ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年9月12日に発表されたスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)の新作スマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストスマッシュグロー」について、「またすぐにサービス終了(サ終)するのではないか?」、そして「なぜ最近のスクエニのスマホゲームは長続きしないのか?」という疑問や不安を感じているのではないでしょうか。 長年応援してきたファンであればこそ、期待と同時に大きな不安を抱くのは当然のことです。

この記事を読み終える頃には、なぜ新作発表が素直に喜ばれないのか、その背景にあるスクエニのスマホ事業が抱える根深い問題の本質と、今後の課題についての疑問が解決しているはずです。
- 新作「ドラクエスマッシュグロー」への期待と不安の声
- スクエニのスマホゲームが短命に終わる根本的な理由
- 過去の成功体験がもたらす「IP依存」という呪縛
- ファンが本当にスクエニに求めているもの
それでは解説していきます。

ドラクエスマッシュグローへの期待と不安|祝福なき新作発表の背景
待望の国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの完全新作が発表されたにもかかわらず、ファンの間では祝福ムードよりも冷ややかな反応が広がっています。 一体なぜ、このような異例の事態が起きているのでしょうか。 まずは新作の概要と、それを取り巻く世間の声から見ていきましょう。
2025年9月12日に発表された「ドラゴンクエストスマッシュグロー」とは
2025年9月12日、スクエニはドラゴンクエストシリーズのスマートフォン向け完全新作として「ドラゴンクエストスマッシュグロー」を発表しました。 翌9月13日の夜には、公式YouTubeチャンネルで約1分30秒のティザーPVがプレミア公開され、その概要が少しだけ明らかになりました。
PVでは、歴代シリーズのモンスターたちが入り乱れて戦う様子や、「スマッシュ」という言葉が示す通り、爽快感のあるアクション要素が強調されているように見受けられます。 グラフィックは現代のスマホゲームとして高品質であり、ドラクエならではの温かみのあるキャラクターデザインも健在です。 本来であれば、シリーズのファンはもちろん、多くのアクションゲーム好きが胸を躍らせるはずの発表でした。
しかし、このビッグニュースに対するファンの反応は、これまでのシリーズ新作発表時とは全く異なる、冷ややかなものだったのです。
SNSで渦巻く「またすぐサ終?」というファンの声
新作発表の直後から、X(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄をはじめとするSNS上では、期待の声を圧倒するほどの不安や批判の声が溢れかえりました。 その一部を抜粋してみましょう。
- 「どうせまた1年で終わるんでしょ?もう課金する気になれない」
- 「新しいのを作る前に、中途半端に終わらせたゲームをどうにかしてくれ」
- 「星ドラであれだけ課金したのに…また同じ思いはしたくない」
- 「チャンピオンズの二の舞になりそう。IPの無駄遣い」
- 「頼むからライバルズを復活させてくれ。あれは本当に面白かった」
- 「ドラクエの名前があれば売れると思ってるなら大間違いだ」
これらの声に共通しているのは、ゲーム内容そのものへの評価以前に、「運営が信用できない」という根深い不信感です。 ファンはもはや、「面白いかどうか」よりも「安心して長く遊べるかどうか」を最優先に考えていることが、今回の反応から痛いほど伝わってきます。
なぜ期待より不安が先行するのか?過去の事例から見る不信感
ファンがこれほどまでに強い不信感を抱くのには、明確な理由があります。 それは、スクエニが近年、特にドラゴンクエスト関連のスマホゲームで繰り返してきた「短期間でのサービス終了」という事実です。
