッツ栽培への依存度と批判の正体
批判が殺到しているもう一つの要因は、「ナッツ栽培ありき」の難易度調整に見える敵の強さです。
特に「真のラスボス」撃破後に出現する隠しダンジョンのボスたちは、HPや攻撃力がインフレしており、通常のレベルカンスト(Lv.99)程度では歯が立たないケースが見受けられます。プレイヤーたちは「開発側がナッツでドーピングすることを前提に調整しているのではないか」と疑心暗鬼になり、それが「ナッツゲー」というネガティブなレッテルに繋がっています。
しかし、私が実際に検証を進め、情報を精査したところ、事態はもう少し複雑であることがわかりました。批判の声の裏には、効率化を求めるあまりゲームの本質を見失っているプレイヤー心理と、実は絶妙に調整された開発側の意図のすれ違いが存在していたのです。
議論の的となっている「裏ボス」の正体とスペック
ナッツ育成必須論争の中心にいるのが、本作最強の敵とされる「裏ボス」の存在です。
このボスの存在こそが、プレイヤーを過剰なナッツ栽培へと駆り立てる元凶であり、同時に本作のバトルシステムの奥深さを象徴するコンテンツでもあります。まずは、この裏ボスの異常なスペックと、なぜ通常の育成では太刀打ちできないとされているのか、その詳細を分析します。
HP120万という驚異的な耐久力
裏ボスの最大の特徴は、なんといってもそのHPの高さです。過去シリーズの裏ボスと比較しても、その数値は桁外れです。
歴代ボスとのHP比較
| 登場作品 | ボス名称(通称) | 推定HP | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| オクトパストラベラー | ガルデラ | 500,000 | 2連戦合計 |
| オクトパストラベラー2 | ガルデラ(異界) | 600,000 | ギミック強化 |
| オクトパストラベラー0 | 裏ボス(東洋風) | 1,200,000 | 単体HP過去最高 |
ご覧の通り、HP120万という数値は、過去作のボスの約2倍から2.5倍に相当します。通常の攻撃で1ターンに数万ダメージを与えられたとしても、削り切るまでに数十ターンを要する計算になります。
この長丁場が、プレイヤーに「生半可な火力では勝てない=ステータスを極限まで上げる必要がある=ナッツ栽培必須」という思考を植え付けているのです。
即死級ギミック「カウンター全滅攻撃」の恐怖
HPが高いだけなら、時間をかけて戦えば良いだけの話です。しかし、この裏ボスには凶悪な「時間制限ギミック」が搭載されています。
ターン経過によるデッドライン
- 毎ターンのカウンター蓄積 戦闘中、1ターン経過するごとにボスに特殊なカウンター(予兆)が蓄積されていきます。
- 強制全滅攻撃の発動 カウンターが一定数溜まりきると、防御無視・HP限界突破ダメージの全体攻撃が飛んできます。これは「受けるがいい」というセリフと共に放たれ、耐えることは不可能です。
- 弱点移動とシールドギミック さらに厄介なのが、ブレイクして大ダメージを与えようとしても、一度弱点を突くと弱点属性が変化したり、無効化されたりする仕様です。
つまり、「長期戦は許されないが、HPは膨大で、かつブレイクもしにくい」という三重苦が揃っています。この理不尽とも言える仕様を前に、多くのプレイヤーが「ナッツで基礎ステータスをカンストさせ、1発のダメージを限界まで上げるしかない」という結論に至ったわけです。
ナッツ栽培は本当に「必須」なのか?徹底検証
ここで本記事の核心部分に迫ります。「裏ボスを倒すために、批判されているナッツ栽培(農業)は本当に必須なのか?」という問いです。
結論から申し上げますと、「ナッツ栽培は必須ではありません」。
私の実プレイおよび詳細な検証の結果、ストーリー攻略中に入手できるナッツを適切に配分し、正しい戦略とアビリティ構成を組めば、追加のナッツ稼ぎ(栽培)を行わずとも十分に撃破可能であることが判明しました。
