編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、オクトパストラベラー0(以下、オクトラ0)をプレイしていて、どのアビリティを優先して「極意化」すべきか迷っている、あるいはJP(ジョブポイント)の使い道で失敗したくないと悩んでいることと思います。
本作は自由度が高い反面、リソース管理が非常にシビアなゲームバランスになっています。特に「極意化」はキャラクターの性能を飛躍的に向上させる重要な要素ですが、すべてのスキルを無闇に強化していると、肝心な場面でJPが足りなくなったり、攻略が非効率になったりしがちです。私自身も30時間以上プレイし、様々な試行錯誤を繰り返してきました。その経験から、確実に役立つ「正解」をお伝えできると確信しています。
この記事を読み終える頃には、どのアビリティを最優先で取得すべきか明確になり、効率的な育成方針が固まって、迷いなく冒険を進められるようになっているはずです。
- アイテム収集効率を倍増させる盗賊の神スキルを最優先で確保する
- 商人の幸運の矢を活用したJP稼ぎシステムを早期に構築する
- ヒーラーとバッファーの極意化でパーティの安定性を底上げする
- 火力職の極意化は装備が整う終盤まで後回しでも問題ない
それでは解説していきます。
優先して極意化するべきアビリティの全体像と選定基準
オクトラ0における「極意化」は、単なるスキルの強化に留まりません。それは、ゲームの攻略効率そのものを劇的に変える「投資」です。JP(ジョブポイント)という貴重なリソースを支払うことで、恒久的なリターンを得る行為だと捉えてください。
多くのプレイヤーが陥りがちな罠は、「攻撃アビリティの威力を上げたい」という単純な欲求に従って、メインアタッカーの攻撃技ばかりを極意化してしまうことです。もちろん、それは間違いではありませんが、本作の序盤から中盤にかけて最も重要なのは「リソースの確保」と「パーティの安定」です。
私が提唱する選定基準は以下の3点です。
- リターン性(ROI):そのアビリティを極意化することで、アイテムやJP、お金などのリソース獲得量がどれだけ増えるか。
- 代替不可能性:装備やアイテム、他のキャラクターで代用できない唯一無二の効果を持っているか。
- 汎用性:特定のボス戦だけでなく、雑魚戦や探索においても腐らずに機能し続けるか。
この基準に照らし合わせたとき、真っ先に挙がるのが「盗む」に関連するアビリティと、JP獲得効率に関わるアビリティです。攻撃技の強化は、装備品で数値を盛ることで代替可能ですが、システムに介入するタイプの効果はアビリティでしか得られません。
本記事では、この観点から厳選したアビリティをランキング形式に近い形で紹介していきます。まずは、全プレイヤーが絶対に確保すべき「神器」とも言えるアビリティから解説します。
絶対に見逃してはいけない「盗賊」の極意化アビリティ
盗賊テリオンが持つ「もっと盗む」の衝撃的な効果
まず結論から申し上げます。何をおいても最優先で極意化を目指すべきアビリティ、それは盗賊テリオンが習得可能な**「もっと盗む」**です。
「えっ、盗む? そんな地味なスキルよりも攻撃技の方がいいのでは?」と思われるかもしれません。あるいは「すでにフィールドコマンドで盗めるから不要では?」という声も聞こえてきそうです。しかし、このアビリティの本質は「盗めること」ではなく、「盗める量が倍になること」にあります。
通常のアビリティ「盗む」やフィールドコマンドでは、対象からアイテムを1つしか入手できません。しかし、「もっと盗む」を極意化してセットすることで、成功時に得られるアイテムが2個になります。これがどれほど凄まじいことか、想像してみてください。
金策効率が文字通り「倍」になる
本作においてお金(リーフ)は常に不足しがちです。強力な装備を購入するため、宿屋に泊まるため、あるいは特定のクエストをクリアするために、多額の資金が必要になります。
このゲームには換金専用アイテムが存在します。例えば「猫の髭」などがそれに当たりますが、これを敵から盗んで売却するのが金策の基本の一つです。「もっと盗む」があれば、一度のアクションでこの高額換金アイテムが2つ手に入ります。例えば、1つ売れば4万リーフになるアイテムなら、一瞬で8万リーフの稼ぎになります。
これをゲーム全体を通して積み重ねると、数百万リーフ単位での差が生まれます。序盤からこのアビリティを持っているかどうかで、購入できる装備のグレードが変わり、結果として攻略難易度が激変するのです。
