編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日のアップデートで実施された「リック」と「バトルチャリオット(バトチャリ)」の弱体化について、今後の運用に不安を感じている、あるいは「もうオワコンなのか?」と気になっていることと思います。特に愛用していたプレイヤーにとっては、死活問題とも言える調整でしたからね。
しかし、結論から言えば心配は無用です。むしろ、環境が変化した今だからこそ輝く強みが明確に見えてきました。私の実戦データと、最新の対戦ログを分析した結果、このコンビは依然として「環境トップ」に君臨しています。
この記事を読み終える頃には、弱体化後のリック・バトチャリの真の強さを理解し、シティトライアルでの立ち回りの疑問が解決しているはずです。
- ステータス低下を補って余りある「重量級」としての圧倒的な制圧力
- 乱戦におけるアイテム強奪能力と、47個大量獲得を実現する立ち回り
- グルメレースからスイッチ押しまで対応できる意外な汎用性の高さ
- 伝説のエアライドマシン(ドラグーン・ハイドラ)への対抗策
それでは解説していきます。
弱体化の衝撃と現在の立ち位置:リックは本当に「折れた」のか?
先日のパッチノートを見て、膝から崩れ落ちたエアライダーも多いのではないでしょうか。私もその一人です。今回の調整で、最強の一角と恐れられた「リック」のパワー補正と、「バトルチャリオット」の基礎スピードに下方修正が入りました。
運営の意図としては、あまりにも高すぎた勝率と使用率の抑制、そして一部の軽量級マシン(コックカワサキ等は今回調整を免れましたが)とのバランス取りでしょう。具体的には、リックの持ち味である「ぶつかり時の判定の強さ」に直結するパワー値が削られ、バトチャリは自慢の「最高速への到達時間」が鈍化しました。
なぜ「弱体化=終了」ではないのか
しかし、現場で走り回っている私の感覚、そして今回検証したプレイログを見る限り、「弱体化はされたが、最強の座は降りていない」と断言できます。
理由はシンプルです。このコンビの真髄は「数値上のステータス」以上に、「シティトライアルというルールそのものへの適性」にあるからです。多少パワーが下がろうとも、他のキャラに比べて耐久値と攻撃判定が優秀であることに変わりはありません。スピードが落ちても、それを補うアイテム回収能力と、敵を破壊して足止めする戦術が健在だからです。
むしろ、周囲が「リックは弱くなったからカモれる」と油断して近づいてくる今こそ、返り討ちにしてアイテムを奪い取るチャンスが増えているとも言えます。ここからは、具体的な強さの理由を深掘りしていきましょう。
圧倒的な「破壊力」によるアイテム回収:47個強奪のメカニズム
シティトライアルにおいて、最も効率的にステータスを上げる方法は何か。それは地道にコンテナを割ることではありません。「他人のマシンを破壊して、中身をぶちまけさせる」ことです。
今回検証したデータの中でも、特筆すべきシーンがありました。一瞬の交錯で敵を破壊し、そこから実に「47個」ものアイテムを一気に回収した場面です。これは、弱体化後のリック・バトチャリでも十分に再現可能な戦術です。
攻撃こそ最大の防御であり「成長」である
リック・バトチャリの強みは、その図体のデカさと重量にあります。
- 攻撃力(Attack): 初期値が高く、アイテム1つあたりの上昇率も良好。
- 耐久力(Defense): 撃墜されにくいため、乱戦の中心に飛び込める。
この2点が組み合わさることで、「敵の攻撃を受けながら無理やり突っ込み、相打ち覚悟で相手を破壊する」というゴリ押しが可能になります。
今回のケースでは、ギガンテス(巨大化イベント)や、複数のプレイヤーが入り乱れる乱戦地帯において、その真価が発揮されました。特に、相手が「タック」のようなアイテムを盗む敵や、耐久の低い「フォーミュラスター」「ウィングスター」に乗っている場合、リックのタックルは致命傷になります。
47個回収の衝撃
