編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、長年の沈黙を破って発売された『メトロイドプライム4 ビヨンド』の評価が気になっていると思います。「本当に買う価値があるのか?」「ネットで囁かれる悪評は本当なのか?」と、購入ボタンを押す前に躊躇しているのではないでしょうか。
私自身、シリーズの大ファンとして期待に胸を膨らませてプレイしましたが、結論から言うと、その期待は裏切られる形となりました。
この記事を読み終える頃には、本作が抱える致命的な欠陥と、なぜ「期待外れ」と言わざるを得ないのか、その全貌が解決しているはずです。
- クリア時間は約13時間とボリューム不足
- ファストトラベル不在による虚無の移動
- テンポを阻害する過剰なスキャンとムービー
- 時代錯誤なギミックボスと不親切なUI
それでは解説していきます。
- メトロイドプライム4 ビヨンドの評価が「期待外れ」とされる根本的な理由
- 現代ゲームとして致命的な「不親切設計」の数々
- ゲームテンポを破壊する「スキャン」と「ムービー」の罪
- 絶望的な移動システム:ファストトラベルの不在
- アクションゲームとしての底の浅さと敵の単調さ
- 時代遅れの「ギミックボス」による作業感
- エンディングを人質に取る「アイテム収集」の強制
- 唯一の長所:多彩な戦闘システム(だが活かされていない)
- シリーズ過去作との比較:なぜここまで劣化したのか
- 【比較表】メトロイドプライム4の良い点・悪い点まとめ
- Q&A:購入を検討している方へ
- 総評:伝説の帰還どころか、シリーズの汚点になりかねない作品
- 補足:現代のメトロイドヴァニアと比較して
- まとめ
メトロイドプライム4 ビヨンドの評価が「期待外れ」とされる根本的な理由
待望の新作として世に放たれた『メトロイドプライム4 ビヨンド』。しかし、蓋を開けてみれば、多くのゲーマー、そしてシリーズファンを困惑させる出来栄えとなっていました。
私が実際にプレイし、クリアまで到達した経験に基づき断言しますが、本作は「現代のゲーム水準を満たしていない」と言わざるを得ません。なぜこれほどまでに厳しい評価を下すのか。まずはその全体像から解説していきます。
13時間で終わるスカスカのボリューム
まず、最も衝撃的だったのはそのプレイ時間の短さです。私は通常難易度でプレイしましたが、クリアまでの所要時間はわずか13時間ほどでした。探索や寄り道を含めてこの時間です。人によっては10時間程度でクリアできてしまうという報告も上がっています。
近年のフルプライスゲームにおいて、特にAAA級タイトルでこのボリュームのなさは致命的です。「質が凝縮されていれば時間は関係ない」という意見もあるでしょう。しかし、本作の場合、その13時間の中身すらも、決して濃密とは言えないのです。
ユーザーの時間を奪う「水増し」の構造
13時間という短いプレイ時間の中に、さらに深刻な問題が潜んでいます。それは、プレイ時間の多くが「無意味な移動」や「強制的なスキャン」、「スキップできないムービー」によって消費されているという点です。
つまり、純粋にアクションや謎解きを楽しんでいる時間は、実質もっと短いことになります。開発側がボリューム不足をごまかすために、あえてテンポを悪くし、プレイヤーを足止めするような構造にしているとしか思えません。これは、ユーザーの時間と財布に対する冒涜とも言えるでしょう。
現代ゲームとして致命的な「不親切設計」の数々
本作をプレイしていて常に感じるのは、「プレイヤーへの配慮の欠如」です。難易度が高いという意味での厳しさではなく、単にUIやシステムが洗練されていないことによるストレスが蓄積していきます。
直感的に理解できないチュートリアルとアクション
ゲーム冒頭、新たなアクションを入手した際の説明が非常に不親切です。通常、現代のアクションゲームであれば、短い動画や画像付きで「どのような操作で、どのような効果があるのか」を視覚的に解説します。
しかし本作では、文字だけの説明で済ませられることが多く、具体的なイメージが湧きません。「特定のギミックがないと通れない場所」があっても、どのアクションを使えばいいのか、そもそもそのアクションをどう発動するのかが直感的に分からないのです。
