編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、アップデート第4弾で追加された「巨戟(きょげき)アーティア」武器の性能や、複雑化した復元ボーナスの最適解が気になっていると思います。特に、エンドコンテンツ特有の「厳選」において、失敗したくないという思いが強いのではないでしょうか。
膨大な時間をかけて素材を集めても、仕様を理解していないと最強の武器は完成しません。私自身、検証のために数多くの「ゴグマジオス」を討伐し、何度もリセットを繰り返してきました。
この記事を読み終える頃には、あなたの武器種に合った「巨戟アーティア」の理想形が明確になり、迷いなく強化を進められる状態になり、厳選のゴール地点が見えているはずです。
- 巨戟アーティアは「激化タイプ」の選択が運用の鍵を握る
- 復元ボーナスの新要素「EX」には重複上限の罠がある
- 剣士の理想形は「攻撃EX×2・属性EX×2・斬れ味EX×1」の構成
- グループスキルは「根性果敢」が汎用性・安定性ともに最強
それでは解説していきます。
巨戟アーティア武器の基礎知識と激化タイプ
第4弾大型タイトルアップデートにて、ついに解禁された「巨戟アーティア」シリーズ。 従来のアーティア武器をベースにしつつ、古龍「ゴグマジオス」の素材を用いることで、現環境トップクラスの性能へと昇華させることが可能です。
最大の特徴は、作成時に選択する「激化タイプ」と、新たな乱数要素である「EX復元ボーナス」の実装です。 これにより、同じ武器であってもプレイヤーの選択と運によって性能が大きく異なる、まさに自分だけの最強武器を作り上げるコンテンツとなっています。
まずは、ベースとなる「激化タイプ」の選び方から解説していきましょう。 この選択を間違えると、後の復元ボーナスでどれだけ神引きをしても取り返しがつかないため、慎重に選ぶ必要があります。
攻撃激化タイプの特徴とメリット
多くの武器種で採用候補の筆頭となるのが「攻撃激化タイプ」です。 基礎攻撃力が大きく上昇する反面、会心率にマイナス補正がかかるという、モンハンシリーズではおなじみの「高火力・低会心」のステータス配分となります。
具体的な補正値は以下の通りです。
| 項目 | 補正内容 |
|---|---|
| 基礎攻撃力 | +10 〜 +15(武器種による) |
| 会心率 | -10% 〜 -15% |
| 属性値 | 変動なし または 微減 |
今作の環境において、攻撃力の上昇はダメージ計算において最も影響力の大きい要素の一つです。 特に、モーション値の高い大剣やハンマー、チャージアックスなどの重量級武器においては、この基礎攻撃力の底上げが最終的なダメージに直結します。
マイナス会心については、スキル「見切り」や「弱点特効」、あるいは後述する復元ボーナスでカバーすることが可能です。 基本的には「迷ったら攻撃激化」という選択肢が多くの物理寄り武器において正解となります。
会心激化タイプの運用難易度
次に「会心激化タイプ」ですが、こちらは玄人向けの調整となっています。 基礎攻撃力が低下する代わりに、初期会心率がプラスに転じるタイプです。
| 項目 | 補正内容 |
|---|---|
| 基礎攻撃力 | -10 |
| 会心率 | +10% |
| 属性値 | 変動なし |
一見すると、スキル構築の自由度が上がるように見えます。 しかし、現状のダメージ計算式においては、基礎攻撃力を下げてまで会心率10%を得るトレードオフは、火力面で劣るケースがほとんどです。
特に「巨戟アーティア」を作成できるランク帯のハンターであれば、防具や装飾品で会心率100%(超会心運用)を達成することは難しくありません。 あえて武器側で会心率を盛る必要性が薄く、最高火力を目指すのであれば選択肢から外れることが多いでしょう。
ただし、例外として「会心発生時に特殊な効果が発動する」スキル構成や、どうしてもスキル枠が足りない場合の妥協点としては機能します。
属性激化タイプの可能性と双剣での採用
今回のアップデートで注目すべきは「属性激化タイプ」です。 特に手数の多い双剣や弓においては、このタイプが最適解となるケースが確認されています。
| 項目 | 補正内容 |
|---|---|
| 基礎攻撃力 | 変動なし |
| 会心率 | -5% |