一度ゲームを始め、キャラクターを育て、コミュニティで仲間と交流する。 プレイヤーにとって、それは単なる暇つぶしではなく、時間とお金、そして何より「想い」を注ぎ込む大切な体験です。 しかし、その大切な場所がある日突然、運営の都合で一方的に奪われてしまう。 この経験を一度でもすれば、次の新しいゲームに同じだけの熱量を注ぐことを躊躇するのは当然の心理でしょう。
特に、長年多くのファンに愛され、多額の課金をしたユーザーも少なくなかった「星のドラゴンクエスト」のサービス終了は、多くのプレイヤーに深い失望感と徒労感を与えました。 こうした過去の経験が積み重なり、「スクエニのスマホゲーム=いつ終わるか分からない」という負のイメージが完全に定着してしまったのです。
サービス終了した主なドラクエ関連スマホゲーム一覧
プレイヤーの不信感をより具体的に理解するために、近年サービスを終了した主なドラゴンクエスト関連およびスクエニのスマートフォン向けゲームを時系列で見てみましょう。
ゲームタイトル | サービス開始日 | サービス終了日 | 運営期間 |
---|---|---|---|
ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト | 2014年1月23日 | 2024年1月31日 | 約10年 |
星のドラゴンクエスト | 2015年10月15日 | 2024年1月31日 | 約8年3ヶ月 |
ドラゴンクエストライバルズ | 2017年11月2日 | 2021年7月5日 | 約3年8ヶ月 |
ドラゴンクエストウォーク | 2019年9月12日 | 運営中 | – |
ドラゴンクエストタクト | 2020年7月16日 | 運営中 | – |
ドラゴンクエストけしケシ! | 2021年12月1日 | 2024年5月31日 | 約2年6ヶ月 |
ドラゴンクエスト チャンピオンズ | 2023年6月13日 | 2024年7月30日 | 約1年1ヶ月 |
ファイナルファンタジーVII エバークライシス | 2023年9月7日 | 運営中 | – |
エンゲージ・キル | 2023年3月1日 | 2024年3月21日 | 約1年 |
トワツガイ | 2023年2月16日 | 2024年7月23日 | 約1年5ヶ月 |
※運営期間が比較的長かったタイトルも含まれていますが、近年の傾向として短期終了が増えています。
この表を見ると、確かに「ドラゴンクエストウォーク」や「タクト」のように現在も運営が続いている成功例も存在します。 しかし、それ以上に目立つのが、「チャンピオンズ」のようにわずか1年でサービスを終えてしまったタイトルや、「けしケシ!」のように比較的新しいタイトルが次々と終了している事実です。
プレイヤーからすれば、「当たり外れが大きい」と感じるのは無理もありません。 そして、「スマッシュグロー」がどちらに転ぶのか、過去の失敗事例が多すぎるために、どうしても悲観的な予測に傾いてしまうのです。
スクエニがスマホ事業で成功できない5つの根深い理由
なぜスクエニは、これほど強力な「ドラゴンクエスト」というIP(知的財産)を持ちながら、スマートフォンゲーム事業で苦戦を強いられているのでしょうか。 その原因は、単なる開発力の問題ではなく、企業としての戦略や体質に根差した、より根深い問題にあると私は分析しています。 ここでは、その理由を5つの側面に分けて徹底的に解説します。
理由①:IPの切り売りと粗製乱造|ブランド価値の毀損
最大の理由は、自社が誇る「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった強力なIPの価値を、自ら毀損してしまっている点にあります。
とにかく新作を乱発する戦略
