編集デスク 家電製品紹介ライターの浜辺渚です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、毎日の掃除を少しでも楽にしたい、あるいは話題の新型「Dyson PencilVac Fluffycones(SV50 FF)」が気になっているけれど、本当に価格に見合う価値があるのか迷っていると思います。
この記事を読み終える頃には、PencilVacがあなたのライフスタイルにフィットするかどうかの疑問が解決しているはずです。
- 生活感を感じさせない「ボトル型」の革新的なデザイン
- 1.3kgという軽さがもたらす階段掃除や高所掃除の革命的変化
- 実際に使って判明したフィルターメンテナンスの注意点
- 2つのモデル(FFとFC)の比較と選び方の正解
それでは解説していきます。
新しいダイソン「PencilVac」が変えるリビングの景色
家電における「生活感」を消すという新しいアプローチ
皆さんは、掃除機をどこに収納していますか。
多くの方が、納戸やクローゼットの奥、あるいは洗面所の隅など、なるべく人の目につかない場所に隠しているのではないでしょうか。
これまでの掃除機は、どれほど性能が良くても、その形状や色使いから「掃除用具」としての主張が強く、リラックスしたリビングの空間には馴染みにくいものでした。
しかし、今回ご紹介する「Dyson PencilVac」は、その常識を根底から覆すデザインを採用しています。
一見すると、高級なウォーターボトルやスタイリッシュな水筒のような円筒形のフォルムをしており、掃除機特有のゴツゴツとした機械的な要素が極限まで排除されています。
リビングのソファの横や、テレビボードの脇に無造作に置かれていても、それが掃除機であることに気づく人は少ないでしょう。
「生活感を出したくない」というニーズに応えるため、あえて家電らしさを消し去ったこのデザインは、インテリアの一部として機能します。
掃除機を「隠すもの」から「魅せるもの」へと変えた点は、ダイソンの大きな功績と言えるでしょう。
特に、急な来客があった際も慌てて片付ける必要がなく、むしろ話題の一つになるような美しさを備えています。
直感的に手に取れる「ワンタッチ」の利便性
デザインが優れていることは、単に見た目が良いというだけではありません。
「出しっぱなし」にできるということは、掃除へのハードルが劇的に下がることを意味します。
クローゼットから重い掃除機を取り出し、コードを伸ばし、コンセントに差すという一連の動作が不要になるのです。
PencilVacは専用のスタンドに立てておけるため、気になった瞬間にサッと手に取り、数秒で掃除を開始できます。
この「掃除に取り掛かるまでのタイムラグ」がゼロになることは、忙しい子育て世代や共働き世帯にとって、計り知れないメリットとなります。
子供がお菓子をこぼした時、ドライヤーの後に髪の毛が落ちている時、わざわざ大きな掃除機を出してくるのは億劫ですが、PencilVacならペンのように軽く手に取るだけです。
生活空間に溶け込むデザインが、結果として家全体を綺麗に保つ習慣作りをサポートしてくれるのです。
「掃除をしなきゃ」と身構えることなく、生活の流れの中で自然に綺麗にできる、その心理的な負担軽減こそが、このデザインの真の価値なのかもしれません。
実際に使って驚愕した「軽さ」と「操作性」
1.3kgという軽さがもたらす身体への優しさ
私がこのモデルを選んだ最大の理由は、やはりその「軽さ」にあります。
SV50 FFモデルは約1.3kgという、500mlのペットボトル2本分強の重さしかありません。
最近、運動不足のせいか腰痛に悩まされている私にとって、重い掃除機を振り回すことは苦行以外の何物でもありませんでした。
しかし、このPencilVacを持った瞬間、その軽さに思わず声が出そうになりました。
手首への負担が驚くほど少なく、まるで自分の腕の延長であるかのようにスムーズに動かすことができます。
特に、日本の住宅事情では家具や物が多いため、掃除機を持ち上げたり方向転換したりする回数が多くなりがちです。
この軽さであれば、椅子の脚周りやテーブルの下など、複雑な場所もストレスなくスイスイと掃除することができます。
また、女性や高齢の方、あるいは子供にお手伝いを頼む際にも、この軽さは大きな味方となります。
「掃除機が重いから掃除が嫌い」という根本的な問題を解決してくれる、まさに「軽さは正義」を体現した製品です。
階段掃除での圧倒的なパフォーマンス
戸建てにお住まいの方にとって、掃除の難所と言えば「階段」ではないでしょうか。
コード付きの掃除機では届かなかったり、重い本体を抱えて一段ずつ移動するのは危険も伴います。
