編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、待望のリメイク作である『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』の購入を検討しつつも、発表された追加DLCや販売方法に関する「批判的な声」が気になっていると思います。
2026年2月5日の発売を控え、期待が高まる一方で、SNSや掲示板では「商法が強気すぎる」「子供のお小遣いでは楽しめないのか」といった不安の声が上がっています。 特に、追加コンテンツの内容や価格設定、そしてアーリーアクセス権に関しては、往年のファンからも厳しい意見が見受けられるのが現状です。
この記事を読み終える頃には、なぜこれほどまでに議論が巻き起こっているのか、そしてその上で「自分はどのバージョンを買うべきか」の疑問が解決しているはずです。
- 伝説の魔王や装備を有料DLCにしたことへの批判の声を分析
- 過去作と比較した際の価格設定とコスパの妥当性を検証
- 子供やライト層への影響と「課金ゲー」化への懸念を解説
- 炎上ポイントを踏まえた上での賢い購入プランを提案
それでは解説していきます。
DQ7リメイクが「商法」で炎上している3つの背景
『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』は、PlayStationで発売された当時、その圧倒的なボリュームと石版を集めて世界を広げるシステムで話題を呼びました。 今回の「Reimagined(リイマジンド)」は、独自の「ドールルック」という新たなグラフィック表現や、職業システムの再構築など、単なる移植ではない完全リメイクとして発表されています。
しかし、なぜこれほどまでに「商法」についての批判が集まっているのでしょうか。 その背景には、現代のゲーム業界が抱える開発費の高騰と、ユーザーが抱く「ドラクエというブランドへの信頼」とのギャップが存在します。 ここでは、批判が殺到している主な理由を3つの視点から深掘りしていきます。
コンテンツの切り売りと捉えられた「伝説への道」
最も批判の声が大きいのが、追加DLCの一つである闘技場「伝説への道」の存在です。 このDLCでは、歴代のロト三部作に登場する伝説の魔王たち(はじまりの魔竜、破壊の邪神、闇の大魔王)と戦うことができ、報酬として「ロトのつるぎ」が入手できるとされています。
従来、ドラクエシリーズにおけるクリア後の裏ボスや、歴代魔王とのバトルというのは、やり込み要素として「本編に含まれている」のが通例でした。 あるいは、無料の配信クエストなどで追加されることが多かった要素です。 それが今回は「880円」という明確な別料金で販売されることに対し、「本来入っているべき要素を切り売りしているのではないか」という疑念の声が上がっています。
特に「ロトのつるぎ」という、ドラクエファンにとって象徴的かつ最強クラスの武器を、有料DLCの報酬にした点は、ファンの感情を逆撫でする結果となりました。 「最強装備のために追加でお金を払う」という構造が、スマートフォン向けのガチャ課金ゲームを連想させ、コンシューマーゲームとしての品格を問う声に繋がっているのです。
小学生には高すぎる?「子供置いてけぼり」の価格設定
ドラクエは国民的RPGであり、老若男女、そして子供たちも楽しむタイトルです。 しかし、今回の価格設定は、お小遣いでゲームを買う子供たちにとって非常にハードルの高いものとなっています。
価格比較表
| 項目 | 価格(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 通常版 | 8,778円 | ゲーム本編のみ |
| 追加DLCセット | 2,200円 | 闘技場、衣装、アイテム |
| デジタルデラックス版 | 10,978円 | 本編+DLC+早期アクセス |
| フルセット合計 | 約11,000円 | 全てを楽しむための価格 |
表を見ても分かる通り、全ての要素を楽しもうとすると1万円を軽く超えてしまいます。 通常のパッケージ版だけでも8,778円と、近年のゲーム価格上昇を加味しても高額な部類に入ります。 これにDLCを加える構成は、「子供がクリスマスやお年玉で買うには高すぎる」「親にお願いしづらい価格」という批判を招いています。