結果として、プレイヤーは「何をすればいいのか分からない」というストレスを抱えながら手探りで進むことを強要されます。これは「探索の楽しさ」ではなく、単なる「説明不足」です。
プレイヤーを迷子にさせる欠陥マップシステム
探索型ゲーム(メトロイドヴァニア)において、地図(マップ)は命綱です。しかし、本作のマップシステムは崩壊しています。
- ミニマップと全体マップの不一致: 画面隅に表示されるミニマップと、メニュー画面で開く全体マップで、矢印の方向感覚が一致しないことが多々あります。ミニマップでは上を向いているのに、全体マップでは下を向いているといった状況が発生し、自分がどちらに進んでいるのか即座に把握できません。
- 未踏破エリアの視認性: 全体マップでは「行っていない場所」が黒く表示されますが、ミニマップにはそれが反映されません。
- 立体構造の弊害: ダンジョン内は複雑な立体構造をしているにもかかわらず、マップが見づらいため、「どの高さに道があるのか」「どこが繋がっているのか」が判別不能です。
いちいちメニューを開き、全体マップを回転させ、ズームして確認しなければ現在地すら把握できない。この一連の作業が、探索の没入感を完全に削いでいます。
リトライ時のストレスフルな仕様
アクションゲームにおいて「死亡」はつきものですが、その後のリトライ仕様も前時代的です。
死亡してセーブポイントからやり直しになった際、一度見たムービーをスキップできない場面が多々あります。「ボスに負けたから再挑戦したい」という気持ちが高ぶっている時に、飛ばせない会話や演出を再度見せられる徒労感は計り知れません。
また、チェックポイントの配置も不明瞭で、「どこまで戻されたのか」が分かりにくく、再開時のモチベーション低下を招いています。
ゲームテンポを破壊する「スキャン」と「ムービー」の罪
『メトロイドプライム』シリーズの代名詞とも言える「バイザーによるスキャンシステム」。かつては世界観を深める要素として評価されていましたが、本作ではこれが最大のストレス要因と化しています。
強制される長時間のスキャン
ダンジョン内の謎解きや進行ルートの把握において、オブジェクトのスキャンが必須となります。しかし、その頻度と所要時間が異常です。
- 対象にカーソルを合わせる
- スキャン完了まで数秒待たされる(ピピピピ…というSEと共に)
- 表示されたテキスト(多くはどうでもいい内容)を読む
- また次の対象をスキャンする
このプロセスを延々と繰り返させられます。特にスキャン完了までの待ち時間が長く、テンポが著しく悪化しています。
「〇〇鉱石でできた~」といったフレーバーテキストは、興味がある人だけが読めばいい要素であるはずです。しかし本作では、進行上必須のスイッチ探しなどでもこの長い儀式を強要されます。最近のゲームであれば、一瞬でエリア全体をスキャンし、必要な情報だけをハイライト表示する等の快適なシステムが採用されていることが多いですが、本作は一昔前の不便さをそのまま引き継いでいます。
頻発するスキップ不可のマップ移動ムービー
エリア移動や拠点への帰還など、ロードを挟むタイミングで流れるムービーが非常に多く、しかもスキップできません。
「マップに入るたびに演出が入る」「砂漠から拠点に戻るだけで長い演出を見せられる」。これが一度や二度ならまだしも、探索ゲームという性質上、何十回と往復することになります。その度に数秒〜数十秒の時間を奪われるのです。
プレイヤーは「早く次に行きたい」「装備を整えたい」と思っているのに、ゲーム側がそれを遮る。このテンポの悪さは、テストプレイを本当に行ったのか疑いたくなるレベルです。
絶望的な移動システム:ファストトラベルの不在
2020年代のオープンワールド、あるいは広大なマップを持つ探索ゲームにおいて、「ファストトラベル(高速移動)」の実装は常識です。しかし、信じられないことに本作にはファストトラベルが存在しません。
広大な砂漠をバイクで往復する虚無の時間
本作のフィールドは、広大な砂漠と点在するダンジョンで構成されています。ダンジョンをクリアした後、次の目的地へ向かうためには、来た道を戻り、何もない砂漠をバイクで移動し、拠点へ戻らなければなりません。