近年のスクエニは、まるで弾切れを恐れるかのように、次から次へと新作スマホゲームを市場に投入しています。 しかし、その多くはどこかで見たようなゲームシステムにドラクエの皮を被せただけ、といった印象が拭えません。 これは、長期的な視点でファンを育て、ゲームを文化として成熟させるというよりも、「IPの力で初動の売上を確保し、採算が合わなくなれば即座に撤退する」という、極めて短期的なビジネスモデルに見えます。
この「数打てば当たる」的な戦略は、一時的な収益には繋がるかもしれません。 しかし、その裏で失っているものの大きさは計り知れません。 一つ一つの作品に込められた熱意や独自性が感じられず、ファンは「また同じようなゲームか」と飽き飽きしてしまいます。 そして、粗製乱造されたゲームが短期間で終了するたびに、「ドラゴンクエスト」という看板そのものに泥が塗られていくのです。 かつては新作が出るたびに日本中が熱狂したブランドが、今や「サ終予備軍」と揶揄されるまでになってしまった。 これこそが、IPの切り売りが招いた最大の悲劇です。
理由②:短期的な収益至上主義|プレイヤー不在の経営判断
二つ目の理由は、ゲーム開発の現場よりも、株主や決算報告書を優先する経営判断が透けて見える点です。 プレイヤーが楽しむことよりも、いかに短期間で効率よく収益を上げるかが最優先されているように感じられます。
ユーザー体験を損なう課金モデル
多くのスクエニのスマホゲームに共通しているのが、序盤から高い課金圧を感じさせるマネタイズ手法です。 魅力的なキャラクターや装備のほとんどが、運が絡む「ガチャ」でしか手に入らない。 そして、そのガチャの確率も決して高くはなく、目当てのものを手に入れるためには多額の投資が必要になるケースが少なくありません。
もちろん、基本プレイ無料のスマホゲームにおいて、課金モデルが重要なのは当然です。 しかし、成功しているゲームは、課金をしなくても十分に楽しめ、時間をかければ強くなれる道筋が用意されています。 そして、「このゲームがもっと好きになったから、応援の意味も込めて課金しよう」と思わせるような、優れたユーザー体験を提供しています。
一方で、スクエニのゲームは「課金しないとまともに遊べない」「強くなるには課金が必須」と感じさせる場面が多く、プレイヤーは楽しむ前に「搾取されている」という不快感を抱きがちです。 これでは、長期的なファンは育ちません。 目先の利益を追うあまり、最も大切な「プレイヤーからの信頼」を失っているのです。
理由③:時代遅れのゲームシステムとマネタイズ
三つ目の理由は、ゲーム開発における発想が、現代のスマホゲーム市場のトレンドから取り残されている点です。
コンソールゲームの成功体験からの脱却不足
スクエニは、コンソール(家庭用ゲーム機)市場で数々の金字塔を打ち立ててきた偉大な企業です。 しかし、その成功体験が、スマホゲームという異なるプラットフォームにおいては、足枷となっているように見えます。
スマホゲームのプレイヤーが求めるのは、隙間時間に手軽に遊べる操作性、継続的にプレイしたくなるイベントや報酬設計、そして他のプレイヤーと緩やかに繋がれるコミュニティ機能など、コンソールゲームとは異なる独自の体験です。
しかし、スクエニのゲームには、どこかコンソールゲームの感覚を引きずったような、複雑で時間のかかるシステムや、スマホの操作性に最適化されていないUI(ユーザーインターフェース)が散見されます。 マネタイズに関しても、買い切り型のコンソールゲームの感覚で「強力なアイテム=高額」という単純な図式に陥りがちで、継続的なプレイを促すような、より洗練された課金設計ができていません。 スマホゲーム市場は、もはやコンソールゲームのサブ市場ではなく、独自の進化を遂げた巨大なマーケットです。 その特性を深く理解し、最適化されたゲームデザインを生み出せていないことが、成功から遠ざかっている大きな要因の一つです。
理由④:コンソールゲーム開発とのリソース配分の問題
四つ目の理由は、社内におけるリソース(人材、予算、時間)の配分に起因するのではないか、という推測です。
スマホゲーム開発は「二軍」扱い?