貴重な消費アイテムの確保
回復アイテムやステータスアップのナッツ類など、店売りしていない、あるいは高価で買えないアイテムを敵から調達する場合も同様です。SP回復のプラムや、復活のオリーブなどを倍の速度で備蓄できれば、ボス戦での安定感が段違いになります。
必殺技「投士エベルの技」とのシナジー
さらに特筆すべきは、この効果が通常のアビリティだけでなく、必殺技である「投士エベルの技」による盗み効果にも適用される点です。全体攻撃しながら敵全員からアイテムをぶんどる際、その全てが2倍になります。
私は主人公には常にこの「もっと盗む」をセットしています。主人公の攻撃ターンで「トリプルアタック」や「ためる」を使うのも良いですが、雑魚戦や余裕のあるターンでは徹底して盗みを働き、リソースを確保する。これがオクトラ0を快適に生き抜くための最適解の一つです。
育成効率を最大化する「商人」の極意化戦略
次に優先すべきは、キャラクターの育成速度に直結するアビリティです。RPGにおいて「稼ぎ作業」は避けて通れませんが、その時間を短縮できれば、よりストーリーや探索に時間を割くことができます。そこで輝くのが「商人」です。
最優先:JP稼ぎの要「幸運の矢」
商人のアビリティの中で、そして全アビリティの中でもトップクラスに極意化を推奨したいのが**「幸運の矢」**です。
このアビリティの効果は、敵にダメージを与えつつ、そのダメージ量や条件に応じて獲得JP(ジョブポイント)を増加させるというものです。JPはこのゲームにおいてアビリティを習得するための通貨そのものです。
驚異的なJP獲得量の実例
実際に私が運用しているデータでの実例を挙げましょう。危険度55程度のエリアで、普通に戦闘した場合と「幸運の矢」を主軸にした稼ぎプレイをした場合では、獲得JPに雲泥の差が出ます。
例えば、通常戦闘で得られるJPが数十程度だったとしても、「幸運の矢」を適切に運用し、大ダメージを与えてトドメを刺すことで、1回の戦闘で200以上のJPを稼ぎ出すことも可能です。これを繰り返すことで、本来なら数時間かかるアビリティ習得を、数十分で完了させることができます。
「アビリティを覚えるためのJPを稼ぐために、まずはJPを使って『幸運の矢』を覚える」。一見矛盾しているように感じるかもしれませんが、これこそが最も効率的な投資です。最初にこのシステムを構築してしまえば、後の薬師や剣士、学者といった他ジョブの育成も圧倒的なスピードで進みます。
セットで運用したい「BPパサー(BP取引)」
「幸運の矢」の効果を最大化するためには、BP(ブーストポイント)を使って威力を底上げする必要があります。しかし、戦闘開始直後はBPが溜まっていません。そこで必要になるのが、商人のもう一つの重要アビリティ**「BPパサー(BP取引)」**です。
主人公だけでなく、パーティメンバー(例えばフェンなど)にも商人のジョブを持たせ、お互いに「BPパサー」や「幸運の矢」を使い回す連携が強力です。
- サポート役がアタッカーにBPを渡す(BPパサー)。
- アタッカーがブーストMAXで「幸運の矢」を放つ。
- 敵をオーバーキルし、大量のJPを獲得する。
このループを確立することで、雑魚戦が単なる作業から「宝の山」へと変わります。
速度調整のテクニック:禁断の大弓と受走返しの首輪
ここで一つ、上級者向けのテクニックを紹介します。「幸運の矢」で効率よく敵を倒すためには、敵が動く前にこちらが行動する「先制」が重要になります。また、ダメージを出すために強力な弓も必要です。
そこでおすすめなのが**「禁断の大弓」**です。この武器は非常に高い攻撃力を持っていますが、デメリットとして「行動速度 -100」という強烈なマイナス補正が付いています。普通に使えばターン順が最後になってしまい、使い勝手が悪いです。
しかし、ここで公益品として入手可能なアクセサリー**「受走返しの首輪」**を組み合わせます。このアクセサリーには「装備のマイナス補正をプラスに反転させる」という特殊効果があります。
つまり、禁断の大弓の「速度 -100」が「速度 +100」に変わるのです。
- 高い攻撃力(禁断の大弓の基本性能)
- 圧倒的な行動速度(+100のボーナス)
この二つを両立させた「高速高火力アーチャー」が完成します。これで開幕から先制を取り、敵が動く前に「幸運の矢」で一掃してJPを稼ぐ。これが私が実践している最強の稼ぎスタイルです。
合わせてセットしたいサポートアビリティ
