ゲームジャーナリストの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、話題の新作「エルデンリング ナイトレイン」が自分に合っているのか、購入して後悔しないか、といった点が気になっていると思います。 「死にゲーらしいけど、どのくらい難しいの?」「マルチプレイがメインって本当?」「エルデンリングが好きだったけど、同じように楽しめる?」といった疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。

ご安心ください。 総プレイ時間150時間を超え、全ボスを制覇した私が、本作のリアルな実態を徹底的にレビューします。
この記事を読み終える頃には、「エルデンリング ナイトレイン」をあなたが心から楽しめるプレイヤーなのか、その疑問が解決しているはずです。
- エルデンリング ナイトレインのリアルな難易度
- 本作の核となるマルチプレイの本質
- 購入すべき人とそうでない人の明確な違い
- 初心者でも生き残るための生存戦略
それでは解説していきます。

エルデンリング ナイトレインがあなたを待っている!向いている人の8つの特徴
それでは早速、どのような人が「エルデンリング ナイトレイン」の世界に飛び込むべきなのか、具体的な特徴を8つ挙げて解説していきます。 私自身のプレイ経験や、多くのプレイヤーから集めた声を基に分析しましたので、ぜひご自身と照らし合わせてみてください。

挑戦と失敗を成長の糧とできる人
本作の根幹をなすのは、やはりフロム・ソフトウェアならではの歯ごたえのある難易度です。 いわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルであり、初見でボスを倒せることは稀でしょう。 何度も何度も倒され、敵の動きを学び、自分の立ち回りを改善していく。 このプロセスそのものを楽しめるかどうかが、最初の大きな分かれ道になります。
「エルデンリング」本編と同じく、あるいはそれ以上に、本作では「死」が日常です。 しかし、ただ理不尽に難しいわけではありません。 敵の攻撃モーションには必ず予兆があり、有効な攻撃タイミングが存在します。 負けた原因を分析し、「次はこうしてみよう」と試行錯誤することに喜びを感じられる人にとって、本作は最高の舞台となるでしょう。 失敗をペナルティではなく、攻略へのヒントだと前向きに捉えられる精神的なタフさが求められます。
死んでも失うのはルーンだけではない
本作のペナルティは「エルデンリング」本編とも少し異なります。 死亡すると、その場にルーンを落とすだけでなく、レベルが1つ下がってしまうのです。 もちろん、落としたルーンを回収すればレベルも元に戻りますが、回収前に再び死んでしまうと完全に失われます。 この緊張感が、一つ一つの行動に重みを与えています。 このスリルこそが「死にゲー」の醍醐味だと感じられるなら、あなたは間違いなく適性があると言えるでしょう。
チームでの勝利に喜びを感じられる人
「エルデンリング ナイトレイン」は、マルチプレイが主軸のゲームデザインになっています。 もちろんソロプレイも可能ですが、ゲームの真の魅力は仲間との共闘にあると言っても過言ではありません。 自分一人では到底太刀打ちできないような強大なボスを、3人のプレイヤーがそれぞれの役割を果たし、連携して打ち破った時の達成感は格別です。
例えば、一人がボスの注意を引きつけ(タンク役)、もう一人が遠距離から魔法で攻撃し、残りの一人が味方の回復や蘇生に徹する。 こうした役割分担が自然と生まれ、言葉を交わさずとも息の合った連携ができた時、ソロプレイでは味わえないカタルシスを得られます。 自分の功績だけでなく、チーム全体の勝利を心から喜べる人、仲間のファインプレーに拍手を送れる人は、このゲームのマルチプレイにどっぷりハマるはずです。
状況に応じて役割を変えられる柔軟性を持つ人
マルチプレイでは、常に自分の思い通りに事が進むわけではありません。 集まったメンバーのキャラクター構成やスキル、その場の状況によって、自分が果たすべき役割は刻々と変化します。