- ダンジョンクリア後: 即座に脱出できず、入り口まで自力で戻る必要がある。
- 拠点への帰還: 砂漠をバイクで走り、ロードムービーを見せられ、ようやく拠点へ。
- 次の目的地へ: 再び拠点から出るムービーを見せられ、砂漠を移動し、次のダンジョンへ。
この移動時間には、新しい発見も、楽しい戦闘もほとんどありません。ただの「通勤時間」のような作業です。
「メトロイドヴァニア」としての破綻
メトロイドのような探索型ゲームの醍醐味は、「新しい能力を手に入れて、以前行けなかった場所に行くこと」です。
しかし、本作では移動があまりにも苦痛であるため、「あそこの取れなかったアイテムを取りに行こう」という意欲が湧きません。「またあの長い砂漠を移動するのか」「またあのスキップできないムービーを見るのか」と考えた瞬間、探索する気が失せてしまいます。
本来楽しいはずの「寄り道」や「再探索」が、システム上の欠陥によって「罰ゲーム」のように感じられてしまうのです。
アクションゲームとしての底の浅さと敵の単調さ
「シューティングアクション」を謳う本作ですが、肝心の戦闘部分に関しても評価できる点は極めて少ないです。
敵の種類の少なさと使い回し
冒険を進めても、出現する敵のバリエーションが乏しく、同じような敵とばかり戦うことになります。
「色違い」や「少しサイズが変わっただけ」の敵が多く、行動パターンも似通っています。そのため、新しいエリアに到達した時の「どんな敵が出るんだろう」というワクワク感がありません。インディーゲーム以下の敵の種類の少なさに、開発リソースの不足を感じざるを得ません。
FPS視点と相性の悪い「雑魚敵の大量発生」
本作は一人称視点(FPS)ですが、ボス戦以外で雑魚敵を大量に湧かせる場面が頻発します。これがFPSの視界の狭さと最悪の相性を見せます。
- 死角からの攻撃: 前方の敵を処理している間に、画面外の横や後ろから攻撃され、回避不能なダメージを受ける。
- ストレスフルな被弾: 敵を倒せば回復アイテムが出るとはいえ、理不尽な方向から殴られ続けるのは不快でしかありません。
「囲まれる恐怖」を演出したいのであれば、レーダーの強化や、背後への対抗手段など、システム側でのフォローが必要です。しかし本作にはそれがなく、ただ「見えないところから殴られる」という理不尽さだけが残ります。
爽快感のないヒット確認とロックオン
シューティングにおいて最も重要な「撃っている感覚(ヒット感)」が希薄です。敵に弾が当たっているのかどうかが視覚的・聴覚的に分かりにくく、爽快感がありません。
また、ロックオン機能も不完全で、特定の部位を狙いたいのにロックオンできない、あるいは意図しない場所に吸われるといった事態が頻発します。精密射撃を求められる場面が多いにもかかわらず、システムがそれを阻害しているのです。
時代遅れの「ギミックボス」による作業感
ボス戦に関しても、プレイヤーのスキルでねじ伏せるような熱いバトルは期待できません。大半が「特定の手順を踏まないとダメージが入らない」いわゆるギミックボスです。
「待ち時間」の長い戦闘
多くのボスは以下のような手順を強要してきます。
- ボスの攻撃をひたすら避ける
- 特定の部位が露出するのを待つ、あるいは特定のギミックを作動させる
- ボスが怯んだ隙に、特定の武器で攻撃する
この手順以外では一切ダメージが通りません。つまり、プレイヤーがどれだけ操作が上手くても、ボスの機嫌を伺い、弱点をさらけ出すのを「待つ」時間が生まれます。
失敗時の徒労感
ボス戦が長引く原因は、実質的なHPの高さにもあります。ギミックを解除してようやくダメージが通る仕様のため、何度も同じ手順を繰り返さなければなりません。
もし戦闘の後半でミスをして死亡した場合、また最初から「退屈な手順」をやり直すことになります。ボスの動きを学習して攻略する楽しさよりも、「またあの作業をやるのか」という徒労感が勝ってしまいます。これは「死にゲー」の達成感とは程遠い、単なる「面倒くささ」です。
エンディングを人質に取る「アイテム収集」の強制
本作の評価を決定的に下げているのが、クリア直前に発覚する衝撃の仕様です。
ラスダンに行ってもクリアできない?