| 属性値 | +30 〜 +40 |
今回のアプデにより、ハンターのステータスにおける「属性値の上限キャップ」が緩和されました。 これにより、今まで以上に属性値を盛ることの恩恵が大きくなっています。
双剣を例に挙げると、攻撃激化タイプを選んで物理ダメージを伸ばすよりも、属性激化タイプを選んで属性値を底上げした方が、トータルダメージが高くなる傾向にあります。 また、双剣はスタミナ管理の都合上、「渾身」などの会心スキルを維持しにくい場面があるため、会心に依存しすぎない属性特化は理にかなっています。
斬れ味ゲージへの影響
激化タイプを選択する際に見落としがちなのが「斬れ味ゲージ」の変化です。 一部の武器では、会心激化を選ぶと「青ゲージが伸びて白/紫ゲージが短くなる」といったデメリットが発生することが確認されています。 最高火力を維持する白・紫ゲージの長さはDPSに直結するため、攻撃力や属性値だけでなく、斬れ味の変化も必ず確認してから決定しましょう。
武器種ごとの特殊変化(狩猟笛・ガンランス・ボウガン)
一部の武器種では、ステータス数値以外の部分に大きな変化が現れます。 ここを見落とすと「作りたかった武器と違う」という事態になりかねません。
狩猟笛(旋律の変化) 狩猟笛は激化タイプによって「旋律(響玉)」の種類が変化します。 攻撃激化では「攻撃力UP大」が吹けるが、属性激化では「属性攻撃力UP」や「体力回復」になるといった具合です。 自身の立ち回りやパーティへの貢献度を考え、ステータスよりも旋律内容で選ぶ必要があります。
ガンランス(砲撃タイプ) ガンランスは激化タイプによって「砲撃タイプ」が変わります。 通常型、放射型、拡散型のどれになるかが激化タイプに紐づいているため、自身のプレイスタイル(フルバースト主体か、突き主体かなど)に合わせて選ぶ必要があります。 現状では「拡散型」の人気が高いため、それに対応する激化タイプ(多くの場合、攻撃激化)が選ばれる傾向にあります。
ボウガン(弾種の変化) ライトボウガン・ヘビィボウガンは、撃てる弾の種類や「速射」「単発自動装填」の対応弾が変化します。 今回のアプデで通常弾が強化されたことを受け、攻撃激化で「通常弾速射」を狙うか、属性激化で「属性弾」の装填数を増やすか、明確な目的を持って選ぶ必要があります。
復元ボーナス「EX」の仕様と落とし穴
巨戟アーティアの真価を発揮させるのが「復元強化」です。 ここで付与されるボーナスステータスが、武器の性能を決定づけます。
今回から追加された新要素「EXボーナス」は、通常よりも高い上昇値を持ちますが、その仕様には複雑なルールが存在します。 これを理解していないと、無駄なリセットを繰り返すことになります。
通常ボーナスとEXボーナスの違い
従来の復元ボーナスに加え、低確率で「EX」と表記された強力なボーナスが出現するようになりました。
- 通常ボーナス:上昇値は控えめ。出現率は高い。
- EXボーナス:上昇値が高い。出現率は低い(体感で5%〜10%程度)。
例えば、攻撃力強化の場合、通常枠とEX枠では最終的な数値に2倍近くの差が開くこともあります。 最強を目指すなら、可能な限り5つの枠すべてを「EX」で埋めたいと考えるのが自然ですが、ここにはシステム上の制約があります。
重複上限(スタッキング・リミット)の存在
検証の結果、**「同じ種類のEXボーナスは無限には付かない」**ということが判明しました。 具体的には以下の制限が確認されています。
| ボーナス種類 | EX重複上限 | 備考 |
|---|---|---|
| 攻撃力強化 | 最大2個まで | 3個目は出現しない、または極低確率 |
| 会心率強化 | 最大2個まで | |
| 属性値強化 | 最大2個まで | 3個目は確認できず |
| 斬れ味強化 | 最大1個まで | 2個以上つけても意味が薄い |
つまり、「攻撃力EXを5個並べて物理特化にする」ということはシステム上不可能です。 この仕様を前提に、パズルのように最適な組み合わせを構築する必要があります。
理想形A:汎用物理構成(ハンマー・大剣など)
物理火力を最優先したい武器種における理想構成です。
- 攻撃力EX
- 攻撃力EX
- 会心率EX
- 会心率EX
- 斬れ味強化EX
