編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、アップデート第4弾で追加された「巨戟アーティア武器」の厳選や、複雑な仕様の正解がわからずに悩んでいることと思います。 特に今回の強化システムは、かつてのシリーズに見られた「テーブル方式」に近い仕様となっており、適当に進めてしまうと取り返しのつかない要素が含まれているため、慎重になるのも無理はありません。
この記事を読み終える頃には、巨戟アーティアの最適な選び方からリセマラによるスキル厳選の仕組みまで、全ての疑問が解決しているはずです。
- 巨戟アーティアは属性特化一択のバランス
- 強化結果は固定テーブル制でリセマラ可能
- 本命武器のために捨て武器でテーブルを進める
- ゴグマジオスのシリーズスキル付与が最終目標
それでは解説していきます。
巨戟アーティア武器の基本仕様と3つの強化派生
アップデート第4弾の目玉として実装された「巨戟(きょげき)アーティア」シリーズ。 これまでの武器強化とは異なり、ベースとなるアーティア武器に対して特殊な強化を施すことで性能が変化するシステムが採用されています。
この強化システムにおいて最も重要な点は、**「一度選ぶと二度と元には戻せない」**という不可逆性にあります。 適当に選んでセーブをしてしまうと、貴重な素体を無駄にしてしまうことになるため、まずは3つの強化派生の仕様と、それぞれのメリット・デメリットを完全に理解しておく必要があります。
以下に、それぞれの強化タイプの詳細なスペックと、現環境における評価を解説します。
攻撃タイプ強化(物理特化)の罠
まず最初に選択肢として現れるのが「攻撃タイプ」への派生です。 一見すると物理火力が大幅に上がる魅力的な選択肢に見えますが、詳細なステータス変動を見ると、その実用性には大きな疑問符がつきます。
- 攻撃力: +48
- 会心率: -15%
攻撃力が48上昇するという数値自体は非常に強力です。 しかし、その代償として支払う「会心率-15%」というデメリットがあまりにも大きすぎます。
モンハンワイルズの現環境において、会心率はダメージ期待値を底上げするための最も重要なステータスの一つです。 超会心運用が主流となっている中で、マイナス会心を背負うことは、スキル構築の難易度を跳ね上げることを意味します。 このマイナス15%を打ち消すために「見切り」や「渾身」などのスキル枠を割かなければならず、結果として他の火力スキルや快適系スキルを積むスペースが圧迫されます。
一部の「抜刀攻撃」を主体とする大剣や、会心率の影響を受けにくい固定ダメージ主体のガンランス(砲撃メイン)であれば採用の余地があるかもしれません。 しかし、それ以外の大多数の武器種においては、攻撃力上昇分がマイナス会心による期待値低下で相殺、あるいはマイナスに働いてしまうケースが多く、「調整ミスではないか」と疑いたくなるほどの不遇な性能と言わざるを得ません。
会心タイプ強化(テクニカル)の欠点
次に「会心タイプ」の強化です。 こちらは会心率を引き上げる代わりに、基礎攻撃力と属性値を犠牲にする調整となっています。
- 会心率: +10%
- 攻撃力: -48
- 属性値: -10
結論から言えば、この選択肢も**「選んではいけない」**地雷枠と言えます。 会心率が10%上昇する恩恵に対して、失うステータスが「攻撃力-48」かつ「属性値-10」というのは、あまりにもトレードオフのバランスが崩壊しています。
攻撃力48のマイナスは、武器の基礎火力を大きく損なう数値です。 会心率10%の上昇(超会心発動時でダメージ1.4倍の発生確率が10%増える)程度では、この基礎攻撃力の低下を到底カバーできません。 さらに属性値まで低下するため、汎用性も専門性も中途半端な仕上がりになります。
現状のダメージ計算式に当てはめて考えても、この派生を選ぶメリットが見出せるのは、極端に会心率が低く設定されている一部の特殊な武器を無理やり運用する場合に限られるでしょう。 しかし、あえてアーティア武器でそれを行う必要性は皆無です。
