編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、SAOの最新作『Echoes of Aincrad(EOA)』における装備変更のシステム制限が気になっていると思います。 体験版をプレイして「なぜフィールドで武器が変えられないのか」と疑問を感じた方も多いはずです。
この記事を読み終える頃には、装備制限の実態やハクスラとしての評価、そして体験版から見えたEOAの全貌が完全に解決しているはずです。
- フィールド上で一切の装備変更ができないシステム制限
- ドロップ武器の性能をその場で試せないハクスラの致命的矛盾
- 自分自身のオリジナルキャラクターでアインクラッドを巡る追体験
- 全体のクオリティや価格相応かどうかの辛口体験版評価まとめ
それでは解説していきます。
SAO最新作「Echoes of Aincrad(EOA)」のゲーム仕様と基本概要
Echoes of Aincradで描かれるファン待望の「オリジナル主人公」システム
今作『Echoes of Aincrad(EOA)』の最も大きな特徴は、プレイヤー自身が作成したオリジナルキャラクターが主人公となる点です。 従来のSAOゲームの多くは、原作の主人公であるキリトの視点で物語を追体験する形式が主流でした。
しかし、本作ではユーザー自身が「ソードアート・オンライン」に囚われた1万人のプレイヤーの1人としてデスゲームに参戦します。 ゲームの開始直後には、アバターを自分好みのビジュアルにカスタマイズすることが可能です。
ストーリーはベータテストの段階からスタートし、そこで出会った片手剣使いのソロプレイヤー「イオリ」と共にアインクラッドを歩むことになります。 原作で語られた「死のゲーム」の恐怖を、キリトではなく自分自身の物語として体験できるコンセプトは、非常に魅力的な試みと言えます。
原作の物語に割り込むのではなく、自分の分身がアインクラッドの過酷な世界を生き抜くという構造は、多くのファンが夢見たシチュエーションです。 ベータテスターの1000人のうちの1人として、本番の1万人の過酷な戦いへと身を投じる没入感は、本作の最大の強みとなっています。
SAO原作への回帰を体現したデスゲームモードの緊張感
本作のもう一つの大きな目玉システムが、メインストーリーをクリアした後に解放される「デスゲームモード」です。 このモードは、原作の「ゲーム内での死が現実の死となる」という設定をゲームシステムに落とし込んだ究極のサバイバル仕様です。
万が一ゲームオーバーになってしまうと、それまで進めてきたセーブデータがその場で自動的に完全削除されてしまいます。 一般的なRPGのように「直前からやり直す」という救済措置は一切存在しないため、一瞬の油断も許されない極限の緊張感が漂います。
なお、通常版ではクリア後の解放となりますが、デラックスエディション以上のバージョンを購入することで、早期解放特典として最初からこのモードに挑戦できます。 オフラインゲームという性質上、データのバックアップなどの抜け道は考えられますが、配信や個人の縛りプレイにおける緊張感は抜群です。
配信者向けには、公式の攻略組ランキングに登録できる申請システムなども用意されており、コミュニティを盛り上げる要素としても注目されています。 アインクラッドの最前線で常に死の恐怖と隣り合わせで戦う体験は、原作のダークな雰囲気を好むプレイヤーにとって非常に刺激的なシステムです。
Echoes of Aincradに実装された基本戦闘アクション
EOAの戦闘は、3DアクションRPGのシステムを採用しており、直感的で分かりやすい操作性が特徴です。 基本攻撃は「弱攻撃」と「強攻撃」の2種類で構成されており、強攻撃はボタンを長押しすることで強力な溜め攻撃へと変化します。
さらに、ジャンプ中にも攻撃を繰り出すことが可能であり、空中からの強襲を交えた立体的な立ち回りも可能です。 モンスターハンターのような重厚なアクションというよりは、大乱闘スマッシュブラザーズの剣士キャラクターのように、軽快にキビキビと動くプレイフィールに近いです。
防御面では、敵の攻撃を完璧なタイミングで弾く「パリィ」と、無敵時間を利用して攻撃をかわす「回避」の2つのアクションが基本となります。 さらに、SAOを象徴するシステムである「スイッチ」も実装されており、パートナーと連携して前衛と後衛を瞬時に入れ替えながら攻め立てられます。
