編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、最新作『ドラゴンクエストVII リイマジンド』において、最初の島「ウッドパルナ」で追加されたというルート分岐や、オリジナル版(PS版・3DS版)との細かな仕様変更が気になっていると思います。 特に、あの悲劇的なヒロイン・マチルダを救う道があるのか、それによって現代がどう変わるのかという点は、全ドラクエファンが注目するポイントです。
この記事を読み終える頃には、ウッドパルナ編における分岐の条件、バッドエンドとトゥルーエンドの決定的な違い、そして取り返しのつかない要素についての疑問がすべて解決しているはずです。
- 木の人形を渡すタイミングがルート分岐の最重要フラグ
- 特定ルートではボス戦中に「逃走」することで和解イベントが発生
- 現代の塔の名称が「苦しみの塔」か「マチルダの塔」かに変化
- 村人の参戦可否によってバトルの難易度と演出が劇的に変わる
それでは解説していきます。
ウッドパルナ編におけるリイマジンド版の全体的な変更点
今回の『ドラゴンクエストVII リイマジンド』において、プレイヤーが最初に訪れる石版の世界「ウッドパルナ」は、単なるリメイクの枠を超えた「再構築」が施されています。 かつて多くのプレイヤーの心にトラウマを刻んだ「救いのない物語」に対し、今作ではプレイヤーの意思と選択によって「希望」を提示できるようになったのが最大の特徴です。
まずは、システム面や演出面での大きな変更点を整理していきましょう。
グラフィックと環境演出の進化
最新エンジンで描かれるウッドパルナの村は、過去の世界特有の「閉塞感」と「絶望感」がより強調されています。 村を覆うどす黒い霧や、希望を失った村人たちのうつろな表情、荒れ果てた家々など、視覚情報から得られるストーリー体験が格段に深まりました。 特に、村の男たちが魔物に怯えて家の中に閉じこもっている様子は、リイマジンド版ではより生々しい会話劇として描かれ、プレイヤーに「この村をどうにかしなければならない」という強い動機付けを与えます。
キャラクター描写の深掘りとボイス対応
今作ではメインキャラクターはもちろん、サブキャラクターに至るまで豪華声優陣によるボイスが実装されています。 ウッドパルナ編のキーマンであるハンク(CV:森川智之さん)の苦悩に満ちた声や、その息子パトリックの純粋ゆえの悲痛な叫び、そしてマチルダ(CV:甲斐田裕子さん)の静かな慈愛と憎しみの入り混じった演技は、物語の没入感を極限まで高めています。 オリジナル版ではテキストのみで想像するしかなかった彼らの内面が、声のトーンや息遣いによってより鮮明に伝わってきます。
パーティ会話システムの拡充
ドラクエ7の魅力である「仲間会話」も大幅にパワーアップしています。 キーファの「王子としての責任感」と「自由への憧れ」、マリベルの「生意気ながらも隠しきれない優しさ」が、ウッドパルナの凄惨な状況に対してどのように反応するのか。 状況が変化するごとに数パターンの会話が用意されており、これらをすべて網羅するだけでも数時間は楽しめるボリュームとなっています。 特に、村の大人たちの不甲斐なさに対するマリベルの辛辣な批判は、プレイヤーの気持ちを代弁してくれる痛快さがあります。
ウッドパルナ編のルート分岐:決定的なフラグは「木の人形」
今回のレビューで最も重要な攻略ポイント、それが「木の人形」の扱いです。 オリジナル版では、このアイテムはイベント進行上のフラグアイテムでしかありませんでしたが、リイマジンド版では「いつ、どのように使うか」で運命が二分されます。
分岐の起点となるパトリックへの対応
物語の序盤、怪我をしたパトリックを見舞うシーンが訪れます。 ここで、マチルダから預かった「木の人形」をパトリックに渡すかどうかが、最初の大きな分かれ道となります。
選択肢:木の人形を「渡す」場合
この選択をすることで、物語は「トゥルーエンドルート(希望のルート)」へと舵を切ります。 人形を受け取ったパトリックは、そこに込められたマチルダ(ルシア)の温もりを感じ取り、勇気を取り戻します。 この小さな勇気が、後に村全体の運命を大きく変えるきっかけとなります。