特に今回の批判の焦点となっているのは、「冒険お役立ちもりもり福袋(550円)」のような、ステータスアップの種や経験値アップアイテムを有料販売する点です。 「時間をかけられない大人のための救済措置」という見方もできますが、「お金で強さを買う」という概念を子供向けのタイトルに持ち込むことへの倫理的な抵抗感を持つ保護者層も少なくありません。
発売日前の格差を生む「アーリーアクセス権」
3つ目の炎上ポイントは、デジタルデラックス版に付与される「48時間のアーリーアクセス権」です。 これは、高い金額を払ったユーザーだけが、発売日の2日前(2026年2月3日)からゲームをプレイできるという権利です。
オンラインゲームの拡張パッケージなどでは一般的な手法になりつつありますが、ストーリー重視のオフラインRPGであるドラクエでこれを導入することには、強い反発があります。 理由は「ネタバレ」の問題です。
先行プレイしているユーザーが、SNSや動画サイトで序盤の展開やシステムの詳細を発信してしまうことで、通常版を購入したユーザー(特に発売日にワクワクして買いに行く子供たちや、予約をして待っていたファン)が、不本意にネタバレを目撃してしまうリスクが高まります。 「2,200円余分に払わないと、ネタバレの恐怖に怯えながら発売日を待たなければならないのか」という不満は、コミュニティを分断する要因になりかねません。
追加DLC「3種類」の詳細と批判の的
ここでは、具体的に発表されている3種類の追加DLCについて、その内容と、なぜそれが批判の対象となっているのかを個別に解説します。 公式発表の内容を紐解きながら、ユーザーが感じるメリットとデメリットを整理しましょう。
DLC① 闘技場「伝説への道」:880円の価値はあるか
このコンテンツは、ゲーム内の闘技場受付にいるスライムベスに話しかけることでプレイ可能になる、特別なバトルコンテンツです。
【収録内容】
- はじまりの魔竜
- 破壊の邪神
- 闇の大魔王
- クリア報酬:ロトのつるぎ、他
【批判のポイント】 最大の問題は、前述の通り「ロトのつるぎ」が人質に取られているように見える点です。 また、880円という価格設定が、過去の追加ダンジョン系のDLCと比較しても強気であると捉えられています。 「ゲーム本編のボリュームが削られており、その補完を有料でさせられている」と感じるユーザーが多いようです。
ただし、擁護意見としては、「リメイクにあたりボスを新規でモデリングし、AI調整などを行う開発コストを考えれば妥当」という声もあります。 特に今回の「ドールルック」という特殊なグラフィックで歴代魔王が再現されるのであれば、ファンアイテムとしての価値は十分にあるとも言えます。
DLC② DQXI勇者一行なりきり衣装セット:770円
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』のキャラクターたちの衣装を、DQ7のキャラクターに着せることができるコスメティックアイテムです。
【収録内容】
- 主人公:追われる勇者の服
- キーファ:頼れる相棒の服(カミュ風)
- マリベル:双賢の赤い服/緑の服(ベロニカ/セーニャ風)
- ガボ:夢見る旅芸人の服(シルビア風)
- アイラ:気高き戦姫の服(マルティナ風)
- メルビン:老賢王の変装服(ロウ風)
【批判のポイント】 これに関しては、「見た目が変わるだけなら許容範囲」とする声が多い一方で、「世界観が壊れる」という意見もあります。 しかし、最も批判が集まっているのは「セット販売のみ」である可能性が高い点と、その価格です。 770円あれば、インディーゲームが一本買えるセールも多いため、単なるテクスチャ変更の衣装にこの価格は見合わないと判断する層もいます。
一方で、これは完全に「欲しい人だけが買えばいい」カテゴリーのアイテムであり、ゲーム攻略に直接影響しないため、DLCの中では最も炎上度合いは低いです。 マリベルにベロニカの服を着せたいという特定のファン層には、むしろ需要が高いアイテムと言えるでしょう。