普段は前線で戦うキャラクターを使っていても、味方が瀕死になれば回復に回ったり、危険な罠を率先して解除しに行ったりと、柔軟な対応が求められます。 「自分はこの戦い方しかしない」という頑固なプレイスタイルは、時としてチームを危険に晒します。
特に重要になるのが、アイテムや装備の共有です。 自分にとっては不要な武器でも、味方のキャラクターにとっては最高の装備かもしれません。 マップに落ちている強力なアイテムを、自分ではなく、それを最も活かせる味方にピンを立てて教えてあげる。 そうした利他的な判断ができるプレイヤーこそが、チームを勝利に導く鍵となります。 自分の強化だけでなく、チーム全体の戦力アップを考えられる広い視野を持つことが重要なのです。
エルデンリングの世界観とアクションが好きな人
本作は「エルデンリング」のスピンオフ作品であり、その世界観や基本的なアクションは本編を踏襲しています。 あの独特のダークファンタジーの雰囲気、重量感のある戦闘モーション、多種多様な武器や戦技、魔術、祈祷。 これらが好きだという人にとっては、たまらない作品であることは間違いありません。
本編に登場した忌まわしき敵たちが、さらに強化されてプレイヤーの前に立ちはだかります。 「あのボスをマルチで倒せたら面白いだろうな」と一度でも考えたことがあるなら、本作はその夢を叶えてくれます。 ただし、後述しますが、ゲーム性は大きく異なるため、「エルデンリングと全く同じ体験」を求めている場合は注意が必要です。 あくまで「エルデンリングの素材を使って作られた、新しいマルチプレイゲーム」として捉えられるかがポイントになります。
探求心と情報収集意欲が旺盛な人
フロム・ソフトウェアのゲームらしく、本作もまた親切なチュートリアルやガイドはほとんどありません。 ゲームのシステム、アイテムの効果、マップのギミックなど、多くのことをプレイヤー自身が試行錯誤しながら学んでいく必要があります。
- このアイテムはどんな効果があるんだろう?
- この武器の「二位効果」って何が強いの?
- マップのこのアイコンは何を意味している?
こうした疑問を自ら解決していくことに楽しみを見出せる人、あるいは積極的に攻略情報サイトや動画を調べて知識を吸収できる人は、本作をより深く楽しむことができます。 特に、武器や防具に付与される「二位効果」は非常に重要で、キャラクタービルドの核となります。 「HP満タン時カット率上昇」「聖攻撃力上昇」など、無数の効果の中から自分のプレイスタイルに合った組み合わせを発見する喜びは、本作の大きな魅力の一つです。
失敗から学ぶ粘り強さがある人
前述の通り、本作では数え切れないほどの失敗を経験します。 そのたびに心が折れてしまっては、先に進むことはできません。 重要なのは、なぜ失敗したのかを冷静に分析し、次へと活かす粘り強さです。

- ボスのあの攻撃は、ローリングで回避するタイミングが早すぎた。
- 味方が囲まれているのに、自分の攻撃に夢中になっていた。
- レベル上げを怠って、無謀にも強敵に挑んでしまった。
一つ一つの失敗には必ず原因があります。 それを他人のせいにせず、自分のプレイを客観的に見つめ直し、改善点を見つけ出せる人。 そうした地道な努力を続けられるプレイヤーだけが、困難なボスを打ち破った時の、何物にも代えがたい達成感を手に入れることができるのです。
コミュニケーションを楽しめる人(ボイスチャットは必須ではない)
マルチプレイが中心ですが、必ずしもボイスチャットが必須というわけではありません。 ゲーム内にはピン機能や定型文チャットがあり、それらを駆使するだけでも十分に意思疎通は可能です。
「あそこの宝箱を取りに行こう」「回復してほしい」「ナイス!」 こうした簡単なコミュニケーションが、チームの一体感を高め、攻略をスムーズにします。 もちろん、友人同士でボイスチャットを繋いでワイワイ遊ぶのも最高に楽しいでしょう。 重要なのは、他者と協力して何かを成し遂げたいという気持ちです。 黙々と一人でプレイするよりも、誰かと一緒に遊ぶ方が好きだという人にとっては、本作は最高の環境を提供してくれます。
自分のキャラクターを研究し、育てるのが好きな人
本作には、それぞれ性能の異なる個性的なキャラクター(素性)が多数登場します。 遠距離攻撃が得意な「鉄の目」、防御に優れた「守護者」、素早い動きで敵を翻弄する「忍者」など、そのプレイスタイルは様々です。
さらに、ゲーム中に手に入る武器やアイテム、「異物」と呼ばれる強化要素によって、同じキャラクターでも性能は大きく変わってきます。 どのステータスを伸ばし、どんな武器を装備させ、どの「二位効果」を優先するか。
こうしたキャラクタービルドを考えるのが好きな人には、無限の楽しみが待っています。 特に、特定のキャラクターを使い込み、その強みと弱みを深く理解しているプレイヤーは、どんな状況でもチームに貢献できるでしょう。
「復讐者」のように一部で不評を買っているキャラクターですら、熟練者が使えば非常に強力なサポート役となり得ます。 自分だけの最強ビルドを追求する楽しみは、本作の大きなやり込み要素の一つです。
購入前に要チェック!エルデンリング ナイトレインに向いていない人の7つの特徴
ここからは、逆にどのような人が「エルデンリング ナイトレイン」の購入を慎重に検討すべきか、その特徴を7つ解説します。 決してこのゲームが悪いというわけではなく、ゲーム性とプレイヤーの好みが合わないと、せっかくの体験が苦痛になってしまう可能性があるからです。