属性化(属性特化)こそが唯一の正解
最後に、そして最も推奨されるのが「属性化」です。 現状の巨戟アーティア武器において、事実上の「一択」とも言える正解ルートがこちらになります。
- 属性値: +50
- 会心率: -5%
属性値が+50されるという破格の強化幅に対し、デメリットは会心率-5%のみです。 攻撃タイプや会心タイプと比較して、デメリットが許容範囲内に収まっています。 属性値+50は、手数が多い双剣や片手剣、弓などはもちろん、属性ダメージの比重が高まっている今作の環境においては、大剣やハンマーなどの重量級武器であっても十分に恩恵を受けられる数値です。
さらに、斬れ味ゲージの変化についても触れておく必要があります。 この強化を行うことで、斬れ味ゲージの構成が若干変化します。 青ゲージの長さが変わるなどの微細な変化ですが、運用に支障が出るレベルではありません。 むしろ、属性特化にすることで得られるダメージ効率の向上は、多少の斬れ味ケアの負担を補って余りあるメリットをもたらします。
開発側の意図として「アーティア武器は属性武器として運用してほしい」という明確なメッセージが読み取れます。 迷ったら、というより、基本的にはこの「属性化」を選ぶことになります。
リセマラの準備とテーブル管理の仕組み
巨戟アーティア武器の強化における最大の特徴は、付与される追加スキルが**「完全ランダムではない」**という点にあります。 これは過去作における「お守りテーブル」や「錬金テーブル」と同様のシステムで、プレイヤーごとに「次に何が出るか」という乱数の並び(シード)があらかじめ決まっています。
つまり、セーブせずにリセットして同じ手順を繰り返しても、必ず同じ結果(同じスキル)が出現します。この仕様を逆手に取ったのが、今回解説する「リセマラ(リセットマラソン)」、より正確には「乱数調整による未来予知と厳選」です。
必要な準備物と心構え
厳選を始める前に、以下の準備を整えておく必要があります。
- 本命のアーティア武器: 自分がメインで使用したい、最終的に強化を施したい武器です。
- 捨て枠のアーティア武器(複数本): 乱数テーブルを進めるために消費する、通称「捨て武器」です。 素材に余裕があれば、不要な武器種のアーティア武器を複数生産しておきましょう。
- 大量の強化素材: 巨戟龍ゴグマジオスの素材など、強化に必要な素材を大量にストックしておく必要があります。 リセマラ中に素材が尽きると効率が著しく低下するため、事前の周回が必須です。
- オートセーブの無効化: これが最も重要です。 設定画面からオートセーブを必ず「OFF」にしてください。 厳選中にオートセーブが挟まると、素材を消費した状態で固定されてしまい、やり直しがきかなくなります。
テーブル(乱数)消費のメカニズム
このシステムのキモは、「強化を実行するたびに、内部的なカウンターが1つ進む」という点です。
例えば、あなたのデータにおける強化結果の並びが以下のようになっていると仮定します。
- 1回目:ハズレスキルA
- 2回目:ハズレスキルB
- 3回目:神スキル(ゴグマジオスシリーズスキル+根性)
- 4回目:ハズレスキルC
普通に本命武器を強化してしまうと、1回目の「ハズレスキルA」が付与されてしまいます。 そこで、どうにかして1回目と2回目を「捨て武器」で消化し、3回目のタイミングで「本命武器」を投入する。 これが今回のリセマラの全容です。
実践!巨戟アーティア厳選の具体的フロー
それでは、実際の手順をステップバイステップで解説します。 ミスをすると取り返しがつかないため、手順を一つずつ確認しながら進めてください。
手順1:現状の確認と未来予知
まず、セーブを行います。ここがスタート地点(ベースキャンプ)となります。 次に、手持ちの素材と武器を使って、連続で強化を行っていきます。 ここでは本命武器を使っても、捨て武器を使っても構いません。 とにかく「何回目に」「どんなスキルが出るか」を確認することが目的です。