スクエニは現在も、「ファイナルファンタジーVII リバース」のような、世界市場をターゲットにした超大作コンソールゲームの開発に多大なリソースを投入しています。 当然、社内のトップクリエイターや優秀な開発チームは、こうした大規模プロジェクトに優先的に配置されるでしょう。
その結果、スマートフォンゲームの開発は、外部の開発会社への委託が中心になったり、社内でも比較的小規模なチームが担当したりすることが多くなるのではないかと考えられます。 もちろん、外部委託や小規模チームが悪いわけではありません。 しかし、どうしてもAAA級タイトルに比べて、かけられる情熱や予算、開発期間に差が出てしまうのは否めません。
プレイヤーはそうした開発の裏事情を敏感に感じ取ります。 「本気で作られていない」「片手間で開発されている」と感じたゲームに、時間やお金を注ぎたいと思う人はいません。 スマホゲーム事業を真の収益の柱にしたいのであれば、コンソールゲームと同等、あるいはそれ以上の覚悟とリソースを投入するべきですが、現状はそのような体制になっていないように見受けられます。
理由⑤:ユーザーとのコミュニケーション不足と信頼関係の崩壊
最後の理由は、最も根本的かつ重要な問題かもしれません。 それは、ゲームを遊んでくれるプレイヤーとのコミュニケーションを軽視し、信頼関係を構築できていない点です。
一方通行な運営姿勢
サービスが好調な時は情報発信も多いですが、一度雲行きが怪しくなると、途端にアップデートの頻度が落ち、ユーザーからの不満や要望に対するフィードバックもなくなり、沈黙を保つ。 そして、ある日突然、サービス終了の告知が淡々と掲載される。 これが、多くのプレイヤーが経験してきたパターンです。
長期的に成功しているスマホゲームの運営は、プレイヤーとの対話を非常に重視しています。 定期的な生放送で今後のアップデート情報を公開したり、SNSで積極的にユーザーと交流したり、時には開発の裏側を見せたりすることで、親近感や共感を醸成しています。 プレイヤーを単なる「消費者」ではなく、ゲームを共に作り上げていく「パートナー」として扱っているのです。
スクエニの運営からは、こうした姿勢がほとんど感じられません。 プレイヤーが何を求めているのか、何に不満を感じているのかを真摯に受け止め、改善していく努力が不足しています。 このコミュニケーション不足が、最終的に「どうせ私たちの声は届かない」という諦めと、「運営は信用できない」という決定的な不信感に繋がり、ユーザー離れを加速させているのです。
スクエニは時代の変化に対応できないのか?過去の成功体験という呪縛
ここまでスクエニのスマホ事業が抱える個別の問題点を指摘してきましたが、これらの問題はすべて、ある一つの大きな課題に集約されるように思います。 それは、スクエニという企業が、「過去の成功体験」という強烈な呪縛から逃れられず、時代の変化に対応しきれていないという事実です。
「ドラクエ」「FF」という巨大IPへの過度な依存
「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。 この二大看板は、スクエニにとって最大の資産であると同時に、最大の足枷にもなっています。 コンソール市場では、このIPの力は絶大でした。 タイトルを冠するだけで、ある程度の売上が保証され、ファンは熱狂しました。
しかし、無数のゲームが無料でダウンロードできるスマホゲーム市場において、IPの力だけで勝ち続けることはもはや不可能です。 ユーザーはよりシビアに、ゲームそのものの面白さ、運営の質を評価します。 にもかかわらず、スクエニは未だに「ドラクエやFFの名前があれば、ユーザーはついてきてくれるはずだ」という幻想に囚われているように見えます。
新しいゲーム体験をゼロから生み出す苦労を避け、安易に既存IPに頼る。 その結果、IPの持つブランドイメージを消費し続けるだけの、不毛なサイクルに陥っているのです。
スマホゲーム市場のトレンド変化への対応の遅れ
現在のスマホゲーム市場で成功を収めているタイトルは、単にキャラクターが魅力的だというだけではありません。
- 継続的な大型アップデート: プレイヤーを飽きさせない、ストーリーや新機能の追加。
