編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新しく発表された『ドラゴンクエストVII リイマジンド』が自分に合っているのか、それとも過去作の重厚すぎるイメージから購入をためらっているのではないでしょうか。 かつて「石板探しが大変」「クリアまでが長すぎる」と言われた名作が、現代の最新技術とユーザーフレンドリーな設計でどう生まれ変わったのか。
この記事を読み終える頃には、あなたが製品版を予約すべきか、どのエディションを選ぶべきかという疑問が完全に解決しているはずです。
- ドールルックで描かれる箱庭のような美しい新グラフィック
- テンポを重視し物語の主軸を際立たせたシナリオ再構築
- 職業の2つ掛け持ちとどこでも転職による自由な育成
- 石板探索の不便さを徹底解消したユーザーフレンドリー設計
それでは解説していきます。
ドラクエ7リイマジンドの魅力と刷新された新要素
ドラゴンクエストシリーズの中でも、その圧倒的なボリュームと「鬱展開」とも評される重厚な人間ドラマで異彩を放つ『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』。 今作『リイマジンド』は、単なる高画質化や一部のシステム変更に留まらない、タイトルの通り「再構築」をテーマにした全く新しいDQ7となっています。
攻略ライターとして多くの作品に触れてきましたが、今作の調整は「原作の魂を維持しつつ、現代のタイムパフォーマンス(タイパ)重視の時代に最適化する」という、非常に困難な課題に対する一つの正解を提示していると感じます。 まずは、本作がこれまでのドラクエ7と何が違うのか、その核心的な魅力から細かく紐解いていきましょう。
グラフィックの大幅刷新「ドールルック」がもたらす圧倒的没入感
今作のビジュアルで最も個性を放っているのが、新たに採用された「ドールルック(Doll Look)」という表現手法です。 これまでのドラクエシリーズが目指してきた「フォトリアル」や「アニメ調」とは一線を画し、まるで精巧に作られたジオラマや人形劇の箱庭を覗き込んでいるかのような、不思議な温かみと質感を持った3DCGグラフィックです。
歴代ビジュアルとの比較
| ハード | 表現手法 | 特徴 |
|---|---|---|
| PS1版 | ドット+3D | 2Dの親しみやすさと3Dの奥行きを両立したが、視認性に課題。 |
| 3DS版 | デフォルメ3D | キャラクターが生き生きとしたが、ハードの制約で質感が簡素。 |
| リイマジンド | ドールルック | 陶器のような肌、布の質感、ミニチュア的な美しさを追求。 |
このドールルックによって、フィッシュベルの潮風の匂いや、グランエスタード城の石造りの冷たさ、そして各地の悲劇的な物語が、どこか「おとぎ話」のような幻想的な雰囲気を纏っています。 特にキャラクターの表情変化は劇的で、ボイス演出と相まって、ヒロインであるマリベルのツンデレな言動や、主人公の素朴な反応が、これまで以上にプレイヤーの心にダイレクトに響くようになっています。
また、今作のアイラのビジュアルは、シリーズ屈指の美しさです。 彼女の舞い手の衣装の揺れ、肌の質感、そして戦闘中の凛とした立ち振る舞いは、まさにリイマジンド(再構築)された本作の象徴的なクオリティと言えるでしょう。
テンポ重視のシナリオ再構築と「時間の壁」の打破
ドラクエ7がかつて「シリーズ最大の難関」とされた理由の一つに、その膨大なプレイボリュームがありました。 初見プレイで100時間を超えることは珍しくなく、忙しい現代のプレイヤーにとってはその「長さ」が敬遠される要因にもなっていました。
『リイマジンド』では、このシナリオボリュームに対して大胆なメスを入れています。
物語の「核」を際立たせる調整
本作では、メインストーリーの骨格を維持しつつ、物語の主軸に直接関わらない冗長なサブクエスト的な要素や、移動距離を稼ぐだけのイベントを整理・削減しています。 これにより、一つひとつの島の物語(オムニバス形式)のテンポが格段に良くなり、プレイヤーが「次に何をすべきか」を見失うことなく、物語の核心へスムーズに到達できるようになっています。
もちろん、原作ファンの中には「あの細かいエピソードが好きだった」という方もいるでしょう。 しかし、今回の再構築は単なるカットではなく、重要なシーンにおける演出の強化(イベントシーンのボイス化やカメラワークの刷新)にリソースを割いており、全体的な満足度はむしろ向上していると感じます。 「長いだけの冒険」から「密度が濃く、記憶に残る冒険」へと進化したのです。