商人で稼ぎを行う際、以下のサポートアビリティを組み合わせるとさらに快適になります。
- 戦闘後回復(フェンなどが習得):戦闘終了時にHPやSPが回復します。「幸運の矢」はSPを消費しますが、これがあれば宿屋いらずで無限に狩りを続けられます。「消費SPダウン」よりも、こちらの方が継戦能力への貢献度が高いです。
- 入手金額アップ:商人のパッシブスキル。JPと一緒にリーフも稼いでおけば、装備更新がスムーズになります。
安定攻略の鍵を握る「サポート系」アビリティの極意化
攻撃や稼ぎだけでなく、強敵との戦いを制するための守りの要、それがサポート職です。特に神官と踊り子のアビリティ選択は、パーティの生存率に直結します。
神官:中盤以降必須になる「全体回復魔法」
最序盤は単体回復魔法やアイテムでなんとかなりますが、中盤以降、敵の全体攻撃が激化してくると、単体回復では追いつかなくなります。そこで優先して極意化したいのが、神官の**「回復魔法(全体/列回復)」**です。
特にローラナのようなキャラクターを使用している場合、彼女は初期状態では単体回復しか持っていないことがあります(あるいはリジェネ系のみ)。瞬間的にパーティ全体を立て直す手段として、このアビリティの極意化はほぼ必須と言えます。
全滅のリスクを減らすことは、結果的に時間の節約にもなります。ボス戦で何度もリトライする苦行を避けるためにも、早めに全体回復手段を確保しておきましょう。
奇跡のベール(自動復活)の重要性
もう一つ、神官で見逃せないのが**「奇跡のベール」やサポートアビリティの「自動復活」**です。
「戦闘不能になった時に一度だけ復活する」。この効果が弱いわけがありません。特に初見のボス戦では、予期せぬ大ダメージで即死級の攻撃を受けることが多々あります。そんな時の保険として、これがあるだけで全滅を防げる可能性が格段に上がります。
ただし、サポートアビリティの枠は貴重なので、最終的には装備や他の手段で補うことも検討すべきですが、装備が整わない段階では神官のスキルでカバーするのが賢い選択です。
踊り子:獲得JPアップの有無で優先度が変わる
踊り子の極意化優先順位は、プレイヤーの環境によって大きく異なります。具体的には**「デジタルデラックスエディション」を購入しているかどうか**です。
デラックス版の特典などで「獲得JPアップ」の装備やアクセサリを最初から持っている場合、踊り子のアビリティで同様の効果を得る必要性は薄れます。しかし、持っていない場合は話が別です。
通常版プレイヤーなら最優先候補
もしJPアップ手段を持っていないなら、踊り子が習得できる**「獲得JPアップ」**のサポートアビリティは、商人の「幸運の矢」と並んで最優先(2番手、3番手あたり)で取得すべきです。これがあるだけで、ゲーム全体の育成スピードが1.2倍〜1.5倍になります。
BPプラスの恩恵
また、踊り子のサポートアビリティ4つ目にある**「BPプラス」**も強力です。戦闘開始時のBPが1つ増える効果ですが、これは「幸運の矢」による稼ぎとも相性抜群です。開幕から強力なブースト攻撃が可能になるため、1ターンキルが容易になり、結果としてJP獲得効率が向上します。
バフ系のアビリティに関しては、他のジョブでも代用が効く場合が多いので、まずはこの「システム面で有利になるスキル」を優先して極意化しましょう。
探索と戦闘を快適にする「学者・盗賊」のサブスキル
ここからは、必須ではないものの、あると非常に便利な「QOL(Quality of Life=生活の質)向上」系のアビリティを紹介します。
学者:几帳面なプレイヤーに捧ぐ「予習」
学者のアビリティ**「予習」**は、戦闘開始時に敵の弱点を一つ開示する効果(あるいはそれに準ずる効果)を持っています。
これは戦闘の難易度を劇的に下げるものではありませんが、精神衛生上非常に重要です。「モンスター図鑑の弱点欄が『?』のままだと気持ち悪い」「初見の敵にいちいち全属性を試すのが面倒くさい」というプレイヤーにとっては、神アビリティとなります。
私は弱点が埋まっていないと落ち着かないタイプなので、かなり早い段階で極意化しました。結果、探索時のストレスが減り、スムーズに弱点攻撃へ移行できるようになりました。
火力の底上げ「魔力の呼吸」
学者のもう一つの強みは**「魔力の呼吸」**などの属性攻撃強化系パッシブです。オクトラ0では序盤から属性攻撃力を上げる装備が比較的多く手に入ります。アレクシアのような魔法アタッカーにこのスキルを持たせることで、ダメージを飛躍的に伸ばすことができます。物理攻撃が通りにくい敵に対する切り札として、早めに確保しておくと良いでしょう。
