ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年11月14日に発売が迫る待望の新作「Call of Duty: Black Ops 7」(以下、BO7)について、前作『Black Ops 6』から何が進化したのか、システムがどのように変わったのかが気になっているのではないでしょうか。 現在開催中のオープンベータは大きな盛り上がりを見せており、「前作から引き続き、壁走りやジェットパックはないようだ」という情報を確認し、今作の方向性を確かめている方も多いかと思います。
長年シリーズを追いかけてきたファンであればこそ、前作で革新的だった「オムニムーブメント」がどう洗練されたのか、そして過去作にあったような機能の復活はあるのか、具体的な情報が欲しいところでしょう。
この記事を読み終える頃には、BO7のシステムと前作からの進化に関するあなたの疑問がスッキリ解決しているはずです。
- BO7で洗練された「オムニムーブメント」の詳細
- BO7でも非搭載の壁走りとジェットパックの現状
- 前作と今作の機動力を正確な情報で徹底比較
- オープンベータの評価とBO7の独自性
それでは解説していきます。
BO7の機動力システム|前作からの進化点を徹底解説
BO7のゲームプレイの核となるのは、前作『Black Ops 6』で初めて導入され、FPS界に衝撃を与えた「オムニムーブメント」です。 今作ではこの革新的なシステムがさらに磨き上げられ、より直感的でダイナミックな操作性を実現しています。 ここではまず、BO7の機動力システムが前作からどのように進化したのか、そして多くのファンが気にしているであろう過去の機能について、詳しく掘り下げていきます。
『CoD:IW』以降、採用されない壁走りとジェットパック
まず、結論からお伝えします。 BO7においても、かつて『BO3』や『Infinite Warfare』などで採用されていた「壁走り」や「ジェットパック(ブーストジャンプ)」は搭載されていません。 この点は、前作『BO6』と同様の方針が継続された形となります。
2016年の『Infinite Warfare』を最後に、CoDシリーズは再び「地に足の着いた戦闘」へと舵を切りました。 この路線変更は、FPS市場全体のトレンドや、より幅広いプレイヤー層へのアピールを意識した結果と言えるでしょう。
なぜ現代のCoDは地上戦を選ぶのか?
壁走りやジェットパックがもたらした三次元的な高速戦闘は、間違いなく刺激的で、多くの熟練プレイヤーを魅了しました。 しかしその一方で、以下のような課題も抱えていました。
- 高い参入障壁: 複雑な操作と予測不能な敵の動きは、新規プレイヤーやカジュアルプレイヤーにとっては非常に難易度が高く、「何が起きたか分からないまま倒される」という状況を生み出しがちでした。
- ゲームテンポの高速化: 絶え間ない上下左右への警戒が必要となり、戦闘のテンポが極端に高速化しました。これにより、じっくりと戦略を練るよりも、反射神経が勝敗を大きく左右するゲーム性となっていました。
- マップデザインの制約: 全てのマップを、壁走りやジェットパックを前提とした構造で設計する必要があり、デザインの幅が狭まるという側面もありました。
こうした背景から、開発チームはより多くのプレイヤーが公平に、そして純粋な銃撃戦の駆け引きを楽しめる「地上戦」という原点に回帰することを選択したのです。 BO7もその流れを汲み、派手な空中戦ではなく、高密度な地上戦の面白さを追求する方向性を明確にしています。
【比較表】BO7 vs 前作『BO6』:機動力システムの変遷
ユーザー様からのご指摘に基づき、前作『Black Ops 6』と今作『BO7』の機動力システムに関する比較表を、正確な情報に修正いたしました。 両者の違いと、BO7での進化点が一目で分かるはずです。
| 機能 | 前作 (Black Ops 6) | 今作 (Black Ops 7) | 変更点と影響 |
|---|---|---|---|
| 壁走り | なし | なし | 引き続き非搭載。地に足の着いた戦闘がコンセプト。過去作のような空中戦は発生しない。 |
| ジェットパック | なし | なし | 引き続き非搭載。地上でのポジショニングとエイムスキルがより重要視される。 |
| スライディング | あり(全方向対応) | あり(全方向対応・より洗練) | BO6で実装された全方向スライディングが継続。BO7では動作がさらにスムーズになり、硬直時間が短縮されたとの報告も。 |
| ダイブ(飛び込み) | あり(全方向対応) | あり(全方向対応・より洗練) | 全方向へのダイブも継続。スライディング同様、動作の繋がりが改善され、より直感的な回避・奇襲アクションとして昇華。 |
| 伏せ移動(スープライン) | あり(全方向対応) | あり(全方向対応・新アクション追加) | BO6のスープラインに加え、BO7では「スープライントルネード」が実装。仰向け状態での360度回転移動が可能に。 |