手軽に爽快感を味わいたい人
本作は、手軽にストレスを発散したい、サクッと敵をなぎ倒して爽快感を味わいたい、というタイプのゲームとは対極にあります。 一つのゲーム(マッチ)は30分から40分と長く、その間は常に緊張感が続きます。 道中の雑魚敵ですら油断すれば命取りになり、一つのミスがチームの全滅に繋がることも少なくありません。
常に頭を使い、集中力を維持し、仲間と連携することを求められます。 仕事や勉強で疲れた後に、頭を空っぽにして楽しめるようなゲームを探している方には、正直なところ、本作はあまりおすすめできません。 むしろ、更なる精神的な疲労を招いてしまう可能性があります。
自分のペースでソロプレイを貫きたい人
「エルデンリング」本編は、広大な世界を一人で自由に探索する孤独な旅が大きな魅力でした。 しかし、「ナイトレイン」は、その体験を求めるゲームではありません。
ソロプレイモードも用意されてはいますが、それはあくまでマルチプレイの練習や、システムに慣れるためのものという側面が強いです。 ゲームの報酬や進行はマルチプレイを前提に調整されており、ソロで遊び続けるのは効率的とは言えません。 何より、本作の核心である「仲間との共闘による達成感」を味わうことができません。 他のプレイヤーに気を使わず、自分の好きなように、自分のペースでゲームを進めたいという欲求が強い人は、本作のシステムに窮屈さを感じてしまうでしょう。
エルデンリング本編と全く同じ体験を求めている人
繰り返しになりますが、これは非常に重要なポイントです。 「エルデンてリングが最高に面白かったから、ナイトレインも絶対に楽しめるはずだ」と考えているなら、一度立ち止まる必要があります。
項目 | エルデンリング(本編) | エルデンリング ナイトレイン |
---|---|---|
ゲームの主軸 | オープンワールドの探索とソロでのボス攻略 | ステージクリア型のマルチプレイ共闘 |
プレイフィール | 孤独感、発見の喜び、自由度の高さ | 連携、役割分担、チームでの達成感 |
ゲーム進行 | 自由(どこへ行くのもプレイヤー次第) | 制限時間内に目標を達成する形式 |
難易度の質 | 自分のスキルとビルドで乗り越える | チームの連携力と個々のスキルが問われる |
このように、両者は全くの別ゲーです。 本編の魅力であった「広大な世界を隅々まで探索する自由」や「自分だけの物語を紡いでいく感覚」は、ナイトレインにはありません。 この違いを理解せず、「エルデンリング2」のような感覚で購入すると、大きな期待外れに終わってしまう危険性があります。
他のプレイヤーのミスに寛容になれない人
オンラインマルチプレイには、様々なスキルレベルのプレイヤーが集まります。 始めたばかりの初心者もいれば、何百時間もプレイしている熟練者もいます。 そのため、どうしても味方のミスが目についてしまう場面があるでしょう。
- 何度も同じ罠に引っかかる
- ボスの危険な攻撃を避けきれずにダウンする
- 回復アイテムを独り占めしてしまう
こうした行動に対して、「なんでそんなこともできないんだ」とイライラしてしまう人は、マルチプレイ主体のゲームには向いていません。 誰にでも最初はありますし、ミスから学ぶのがこのゲームの本質です。 味方の失敗を責めるのではなく、「ドンマイ!」「次はこうしよう」と励まし、サポートできるような寛容さが、本作を楽しむ上で不可欠な要素となります。
理不尽な展開や運の要素が許せない人
本作はスキルが重要なゲームですが、運の要素が絡む場面も少なくありません。 特に野良(知らないプレイヤーとランダムにマッチング)でプレイする場合、どのような味方とチームを組むかは完全に「運」です。 非常に上手いプレイヤーと組めれば楽にクリアできますし、初心者ばかりのチームになれば苦戦は必至です。