攻撃と会心のEX枠を上限の2つずつ確保し、残りの1枠で斬れ味ケアを行います。 多くの近接武器において、これが最もダメージ期待値の高いゴール地点となります。 斬れ味EXが1つあるだけで、紫ゲージの維持や白ゲージの長さが劇的に改善されるため、この1枠は必須級です。
理想形B:属性特化構成(双剣・弓など)
手数が多く、属性ダメージの比重が高い武器種向けの構成です。
- 攻撃力EX
- 攻撃力EX
- 属性値EX
- 属性値EX
- 斬れ味強化EX
会心率を捨て、その枠を属性値EXに振る形です。 前述の通り、今回のアプデで属性値の上限が引き上げられているため、属性EX×2の効果は絶大です。 特に双剣の場合、会心激化タイプが弱いため、この「攻撃&属性ハイブリッド」が結論構成となります。
復元強化のリセットと厳選のコツ
復元強化はランダム要素ですが、素材を消費して「リセット」が可能です。 ただし、リセットには貴重な「7色に輝く素材」や大量のゴグマジオス素材を消費します。
効率的な回し方
- とりあえず5枠埋めてみる。
- EXが1つも出ない、あるいは不要なステータスばかりなら即リセット。
- 「斬れ味EX」や「攻撃EX」が出たら、それをロック(キープ)して残りの枠を回す機能はないため、全体の結果が良いパターンが出るまで全リセットを繰り返すことになります。
非常に根気が必要な作業ですが、妥協して「通常ボーナス」で埋めた武器と、理想の「EX構成」の武器では、討伐タイムに明確な差が出ます。 妥協ラインを設けるなら「EX攻撃×2」と「斬れ味EX×1」が出た時点で終了、残りの2枠は通常ボーナスでも良しとする、といった判断も必要でしょう。
スキル付与の最適解:シリーズ&グループスキル
巨戟アーティアには、防具のようにスキルが付与されます。 「シリーズスキル」と「グループスキル」の2種類がランダムで付きますが、ここにも「当たり」と「ハズレ」が明確に存在します。
グループスキルは「根性果敢」一択の理由
グループスキルには「戦律の加護」「周囲活」など様々なものがありますが、現状の環境では**「根性果敢」**が頭一つ抜けて優秀です。
- 効果:一定以上の体力の時、即死級のダメージを受けても耐える(根性効果)。さらに攻撃力が上昇する効果が含まれる場合もある。
高難易度クエスト、特にゴグマジオスや今後追加されるであろう強化個体においては、一撃死のリスクが常に付きまといます。 食事スキルの「ド根性」と合わせることで、生存率が飛躍的に向上します。 他のサポート系スキルは、効果範囲が限定的だったり、発動条件が厳しかったりと使い勝手が悪いものが多いため、基本的には「根性果敢」が出るまで粘るべきです。
当たりシリーズスキル:黒蝕竜と巨戟竜
シリーズスキル枠では、特定のモンスター防具のセット効果が発動します。 狙い目は以下の2つです。
1. 黒蝕一体(ゴア・マガラ/シャガルマガラ系) 狂竜症を克服した際の効果時間延長や、会心率上昇などの恩恵が得られます。 火力スキルとして非常に優秀で、多くの火力装備構成とシナジーがあります。
2. 巨戟の悲哀(ゴグマジオス系) 今回の新モンスターであるゴグマジオスのシリーズスキルです。 詳細な効果はビルドによりますが、属性値の強化や、粘着状態の無効化など、対ゴグマジオス戦において有利になる効果が含まれていることが多いです。 また、属性値の上昇幅が大きいため、属性特化構成の場合はこちらが優先されることもあります。
一方で、「地質の恵み」のような採取系スキルや、汎用性の低い防御系スキルが付いてしまった場合は、残念ながらリセット対象となります。
武器種別:巨戟アーティアのおすすめ構成例
ここまで解説した要素を組み合わせた、具体的な武器種別の完成図を提示します。
双剣(Souken):属性特化の極致
双剣使いの皆様、お待たせしました。双剣における巨戟アーティアは、過去最強の属性武器になるポテンシャルを秘めています。
- 激化タイプ:属性激化タイプ
- 攻撃激化よりも、緩和された属性キャップを活かす方がトータルダメージが出るため。
- 会心激化は斬れ味低下のデメリットが痛すぎるため不採用。
- 復元ボーナス
- 攻撃EX ×2
- 属性EX ×2
- 斬れ味EX ×1
- 付与スキル
- シリーズ:巨戟の悲哀(属性強化狙い) or 黒蝕一体
- グループ:根性果敢