PencilVacは、その形状と軽さから、階段掃除において最強のパフォーマンスを発揮します。
ヘッドの取り回しが良く、段差の隅々までブラシが届くため、埃が溜まりがちな階段の隅も一発で綺麗になります。
実際に使ってみると、一段一段を「撫でる」ような感覚で掃除が進み、あっという間に最上階まで到達していました。
また、本体がスリムなため、階段の踊り場や手すりの下など、狭いスペースでも邪魔になりません。
転倒のリスクを減らしつつ、今まで億劫だった階段掃除が楽しいエクササイズのように感じられるのは、この機種ならではの体験です。
階段だけでなく、カーテンレールの上やエアコン周りなど、持ち上げて使う高所の掃除においても、腕がプルプルと震えることなく安定して作業ができます。
家具の下や隙間に入り込むスリムなヘッド
SV50 FFに付属するヘッドは、コンパクトで小回りが利く設計になっています。
一般的な掃除機のヘッドでは入らないような、ソファの下やベッドの隙間にもスルスルと入り込んでいきます。
ヘッド自体が薄く作られているため、家具を動かすことなく奥まで掃除ができるのは非常に便利です。
また、ヘッドの動きが滑らかで、手首の返しに合わせて素直に方向転換してくれます。
これにより、ダイニングテーブルの脚の間など、ジグザグに動かす必要がある場所でも、スムーズなラインを描いて掃除ができます。
「掃除機をかけている」というよりも、「床をワイピングしている」感覚に近く、床面の埃を確実にキャッチしてくれます。
フローリングの溝に入り込んだ微細な埃も、ダイソン特有の吸引力とブラシの回転でしっかりと掻き出してくれるため、掃除後の床は素足で歩いてもサラサラと気持ちが良いです。
吸引力とバッテリー性能の実力検証
エコモードでも十分すぎる吸引力
ダイソンと言えば「吸引力」ですが、このコンパクトなボディでどこまで吸えるのか、正直なところ不安がありました。
しかし、実際に使ってみてその不安は払拭されました。
日常的なフローリングの掃除であれば、最も弱い「エコモード」で全く問題ありません。
コーヒーの粉やポップコーンの食べこぼし、綿埃など、家庭で出る一般的なゴミは、エコモードの一撃で吸い取ることができます。
実際に、わざとコーヒーの粉を撒いて実験してみましたが、ヘッドが通過した跡は綺麗にゴミが消え去り、吸い残しはありませんでした。
ヘッド内部のモフモフとしたブラシが、床面に密着しながらゴミを包み込むように回収してくれるため、ゴミの弾き飛ばしも少なく、効率的に掃除ができます。
「強モード」を使わなければゴミが取れないという先入観がありましたが、PencilVacに関しては、基本はエコモード、ここぞという時だけ強モードという使い分けで十分です。
音に関しても、エコモードであればキーンという高い金属音は抑えられており、夜間でも比較的使いやすいレベルだと感じました。
バッテリー持ちの現実と割り切り方
気になるバッテリーの持ち時間ですが、エコモードで約25分〜30分程度稼働します。
これは、家全体を隅々まで掃除するには少し心許ない数字かもしれません。
しかし、強モードにすると約8分程度しか持たないため、メインの掃除機として家中をこれ一台で賄うには工夫が必要です。
私の使い方の提案としては、このPencilVacはあくまで「サブ機」として、あるいは「気になった時専用」として割り切るのがベストだと感じています。
例えば、平日はロボット掃除機に床掃除を任せ、ロボットが入れない隙間や、食後の食べこぼし、階段などをPencilVacでサッと掃除する。
そういった「局地戦」においては、25分という時間は十分すぎます。
8分しか持たない強モードも、例えばソファの隙間に入ったお菓子のカスを吸い取る一瞬だけ使うなど、ポイントを絞れば不便を感じることはありません。
むしろ、バッテリーが切れる前に掃除を終わらせようという意識が働き、テキパキと家事をこなすリズムが生まれます。
長時間ダラダラと掃除機をかけるよりも、毎日数分ずつこまめに掃除するスタイルの方が、結果的に家全体が綺麗に保たれるものです。
カーペットやラグでの挙動
フローリングでは無敵の強さを誇るPencilVacですが、毛足の長いカーペットやラグの上ではどうでしょうか。
実際に試してみたところ、吸引力自体は問題ありませんが、ヘッドの滑りが少し重く感じられました。
フローリングでは自走するようにスイスイ進みますが、カーペット上では抵抗感が増し、少し力を入れて押す必要があります。
これは、ヘッドが床面に密着して吸引力を高めている証拠でもありますが、広範囲のカーペットを掃除する場合は少し手首が疲れるかもしれません。
また、カーペットの奥に入り込んだ微細な粉塵を完全に掻き出すには、やはり上位機種のパワーや専用のヘッドがあった方が安心感はあります。