DLC③ 冒険お役立ちもりもり福袋:550円
ゲーム内の消費アイテムや、ステータスアップアイテムの詰め合わせセットです。
【収録内容】
- スライムの剣、ブーメラン、ステッキ(序盤強力装備)
- メタルスライムの心(経験値アップ)
- ゴールドマンの心(金策アップ)
- ちからのたね、まもりのたね等のステータスアップアイテム
【批判のポイント】 ここが「Pay to Win(勝つために支払う)」批判の中心地です。 特に「メタルスライムの心」や「ゴールドマンの心」といった、永続的あるいは効果の高いパッシブアイテムが含まれている点が議論を呼んでいます。
本来、RPGの醍醐味は、時間をかけてレベルを上げ、装備を整えるプロセスにあります。 それを550円でショートカットできるという仕様は、ゲームデザインそのものを否定しかねないと危惧されています。 「ゲームバランスが、このアイテムを使う前提(=使わないと敵が強すぎる、レベルが上がりにくい)に調整されているのではないか?」という疑心暗鬼を生んでいるのです。 もちろん、公式には「ゲームを進めることでも入手可能」という注釈があるアイテムもありますが、経験値アップ系のアクセサリが序盤から手に入るアドバンテージは計り知れません。
現代ゲーム開発の事情と「1万円の壁」
批判の声を紹介してきましたが、メーカー側にも言い分や事情はあります。 ここでは、なぜここまで強気な価格設定やDLC商法を行わざるを得ないのか、ゲーム業界の構造的な変化から分析します。
高騰し続ける開発費と「リイマジンド」のコスト
近年のHDゲーム開発費は、10年前とは比較にならないほど高騰しています。 特に今回は「Reimagined」と銘打たれている通り、単なるリマスター(解像度を上げただけ)ではなく、全てをゼロから作り直すフルリメイクです。
- Nintendo Switch 2 への対応: 次世代機である「Nintendo Switch 2」を含むマルチプラットフォーム展開を行うためには、それぞれのハードウェアに最適化する膨大な検証コストがかかります。
- ドールルックの採用: 鳥山明氏のデザインを「人形のような温かみのある3DCG」で再現するという独自のアートスタイルは、汎用的なリアル系エンジンを流用するよりも手間がかかる可能性があります。
- シナリオとシステムの再構築: DQ7はシリーズ屈指の長編シナリオを持ちます。これを現代のテンポに合わせて再構築し、さらに「職業システム」に「バーストチャージ」や「かけもち」といった新要素を加える調整コストは莫大です。
これらのコストを回収し、さらに次回作への投資を生むためには、パッケージ単価を上げるか、DLCで客単価(ARPU)を上げるしか方法がありません。 8,778円という定価は、開発費の高騰を考えれば「適正」範囲内とも言えますが、ユーザーの所得が上がっていない現状では「高い」と感じざるを得ないのが現実です。
「完全版商法」への警戒感とユーザーの学習
スクウェア・エニックスは過去に、『ドラゴンクエストXI』発売後に、ボイス追加や追加シナリオを含んだ『ドラゴンクエストXI S』を発売した経緯があります。 また、他タイトルでも発売から1年後に「完全版」や「インターナショナル版」が出るケースが散見されました。
ユーザーはこれらの経験から学習しており、「今、高いお金を出して買っても、1年後に全部入りの完全版が安く出るのではないか?」という警戒心を抱いています。 今回のDLC商法批判の根底には、メーカーへの不信感や、「初動で買うことへのリスク」を感じ取っているユーザー心理が働いています。 「最初から全部入れて8,800円で売ってくれれば納得したのに、細かく課金を要求されるのが不快」という感情的な反発も無視できません。
購入を迷っている人へ:3つの選択肢
批判の内容や背景を理解した上で、それでも『ドラゴンクエストVII Reimagined』は魅力的なゲームです。 批判されているのはあくまで「商法」の部分であり、ゲーム内容(リメイクの質)自体は、体験版の評判などを見る限り非常に高いクオリティが期待されています。 では、我々ユーザーはどう立ち回るべきでしょうか。3つのパターンで提案します。
パターンA:最速で遊びたい「ガチ勢」向け