盗賊:戦闘をコントロールする「弱体効果ターン増加」
冒頭で「もっと盗む」を紹介しましたが、戦闘用のアビリティとしては**「弱体効果ターン増加」**が優秀です。
デバフ(攻撃ダウンや防御ダウン)の効果ターンを1ターン延長する効果ですが、これが地味ながら強力です。例えば、主人公が習得しているであろう**「視中抜き(または死中活殺断系の技)」**などのデバフ技と組み合わせることで、真価を発揮します。
通常2ターンのデバフが3ターンになる。たった1ターンの違いですが、ボス戦ではその1ターンが生死を分けることがあります。デバフのかけ直し頻度が減れば、その分攻撃に手数を回せるため、トータルのダメージ効率も向上します。
また、盗賊には「トラップ」などの搦め手もありますが、発動条件が受動的(ダメージを受けた時など)である場合、回避主体の盗賊とは相性が悪い可能性もあり、優先度は一段下がります。まずは確実性のある「ターン増加」を狙いましょう。
後回しでも問題ない? その他のジョブについての見解
最後に、優先度を下げても良いジョブについて触れておきます。決して弱いわけではありませんが、序盤の貴重なJPを投入するにはコストパフォーマンスが悪いと判断したものです。
狩人:意外と後回しでOK
狩人にも「獲得経験値アップ」などの魅力的なスキルがありますが、商人のJP稼ぎや盗賊のアイテム収集に比べると、優先度は下がります。「レベル」よりも「アビリティ(JP)」と「装備(金)」の方がキャラクターの強さに直結しやすいゲームバランスだからです。
また、「粘着糸」や「波状射撃」などの妨害・攻撃スキルも便利ですが、必須級かと問われれば疑問符が付きます。盗賊から商人へジョブチェンジしていく流れの中で、無理に寄り道してまで取る必要はないでしょう。
薬師:アイテムで代用可能
薬師の「健全化(状態異常無効)」や「復活」は強力ですが、これらはアイテムで完全に代用可能です。お金さえあれば(そして「もっと盗む」があれば)、薬はいくらでも手に入ります。
JPを使ってまでスキルの枠を埋めるよりは、アイテムを使ってそのターンを凌ぐ方が、戦略の幅が狭まらずに済みます。もちろん、アイテム禁止縛りなどのプレイなら話は別ですが、通常プレイなら後回しで構いません。
剣士:晩成型の大器
剣士は非常に強力なジョブですが、その真価が発揮されるのは終盤です。「限界突破ダメージ」を出せるようになるには、相応の攻撃力と装備、そしてサポートアビリティ(渾身の力など)が揃う必要があります。
序盤・中盤では、「カブト割り」での防御ダウン要員として機能しますが、それ以外のアタッカー性能としては、魔法職や弓職の方が手軽にダメージを出せる場面が多いです。「2回攻撃で大ダメージ」などのロマン砲は、JPと装備が潤沢になってから楽しむ「大人の遊び」として取っておきましょう。
まとめ:効率的な極意化ロードマップ
最後に、今回紹介した内容を整理し、おすすめの極意化手順をまとめます。
- 最序盤:盗賊テリオンの**「もっと盗む」**を何よりも優先して確保。金策とアイテム収集の基盤を作る。
- 序盤〜中盤:商人になり**「幸運の矢」と「BPパサー」**を極意化。JP稼ぎのシステムを確立し、育成速度を加速させる。
- この時、「禁断の大弓」+**「受走返しの首輪」**のコンボで先制1ターンキルを目指す。
- 中盤:パーティの安定化。神官の**「全体回復」や学者の「予習」**を取得し、ボス戦や探索のストレスを減らす。
- デラックス版未購入者は、ここで踊り子の**「獲得JPアップ」**も挟む。
- 中盤〜終盤:火力の増強。学者の**「魔力の呼吸」や盗賊の「弱体効果ターン増加」**で、ボス戦のタイムを縮める。
- 終盤:剣士などのロマン火力へ投資。ここまで来ればJPは余っているはずなので、自由にカスタマイズを楽しむ。
オクトラ0は、知識がそのまま強さに直結するゲームです。今回紹介したアビリティを優先して取得することで、無駄な足踏みをすることなく、この素晴らしい物語をエンディングまで駆け抜けることができるでしょう。
特に「まだ推奨レベル31なのにプレイ時間30時間超え」というような、寄り道大好きなプレイヤー(私です)こそ、効率的なリソース管理が必要です。ぜひ、このガイドを参考に、あなただけの最強パーティを作り上げてください。
それでは、良き旅を!