石板システムの劇的改善:もう迷わない、詰まらない
ドラクエ7を語る上で避けて通れないのが「石板探し」のストレスです。 PS1版ではノーヒントで隠された小さな石板を見つける必要があり、そこで挫折したプレイヤーは数知れません。
今作では、このシステムをゼロから見直し、驚くほど快適な探索環境を構築しています。
- 石板リストの完備: 入手可能な石板の総数、現在の所持数、そして「次にどこへ行けば手に入るのか」というヒントを常に確認できます。
- 次世代型石板レーダー: エリア内に石板が存在する場合、より直感的に方向や距離を把握できるようになり、画面を凝視して隅々まで調べる苦労が激減しました。
- 地図連動ガイド: ワールドマップ上に「次に行くべき場所」がピンポイントで表示されるため、広い世界で迷子になることがありません。
- 過去へのルーラ機能: 3DS版以降の改善点をさらに強化し、過去と現在を自由に行き来できる機能がさらに使いやすく最適化されました。
これにより、探索の「楽しさ」だけが残り、盲目的に歩き回る「苦労」が排除されています。 石板を集めるたびに新しい世界が開ける、あのワクワク感を純粋に味わえるようになったのは大きな進化です。
職業「デュアルジョブ」システム:無限の育成戦略
育成システムにおいて最も革命的な変更が、1人のキャラクターが同時に2つの職業をセットできる「駆け持ち(デュアルジョブ)」システムの導入です。
従来のシステムでは、一つの職業を極めてから次の職業へ、という直線的な育成でしたが、今作では「戦士」と「武闘家」を同時にセットして超近接特化型を作ったり、「魔法使い」と「僧侶」を組み合わせて序盤から万能な賢者のような立ち回りをさせたりすることが可能です。
育成の楽しみが倍増するポイント
- スキルの相乗効果(シナジー): 2つの職業のスキルを組み合わせることで、特殊な連携技やパッシブスキルが発動する仕組みがあり、自分だけの最強ビルドを模索する楽しみがあります。
- どこでも転職「ダーマの水晶」: 新アイテム「ダーマの水晶」を使えば、神殿に戻ることなくその場で職業の入れ替えが可能です。ボスの弱点に合わせてパーティーの役割を瞬時に変更できるのは、戦略上の大きなメリットです。
このシステムにより、キャラクターの個性をプレイヤーが自由にデザインできるようになり、作業的になりがちだったレベル上げや熟練度稼ぎが、常に新しい発見のあるクリエイティブな時間へと変わりました。
バトルシステムの進化「バースト」と視覚情報の重要性
戦闘シーンも、現代のRPGとしてふさわしい進化を遂げています。 特筆すべきは、新要素の「バーストチャージ」システムです。
戦闘中の行動や被ダメージによって蓄積されるバーストゲージを消費することで、職業ごとに異なる強力な必殺技を放つことができます。 これは、従来の「ただコマンドを選ぶだけ」のバトルに、リソース管理とタイミングの重要性を加えることになりました。
また、戦闘画面では敵の「弱点属性」や「状態異常の効きやすさ」が可視化されています。 「ルカニは効くのか?」「この敵にマホトーンは有効か?」といった情報を試行錯誤することなく、一目で判断できるため、よりロジカルでスピード感のあるバトルが楽しめます。 熟練のプレイヤーにとっては、この情報を元に「最短ターン数での撃破」を目指すといった新しい遊び方も生まれています。
シンボルエンカウントと「格下撃破」の快感
フィールド上での移動と戦闘の切り替えも、非常にスマートになっています。 本作はシンボルエンカウントを採用しており、魔物たちの生態を観察しながら冒険を進めることができます。
さらに、自分よりもレベルが低い敵であれば、戦闘画面に移行することなくフィールド上でそのまま一撃で倒せる「格下撃破」機能が実装されました。 これにより、移動の邪魔になる弱い敵をストレスなく排除でき、かつ経験値やゴールド、熟練度も(少量ながら)獲得できるため、探索のテンポを一切崩しません。
買うべき理由とおすすめポイント徹底解説
新要素を把握したところで、実際に製品版を購入すべきか迷っている方へ、ゲームライターとしての具体的な推奨理由を提示します。
過去作で挫折した人ほど「リベンジ」すべき理由
もしあなたが、昔ドラクエ7をプレイして「石板が見つからない」「話が長すぎる」「ダーマ神殿までの道のりが遠すぎる」と感じて投げ出してしまった経験があるなら、本作はまさにあなたのための作品です。