例えば、10回分の強化を行ってみましょう。 1回目から10回目まで、付与されたスキル(シリーズスキルや発動スキル)をメモに記録します。 この時点では、良いスキルが出なくても気にする必要はありません。 あくまで「未来を見る」作業です。
手順2:リセット(セーブせずにタイトルへ)
10回分の結果を確認し終えたら、絶対にセーブをせずにゲームを終了し、タイトル画面に戻ります。 そしてデータをロードし直します。 これで、素材と武器は強化前の状態に戻っていますが、あなたの手元には「これから先の10回で何が出るか」という情報(メモ)が残っています。
手順3:当たり枠の特定と調整
メモを確認し、自分の欲しいスキルセットが出現する回数を特定します。 仮に「3回目」に、狙っていた「ゴグマジオスのシリーズスキル」と「甲虫の擬態」が出現するとしましょう。
ロード直後の状態は「0回強化した状態」です。 つまり、次に行う強化が「1回目」となります。
ここで「捨て武器」の出番です。 どうでもいいアーティア武器を使用して、1回目と2回目の強化を行います。 これでハズレの結果を捨て武器に吸わせ、内部カウンターを「2回終了」まで進めます。
手順4:本命武器の投入
カウンターが調整できたところで、満を持して「本命武器」の強化を行います。 これで、先ほど確認した3回目の結果である「ゴグマジオススキル」などが、本命武器に付与されることになります。
もし、10回の中に当たりがなかった場合はどうすればいいでしょうか? その場合は、捨て武器を使って10回分全ての乱数を消化し、そこで一度セーブを行います。 これでスタート地点が「10回消化後」に更新されます。 そこから再び手順1に戻り、次の10回分の未来予知を行います。 これを、理想のスキルが出るまで延々と繰り返すのが、今回の厳選(リセマラ)作業です。
付与されるスキルの詳細と狙い目
巨戟アーティアの強化で付与されるスキルは、2つの枠がランダムで選ばれます。 通常の防具スキルに加え、特定のモンスターのシリーズスキル(セット効果の一部)が付与されることもあります。 ここでは、特に狙うべき強力なスキルについて解説します。
ゴグマジオスのシリーズスキル
今回のアップデートで追加された「巨戟龍ゴグマジオス」。 その防具が持つシリーズスキルが付与される可能性があります。 詳細な効果は防具レビュー記事に譲りますが、アーティア武器との相性は抜群です。 特に属性値をブーストする効果や、特定の条件下で火力が跳ね上がる効果が含まれている場合、これを武器側で1部位分確保できるのは革命的です。 防具の組み合わせ(キメラ装備)の自由度が飛躍的に向上するため、最優先で確保したいスキルの一つです。
根性・果敢(こんじょう・かかん)
高難易度クエストにおいて生存率を高めるスキルです。 ワイルズのエンドコンテンツ級モンスターは即死級の攻撃を多用してくるため、武器スキルで保険をかけられるのは大きなアドバンテージになります。 特にマルチプレイにおいては、乙らないことが最大の火力貢献になる場面も多いため、汎用性を重視するなら当たりの部類に入ります。
連撃強化
手数の多い武器種(双剣、片手剣、操虫棍など)で属性化を選んだ場合、このスキルとのシナジーは最強クラスです。 攻撃を当て続けることで属性値や攻撃力が段階的に上昇していくスキルですが、武器自体に内蔵されることで、防具側のスキル枠を「属性攻撃強化」や「会心撃【属性】」などに回すことができます。 属性メタを組む上でのゴール地点と言えるでしょう。
甲虫の擬態(こうちゅうのぎたい)
情報ソースで触れられていたスキルです。 一見地味なスキルに見えますが、特定の環境下や特定のモンスターに対して絶大な効果を発揮する可能性があります。 アーティアシリーズ自体が古代の技術や虫素材に関連していることから、フレーバー的な意味合いも強いですが、複合スキルとして優秀な効果を持っている場合、採用の余地があります。
復元強化(フクゲン)の仕様とアップグレード
スキル厳選が終わった後も、強化は終わりではありません。 「復元強化」と呼ばれるプロセスで、さらに武器のステータスを底上げしていく必要があります。 ここでも仕様を理解していないと、せっかく厳選した武器を弱体化させてしまう恐れがあります。
