ゲーム評論家の桐谷シンジです。
今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、スクウェア・エニックスから発表された待望の新作スマートフォン向けアプリ『ドラゴンクエスト スマッシュグロー』について、一体どんなゲームなのか、やり込み要素はあるのか、そしていつからプレイできるのか、といった点が気になっていると思います。 国民的RPGであるドラゴンクエストの完全新作ということで、期待と少しの不安が入り混じっていることでしょう。
この記事を読み終える頃には、『ドラゴンクエスト スマッシュグロー』がどのような作品で、今後の展開にどう期待すればよいのか、その疑問が解決しているはずです。
- 爽快感抜群の「スマッシュ&グロー」システム
- ヴァンパイアサバイバーズライクなローグライトRPG
- シリーズの垣根を超えたやり込み要素の可能性
- 気になるリリース日とベータテストの詳細情報
それでは解説していきます。
ドラクエスマッシュグロウの基本情報を総まとめ
まずは、現時点で判明している『ドラゴンクエスト スマッシュグロー』(以下、スマッシュグロー)の基本的な情報から整理していきましょう。 ティザーPVが公開されたばかりで謎に包まれた部分も多いですが、その映像や発表内容から読み取れる情報を詳しく解説します。
ドラクエスマッシュグローとは?新ジャンルのローグライトRPG
スマッシュグローは、『ドラゴンクエスト』シリーズの最新作として発表されたスマートフォン(iOS/Android)向けの「ローグライトRPG」です。 プレイヤーは広大なフィールドを冒険し、次々と現れるモンスターの大群をなぎ倒していくアクション要素の強いゲームとなっています。
最大の特徴は、挑戦するたびにキャラクターの成長(スキル構成)が変化するローグライト要素を取り入れている点です。 これにより、同じステージでも毎回異なる戦略やゲーム体験が楽しめる、中毒性の高いゲームプレイが期待されます。 グラフィックは『ドラゴンクエストX』や『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』などで見られる3Dモデルをベースにしており、おなじみのモンスターたちが生き生きと動き回る姿を確認できます。
ドラクエスマッシュグローのリリース日と対応プラットフォーム
多くのファンが最も気になるであろう正式リリース日ですが、現時点では2026年配信予定と発表されています。 まだ少し先の話になりますが、クオリティを最大限に高めるための開発期間と捉え、続報を待ちたいところです。
対応プラットフォームは、iOSおよびAndroidのスマートフォン向けとなっており、基本プレイ無料でアイテム課金制が採用される、いわゆる「ソシャゲ」の形態になることが濃厚です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式リリース日 | 2026年(予定) |
| 対応プラットフォーム | iOS / Android |
| 料金形態 | 基本プレイ無料(アイテム課金制) |
| ジャンル | ローグライトRPG |
| 開発・運営 | 株式会社スクウェア・エニックス |
クローズドベータテストの日程と参加方法
正式リリースに先駆けて、ゲームのバランス調整やサーバー負荷テストを目的としたクローズドベータテスト(CBT)の実施が発表されました。 いち早くスマッシュグローの世界に触れたい方は、この機会を逃さないようにしましょう。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 募集期間 | 2025年9月17日(水) 〜 2025年10月2日(木) 23:59 |
| 募集人数 | 30,000名(iOS / Android合計) |
| 実施期間 | 2025年10月14日(火) 〜 2025年10月21日(火)(予定) |
参加方法は、公式サイトの募集ページから応募規約に同意の上、必要事項を記入して申し込みます。 応募者多数の場合は抽選となるため、必ずしも参加できるわけではありませんが、ドラクエファンならば応募しておく価値は十分にあるでしょう。 CBTでのフィードバックが、より良いゲームを作るための礎となります。
ティザーPVから分かる世界観とキャラクター
公開されたティザーPVでは、広大なフィールドを冒険する主人公らしきキャラクターの姿が確認できました。 ナンバリング作品の主人公とは異なるオリジナルキャラクターのようで、今後のストーリー展開に期待が膨らみます。
また、非常に印象的だったのが、主人公と共に行動する小さなキラーマシンです。 PVの冒頭では「モナンになりたいキラーマシン」というテキストが表示されており、『ドラゴンクエストタクト』に登場したモナンのような、物語のナビゲーター兼マスコット的な役割を担うのかもしれません。 このキラーマシンがどのように物語に関わってくるのか、育成要素はあるのか、注目したいポイントです。
ドラクエスマッシュグロウのゲームシステムを徹底解説
ここからは、スマッシュグローの核心となるゲームシステムについて、さらに深く掘り下げていきます。 タイトルにもなっている「スマッシュ」と「グロー」とは何を意味するのか、そしてどのようなゲーム体験が待っているのかを、類似作品との比較も交えながら分析します。
名前の由来「スマッシュ」と「グロー」の意味とは?