敵の強力な一撃に対してジャストパリィを成功させ、スイッチで追撃を叩き込むといった、SAOならではのアクションの連鎖が戦闘の基礎となっています。 操作自体は非常にシンプルで馴染みやすいため、アクション初心者であってもすぐにスタイリッシュな戦闘を楽しめる設計です。
SAOのアクションを進化させる武器種ごとの戦闘プレイスタイル
今作では、プレイヤーおよびパートナーが装備できる武器として、全6種類の武器種が用意されています。 それぞれの武器種ごとに攻撃モーションやスキルの性質が大きく異なり、まったく違う操作感でプレイすることが可能です。
実装されている武器種は、片手剣、短剣、細剣(レイピア)、片手棍、両手剣、両手斧の6つとなっています。 盾を装備して堅実に守りながら戦うことができるのは、片手剣や片手棍などの片手武器を装備している場合のみです。
両手剣や両手斧といった大型の両手武器を装備した場合は、盾を持てないため、防御ではなく「回避」を主体としたアクティブな立ち回りが求められます。 武器を使い込んで「熟練度(マスタリー)」を上げることで、新たな必殺技である「ソードスキル」を習得していく育成要素も存在します。
原作でお馴染みのソードスキルが、美麗なエフェクトと共に現代のグラフィックで再現される様子は、視覚的にも非常に爽快感があります。 自分のアバターをどの武器のスペシャリストに育てるかという、RPGとしての王道の育成の楽しみがしっかりと用意されています。
Echoes of Aincradの連携システムであるAIパートナー
本作の戦闘は、完全に孤独な戦いではなく、AIが操作するパートナーを1人連れて同行させることができます。 ストーリー上では、最初に絆を結ぶ「イオリ」をはじめ、様々なキャラクターがパートナーとしてプレイヤーの背中を守ってくれます。
AIパートナーの主な役割は、敵のターゲット(ヘイト)を引き受けて引き付け、プレイヤーが背後から安全に大ダメージを狙える状況を作ることです。 また、プレイヤーがパリィを成功させた瞬間に、パートナーが即座に追撃を加える「パリィスラッシュ」という連携アクションが用意されています。
さらに、戦闘中に特定の連携条件を満たしてダメージを蓄積させることで、強力な協力技である「コンビネーションスキル」を発動できます。 これは、アニメでキリトとアスナが見せたような、一糸乱れぬ超高速の波状攻撃を自分自身のキャラクターで再現できるシステムです。
パートナーの装備やスキル構成もプレイヤーが自由に変更できるため、相乗効果を狙ったビルドを組むことができます。 「自分が前衛で盾を構え、パートナーの細剣で弱点を突いてもらう」といった、共闘感溢れるタクティカルな戦闘が可能です。
SAOゲームに新風を吹き込むハクスラ調の武器合成MODシステム
今作の大きな特徴の一つが、敵からのドロップなどで入手した武器に、ランダムな特殊効果が付与されるハクスラ(ローグライク)的なシステムです。 武器にはそれぞれ「MOD」と呼ばれるスロットが存在し、攻撃力アップや属性付与、クリティカル率上昇などの追加効果がランダムに付与されます。
このシステムの面白い点は、拠点である宿屋の鍛冶屋機能を利用して、武器同士を「合成」させることができる仕組みにあります。 拾った武器の中から、強力なMODが付いているものをお気に入りのベース武器に「移植」してカスタマイズすることが可能です。
これにより、一見するとステータスの低い雑魚エネミーのドロップ武器であっても、非常に強力なMODが付いていれば極めて高い価値が生まれます。 「より強力なオプションが付いた武器を求めてダンジョンを何度も周回する」という、ハクスラ本来の楽しさを生み出す土台となっています。
ただし、同一系統のMODを複数重ねて装着することはできないため、極端な一撃必殺特化のようなビルドは作りにくい調整が施されています。 それでも、自分のプレイスタイルに合わせた理想の武器を作り上げていくカスタマイズ性は、非常に奥が深く、やり込み甲斐のあるシステムです。
Echoes of Aincradにおけるステータス育成と拠点機能
キャラクターの成長システムは、戦闘やクエストクリアで経験値を獲得してレベルを上げ、獲得した「グローポイント」を割り振る形式です。 レベルアップしただけではステータスは自動で上昇せず、拠点である「宿屋」に戻ってポイントを手動で配分する必要があります。