- コミュニティの醸成: ゲーム内だけでなく、SNSやリアルイベントを通じてファン同士の繋がりを促進。
- メディアミックス展開: アニメ化やグッズ展開など、ゲームの枠を超えた世界の広がり。
- フェアな課金体験: 無課金・微課金でも楽しめるバランスと、課金者が正当な満足感を得られる設計。
これらのトレンドに対し、スクエニの対応は明らかに遅れています。 特に、プレイヤーコミュニティを育て、ゲームへの愛着を深めてもらうという視点が欠けているように感じます。 ゲームを提供して終わり、ではなく、サービス開始後からいかにしてファンと共にゲームを盛り上げていくか。 その「運営力」こそが、今のスマホゲーム市場で最も重要な要素なのです。
成功事例から学ぶべきこと|長期運営タイトルの共通点
一方で、Cygamesの「ウマ娘 プリティーダービー」や、mixiの「モンスターストライク」など、長期にわたってユーザーから絶大な支持を得ているタイトルも存在します。 これらの成功事例には、スクエニが見習うべき多くのヒントが隠されています。
共通点①:IPへの深い愛情とリスペクト
「ウマ娘」の開発陣が見せる、モチーフとなった競走馬への深いリスペクトは、多くのファンに感動を与えました。 単に名前やキャラクターを借りるだけでなく、その背景にある物語や文化までをも大切に扱う姿勢が、作品に深みを与え、ユーザーの心を掴んでいます。
共通点②:ユーザーサプライズを忘れない運営
予定調和を打ち破るような、良い意味で「裏切りのある」アップデートやイベント。 気前の良いアイテム配布や、ユーザーの予想を上回るコラボレーション。 こうした「運営からのプレゼント」は、プレイヤーの満足度を大きく高め、ゲームへの忠誠心を育てます。
共通点③:明確なビジョンと覚悟
これらの成功タイトルからは、「このゲームを10年、20年と続く文化にしたい」という運営の明確なビジョンと覚悟が感じられます。 目先の利益に惑わされず、長期的な視点でユーザーとの信頼関係を築いていく。 このブレない軸があるからこそ、ファンは安心してゲームに時間と情熱を注ぐことができるのです。
スクエニに求められる変革とは?ファンが本当に望むもの
では、スクエニがこの負のスパイラルから抜け出し、再びプレイヤーからの信頼を取り戻すためには、何が必要なのでしょうか。
それは、小手先の改善ではありません。 「IPに頼る安易な開発姿勢を捨てる」という、根本的な意識改革です。
ファンが本当に望んでいるのは、ドラクエの新作が年に何本も出ることではありません。 たとえ開発に何年かかってもいい。 一本のゲームに真摯に向き合い、「これこそが新しい時代のドラゴンクエストだ」と胸を張って言えるような、情熱のこもった作品を遊びたいのです。 そして、一度サービスを開始したら、採算が悪いからといって簡単に見捨てるのではなく、プレイヤーの声に耳を傾け、粘り強く改善を重ね、ファンと共にゲームを育てていこうという姿勢を見せてほしいのです。
まとめ
今回は、スクエニの新作「ドラゴンクエストスマッシュグロー」の発表に対するファンの冷ややかな反応をきっかけに、同社のスマホ事業がなぜ成功できないのか、その根深い理由について考察してきました。
- IPの切り売りと粗製乱造によるブランド価値の低下
- 短期的な収益を優先し、プレイヤーの信頼を失った運営姿勢
- 過去の成功体験に囚われ、時代の変化に対応できていない企業体質
これらの問題が積み重なった結果が、現在の「新作が出ても期待より不安が先行する」という異常事態を招いています。
正直なところ、ゲーム評論家としての私の目から見ても、「ドラゴンクエストスマッシュグロー」がこれまでの流れを断ち切り、長期的に成功を収めるのは、極めて厳しい道のりになるだろうと予測せざるを得ません。 失われた信頼を取り戻すのは、簡単なことではないからです。
しかし、それでも私は、一人のゲームファンとして、スクエニの再生を心の底から願っています。 「ドラゴンクエスト」は、日本のゲーム文化を象徴する、かけがえのない宝です。 その輝きを、これ以上失ってほしくない。
「スマッシュグロー」が、ファンの不安を吹き飛ばすほどの「本気」を見せてくれる作品であることを、そして、今回のファンの厳しい声が、スクエニが変わるためのきっかけになることを、切に願っています。