本作のタイトルは、ゲームの根幹をなす2つのシステムを象徴しています。
爽快感を生む「スマッシュ」システム
「スマッシュ」は、文字通り敵を「粉砕する」「強打する」アクションを指します。 PVでは、攻撃によって吹き飛ばされたスライムが、ビリヤードの玉のように他のモンスターに衝突し、連鎖的にダメージを与えているシーンが確認できました。 これは、単純に敵を倒すだけでなく、どの敵をどの方向に吹き飛ばせば効率よく一掃できるか、という戦略性を生み出します。 大量のモンスターをまとめてなぎ倒す爽快感は、本作の大きな魅力となるでしょう。 この要素は、人気アプリ『モンスターストライク』の反射や貫通といったシステムにも通じるものがあり、スマートフォンでの操作と非常に相性が良いと言えます。
無限の組み合わせを生む「グロー」システム
「グロー」は「成長する」「育つ」を意味し、本作のローグライト要素を担うシステムです。 プレイヤーはモンスターを倒して経験値を獲得し、レベルアップするごとにランダムに提示される3つのスキル(冒険スキル)の中から1つを選択してキャラクターを強化していきます。 例えば、「マジックボール」「奇跡のしずく」「追撃の剣」といったスキルを組み合わせることで、自分だけのビルドを構築できます。 どのスキルを選ぶかによって攻撃方法や立ち回りが大きく変化するため、プレイするたびに新鮮な感覚で楽しむことが可能です。 このランダム性と選択の繰り返しが、プレイヤーを何度も冒険へと駆り立てる中毒性を生み出すのです。
元ネタは『ヴァンパイアサバイバーズ』?ゲーム性の比較
スマッシュグローのゲームシステムは、インディーゲームながら世界的に大ヒットした『Vampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ)』に極めて近いものです。 このジャンルは、通称「ヴァンサバライク」や「白スラ系」とも呼ばれ、近年多くのフォロワー作品を生み出しています。
共通点:大量の敵、ランダムスキル強化、シンプルな操作性
スマッシュグローとヴァンパイアサバイバーズの共通点は多岐にわたります。
- 画面を埋め尽くすほどの大量の敵が出現する
- プレイヤーは基本的に移動操作のみに集中する
- レベルアップ時にランダムなスキルを選択して自身を強化していく
- 時間経過と共に敵の数や種類が増し、難易度が上昇する
この手軽ながらも奥深いゲーム性が、多くのプレイヤーを魅了しました。 スマッシュグローもこの面白さの根幹部分をしっかりと受け継いでいるようです。
独自性:「スマッシュ」要素と3人パーティ制
一方で、スマッシュグローはドラクエならではの独自性も打ち出そうとしています。 前述の「スマッシュ」システムによる連鎖ダメージの爽快感は、他のヴァンサバライクゲームにはない大きな特徴です。
さらに決定的に異なるのが3人パーティ制である点です。 PVでは3人のキャラクターが同時に戦っており、プレイヤーが操作するキャラクター以外はオートで行動する仲間(NPC)だと思われます。 これにより、
- キャラクターの組み合わせによるシナジー効果
- 役割分担(近接アタッカー、遠距離、サポートなど)
- 3人分の装備を整える育成の深さ といった、ソロプレイが基本のヴァンパイアサバイバーズにはない戦略性が生まれます。 ただし、これは同時に「3人分の強力な装備をガチャで揃える必要がある」という課金圧の高さに繋がる可能性も秘めており、今後のバランス調整が重要になるでしょう。
ドラクエおなじみのモンスターやボスとのバトル