47個という数字は、シティトライアルにおける勝敗を決定づけるほどの量です。通常、3分〜7分の制限時間内で集められるアイテム数は限られています。しかし、キル(撃墜)による奪取は、相手が数分かけて集めた努力を一瞬で自分のものにする行為です。
リック・バトチャリは、この「強奪」に最も適した性能をしています。弱体化で基礎パワーが下がったとはいえ、攻撃アイテムを数個取れば以前の水準に戻りますし、何より「判定の強さ」自体は健在です。
「回転アタック」と「無敵スペシャル」のシナジー
このコンビを運用する上で欠かせないのが、アイテム「スピナー(独楽)」や「スペシャル(無敵)」の活用です。
- パニックスピン: ゼロ距離で多段ヒットするため、重量級のリックと相性が抜群。ボス戦(デデデ大王など)や、動かない固定砲台と化した敵に対して、削り性能が跳ね上がります。
- スペシャル: 無敵化することで、一方的に攻撃判定を押し付けられます。特にデスマッチ形式のスタジアムや、シティ内での乱闘イベントでは、これがあるだけで「勝ち確」に近い状況を作り出せます。
検証中も、無敵状態で敵集団に突っ込み、マシンを破壊し、散らばったアイテムを根こそぎ回収するシーンが多々見られました。これはスピードが多少下がった程度では揺らがない、構造的な強さです。
イベント適応力の高さ:不運を実力でねじ伏せる
シティトライアルは運の要素が強いモードです。しかし、強いプレイヤー、強いマシンはその「運」を「実力」でカバーできる範囲が広いのが特徴です。
今回の検証でも、様々なイベントが発生しましたが、リック・バトチャリはその多くに対応できていました。
UFO襲来と機動力の補完
「UFO」イベントは、撃墜することで大量のアイテムや経験値を得られますが、動きが早く、高所を飛ぶため、本来は鈍重なバトルチャリオットには不向きです。しかし、リックの基本ステータスと、序盤に回収した「飛行(Glide)」アイテム、あるいは「ウィリー」などのバイク系への一時的な乗り換えを駆使することで、十分に食らいつくことができます。
特に、移動しているだけでアイテムが12個も集まるような上振れ展開もありました。これは、リックの当たり判定の大きさが、空中のアイテム回収において有利に働いている可能性があります。
偽物コンテナと爆発処理
「コンテナの中身がわからない」あるいは「偽物が多い」イベントでは、迂闊に開けると爆弾でダメージを受けます。軽量級なら即死もありえますが、耐久お化けのリック・バトチャリなら、多少の爆発は「必要経費」として無視できます。
さらに、「ホーミングボム」のような厄介なアイテムも、スペシャル状態であれば無傷で処理可能。この「事故死の少なさ」が、安定した高順位に繋がります。
伝説のパーツ争奪戦
ドラグーンやハイドラといった伝説の機体。これらは完成すれば脅威ですが、パーツを集める過程では隙だらけです。リック・バトチャリを使っている場合、自分が完成させることを目指すよりも、「持っている敵を破壊してパーツを奪う、あるいは捨てさせる」という妨害プレイが輝きます。
今回のプレイでも、レオ(ルインズスターの素材)を集めているプレイヤーを執拗に追い回し、破壊することで完成を阻止する動きが見られました。自分が乗らなくても、他人に乗らせない。この「盤面支配力」こそが、重量級を使う最大のメリットかもしれません。
意外なスタジアム適性:遅いから勝てない、は間違い
「バトルチャリオットは遅いから、レース系のスタジアムでは勝てない」
そう思っていませんか? それは大きな間違いです。今回の検証結果がそれを証明しています。
グルメレースでの「物理」勝利
グルメレースは速さを競うだけでなく、どれだけ多くの食べ物を食べたかを競うルールの場合もあります。しかし、純粋なレース形式であっても、リック・バトチャリには勝ち筋があります。
それは「妨害」です。 狭いコース上で、隣を走るライバルに体当たりをする。攻撃力が高いこちらのタックルが決まれば、相手は大きく減速し、アイテムを落とします。検証中のレースでも、ルインズスター(カガさん)やペーパースター(ヨッシーさん)といった速いマシンに対し、物理的な干渉を行うことで優位に立つ場面がありました。
