編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、リメイク版『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(リイマジンド)』における最大の謎「キーファ=オルゴ・デミーラ説」の結末が気になっていると思います。かつてオリジナル版で囁かれた悲劇的な仮説が、今作でどのように扱われたのか、ファンならずとも見逃せないポイントですよね。
この記事を読み終える頃には、キーファとオルゴ・デミーラを巡る長年の疑問が完全に解決し、今作が提示した「もう一つの真実」に涙すること間違いなしです。
- キーファとオルゴ・デミーラは完全に別個の存在
- ラスボス戦でキーファがゲスト参戦し共闘
- オリジナルの伏線を逆手に取ったリイマジンド独自の演出
- 伝説の「種泥棒」汚名返上と感動の再会
それでは解説していきます。
キーファ=オルゴデミーラ説の真相と完全否定
結論から申し上げます。今作『ドラゴンクエストVII リイマジンド』において、「キーファ=オルゴ・デミーラ説」は明確に否定されました。
それどころか、物語のクライマックスであるラスボス「オルゴ・デミーラ」戦において、キーファは主人公たちの窮地に駆けつけ、共に魔王を討つための「仲間」として剣を振るいます。これはオリジナル版をプレイし、あの切ない別れに涙したプレイヤーにとって、まさに「救済」とも言える展開です。
かつてネット上で語り継がれた、ユバールの守り手となったキーファが、何らかの絶望を経て魔王へと変貌してしまったという悲劇的な考察。今作はその考察さえも物語のスパイスとして取り込みつつ、最高の形で答えを提示してくれました。
ラスボス戦での衝撃:共闘するキーファの演出
ラスボスであるオルゴ・デミーラとの最終決戦。幾多の形態変化を繰り返し、絶望的な力を振るう魔王を前に、プレイヤーは窮地に立たされます。その時、戦場に響き渡るのは見覚えのある剣技の音。そこには、かつての「わがまま王子」の面影を残しつつも、立派な戦士へと成長した38歳のキーファの姿がありました。
彼はゲストキャラクターとして戦闘に加わり、「ギガスラッシュ」や「火炎斬り」といった強力な技でオルゴ・デミーラにダメージを与えます。**魔王と同じ画面に、味方としてキーファが存在する。**この事実こそが、長年のファンが抱き続けてきた「彼は敵になってしまったのではないか」という不安を完全に払拭する決定的な証拠となりました。
なぜ「キーファ=オルゴ・デミーラ説」が生まれたのかの経緯
ここで一度、なぜこれほどまでにこの説が有名になったのかを振り返っておきましょう。主な理由は以下の点に集約されます。
- 名前の由来: キーファ(Keifer)がドイツ語の「マツ(松)」を意味し、オルゴ・デミーラが「金の松」を連想させる設定があった(真偽不明)。
- 不自然な離脱: 序盤で強力なアタッカーとして活躍した彼が、石版の世界に永住するというあまりにも唐突な別れ。
- オルゴ・デミーラの台詞: 「私は万物の王。神に代わって世界を統べるもの」という台詞が、かつて「自分自身の道を探す」と言ったキーファの歪んだ成長ではないかと邪推された。
- ラーの鏡: オリジナル版のオルゴ・デミーラが正体を隠し、人間に化けていたこと。
しかし、リイマジンド版ではこれらの要素を「ミスリード」として楽しみつつ、キーファ自身の人生をより深く掘り下げることで、彼が魔王になる余地などないほどに「誇り高きユバールの守り手」であったことを証明しました。
DQ7リイマジンドで描かれたキーファの「20年」の軌跡
今作の最大の特徴は、過去の世界で別れた後のキーファの人生が具体的に描かれたことです。主人公たちが再び彼に出会うのは、彼が過去の世界で過ごして20年が経過した姿でした。
38歳になったキーファの姿と変化
ラグラーズ城のイベントで再会するキーファは、髭を蓄え、屈強な体躯を持つ「池おじ(イケてるおじさん)」へと変貌していました。かつての軽薄さは消え、一族を守るという重責を背負った、落ち着きのある大人の男性です。しかし、その瞳にはかつてグランエスタードで共に冒険した頃の熱い光が宿っていました。
彼は過去の世界でユバールの踊り手であるライラと結婚し、二人の子供(息子と娘)を授かっていました。この設定により、アイラがキーファの血を引く直系の子孫であることが、より明確なタイムラインで示されることになったのです。
ユバールの守り手としての戦いと覚悟
キーファがラグラーズ城で「血の流れ者」として捕らえられていた事件。これもまた、彼が一族を魔物の軍勢から守るために単身で囮になった結果でした。魔王軍が神の復活を阻止するためにユバールを狙った際、キーファは一族を逃がすために、あえて悪名を被ってまで時間を稼いだのです。
「自分自身の始めた冒険を、中途半端に投げ出してしまった」
彼は20年間、その思いを胸に抱き続けていました。だからこそ、現代で魔王が復活したことを知った彼は、家族への愛を胸に刻みつつも、親友である主人公と共に「最後の決着」をつける道を選んだのです。
涙のラスボス戦:オルゴ・デミーラ完全攻略とキーファの活躍
リイマジンド版のオルゴ・デミーラは、オリジナル版以上の絶望感を持ってプレイヤーの前に立ちはだかります。しかし、そこにはキーファという頼もしい味方がいます。ここでは、キーファと共に戦うラスボス戦の詳細な内容を解説します。
第一形態:美しき魔王との対峙
人間のような美しい姿をしたオルゴ・デミーラ。ここではキーファも「まだまだ序の口だぜ」と言わんばかりの余裕を見せます。「バイキルト」をかけてもらったキーファの「爆裂拳」は、凄まじいダメージソースとなります。