ドラクエの世界観でヴァンサバライクが遊べる、という点もファンにとっては大きな魅力です。 PVではスライムやモーモンといった雑魚モンスターだけでなく、ゴーレム、キングスライム、ひくいどりといった強敵(ボス)が登場するシーンも確認できました。 これらのボスは、それぞれが原作を彷彿とさせる特殊な攻撃を仕掛けてくることが予想されます。 大量の雑魚をスキルでなぎ倒し、強力なボスとの緊張感あるバトルに挑むという、緩急のついたゲーム展開が楽しめそうです。
課金要素はどうなる?ガチャシステムの予測
スマッシュグローは基本プレイ無料のソシャゲとしてリリースされることが確実視されています。 そうなると気になるのが課金要素、特にガチャの内容です。 3人パーティ制という点から、以下のガチャが実装される可能性が高いと筆者は予測します。
- 武器・防具ガチャ 最も可能性が高いガチャです。 キャラクターの強さに直結し、最高レアリティの装備には強力なスキルや必殺技が付随することが考えられます。 3人分の装備を揃えるとなると、かなりの投資が必要になるかもしれません。
- キャラクターガチャ パーティを組む仲間キャラクターをガチャで入手する形式です。 『ドラゴンクエストウォーク』の仲間キャラクターシステムのように、歴代シリーズのキャラクターが登場すれば、コレクション性も高まります。
- こころ・紋章のような装備システム 『ウォーク』の「こころ」や『星のドラゴンクエスト』の「紋章」のように、装備とは別の形でキャラクターを強化するアイテムがガチャの対象になる可能性もあります。
いずれにせよ、インフレを加速させるような過度な課金圧はユーザー離れの原因となります。 元ネタであるヴァンパイアサバイバーズが買い切りゲームでありながら、圧倒的なボリュームとやり込み要素で高い評価を得たことを考えると、スクウェア・エニックスには慎重なマネタイズ設計を期待したいところです。
ドラクエスマッシュグロウのやり込み要素と将来性
一度プレイし始めるとやめ時が見つからなくなるのが、このジャンルのゲームの恐ろしいところです。 スマッシュグローには、プレイヤーを飽きさせないためのどのような「やり込み要素」が用意されているのでしょうか。 また、長期的に運営されるソシャゲとしての将来性についても考察します。
無限に遊べる?ローグライトならではのランダム性
本作の最大のやり込み要素は、やはりローグライトシステムそのものにあります。 レベルアップごとに出現するスキルがランダムであるため、理想のビルドを完成させるためには何度も挑戦する必要があります。 「今回は序盤に強力な範囲攻撃スキルが引けたから強気に攻めよう」「回復スキルが出ないから、被弾を避ける立ち回りを徹底しよう」といったように、状況に応じた判断力が試されます。
このランダム性は、プレイのマンネリ化を防ぎ、長期間にわたって新鮮な気持ちで遊ぶための重要な要素です。 ステージの構造や出現する敵のパターンにもランダム性があれば、さらに奥深いゲームになるでしょう。
キャラクター育成と装備収集の奥深さ
ローグライト要素が「一回の冒険における成長」だとすれば、恒久的な成長要素であるキャラクター育成や装備収集も重要なやり込み要素となります。 ソシャゲで一般的に見られる育成システムをスマッシュグローに当てはめてみましょう。
- レベルアップとステータス強化: 冒険を繰り返すことでキャラクターの基礎レベルが上がり、HPや攻撃力などのステータスが恒久的に上昇する。
- スキルツリー解放: キャラクター固有のスキルツリーを解放し、新たなアビリティや必殺技を習得する。
- 装備の強化・進化: 入手した武器や防具を素材を使って強化し、さらに上位の装備へと進化させる。
- 限界突破: 同じ装備やキャラクターを重ねることでレベル上限を解放し、さらなる高みを目指す。