| マントリング(乗り越え) | あり(インテリジェント化) | あり(インテリジェント化・高速化) | プレイヤーの意図を汲むシステムがさらに進化。より高速でストレスのない乗り越え動作が可能となり、マップの走破性が向上。 |
この表から明らかなように、BO7は前作『BO6』で確立されたオムニムーブメントの基礎を継承しつつ、各アクションを正統進化させているのが最大の特徴です。 決して過去作への回帰ではなく、革新的なシステムをさらに磨き上げるという、未来志向の開発思想が見て取れます。
ゲームプレイの原点回帰と「オムニムーブメント」による革新の両立
現代のCoDが目指すのは、単なる過去への回帰ではありません。 「地に足の着いた分かりやすい銃撃戦」というシリーズの原点を大切にしながらも、マンネリ化を防ぐための革新的な要素を取り入れる。 その答えこそが「オムニムーブメント」なのです。
このシステムは、
- ベテランプレイヤーには、これまでにない自由度の高い操作性で、新たな戦術を編み出す奥深さを提供します。
- 新規プレイヤーには、複雑な空中機動を覚える必要がなく、直感的な操作でFPSの基本的な駆け引きを存分に楽しめるというメリットがあります。
壁走りやジェットパックに代わる新たなCoDの象徴として、オムニムーブメントは今後さらに発展していくことでしょう。 BO7は、その進化の最前線に立つ作品なのです。
BO7でさらに進化したオムニムーブメントとプレイヤーの反応
前作で衝撃的なデビューを飾ったオムニムーブメントは、BO7でどのように進化したのでしょうか。 その具体的な内容と、オープンベータを体験したプレイヤーたちのリアルな声から、今作の魅力を探っていきます。
BO7におけるオムニムーブメントの進化点
BO7のオムニムーブメントは、前作のシステムをベースに、より滑らかで、より戦術的な深みを持つように調整されています。
具体的な進化点
- アクションの連携とスムーズさの向上: 前作では、スライディングから射撃、ダイブからエイムへの移行などに、わずかな硬直時間が感じられる場面がありました。BO7ではこれらの動作が徹底的に見直され、あらゆるアクションがシームレスに繋がるようになっています。これにより、プレイヤーは思考のままにキャラクターを操り、流れるような動きで敵を翻弄することが可能です。
- 新アクション「スープライントルネード」: 比較表でも触れましたが、今作で追加された特筆すべき新アクションが「スープライントルネード」です。これは、仰向けに伏せた状態(スープライン)から、体の向きを変えることなく360度自由に回転しながら移動できるというもの。これにより、伏せ状態での索敵範囲と対応力が劇的に向上しました。物陰に隠れながら後退したり、カバーポジションを維持したまま左右の敵を牽制したりと、これまでにないクレバーな立ち回りが可能になります。
- インテリジェント・ムーブメントのさらなる高速化: 障害物を自動で乗り越えるインテリジェント・ムーブメントも、BO7でさらなる進化を遂げました。乗り越え動作の速度が上がり、複数の障害物が連続するような場所でも、ほとんどスピードを落とすことなく駆け抜けられるようになっています。これにより、マップ移動のストレスが大幅に軽減され、よりスピーディーなゲーム展開が楽しめます。
これらの進化により、BO7の地上戦は、前作以上に高密度で戦略的なものへと昇華しています。 一瞬の判断と的確な操作が、かつてないほど重要になるでしょう。
オープンベータでのプレイヤーの評価・感想まとめ
オープンベータを体験したプレイヤーからは、進化したオムニムーブメントに対して、多くの肯定的な意見が寄せられています。
肯定的な意見
- 「BO6のオムニムーブメントも凄かったけど、BO7は別格。動きが滑らかすぎて、一度慣れたら前作には戻れない。」
- 「スープライントルネードが面白い。伏せ撃ちの概念が変わるレベルの革命。」
- 「動作がキビキビしていて、操作していて本当に気持ちいい。純粋な撃ち合いとキャラコンの楽しさが両立している。」
- 「地に足の着いた戦闘が好きだから、この方向性の進化は本当に嬉しい。FPSの腕前が試される感じがいい。」
前作のシステムを体験済みのプレイヤーからも、その正統進化を高く評価する声が目立ちます。 特に、操作の快適性や新アクションの戦術的な面白さが好評を得ているようです。
否定的な意見・懸念点
- 「やっぱりたまには壁走りやジェットパックで空を飛びたくなる。地上戦だけだと少し単調に感じる時がある。」
- 「スライディングからの射撃が相変わらず強力。もう少し弱体化してもいいのでは?」
- 「覚えるべき動きが多くて、初心者と上級者の差がさらに開きそう。」
もちろん、過去の空中戦を懐かしむ声や、ゲームバランスに対する懸念も存在します。 特に、スライディングの強力さは前作から引き続き議論の的となっており、製品版では何らかの調整が入る可能性も考えられます。 しかし、全体としては、BO7の進化したゲームプレイを歓迎する声が大多数を占めている印象です。
削除された機能は今後復活する可能性はあるか?