特にコーナーでの競り合いにおいて、重量差は絶対的な正義です。弾き飛ばされた相手が壁に激突している間に、悠々と追い抜く。これぞ重量級のレース運びです。
スイッチプッシュでの機動力カバー
「スイッチプッシュ」のような、マップ上を飛び回ってスイッチを押すミニゲームは、一見すると飛行能力の高いマシンが圧倒的に有利です。
しかし、ここでもリックの強さが光りました。 飛行能力が低い分、地上のスイッチを確実に押していく「地走り」スタイルに特化。さらに、ボムなどの広範囲攻撃アイテムを駆使して、遠くのスイッチを起動させるテクニックも有効です。
そして何より、「5点スイッチ」のような高得点ターゲットが出現した際、周囲の敵をなぎ倒して独占できるのが強い。結果として、飛行系マシンを抑えて1位を獲得するケースも確認されています。機動力のなさを、制圧力とアイテム活用でカバーする。これが熟練の技です。
ライバル機体との比較:メタゲームの変遷
弱体化された今、他の機体との相性はどう変わったのでしょうか。いくつかの主要なライバルと比較してみましょう。
vs ルインズスター(レオ)
最速の機体。直線では絶対に勝てません。しかし、耐久力は紙です。シティモード中に見かけたら、最優先で破壊すべき対象です。レース本番になってしまうと手がつけられませんが、シティ内での遭遇戦ならリック・バトチャリに分があります。今回の検証でも、パーツを集めている段階のレオを執拗に狙うことで、間接的に勝利を手繰り寄せていました。
vs ワープスター・ウィングスター
バランス型や飛行型。これらは空中に逃げられると厄介ですが、着地狩りが有効です。特に「空車破壊イベント」などでマシンから降りている瞬間は絶好のカモ。また、デスマッチでは耐久力の差で押し切れます。
vs コックカワサキ(+何かしらのマシン)
今回の調整で弱体化を免れたカワサキ。もし彼が重量級マシンに乗った場合、リックのライバルになり得ます。しかし、基礎ステータスの面でまだリックに分があると感じます。カワサキが増える=カモが増える、と捉えてもいいかもしれません。
vs 同キャラ(リック・バトチャリ)
結局、一番怖いのは自分と同じ構成です。ここでの勝敗を分けるのは、「先に攻撃アイテムをいくつ取ったか」と「プレイヤースキル」です。特に、回転アタックの当て感や、無敵を使うタイミングの読み合いが重要になります。
今後の運用ガイド:勝ち続けるためのポイント
最後に、これからの環境でリック・バトチャリを使って勝ち続けるための具体的なポイントをまとめます。
1. 序盤は「攻撃」と「防御」を最優先
スピードは捨ててもいいです。まずは攻撃力を上げ、誰かを破壊できるラインまで持っていくこと。防御が上がれば、多少の無茶も効くようになります。
2. 中盤は「イベント」と「他プレイヤー」をストーキング
イベント発生地点や、他のプレイヤーがいる場所へ積極的に向かいましょう。アイテムのおこぼれを貰うか、直接奪い取るか。孤立してコンテナを探すよりも効率的です。
3. 伝説のパーツは「餌」にする
自分で揃える必要はありません。揃えようとしているプレイヤーを見つけたら、徹底的にマークします。彼らがパーツ集めに奔走している間に、自分は戦闘力を高めましょう。
4. スタジアムに合わせた微調整
- デスマッチ: 攻撃・防御全振り。
- レース系: さすがに少しは「最高速」と「加速」が欲しい。
- 特殊系: 臨機応変に。ただ、どのルールでも「敵を妨害する」という選択肢を忘れないこと。
まとめ
今回の弱体化アップデートは、確かにリックとバトルチャリオットの数値を下げました。しかし、「シティトライアル」というゲームの本質において、彼らの優位性は揺らいでいません。
むしろ、多くのプレイヤーが「弱くなったから」と他のマシンに乗り換えている今こそ、このコンビの独壇場と言えるでしょう。47個のアイテムを一瞬で奪い取る快感、重量級ならではの理不尽なまでの制圧力。これらは、数値上の調整では消し去ることのできない、このコンビだけの特権です。
恐れずに使い続けてください。そして、戦場で出会ったライバルたちを、その圧倒的な質量で粉砕してやりましょう。それが、リック・バトチャリ使いの流儀なのですから。