すべてのダンジョンを攻略し、いよいよラストダンジョンへ。しかし、そこでプレイヤーは無慈悲な事実を突きつけられます。
「特定の収集アイテムを一定数以上集めないと、エンディングに到達できない」
このアイテムは、ストーリーを普通に進めているだけでは十分に集まりません。つまり、クライマックスの盛り上がり最高潮のタイミングで、プレイヤーは再びあの「ファストトラベルのない広大な砂漠」へ放り出され、アイテム回収の旅(お使い)を強制されるのです。
無理やり引き伸ばされたプレイ時間
この仕様は、明らかにボリューム不足をごまかすための措置です。本来なら任意のやり込み要素であるはずの収集を、クリア必須条件にすることで、強制的にプレイ時間を引き伸ばそうとしています。
この段階で私は、ゲームを投げ出したくなりました。ストーリーの熱が冷めるだけでなく、プレイヤーのモチベーションをへし折る最悪のデザインです。
唯一の長所:多彩な戦闘システム(だが活かされていない)
ここまで酷評してきましたが、唯一褒められる点があるとすれば、「戦闘システムの多彩さ」でしょう。
バリエーション豊かな武装
- ビームの使い分け: 敵の属性に合わせたビームの切り替え。
- バイザーシステム: 弱点を見抜くスキャンバイザーなどの活用。
- モーフボール: 球体に変形しての移動や攻撃。
これら、メトロイドプライムシリーズ特有のアクションの幅広さは健在です。状況に応じて武装を切り替え、戦術を組み立てる楽しさの「片鱗」はあります。
素材殺しのレベルデザイン
しかし、残念ながらこの多彩なシステムを活かせる敵やステージが存在しません。前述の通り、敵の種類が少なく、ボスも特定の手順を強要するギミック偏重であるため、「自由に戦術を選んで戦う」という機会がほとんどないのです。
宝の持ち腐れとはまさにこのことで、システム班が作った良い素材を、レベルデザイン班が台無しにしているような印象を受けます。
シリーズ過去作との比較:なぜここまで劣化したのか
『メトロイドプライム』シリーズは、かつてFPSの歴史を変えたと言われるほどの名作シリーズでした。
偉大なる『メトロイドプライム1』との落差
初代『メトロイドプライム』は、探索とFPSを見事に融合させ、「主観視点のアドベンチャー」というジャンルを確立しました。スキャンによる世界観の深掘りも、当時は革新的でした。
しかし、20年以上の時を経て発売された『4』は、初代のシステムを「悪い意味で」踏襲し、現代の快適さを取り入れることを怠りました。初代が持っていた「孤独な惑星探索の没入感」は、「不便なUIと移動」によって「孤独な作業」へと変質してしまいました。
開発難航の影響か
本作は当初発表されてから、一度開発が白紙に戻され、レトロスタジオ(過去作の開発元)によって再始動した経緯があります。
完成品を見る限り、開発の混乱やスケジュールの圧迫が如実に感じられます。「とりあえず形にして出した」という未完成感が漂っており、任天堂タイトルとしての品質管理基準(Nintendo Seal of Quality)を満たしているのか疑問符がつきます。