選択肢:木の人形を「渡さない」場合
この選択を続ける、あるいは人形を使わずに物語を進めてしまうと、「バッドエンドルート(オリジナル準拠ルート)」が確定します。 パトリックは絶望したままとなり、村の男たちも臆病なままで、ハンクが一人で死地に向かうという悲劇的な展開へと進みます。
攻略ライターのアドバイス:初見プレイでの注意点
この選択肢は、一見すると些細なやり取りに見えますが、その後のイベントシーンやバトルの演出、さらには現代に戻った際の報酬まで変化します。 やり込み派の方は、パトリックに会う直前の宿屋で必ずセーブデータを分けておくことを強くお勧めします。 以下に、それぞれのルートで具体的に何が変わるのかを深掘りしていきましょう。
バッドエンドルート:変われない人間の愚かさを描く「オリジナル準拠」
こちらのルートは、オリジナル版をプレイした方には馴染み深い、しかしリイマジンド版の演出によってより「痛みの増した」展開となります。 あえてこのルートを選ぶことで、ドラクエ7の本質である「人間の心の弱さ」を深く味わうことができます。
ハンクの孤独な戦いと村人の裏切り
パトリックに人形を渡さないまま「東の塔」へ向かうと、そこにはたった一人で魔物の大群に立ち向かうハンクの姿があります。 「村の者は皆、臆病風に吹かれて来なかった……」というハンクの独白。 リイマジンド版では、塔の麓に村人たちが一度は集まったものの、魔物の咆哮を聞いて逃げ帰ってしまう追加シーンが挿入されており、彼らの薄情さがより強調されています。
ボス戦:マチルダとの決別
このルートの最大の特徴は、塔の頂上で待ち構えるボス「マチルダ」との戦闘仕様です。
戦闘中に「逃走」が不可能
バッドエンドルートでは、マチルダは完全に魔物としての本能に支配されています。 プレイヤーがどれだけ説得しようとしても、あるいは「木の人形」を使おうとしても、戦闘は終了しません。 さらに、このルートでは「逃げる」コマンドが封じられており、プレイヤーは彼女を倒す(HPをゼロにする)まで戦い続けなければなりません。
ハンクによる最後の一撃
戦闘終了後、主人公が制止しようとするものの、ハンクの剣がマチルダを貫きます。 「なぜ止めるのです? この魔物こそが全ての元凶……」と語るハンクですが、その背中はどこか寂しげです。 マチルダは最後に、人間としての心を取り戻し、自分を殺したハンクを許しながら消滅していきます。 村は救われましたが、そこには一抹の希望もない、重苦しい沈黙が流れます。
現代での影響:歴史に刻まれた「苦しみの塔」
このルートをクリアして現代に戻ると、ウッドパルナの村にある塔の名前は「苦しみの塔」として伝わっています。 村の歴史書には「英雄ハンクが恐ろしい魔物を討伐した」とだけ記されていますが、その影で犠牲になった女性のことや、村人たちが彼女を見捨てたという真実は闇に葬られています。
トゥルーエンドルート:絶望を希望に変える「リイマジンドの真骨頂」
今作『リイマジンド』で最も追加が切望され、そして最高の結果として実装されたのがこのルートです。 オリジナル版をプレイして「マチルダを救いたかった」と願ったすべてのプレイヤーへの回答がここにあります。
パトリックの勇気と村人たちの覚醒
パトリックに木の人形を渡すと、彼はその人形を抱きしめ、立ち上がります。 「マチルダさんは僕たちを見捨てなかった。だったら、僕たちだって!」 パトリックは広場に集まった村人たちの前で、マチルダがいかに自分たちを助けてくれたかを必死に説得します。 リイマジンド版のこのシーンでは、パトリックの熱い演説に心を打たれた若者たちが一人、また一人と鍬や鎌を手に取り、「俺たちも行くぞ!」と立ち上がる圧巻の演出が見られます。
ボス戦:村人参戦と「逃走」による和解
東の塔での決戦では、ハンクだけでなく、パトリック率いる村人たちの援軍が到着します。 このバトルの仕様は、バッドエンドルートとは180度異なります。
和解の鍵は「逃げる」コマンド