復元ボーナスの継承
復元強化を行う際、「現在の復元ボーナスを継承して強化する」か、「ボーナスをリセットして再抽選する」かを選ぶことができます。 基本的には**「継承」**を選んで強化していくのがセオリーです。
既に理想的なボーナス構成(例:属性強化特化)になっている場合、リセットを選ぶメリットは皆無です。 素材を投入してランクを上げるだけで、純粋に数値が伸びていきます。
ボーナスの構成パターン
復元ボーナスには、いくつかのパターンが存在することが確認されています。 主に以下の2つの要素の組み合わせで構成されます。
- 属性強化II
- EX強化
観測されているパターンとしては以下の通りです。
- パターンA: 属性強化II(2つ) + EX強化(3つ)
- パターンB: 属性強化II(3つ) + EX強化(2つ)
ここで重要なのが、「斬れ味強化」はEX枠にしか存在しないという点です。 「斬れ味強化II」というボーナスは存在しません。 したがって、斬れ味を伸ばして紫ゲージ運用などを目指す場合は、EX枠が多いパターン、あるいはEX枠に確実に斬れ味強化が入っている構成を引く必要があります。
属性特化運用をする場合、単純な属性値の伸びだけで言えば「属性強化II」が多いパターンBの方が優秀なケースが多いですが、斬れ味補正(白ゲージと紫ゲージの倍率差)を考慮すると、EX枠で斬れ味を確保した方が最終的なダメージ期待値が高くなることもあります。 このあたりは、使用する武器種の手数や、スキル「匠」「業物」との兼ね合いで最適解が変わってきます。
効率的な素材集めと周回ルート
このリセマラ作業には、大量の「巨戟龍の素材」と、ベースとなるアーティア武器の生産素材が必要です。 効率よく厳選を進めるための周回ポイントをまとめます。
巨戟龍ゴグマジオスの周回
強化のたびに要求されるゴグマジオス素材は、今回の厳選における最大のストッパーです。 ゴグマジオスは体力が非常に多く、長期戦になりがちなモンスターです。
- 肉質理解: 斬撃、打撃、弾丸の通りが良い部位を把握し、弱点特効を確実に発動させる。
- 属性攻略: ゴグマジオスには龍属性や火属性が有効な場合があります(形態変化による)。巨戟アーティア武器(龍属性)を作成中であれば、未完成でも対ゴグマジオス用として機能する場合があります。
- 撃龍槍の活用: フィールドギミックをフル活用してダウンを奪い、総火力を叩き込む手順をパーティ内で共有しましょう。
廃棄用アーティア武器の量産
「捨て武器」としてのアーティア武器は、最も生産難易度が低いグレードのもので構いません。 太古の破片や、探索で手に入る素材を使って量産します。 探索ツアーのルートを最適化し、採掘ポイントを効率よく回るマイセット装備を作っておくことを強く推奨します。 「植生学」や「地質学」スキルを発動させた採取用装備で、1周5分程度のルートを構築すれば、1時間で10本程度の捨て武器素材は集まるでしょう。
まとめ:巨戟アーティアはエンドコンテンツの入り口
今回の巨戟アーティア武器の実装は、モンハンワイルズにおけるやり込み要素を一段階引き上げるものとなりました。 仕様が複雑で、一見すると不親切に感じる部分もありますが、理解して挑めば「自分だけの最強武器」を作り上げる喜びがあります。
最後に、今回の記事の要点をまとめます。
- 強化タイプは「属性化」一択。 攻撃・会心タイプはデメリットが大きく推奨できない。
- 結果はテーブル管理されている。 セーブ&ロードだけでは結果が変わらないため、捨て武器で乱数を調整する。
- シリーズスキルを狙う。 ゴグマジオス装備のスキルなど、通常では不可能なスキル構成を目指すのがゴール。
- 復元は継承が基本。 ボーナス構成を維持したままグレードアップを行う。
厳選作業は根気が必要ですが、完成した時の達成感と性能は本物です。 アップデート第4弾の環境を制するために、ぜひこの記事を参考にして最強のアーティア武器を作成してください。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。