当時の不満点は、今作の『リイマジンド』ですべて解決されていると言っても過言ではありません。 物語の良さはそのままに、システムが徹底的に現代化されているため、今度こそ最後まで、あの感動の結末にたどり着くことができるはずです。 「昔クリアできなかった自分」を塗り替える体験は、リメイク作品を遊ぶ上での最高の醍醐味と言えます。
キーファの物語と新エンディングへの期待
本作では、王子キーファに関する物語がより深く再構築されています。 原作では中盤でパーティーを離脱してしまう彼ですが、今作ではその「離脱の理由」や、彼が去った後の「その後」の描写に新たな要素が加わっています。
さらに、プレイヤーの選択や隠された条件を満たすことで、物語の結末が変化するマルチエンディング制が噂されています。 これは、何十年もの間ファンの間で語り継がれてきた「キーファ救済」や「別の未来」に対する、開発チームからの新しい回答かもしれません。 原作を知っているからこそ驚かされる、そんな体験が待っています。
究極の「自分専用」難易度設定
本作は、プレイヤーごとに異なる「遊びたいスタイル」を尊重する設計になっています。
| 設定したいスタイル | 推奨される調整 |
|---|---|
| 物語をサクサク見たい | 敵の強さを弱めに、獲得経験値を2倍に設定. |
| 古き良き苦労を味わいたい | 獲得経験値を半分に、自動回復をオフに設定. |
| 最強のパーティーを追求したい | 熟練度獲得量を最大に、敵を最強設定にして試運転. |
このように、オプション画面からいつでも難易度や獲得リソースの量を調整できます。 「自分にとって一番楽しいドラクエ7」を自分で作り出せるシステムは、忙しい社会人から、じっくりやり込みたい学生まで、あらゆる層にフィットします。
全員同行システムによるパーティー愛の深化
原作ではパーティーから外れたメンバーはキャンプや酒場で待機していましたが、今作では「全員が常に一緒に旅をしている」状態になります。 馬車システムのようなイメージですが、戦闘中にいつでも交代が可能であり、何より「仲間会話」が全員分、常に楽しめるのが最大の魅力です。
誰か一人を留守番させる後ろめたさを感じることなく、マリベルの辛口なコメントやガボの無邪気な反応、メルビンの老練な意見、アイラの情熱的な言葉を、その時々のイベントで全員分聞くことができます。 これにより、パーティーメンバーへの愛着がこれまで以上に深まることは間違いありません。
やり込み要素の拡充:闘技場と魔王降臨
メインストーリーをクリアした後も、冒険は終わりません。 今作では新たに「バトル闘技場」が実装され、世界中のプレイヤーと(あるいは強力なNPCと)戦闘の腕を競うことができます。
さらに、ダウンロードコンテンツ(DLC)では、歴代ドラクエシリーズの魔王たちがゲストとして降臨します。 竜王、シドー、ゾーマといった伝説の存在と、再構築されたドラクエ7のシステムで戦えるのは、シリーズファンにとって夢のような体験です。 最強の職業組み合わせと、バースト技を駆使して、伝説の魔王たちに挑む楽しみは、本編以上の熱量を持つでしょう。
デジタルデラックス版を選ぶべきメリット
もし購入を決めているのであれば、デジタルデラックス版を強く推奨します。
- アーリーアクセス権(48時間): 誰よりも早く冒険を始め、SNSのネタバレを回避できます。
- 限定装備アイテム: 序盤の職業熟練度稼ぎを助けるアイテムなどが付属。
- DLCパス: 後に配信される魔王戦や追加衣装を、個別購入よりお得に入手。
特にドラクエのようなネタバレが気になるRPGにおいて、48時間の先行プレイは非常に大きな価値があります。
まとめ
『ドラゴンクエストVII リイマジンド』は、単なる過去作の再現ではなく、25年の時を経て「完成形」へと昇華された作品です。
ドールルックによる美しい世界、ストレスのない探索、そして奥深いデュアルジョブシステム。 これらすべてが、あの「失われた世界を取り戻す」という壮大なテーマと見事に融合しています。
かつてエスタード島を旅立った時のあの胸の高鳴りを、もう一度、さらに素晴らしい形で体験してみませんか。 迷っている時間はもったいない。 ぜひこの「再構築」された物語の目撃者になってください。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。 慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。






