とはいえ、表面のゴミや髪の毛などは問題なく吸い取れるため、日常のメンテナンスとしては合格点です。
もし家の中が全面カーペット敷きという場合は、SV50 FC(上位モデル)や、より大型のVシリーズを検討した方が良いかもしれませんが、フローリングメインで一部ラグがある程度のお宅であれば、このSV50 FFで十分対応可能です。
知っておくべきメンテナンスの真実
ゴミ捨て機構のスマートさと課題
PencilVacのゴミ捨ては、本体のレバーを押し出すことで蓋が開き、ゴミが落ちる仕組みになっています。
手を汚さずにゴミを捨てられる「衛生的な設計」が売りですが、実際に使ってみると少しコツが必要です。
集塵ビン(ダストカップ)が非常にスリムなため、髪の毛や綿埃が圧縮されて中に詰まりやすく、レバーを一回押しただけでは落ちてこないことがあります。
その場合は、何度かレバーをスライドさせるか、場合によっては割り箸などで掻き出す必要があるかもしれません。
また、微細な粉塵(例えば今回の検証で使ったコーヒーの粉など)は、静電気でビンの内側に張り付いて残ることがあります。
完全に綺麗にするには、定期的にビンを取り外して水洗いをする必要があります。
この「ゴミ捨て時の残留感」は、スリムなデザインを追求した代償とも言える部分です。
とはいえ、ゴミ箱の上で慎重に行えば埃が舞い散るのを最小限に抑えられますし、慣れてしまえばそれほど大きなストレスにはなりません。
むしろ、溜まったゴミが見えることで「これだけ掃除した」という達成感を感じられるメリットもあります。
フィルター掃除は必須の儀式
最も注意が必要なのが、フィルターのお手入れです。
PencilVacは排気を綺麗にするために高性能なHEPAフィルターを搭載していますが、本体が小さい分、フィルターへの負荷も大きくなります。
特に、微細な粉塵を大量に吸い込むと、フィルターの表面があっという間に目詰まりを起こします。
検証中にコーヒーの粉を吸った後、フィルターを確認してみると、黒っぽい粉がびっしりと付着していました。
この状態で使い続けると、吸引力が低下するだけでなく、モーターへの負担も大きくなります。
そのため、定期的にフィルターを取り外して水洗いし、完全に乾燥させるというメンテナンスが不可欠です。
正直なところ、このフィルター掃除は少々面倒に感じるかもしれません。
「掃除機のフィルターを掃除するための掃除機が欲しい」と思うほど、微細な埃が入り込んでいることもあります。
しかし、このフィルターのおかげで、掃除機から出る排気が部屋の空気よりも綺麗に保たれていると考えれば、必要な手間だと納得できます。
私の個人的な感覚では、通常の埃掃除メインであれば、そこまで頻繁に目詰まりすることはありませんが、粉物をこぼした際などは、使用後のチェックを習慣にした方が良いでしょう。
集塵容量0.08Lとの付き合い方
このモデルの集塵容量は0.08Lと、一般的な掃除機に比べると極めて小さいです。
数字だけ見ると「すぐに一杯になってしまうのではないか」と不安になりますが、実際に使ってみると意外と持ちます。
これは、サイクロン気流によってゴミが圧縮されるためです。
また、先述したように「気になった時にサッと使う」というサブ機的な運用であれば、毎回大量のゴミが出るわけではないので、数回の掃除ごとにゴミ捨てをする程度で済みます。
むしろ、溜め込まずにこまめにゴミを捨てる習慣がつくため、衛生面ではプラスに働きます。
ゴミをパンパンになるまで溜め込むと、雑菌の繁殖やニオイの原因にもなるため、この「強制的に捨てざるを得ないサイズ感」は、清潔好きの方には合っているかもしれません。
徹底比較:SV50 FF vs SV50 FC
2つのモデルの違いを整理する
PencilVacシリーズには、今回レビューしている「SV50 FF」と、上位モデルの「SV50 FC」の2種類が存在します。
購入を検討する際、どちらを選ぶべきか迷うポイントですので、ここで明確に比較しておきましょう。
| 特徴 | SV50 FF (今回のレビュー品) | SV50 FC (上位モデル) |
|---|---|---|
| 重量 | 約1.3kg (非常に軽い) | 少し重くなる |
| ヘッド | シングルローラー (シンプル) | ダブルローラー (バルミューダ風) |
| 動き | 前後左右にスムーズ | 浮遊感がある、全方向駆動 |
| 価格 | 比較的安価 (それでも高価だが) | さらに高価 |
| 付属品 | 必要最低限 (隙間ノズル等) | 豊富 (アタッチメント多数) |
| 向いている人 | 手軽さ重視、階段掃除、サブ機 | フローリングメイン、操作感重視 |
どちらを選ぶべきか?