これらの要素が複雑に絡み合うことで、プレイヤーは自分だけの最強パーティを育成するという長期的な目標を持つことができます。 どのキャラクターを優先的に育てるか、どの装備を進化させるかといった選択も、プレイヤーの個性が現れる部分です。
評論家が懸念する運営上の課題点
本作の元になったヴァンパイアサバイバーズは買い切り型のゲームであり、プレイヤーは全てのコンテンツを一度の支払いで楽しめます。 しかし、スマッシュグローは長期的な運営を目指すソシャゲです。 ここには、大きな期待と共にいくつかの懸念点も存在します。
コンテンツ消費速度とアップデート頻度のバランス
このジャンルのゲームは中毒性が高い反面、一度クリアしてしまうとやることがなくなり、急速に飽きが来てしまう危険性も孕んでいます。 プレイヤーを繋ぎとめるためには、高頻度での新ステージ、新キャラクター、新スキルの追加が不可欠です。 運営側がプレイヤーのコンテンツ消費スピードに追いつけなくなってしまった場合、一気に過疎化が進む可能性があります。
課金圧と無課金・微課金ユーザーの格差問題
3人分の装備を最高レアリティで揃えなければ高難易度コンテンツに挑戦できない、といった過度な課金圧は、多くのユーザーをふるい落とすことになります。 ヴァンサバライクの面白さは、自身のプレイヤースキルと運で困難を乗り越える達成感にあります。 課金額が強さに直結しすぎるゲームバランスは、このジャンルの面白さを根底から覆しかねません。 無課金や微課金のユーザーでも、時間をかければ十分に楽しめるような導線設計が求められます。
過去作『チャンピオンズ』の失敗から学ぶべきこと
スクウェア・エニックスは過去に、バトロワという流行りのジャンルにドラクエを掛け合わせた『ドラゴンクエスト チャンピオンズ』をリリースしました。 しかし、ゲーム性の薄さや単調さからユーザーが離れ、残念ながら長期運営には至りませんでした。 スマッシュグローもまた、「ヴァンサバライク」という流行りのジャンルに乗った作品です。 『チャンピオンズ』の二の舞にならないためには、単なる模倣で終わらせず、「スマッシュ」や「3人パーティ」といった独自性をいかに面白さに昇華させられるかが鍵となります。 元ネタの面白さをリスペクトしつつ、ドラクエならではの魅力をしっかりと融合させる必要があります。
まとめ
今回は、スクウェア・エニックスの期待の新作『ドラゴンクエスト スマッシュグロー』について、現在公開されている情報を基に徹底的に分析・解説しました。
【スマッシュグローのポイント】
- ジャンル: ヴァンパイアサバイバーズに代表されるローグライトRPG
- システム: 敵を吹き飛ばす「スマッシュ」と、ランダムスキルで成長する「グロー」が特徴
- 独自性: 3人パーティ制による戦略性の深さ
- リリース: 2026年予定、2025年10月にはクローズドベータテストを実施
ゲーム性の根幹部分は世界的にヒットした作品をベースにしているため、面白さの土台は非常にしっかりしていると言えるでしょう。 ドラクエの世界観で、あの爽快感と中毒性を味わえるというだけでも、ファンにとってはプレイする価値があります。
一方で、ソシャゲとしての運営には懸念点も少なくありません。 課金バランス、アップデート頻度、そして何より「ドラクエらしさ」と「ヴァンサバライクの面白さ」を高次元で融合できるか。 スクウェア・エニックスの運営手腕が厳しく問われる作品となりそうです。
まずは2025年10月に実施されるクローズドベータテストで、その片鱗を体験できることを楽しみに待ちましょう。 このレビューが、あなたのスマッシュグローへの期待をさらに高める一助となれば幸いです。