【比較表】メトロイドプライム4の良い点・悪い点まとめ
ここで一度、本作の特徴を整理します。
| 評価項目 | 良い点(メリット) | 悪い点(デメリット) |
|---|---|---|
| システム | 多彩なビームやバイザーなど、アクションの選択肢自体は多い。 | チュートリアル不足、不親切なUI、直感的に分からない操作性。 |
| マップ・移動 | 立体的なマップ構造(見づらいが)。 | ファストトラベルなし。マップが見づらい。移動が虚無。 |
| 戦闘 | 属性攻撃や弱点狙いなどの戦略性。 | 敵の種類が少ない。雑魚の湧き方が理不尽。ギミックボスが退屈。 |
| テンポ | 特になし。 | スキャンが長い。ムービーが飛ばせない。ロードが多い。 |
| ボリューム | サクッと終わる(皮肉)。 | 13時間程度で終了。収集要素による無理な引き伸ばし。 |
| ストーリー | シリーズファンなら気になる展開も。 | エンディングを見る条件が厳しく、没入感を削ぐ。 |
Q&A:購入を検討している方へ
よくある質問に対して、辛口レビューの観点からお答えします。
Q. シリーズ未経験ですが楽しめますか?
A. 全くおすすめできません。 シリーズファンですら苦痛を感じる仕様です。メトロイドヴァニアやFPSを遊びたいなら、他にもっと安くて高品質なゲームが山ほどあります。
Q. アップデートで改善される可能性は?
A. 根本的な設計ミスなので難しいでしょう。 バグ修正などはあるかもしれませんが、マップの構造やファストトラベルの欠如、ボスのギミックなどはゲームの根幹に関わる部分なので、パッチで劇的に面白くなるとは考えにくいです。
Q. グラフィックは綺麗ですか?
A. 水準以上ですが、感動するほどではありません。 Switchの限界に挑戦している感はありますが、その代償としてロード時間やエリア移動の演出が長くなっている印象です。綺麗な景色を見るために、長い移動時間を我慢できるかどうかが鍵です。
Q. 中古で安くなったら買ってもいい?
A. 時間を無駄にしたくないならスルー推奨。 「クソゲーハンター」として怖いもの見たさでプレイするなら止めませんが、純粋にゲームを楽しみたいなら、無料でもプレイする価値があるか怪しいレベルです。
総評:伝説の帰還どころか、シリーズの汚点になりかねない作品
『メトロイドプライム4 ビヨンド』の総合評価は、100点満点中50点です。
これは「ギリギリ遊べなくはないが、他人に勧める理由は一つもない」という点数です。
なぜこれほど厳しい評価になるのか
「メトロイド」というブランドは、常に高い品質と探索の面白さを保証してきました。しかし本作は、その信頼を裏切る出来栄えです。
- ユーザービリティの欠如: プレイヤーへの嫌がらせのような移動とマップ。
- ボリュームの欠如: フルプライスに見合わない内容量。
- 設計思想の古さ: 現代のゲームデザインから取り残されたテンポの悪さ。
これらが複合的に絡み合い、「プレイしていて楽しくない」という致命的な欠陥を生んでいます。
「買わない」という選択肢が正解
もしあなたが、本作のPVを見て「面白そうだな」と感じているなら、その感覚は錯覚です。PVでは伝わらない「移動のダルさ」や「スキャンの面倒さ」が、実際のプレイ時間の8割を占めています。
このゲームに7,000円〜8,000円を払うなら、別の名作インディーゲームを3本買った方が、遥かに有意義な時間を過ごせるでしょう。
最後に
辛口なレビューとなりましたが、これも「メトロイド」というシリーズを愛しているからこその本音です。このような手抜きとも取れる作品が世に出ることで、シリーズの評価が下がるのが本当に悔しいです。
この記事が、あなたの貴重なお金と時間を守る一助になれば幸いです。もし「それでもプレイしたい!」という勇者がいれば、止めはしません。しかし、覚悟を持って未知の惑星(という名の虚無の砂漠)へ旅立ってください。
補足:現代のメトロイドヴァニアと比較して
記事内で触れきれなかった部分として、本作がいかに現代の同ジャンル作品と比較して劣っているかを補足します。
『ホロウナイト』との比較
インディーゲームの金字塔『ホロウナイト』は、広大なマップと歯ごたえのある戦闘、そして探索の自由度が特徴です。ファストトラベル(スタグ)も完備されており、バックトラック(戻り作業)すらも新しい発見に満ちています。価格は数分の一ですが、体験の質は本作を遥かに凌駕しています。
『メトロイド ドレッド』との比較
2Dメトロイドの最新作『ドレッド』は、サムスの高速アクションと快適な操作性、そして絶妙な誘導が評価されました。「迷わせつつも、決してストレスを与えない」レベルデザインの極致です。同じシリーズでありながら、『プライム4』は『ドレッド』が積み上げた「快適さ」を何一つ継承できていません。
FPSとしての比較
『DOOM Eternal』や『Call of Duty』のような純粋なFPSと比較しても、本作の射撃感や移動のスピード感は劣ります。「アドベンチャーだから」という言い訳は、アクションのつまらなさを正当化する理由にはなりません。
まとめ
改めて、この記事の要点を振り返ります。
- ボリューム不足: 13時間で終わる内容に加え、中身も薄い。
- 移動地獄: ファストトラベルなし、スキップ不可ムービー、見づらいマップ。
- テンポ最悪: 過剰なスキャン強要と、エンディング前のアイテム収集強制。
- 戦闘の単調さ: ギミックボスと雑魚の湧き方がストレスフル。
以上の理由から、私は『メトロイドプライム4 ビヨンド』の購入を強く非推奨とします。シリーズファンの方こそ、思い出を汚さないためにプレイしないという選択もまた、一つの「愛」かもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。今後も忖度なしの正直なレビューを発信していきます。