第二形態:翼を持つ魔獣への変化
怪物の本性を現し始める形態。強力な全体攻撃が飛び交いますが、キーファが「ベホマラー」などでサポートに回る場面もあり、彼の成長をステータス面でも実感できます。
第三形態:ゾンビ化する魔王とキーファの専用技
崩れゆく肉体を維持しながら襲いかかる形態。ここではキーファの専用技「真・火炎斬り」が炸裂します。魔王の属性耐性を貫通して大ダメージを与えるその姿は、まさに伝説の戦士そのものです。
第四形態:どろどろの最終形態と決着
肉体が溶解し、執念だけで戦う最終段階。キーファは叫びます。「俺たちの冒険は、ここで終わらせるんだ!」この台詞と共に放たれる「ギガブレイク」でとどめを刺す瞬間は、DQ7史上最高のカタルシスを味わえます。
ルーメン編から紐解く「魔物と人間の絆」のテーマ
物語の補足として欠かせないのが、作中で描かれた「ルーメン」の街の物語です。ここでは魔物と人間がいかに共存し、時には悲劇を生むかが深く描かれています。これは「キーファが魔物(魔王)になったのではないか」というテーマとも密接に関わっています。
爆弾岩「ロッキー」と巨大虫「チビ」の物語
ルーメンの街は三度にわたって滅亡の危機に瀕しますが、それを救ったのは人間ではなく「魔物」でした。爆弾岩のロッキーは、街を救うために自らメガンテを唱えて犠牲になりました。そして巨大虫のチビは、人間から気味悪がられ、山へ捨てられそうになっても、最期まで恩人であるシーブルを守り抜きました。
ルーメンでの教訓比較表
| エピソード | 救世主 | 結末 | 残された教訓 |
|---|---|---|---|
| ヘルバオム戦 | ロッキー(爆弾岩) | 自爆(消滅) | 見た目で判断しない絆の尊さ |
| ヘルワーム戦 | チビ(巨大虫) | 戦死(英雄の墓) | 無償の愛と犠牲の精神 |
これらのエピソードは、「魔物の中にも心があり、守るべきものがある」というDQ7の裏テーマを象徴しています。キーファもまた、ユバールという魔物に狙われ続ける宿命の一族を守る中で、魔物の本質を理解していたはずです。彼が魔王になるのではなく、魔王から「愛するもの」を守る盾になることを選んだのは、このルーメン編の物語とも共鳴する必然の流れだったと言えます。
種泥棒からの卒業:キーファのステータス変化と救済
オリジナル版では「ステータスアップの種(ドーピングアイテム)を全部使った後に離脱する」ことから、種泥棒という不名誉なあだ名をつけられていたキーファ。リイマジンド版では、この「種問題」に対しても粋な計らいがなされています。
種アイテムの返却システム
キーファ離脱後、彼が所持していた、あるいは彼に使用した分の「種」と同等の効果が、後のイベントで「キーファの遺品」あるいは「贈り物」として現代の主人公の元へ届けられます。これにより、プレイヤーの喪失感は大きく軽減されました。
レベル上限の撤廃と再加入時の仕様
復帰後のキーファは、現在のパーティ平均レベルに合わせて調整されており、さらに強力な装備を持って帰ってきます。また、復帰後はかつての技をベースに大幅に強化された「アルテマソード」級の技を習得しています。これにより、彼に種を全振りしても一切の無駄にならず、むしろ「投資しておいて良かった!」と思える設計になっています。
キーファの決断:なぜ現代に戻らなかったのかの考察
魔王を倒した後、世界には平和が戻ります。多くのプレイヤーは「そのままキーファも現代(フィッシュベルやグランエスタード)に帰ってくればいいのに」と思うでしょう。しかし、彼は再び過去へと戻ることを選びます。
理由1:ユバールの守り手としての責任と愛
彼には過去の世界に愛する妻ライラと、二人の子供がいます。彼にとって、すでに「帰るべき家」はエスタード島ではなく、ユバールの民がいる過去の大地になっていました。
理由2:タイムパラドックスの回避と歴史
彼が現代に留まることは、アイラの存在(自分自身の子孫)を否定、あるいは歪めることになりかねません。歴史の歯車を正しく回すため、彼は自分の意志で「過去の人間」であることを受け入れました。
理由3:親父との無言の対話と和解
グランエスタード王に対し、彼は石版を通じて「自分は自分の使命を全うした。親友との冒険を最後まで終えた」という手紙を残します。これは、かつて「わがままを言って城を飛び出したガキ」が、「一人の男として人生を全うした」ことの報告でした。バーンズ王はその手紙を読み、涙ながらに「あいつを誇りに思う」と呟きます。物理的な再会は叶わなくとも、心の再会はここで果たされたのです。
まとめ
『ドラゴンクエストVII リイマジンド』におけるキーファの物語は、20年という歳月を超えた再会と、友情の再確認でした。
- キーファは魔王ではなかった。
- 彼は誰よりも仲間を想う戦士へと成長していた。
- 「種泥棒」の汚名は、愛と信頼によって完全に上書きされた。
オリジナル版の「オルゴ・デミーラ説」を信じていた方にとって、この結末は少し寂しい反面、大きな救いになったはずです。キーファという一人の男の人生が、魔王に屈することなく、愛する者のために使い切られたという事実は、DQシリーズの中でも屈指の名ストーリーと言えるでしょう。
このレビューを通じて、DQ7リイマジンドの深い魅力が伝われば幸いです。さあ、あなたも石版を手に、あの懐かしくも新しい冒険へ旅立ちましょう。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。DQ7はオリジナル版を3周以上プレイしており、キーファへの愛着は人一倍強い。




