私がSV50 FFを選んだ理由は、明確に「軽さ」と「取り回しの良さ」を優先したからです。
上位モデルのFCは、ヘッドが2つのローラーで構成されており、まるでホバークラフトのように床の上を滑る「浮遊感」が特徴です。
これは広大なフローリングを掃除する際には非常に気持ちが良いのですが、その分ヘッドが大きく、重くなります。
階段の掃除や、家具の入り組んだ場所を掃除するには、ヘッドがコンパクトなFFの方が圧倒的に有利です。
また、価格差も無視できません。
FFモデルでも約6万円前後と、掃除機としては決して安くはありません。
そこにさらに数万円を上乗せしてFCモデルを買う価値があるかというと、使用環境によると言えます。
もし、家の中に段差が少なく、広いリビングを一気に掃除したい、そしてあの独特の浮遊感を味わいたいというガジェット好きな方であれば、FCモデルは満足度が高いでしょう。
しかし、私のように「子供の食べこぼしをサッと吸いたい」「階段掃除を楽にしたい」「ロボット掃除機の補助として使いたい」という目的であれば、FFモデルの方がコストパフォーマンスが高く、満足できる選択になります。
「安くて軽い」というFFの特徴は、決して「機能が劣る」という意味ではなく、「機動力を最大化したモデル」と捉えるべきです。
アタッチメントの活用法
SV50 FFにも、必要最低限のアタッチメントが付属しています。
特に便利なのが、ブラシ付きの隙間ノズルです。
これを装着することで、ハンディクリーナーとしてさらに活躍の幅が広がります。
例えば、キーボードの隙間の埃、車のシートの掃除、巾木の上の埃取りなど、床以外の場所の掃除が劇的に楽になります。
本体がペンのように細長いため、狭い車内でも邪魔にならず、シートの下やドアポケットの奥まで届きます。
また、付属のスタンドにはアタッチメントを収納できるホルダーがついているため、使いたい時に「あれ、どこに置いたっけ?」と探す手間もありません。
このスタンド自体も非常にスリムで、充電コードもすっきりと収まるよう設計されているため、リビングに置いても美観を損ねません。
まとめ
新型ダイソン「PencilVac (SV50 FF)」は、単なる掃除機ではなく、生活の質を向上させるインテリアツールです。
「掃除機をかける」という行為のハードルを極限まで下げ、気づいた時に数秒で綺麗にできる環境を提供してくれます。
確かに、フィルターのメンテナンスや集塵容量の少なさといった弱点はありますが、それを補って余りある「軽さ」と「美しさ」があります。
特に、以下の条件に当てはまる方には、自信を持っておすすめできる一台です。
- ロボット掃除機をすでに持っており、サブ機を探している方
- 階段の掃除が辛いと感じている方
- リビングに掃除機を出しっぱなしにしたいが、生活感は出したくない方
- 子供の食べこぼしや、ちょっとした埃をストレスなく掃除したい方
逆に、これをメイン機として家中を一度に掃除したい方や、カーペットメインの家にお住まいの方、フィルター掃除がどうしても面倒な方には、従来のVシリーズなどをおすすめします。
私自身、このPencilVacを導入してから、家の中の「ちょっとした汚れ」に対するストレスが激減しました。
コーヒーメーカーを探していたはずが、コーヒーの粉をこぼしても笑顔でいられるこの掃除機に出会えたことは、嬉しい誤算でした。
価格は安くありませんが、毎日の「掃除しなきゃ」というプレッシャーから解放されるための投資と考えれば、十分に元は取れるはずです。
ぜひ、あなたの生活にもこの「美しい相棒」を迎え入れてみてはいかがでしょうか。
筆者情報
浜辺 渚(はまべ なぎさ)
フリーランスの子供用グッズ・家電紹介ライター。慶應義塾大学卒業後、大手出版社での編集経験を経て独立。
現在は二児の母として、子育てに奮闘する日々を送る。
自身の経験を活かし、忙しいママ・パパの生活を少しでも豊かに、楽にするための家電製品や便利グッズの紹介を行なっている。
丁寧な取材と、生活者目線でのリアルなレビューに定評がある。
最近の悩みは、在宅ワーク続きによる運動不足で、腰痛がひどくなってきたこと(今回の軽量掃除機は本当に助かりました!笑)。



