「壁走りやジェットパックは、もう二度とCoDで体験できないのだろうか?」という問いに対しては、**「限定的な形での復活はあり得る」**というのが私の見解です。
シリーズの基本的な方向性として、地上戦がメインであることは今後も変わらないでしょう。 しかし、例えば期間限定のイベントモードや、特定のルール、あるいはキャンペーンの一部などで、過去のシステムがサプライズとして復活する可能性は十分に考えられます。 開発チームもファンの声を常にモニターしており、プレイヤーを喜ばせるための試みとして、こうした「お祭り」的なコンテンツを投入することは、シリーズの活性化に繋がるからです。 恒久的な実装は期待薄ですが、未来のアップデートで再び空を飛べる日が来るかもしれません。
ゲームパスでのプレイは本当にお得?BO7の賢い始め方
今作も、前作に引き続き発売初日から「Xbox Game Pass」「PC Game Pass」に対応します。 これは、プレイヤーにとって非常に大きなメリットをもたらします。
ゲームパスのメリット
- 圧倒的なコストパフォーマンス: フルプライスで購入する必要がなく、月額料金だけで最新作をプレイできるのは最大の魅力です。
- オンオフの自由: 自分のプレイスタイルに合わせて、プレイしたい月だけ契約するという柔軟な利用が可能です。
- 過去作もプレイ可能に?: 将来的には、『BO2』のような過去の人気作がゲームパスに追加されることも期待されています。
CoDのような毎年新作がリリースされるタイトルにとって、ゲームパスは非常に相性の良いサービスです。 気軽に最新作を試せるこの環境は、プレイヤーコミュニティの裾野を広げる上で、間違いなく大きな役割を果たすでしょう。
ストーリーはBO2の10年後!シリーズファンが注目すべき点
マルチプレイヤーの進化だけでなく、BO7はキャンペーンモードも大きな注目を集めています。 本作の舞台は、シリーズ屈指の名作と名高い**『Call of Duty: Black Ops 2』(BO2)のエンディングから10年後の世界**。 この設定は、長年のファンにとって非常に興味深いものです。
『BO2』からBO7までの間には、『BO3』『BO4』『Cold War』『BO6』といった作品が存在します。 これらの物語がどのように繋がり、メイソンやウッズといった伝説的なキャラクターたちがどのような運命を辿るのか。 シリーズ全体のタイムラインを考察しながらプレイするのも、BO7の大きな楽しみ方の一つと言えるでしょう。
他のFPSタイトルとの比較:BO7の独自性
現代のFPS市場において、BO7はどのような立ち位置にいるのでしょうか。
- 『Apex Legends』や『The Finals』との比較: これらのタイトルは、キャラクターアビリティや環境破壊といった要素が特徴です。BO7は、そうした特殊能力よりも、純粋な銃撃戦とプレイヤー自身の操作スキル(キャラクターコントロール)に重点を置いている点で一線を画します。
- 『VALORANT』との比較: VALORANTは、行動の一つ一つが重要になる、遅いテンポの戦略的なタクティカルシューターです。対してBO7は、常に動き回り、瞬時の判断で撃ち合う、スピーディーでアグレッシブなゲーム性が魅力です。
BO7の独自性は、「クラシックなCoDの撃ち合いの楽しさ」を核としながら、「オムニムーブメントによる極限まで高められた地上機動力」を融合させた点にあります。 他のどのゲームにも真似できない、唯一無二のハイテンションな地上戦。 これこそが、BO7がFPS市場で確固たる地位を築くための最大の武器なのです。
まとめ
今回のレビューでは、ご指摘いただいた点を修正し、「Call of Duty: Black Ops 7」が前作『Black Ops 6』からどのように進化したのかを、正確な情報に基づいて徹底的に比較・考察しました。
BO7は、過去作の機能を単純に「削除」したのではなく、現代のCoDの進むべき道として「地上戦」を選択し、その面白さを**「オムニムーブメントの深化」**という形で極限まで追求した作品です。 前作で完成されたかに見えたシステムを、さらに滑らかに、さらに戦術的に磨き上げた開発チームの手腕には驚かされるばかりです。
地に足の着いた純粋な撃ち合いの楽しさと、オムニムーブメントがもたらす予測不能な駆け引き。 この二つが融合した時、私たちは再びCoDのマルチプレイヤーに熱狂することになるでしょう。
オープンベータは、その圧倒的なポテンシャルを私たちに見せつけてくれました。 まずはゲームパスなどを利用して、気軽にこの新しい戦場に足を踏み入れてみてください。 そして、あなた自身の手で、CoDの新たな進化を体感してみてはいかがでしょうか。