また、ゲーム中に手に入る武器やアイテムにもランダム性があります。 自分の欲しい装備がなかなか手に入らず、味方ばかりが良いアイテムを引いていく、ということも起こり得ます。 こうした「運ゲー」的な要素を理不尽だと感じ、ストレスを溜め込んでしまう人は、本作をプレイしていて辛い時間の方が長くなってしまうかもしれません。
明確なストーリーや攻略ルートを求める人
本作には、「エルデンリング」本編のような壮大なメインストーリーは存在しません。 断片的なテキストから世界観を考察する楽しみはありますが、基本的にはキャラクターごとのショートストーリーを追いながら、ひたすら戦闘を繰り返すゲームです。 映画のような物語体験をゲームに求めている方には、物足りなく感じるでしょう。
また、攻略ルートも一本道ではありません。 マップの構造は毎回同じですが、どこから攻略していくか、どの目標を優先するかはチーム次第です。 この自由さが面白い点でもありますが、次に何をすればいいのか明確な指示がないと不安になる、という人にとっては、戸惑う場面が多いかもしれません。 ゲーム側から与えられる目標ではなく、自分たちで目標を設定し、攻略プランを立てていく能動的な姿勢が求められます。
キャラクターの性能差に敏感な人
オンラインゲームの宿命として、キャラクター間の性能差(キャラ差)は存在します。 アップデートによってバランス調整は行われますが、どうしても「強いキャラクター」「弱いキャラクター」という風潮は生まれてしまいます。
特に顕著なのが「復讐者」というキャラクターです。 彼女が召喚する「ファミリー(カボチャ頭のフレデリックなど)」が、味方の視界を塞いでしまうことがあり、一部のプレイヤーからは敬遠される傾向にあります。
もちろん、どんなキャラクターでもプレイヤーの腕次第で活躍することは可能です。 しかし、「どうせなら一番強いキャラを使いたい」「弱いキャラを使う味方がいるとやる気がなくなる」といった、性能を重視する考えが強い人は、コミュニティの評価や環境の変化に一喜一憂し、ストレスを感じやすいかもしれません。 性能よりもキャラクターへの愛着を優先できるかどうかも、本作を楽しめるかの一つの指標と言えるでしょう。
まとめ
今回は、「エルデンリング ナイトレイン」に向いている人と向いていない人の特徴について、徹底的に解説しました。
【エルデンリング ナイトレインに向いている人】
- 挑戦と失敗を成長の糧とできる
- チームでの勝利に喜びを感じられる
- 状況に応じて役割を変えられる柔軟性を持つ
- エルデンリングの世界観とアクションが好き
- 探求心と情報収集意欲が旺盛
- 失敗から学ぶ粘り強さがある
- コミュニケーションを楽しめる
- 自分のキャラクターを研究し、育てるのが好き
【エルデンリング ナイトレインに向いていない人】
- 手軽に爽快感を味わいたい
- 自分のペースでソロプレイを貫きたい
- エルデンリング本編と全く同じ体験を求めている
- 他のプレイヤーのミスに寛容になれない
- 理不尽な展開や運の要素が許せない
- 明確なストーリーや攻略ルートを求める
- キャラクターの性能差に敏感
結論として、「エルデンリング ナイトレイン」は、**「高難易度のアクションを、仲間と協力して乗り越えることに至上の喜びを感じるプレイヤー」**のためのゲームです。 手軽さや自由な探索を求める人には合わないかもしれませんが、そのハードルの高さに見合うだけの、唯一無二の達成感と興奮がここにはあります。
もし、このレビューを読んで「難しそうだけど、なんだかワクワクする」「仲間と強敵に挑むなんて、最高じゃないか」と少しでも感じたのであれば、あなたは狭間の地に降り立つ資格のある「褪せ人」です。 購入後に後悔しないためにも、ご自身のプレイスタイルと照らし合わせ、じっくりと検討してみてください。 あなたの挑戦を、心から応援しています。