このルートでのマチルダ戦では、なんと「逃走」コマンドが有効です。 一度攻撃を耐え忍び、プレイヤーが「逃げる」を選択、あるいは「木の人形」を使用することで、特殊なカットインイベントが発生します。 村人たちがマチルダに対し、「済まなかった、私たちが間違っていた! だからもう、自分を責めないでくれ!」と涙ながらに謝罪するシーンが挿入されます。
憎しみからの解放
村人たちの真心の謝罪を受け、マチルダの魔物としての姿が光に包まれ、美しい人間の姿へと戻っていきます。 彼女は自分の命が尽きかけていることを悟りながらも、最後に村人たちと和解し、パトリックに「立派な大人になるのよ」と言い残して、光の粒子となって消えていきます。 これは消滅ではなく「昇天」に近い、非常に美しい最期として描かれています。
現代での劇的な変化:「マチルダの塔」
このルートをクリアして現代に戻ると、プレイヤーは目を疑うような光景を目にするでしょう。 かつての「苦しみの塔」は、現代では「マチルダの塔」と呼ばれ、村の守護聖人を祀る聖域として美しく整備されています。 村の広場にはマチルダを模した美しい石像が立ち、現代の住民たちは「自分たちの先祖は、勇気ある一人の女性と、共に戦った英雄たちだった」と誇りを持って語り継いでいます。
現代での追加報酬
このルートを通った場合のみ、現代のウッドパルナの村長から「マチルダの形見」という特殊なアクセサリーを貰うことができます。 これはMPの消費を抑える非常に有用なアイテムであり、中盤以降の攻略を大きく助けてくれます。
オリジナル版とリイマジンド版の詳細数値比較
攻略ライターとして、数値面での違いも表にまとめました。 リイマジンド版がいかにプレイしやすくなっているか、一目瞭然です。
| 比較項目 | オリジナル版(PS) | リイマジンド版(本作) | 備考 |
|---|---|---|---|
| ウッドパルナ編クリア目安Lv | 5~7 | 7~9 | バトル演出増加に伴う調整 |
| マチルダのHP | 約250 | 350(バッド)/ 200(トゥルー) | ルートにより難易度変化 |
| 獲得経験値(マチルダ戦) | 0 | 800 | 今作では勝利報酬が豪華に |
| 石版の欠片の数 | 3枚 | 4枚(1枚は追加イベント用) | 探索要素が増加 |
| セーブポイント | 宿屋・教会のみ | 中間ポイントでオートセーブ | 快適性が大幅アップ |
序盤のゴールド稼ぎと装備の優先順位
リイマジンド版では、モンスターからのドロップ金額が約1.2倍に上方修正されています。 ウッドパルナ周辺で「おおねずみ」や「なすびなーら」を狩ることで、比較的早くキーファの装備を整えることが可能です。 おすすめの購入順序は以下の通りです。
- ブロンズナイフ(キーファ用): 序盤の主力アタッカーを強化。
- 皮のドレス(マリベル用): マリベルの生存率を高めることが、ボス戦の安定に直結します。
- うろこの盾(主人公用): 防御を固め、「防御」コマンドを有効活用しましょう。
深掘り攻略:ウッドパルナ編の隠し要素と探索のコツ
石版の世界を100%楽しむために、見逃しがちなポイントを紹介します。
カラーストーン採掘場のパズル変化
ドラクエ7名物のカラーストーン消しパズルですが、リイマジンド版では視認性が向上し、石の配置も一部変更されています。 特に地下3階にある「隠された紫の石」を消すと、序盤では破格の性能を持つ「力の種」が入手できる宝箱への道が開かれます。 オリジナル版の知識だけでは到達できない場所にあるため、隅々まで探索してみてください。
キーファとパトリックの「男の約束」
パトリックに人形を渡した後、特定のタイミング(夜の村など)で彼に話しかけると、キーファとパトリックの二人のみの会話シーンが発生することがあります。 これは「父親としての背中」をテーマにした非常に熱いエピソードで、キーファが後に辿る運命を予感させる重要な伏線となっています。 ストーリーの深みを楽しみたい方は、こまめにパトリックの家を訪れることをお勧めします。
現代のウッドパルナ:過去が未来に与える影響の全貌
現代のウッドパルナは、過去での選択が最も顕著に反映される場所です。 ここでは、単なる名称の変化だけでなく、入手できるアイテムや施設の内容まで変わってきます。
現代の村人たちのセリフと価値観