ストーリー入手分だけでカンストに近い数値は出せる
多くのプレイヤーが見落としている事実として、本作はクリアに至るまでの道中で手に入るナッツの総量が意外に多いという点が挙げられます。
- 宝箱からの入手
- サブクエスト報酬
- NPCから「盗む」「買取る」での入手
これらを一切使用せず、あるいは無駄遣いせずに温存していた場合、メインアタッカー1名の攻撃ステータス(物攻または属攻)をカンスト(999)付近まで持っていくことは十分に可能です。
さらに、戦闘中に使用する「料理アイテム」によるバフ効果を組み合わせれば、基礎ステータスが多少足りなくてもカンスト値である999に到達させることは容易です。
「必須」と誤解される理由
では、なぜ「ナッツ栽培が必須」という誤解が広まったのでしょうか。それは「1ターンキル」を目指す極層のプレイヤーの情報が独り歩きしたためだと推測されます。
「ギミックを完全に無視して1ターン(実質2ターン)で120万を削り切る」という芸当を行うためには、確かにアタッカー全員のステータスを極限まで高める必要があり、そのためにナッツ栽培が必要になります。しかし、通常の攻略法(3〜4ターンかけて倒す)であれば、そこまでのドーピングは不要なのです。
つまり、ナッツ栽培システムは「ゲームバランスを崩壊させる改悪」ではなく、「極限まで突き詰めたいプレイヤーのために用意された救済措置兼やり込み要素」と捉えるのが正解です。
ナッツ栽培なしでも可能?戦略的アプローチ
ここからは、批判の原因となっている「作業ゲー」に陥らず、戦略によって裏ボスを攻略するための具体的なアプローチを解説します。ナッツ栽培に時間を費やすのではなく、知恵と構成で勝利をもぎ取る、本来のRPGの楽しさを取り戻しましょう。
パーティ編成の最適解
裏ボス攻略において重要になるのは、個々のステータスよりも「役割分担」と「行動順」です。私が推奨する、ナッツ栽培なしでも(あるいは最小限で)機能するパーティ構成は以下の通りです。
推奨メンバーとその役割
| キャラクター | 役割 | 必須アビリティ・装備方針 |
|---|---|---|
| リシャール | バフ特化 | 先手を取るための速度調整。味方全体の攻撃力アップを担当。 |
| バルジェロ | 速度・支援 | 「先駆け」で最初に行動。デバフ防御や支援者呼び出しを行う。 |
| 主人公 | メイン火力 | 弓装備。「波状射撃」や「夢中の矢」でダメージソースとなる。 |
| レイ・メイ | サブ火力 | 「乱月の太刀」による多段ヒット攻撃でダメージを稼ぐ。 |
| サイラス | 魔法火力 | 特大魔法による追撃。属攻を高めておく。 |
| オルベリク | タンク・支援 | 味方のBP回復や、耐久力を活かした壁役。 |
| グッドウィン | サポート | 速度調整枠。前衛のサポートに徹する。 |
この編成の肝は、過去作の強キャラたちが一堂に会している点です(オクトラ0ならではのクロスオーバー的要素)。特にリシャールのバフ能力と、主人公の弓技の相性が抜群です。
装備とアビリティのパズル
ナッツでステータスを盛れない分、装備とアビリティのシナジー効果を最大化させる必要があります。
- 行動速度の調整
- バフ役(リシャール、バルジェロ)が最初に動き、アタッカー(主人公、レイ・メイ)がその後に動くよう、装備で速度を微調整します。これが崩れると火力が半減します。
- アクセサリー「火事場の馬鹿力」
- HPが低いほどダメージが上がるアクセサリーやアビリティを活用します。あえてHPを減らした状態で戦闘を開始する、あるいは戦闘中にHP調整を行うことで、ステータス不足を補う爆発的な火力を生み出します。
- 「ダメージ限界突破」の必須化