この構成であれば、鬼人化中の乱舞が凄まじいダメージを叩き出します。 斬れ味EXを入れることで、紫ゲージでの継戦能力を高め、研ぐ回数を減らすことが実質的な火力アップに繋がります。
ハンマー(Hammer):物理と回転のバランス
ハンマーは物理火力が重要ですが、タメ攻撃の変化や回転攻撃(ムロフシ)を多用するスタイルでは属性も馬鹿になりません。
- 激化タイプ:属性激化タイプ(または攻撃激化)
- 筆者の検証では、意外にも属性激化の方がダメージの伸びが良いケースがありました。ハンマーの手数と単発火力のバランスを考えると、属性値を底上げする恩恵は大きいです。
- 復元ボーナス
- 攻撃EX ×2
- 会心EX ×2(物理寄せの場合) または 属性EX ×2(バランス型)
- 斬れ味EX ×1
- 付与スキル
- シリーズ:黒蝕一体
- グループ:根性果敢
ハンマーは必須スキルが比較的少ないため、武器側で火力を盛れるだけ盛るのが正解です。 斬れ味ケアは必須。弾かれるリスクを減らし、ヒットストップによる爽快感を維持するためにも、斬れ味EXは最優先で確保しましょう。
狩猟笛(Hunting Horn):サポートと火力の両立
狩猟笛は旋律選びが最優先ですが、ソロや野良マルチでの火力を考慮すると以下のようになります。
- 激化タイプ:攻撃激化タイプ
- 「攻撃力UP大」の旋律が吹けるタイプを選ぶのが基本セオリー。パーティ全体の火力を底上げできるため、自身のステータス以上の貢献ができます。
- 復元ボーナス
- 攻撃EX ×2
- 防御EX ×2(生存重視) または 会心EX ×2
- 斬れ味EX ×1
- 付与スキル
- シリーズ:広域化などが含まれる支援系、もしくは生存系
- グループ:根性果敢 または 激励(周囲のステータスアップ)
笛の場合、グループスキルで「激励」が出た場合も当たりと言えます。 旋律効果と合わせてバフのスペシャリストになれるため、マルチプレイで引く手あまたとなるでしょう。
素材集めと周回効率:ゴグマジオス討伐の心得
巨戟アーティアを完成させるには、避けて通れないのが「ゴグマジオス」の連戦です。 復元強化のリセット1回につき、かなりの量の素材が溶けていきます。
周回時のポイント
- 部位破壊を徹底する
- 背中や腕、尻尾など、破壊可能な部位からはレア素材が出やすい傾向にあります。
- 特に「戦火の油」などの液体素材は、ダウン時の背中破壊などで入手効率が上がります。
- 落とし物を拾う
- 巨戟アーティアの強化には、汎用素材も大量に要求されます。戦闘中の落とし物は、命の次に大事なものです。
- マルチプレイを活用する
- ソロでの周回は精神的にも効率的にも厳しいものがあります。
- 状態異常(麻痺・睡眠)武器を持つ仲間がいると、拘束時間が増えて部位破壊がスムーズになります。
「沼」にハマらないための心構え
EXボーナスの厳選は、まさに底なし沼です。 「あと1回回せば出るかもしれない」という思考は危険です。 素材の在庫が底をつくと、またゴグマジオスへ行かなければなりません。
おすすめは、**「1日のリセット回数を決める」**こと。 今日は5回リセットしてダメなら、潔くクエスト周回に戻る。 そうすることで、モチベーションを維持しながら長く遊ぶことができます。
まとめ:自分だけの最強武器を目指して
今回の巨戟アーティア追加は、モンハンワイルズのエンドコンテンツに相応しい奥深さを持っています。 最後に、今回の記事の要点を振り返ります。
【巨戟アーティア作成のロードマップ】
- 激化タイプの選択:武器種ごとの特性(特に双剣は属性、笛は旋律)を理解して選ぶ。後戻りはできない。
- 復元ボーナスの厳選:EXボーナスの上限(攻撃2、属性2、斬れ味1)を意識し、理想の配分を目指す。
- スキルの選定:「根性果敢」と有用なシリーズスキルが付くまで粘る。
- ゴグマジオス周回:素材が尽きるまで狩り続ける。これがモンハンの醍醐味。
「移植」という抜け道が塞がれた今、近道はありません。 しかし、苦労して完成させた「理論値」の武器でモンスターを圧倒する快感は、何物にも代えがたいものです。
この記事が、あなたのハンターライフの一助となり、最高の相棒(武器)と巡り会えるきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。