推奨:デジタルデラックス版(10,978円)
批判など気にせず、とにかく一番早く、全ての要素をしゃぶり尽くしたい人はこれ一択です。 2,200円の上乗せで、以下のメリットが得られます。
- 発売2日前からのプレイ権: ネタバレを食らう前に、自らが最前線で情報を発信できます。
- ロトのつるぎ確保: 闘技場DLCが含まれているため、エンドコンテンツでの最強装備集めに苦労しません。
- 時間短縮: 「もりもり福袋」の経験値アップアイテムを使えば、社会人の限られた時間でもサクサク攻略できます。
1万円オーバーは痛い出費ですが、プレイ時間を100時間と仮定すれば、時間単価は100円程度。 趣味への投資としては十分に回収できるリターンです。
パターンB:賢く遊びたい「一般プレイヤー」向け
推奨:パッケージ通常版 + 様子見
多くの人におすすめなのがこのスタイルです。 まずは定価(実売価格はAmazonなどで少し安くなる可能性があります)で本編だけを購入します。
- DLCは後から買える: 「追加DLC3点セット」や個別のDLCは、発売後でも購入可能です。 ゲームをクリアしてみて、「もっと強敵と戦いたい」と思えば闘技場を、「見た目を変えたい」と思えば衣装を買えば良いのです。
- 難易度の確認: 経験値アップアイテムが必要かどうかは、実際にプレイしてレベル上げのバランスを確認してからで遅くありません。 最近のドラクエは親切設計になっていることが多いため、アイテムなしでも快適に進める可能性が高いです。
この買い方であれば、初期投資を抑えつつ、ゲームの評価が定まってから追加投資を判断できます。
パターンC:絶対に損したくない「慎重派」向け
推奨:無料体験版 + 値下がり待ち
「子供にねだられているが、高すぎる」「評判を見てから決めたい」という方は、まずは1月7日から配信される「無料体験版」を徹底的に遊びましょう。
- 引き継ぎ特典: 体験版をクリアすれば、製品版へデータを引き継げるだけでなく、特典(マリベルの見た目装備)も手に入ります。
- ウッドパルナまでのボリューム: 体験版の範囲である「ウッドパルナクリア」まででも、数時間は遊べるはずです。ここでゲームの触り心地や、リメイクの方向性が自分に合うかを確認できます。
もし体験版で「これは神ゲーだ」と確信できれば購入すれば良いですし、「違和感がある」と思えば、中古市場に在庫が溢れて価格が下がるのを待つか、廉価版が出るのを待つのも賢い選択です。
まとめ
今回の『ドラゴンクエストVII Reimagined』におけるDLC商法への批判は、ファンの熱量の裏返しでもあります。 「ドラクエだからこそ、純粋に楽しみたかった」「商売っ気を見せずに、夢を見させて欲しかった」という期待が、シビアな現実(価格と分割販売)と衝突してしまった結果と言えるでしょう。
記事の要約
- 炎上の核心: 伝説の武器やボスを有料DLCにしたこと、子供には高すぎる価格設定、アーリーアクセスによるネタバレ格差が批判の主な原因。
- DLCの正体: 「闘技場」はファンサービスだが有料化に反発、「衣装」は趣味の領域、「アイテム」は時間短縮ツール。必須ではないが、あると有利なバランス。
- 背景: 開発費の高騰と、次世代機対応などのコスト増が価格転嫁されている。完全版商法への不信感も影響。
- 対策: 無理にフルセットを買う必要はない。通常版で様子を見るか、まずは無料体験版で自分に合うかを見極めるのがベスト。
最後に、筆者個人の意見としては、ゲーム本編の「Reimagined」されたクオリティには大いに期待しています。 石版を巡るあの長く、暗く、しかし感動的な物語が、最新の技術でどう蘇るのか。 商法へのモヤモヤは一旦横に置いて、まずは無料体験版でその世界に触れてみることをお勧めします。 あなたの冒険が、素晴らしいものになることを願っています。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。 慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。 ドラクエ7はPS版当時、フリーズバグに怯えながら石版を集めた世代。






