- サポートアビリティ「ダメージ限界突破」はアタッカー全員に必須です。これがないと9999ダメージで止まってしまい、120万HPを削るのに日が暮れてしまいます。
戦闘の流れ(3〜4ターン撃破プラン)
1ターンキルにこだわらなければ、以下のような流れで安定して勝利できます。
- 第1ターン(準備)
- バルジェロが「先駆け」で防御バフを展開。
- リシャールが攻撃バフを全体に付与。
- オルベリクがアタッカーのBPを最大まで回復。
- アタッカーはシールドを削りつつ、次ターンの最大火力発射の準備を整える。
- 第2ターン(ブレイク&総攻撃)
- 敵のシールドを割り、ブレイク状態にする。
- 主人公の「波状射撃」で大ダメージ。
- レイ・メイの「乱月の太刀」で追撃。
- サイラスの魔法で削る。
- 第3〜4ターン(仕上げ)
- ブレイク復帰後のカウンターが来る前に、残りのHPを奥義や必殺技で削り切る。
この手順であれば、ナッツ栽培で何時間も費やす必要はありません。
究極のロマン「1ターンキル」の世界
一方で、批判されている「ナッツ栽培」を極めた先にある世界、すなわち「1ターンキル(実質2ターン)」についても触れておく必要があります。これはこれで、RPGにおける一種の芸術的な到達点とも言えるからです。
もしあなたが「最強の俺TUEEE」を体感したいのであれば、以下の手順でナッツ栽培を行い、ボスのHP120万を一瞬で消し飛ばす快感を味わうのも、本作の一つの楽しみ方です。
1ターンキルに必要な条件
- 攻撃ステータスカンスト
- アタッカー全員の物攻・属攻が999。
- 命中率の補強
- 主人公の「夢中の矢」など、高火力だが命中率が低い技を必中させるため、命中ナッツも大量に投与する必要があります。
- クリティカル確定
- クリティカルナッツを使用し、会心率も極限まで上げます。
実際のバトルの様子
動画などでも紹介されている「1ターンキル」の流れは圧巻です。
開幕、バルジェロの先制行動で防御バフ。リシャールが支援者を呼び出し、攻撃バフを2段階乗せる。そこからレイ・メイの「乱月の太刀」が全弾クリティカルで突き刺さり、主人公の「夢中の矢」がすべて命中しカンストダメージを連発。最後にサイラス先生の特大魔法が炸裂し、ボスは何の行動もできずに消滅します。
この爽快感を得るための「対価」として、ナッツ栽培という作業が存在すると考えれば、あながち悪いシステムではないのかもしれません。
まとめ
『オクトパストラベラー0』におけるナッツ育成への批判は、エンドコンテンツの極端なインフレと、それを解決する手段が「栽培」という単調な作業に見えることに起因しています。
しかし、その実態を紐解いてみると、必ずしもナッツ栽培は必須ではなく、従来の戦略的なRPGの楽しみ方で十分に攻略可能であることがわかりました。
- ナッツ栽培は救済措置
- 通常の育成で勝てない人のための、時間さえかければ誰でも最強になれるシステムです。
- 裏ボスは戦略で倒せる
- HP120万という数値に圧倒されず、バフ・デバフ・行動順を管理すれば、栽培なしのナッツのみで勝利可能です。
- 批判の本質はプレイスタイルの違い
- 効率を求めて作業ゲーにしてしまうか、試行錯誤を楽しむか。プレイヤーの選択に委ねられています。
- 自分に合った攻略法を
- 1ターンキルのロマンを追うなら栽培を、緊張感あるバトルを楽しむなら戦略重視で挑みましょう。
「ナッツゲー」と揶揄される本作ですが、その裏には「どんなプレイヤーでも時間をかければ裏ボスを倒せる」という、間口の広い設計思想が隠されています。批判の声に惑わされず、ご自身のプレイスタイルに合わせて、この手強い裏ボス「東洋の龍」に挑んでみてください。ナッツを齧りながら最強を目指すのも、頭脳で攻略するのも、どちらも正解なのです。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。




