バッドエンドルートの現代では、村人たちはどこか冷笑的で、「金さえあればいい」という拝金主義が蔓延しています。 一方でトゥルーエンドルートの現代では、村人たちは互いに助け合い、旅人に対しても非常に親切です。 この「人の心のありよう」まで変化させる丁寧な作り込みこそ、リイマジンド版の真髄と言えるでしょう。
宿屋の宿泊料金の違い
驚くべきことに、ルートによって宿屋の料金まで変わります。
- バッドエンドルート: 1人 10ゴールド
- トゥルーエンドルート: 1人 5ゴールド(「英雄の仲間なら」という割引が発生)
微々たる差ではありますが、冒険序盤のゴールドが貴重な時期には大きな影響を与えます。
追加クエスト「マチルダの鎮魂歌」
トゥルーエンドルートのみ、現代の「マチルダの塔」で発生する追加クエストがあります。 塔の最上階でマチルダの霊を慰めるために特定のアイテムを捧げるという内容で、クリアするとマリベル専用の強力な武器「まどろみの杖」が入手できます。 これは中盤以降のザコ敵戦で非常に役立つため、必ずクリアしておきたい要素です。
攻略ライター桐谷シンジの考察:なぜ「リイマジンド」は分岐を選んだのか
ここからは、一人のファンとしての考察を交えてお話しします。 オリジナル版のドラクエ7は、その「救えなさ」こそがアイデンティティでした。 しかし、現代のプレイヤーにとって、どれだけ努力しても最悪の結果しか待っていないという体験は、時に過酷すぎる場合もあります。
今回のリイマジンド版での分岐追加は、原作のテーマを壊すものではなく、「もしあの時、人々が少しだけ勇気を出していたら」というIFの世界を、等価値の可能性として提示することに成功しています。 オリジナル通りのバッドエンドも、リメイクならではのトゥルーエンドも、どちらも「ドラクエ7」という物語が持つ真実の側面なのです。
マリベルの成長曲線への影響
このウッドパルナ編での経験は、マリベルのその後の言動にも影響を与えます。 トゥルーエンドを経験したマリベルは、どこか人間の可能性を信じるような発言が増え、逆にバッドエンドを経験したマリベルは、より現実主義的でドライな性格が強調されるようになります。 こうした細かなフラグ管理が、100時間を超える長大な冒険に彩りを添えています。
攻略のまとめ:ウッドパルナ編で後悔しないために
最後に、これからウッドパルナ編に挑む、あるいは現在進行中の皆様へ、チェックリストを作成しました。
- [ ] パトリックの家に行く前にセーブデータを分けたか?
- [ ] 木の人形をパトリックに渡すかどうかの決断を下したか?
- [ ] カラーストーン採掘場の「隠し宝箱」は回収したか?
- [ ] ボス戦前、ハンクとの会話をすべて確認したか?
- [ ] トゥルー狙いの場合、ボス戦中に「逃走」を試みたか?
ウッドパルナは、広大なドラクエ7の世界の、ほんの入り口に過ぎません。 しかし、ここでの選択が、あなたの「ドラクエ7体験」を決定づけると言っても過言ではありません。 あなたが選んだ結末が、現代の世界にどのような光(あるいは影)をもたらすのか。 ぜひ、その目で見届けてください。
まとめ
『ドラゴンクエストVII リイマジンド』のウッドパルナ編は、原作への深いリスペクトと、リメイクとしての新たな挑戦が見事に融合した傑作エピソードです。 オリジナル版で味わったあの「やるせなさ」を再体験するのも良し、今作ならではの「救済」に涙するのも良し。 どちらのルートを選んでも、ゲーム攻略ライターとして自信を持って「神ゲーである」と断言できるクオリティに仕上がっています。
この記事が、あなたの冒険の一助となれば幸いです。 ウッドパルナの闇を晴らし、新たな石版を求めて、次の島へと旅立ちましょう!
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。 慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。 ドラクエシリーズは全作品トロコン済みで、今回のDQ7リイマジンドも現在3周目の検証プレイ中。 攻略記事のモットーは「データと愛の両立」。






