ポイントをSTR(筋力)、VIT(体力)、AGI(敏捷)、DEX(器用)などの各項目にどのように割り振るかで、キャラクターの性能が変化します。 物理攻撃力を極限まで高めたアタッカーにするか、HPと防御をガチガチに固めたタンクにするか、プレイヤーの自由なビルド構築が可能です。
拠点は「はじまりの街」をはじめとする複数の街が存在し、そこには宿屋の他に、武器の強化や合成を行う「鍛冶屋」、回復アイテムを売る「道具屋」があります。 SAOの劇中で描かれた賑やかな街の生活を、簡易的ながらも施設を利用することで疑似体験できるようになっています。
クエストボードから様々な依頼を受注し、準備を整えてフィールドへ旅立ち、強くなって再び街へ帰還するというのが本作の基本的なゲームループです。 RPGとしての基礎部分は丁寧に作られており、プレイヤーがステップアップしていく成長の実感をしっかりと感じられる仕様となっています。
ハクスラを殺す装備変更のシステム制限とEOA体験版ユーザー評価の真相
ハクスラの面白さを根底から奪う「フィールド装備変更不可」の弊害
ここまで紹介したシステムは一見すると非常に魅力的ですが、体験版で多くのプレイヤーを失望させた致命的な問題が存在します。 それが、クエストの探索フィールドやダンジョン内において、「一切の装備変更ができない」というシステム制限です。
ハクスラ(ハック・アンド・スラッシュ)というジャンルにおいて、最も脳汁が出る瞬間は「強い武器を拾い、その場ですぐに装備して威力を試すこと」です。 「どんなエフェクトが出るのか」「どれほどダメージが跳ね上がるのか」を、戦いの最中に体感するのが何よりの爽快感です。
しかし、EOAではフィールド上でメニュー画面を開いても、装備している武器を別の武器に変更することがシステム的に不可能な仕様となっています。 武器を変更するためには、一度クエストを中断するかクリアして、わざわざ「拠点の宿屋」にまで戻らなければなりません。
この仕様は、ハクスラというゲームジャンルが持つ根本的な「収集と検証の楽しさ」を真っ向から否定してしまっています。 なぜオフラインのシングルアクションRPGにおいて、このような不自由極まりない制限を課したのか、開発側の合理的な説明は見当たりません。
装備変更制限がもたらす攻略テンポの深刻な悪化
この「フィールド装備変更不可」の制限は、ゲームの攻略テンポとUI/UX(ユーザー体験)に対して、極めて深刻な悪影響を及ぼしています。 例えば、1回のクエスト中に異なる武器種や、MODが付いた武器が合計で5個ドロップしたと仮定します。
本来であれば、その場でそれぞれの武器に持ち替えて、攻撃モーションの違いやダメージの比較を試したいと思うのがプレイヤーの自然な心理です。 しかし本作では、その「素振り」をするためだけに、以下の不条理なステップを踏まなければなりません。
- クエスト中に強い武器を拾う(この時点では装備できない)
- 一度クエストを完了、あるいはリタイアして街の宿屋に戻る
- 宿屋のメニューから武器を着替え直す
- 再び同じクエスト、あるいは試し切りのためのクエストを受注してロードを挟んで出撃する
- 実際に振ってみて、気に入らなければまた街に戻って着替える
この「街とフィールドの往復作業」は、現代のゲームとしては信じられないほど不親切であり、無駄なロード時間と手力をプレイヤーに強要します。 拾って、その場で試して、強くなってさらに奥へ進むというハクスラの心地よいゲーム循環(ループ)が、完全に分断されてしまっているのです。
ハクスラを標榜しながら「防具ドロップ」が存在しない謎
さらにハクスラ要素として致命的なのが、フィールドでドロップする装備品が「武器のみ」に限定されており、防具のドロップが一切ない点です。 SAOの原作やアニメにおいて、キャラクターが身にまとっている防具や衣装は、ファンにとっても非常に強いこだわりがある要素です。
キリトを象徴する「黒いコート(コート・オブ・ミッドナイト)」など、数々の防具がドロップ品として登場することを期待したファンは多いでしょう。 しかし本作の防具はドロップによるランダム性能の厳選要素がなく、事実上のスキン(見た目の変更アイテム)のような扱いに留まっています。
防具を掘る楽しみが存在しないため、ハクスラとしての収集対象は実質的に「武器のランダムMOD」のみという、非常に底の浅いものになっています。 これでは、せっかくアインクラッドという広大なデスゲームの世界を舞台にしながら、冒険をしてお宝を探すロマンが半減してしまいます。
ハクスラの爽快感を謳いながら、肝心の装備周りのシステムがこれほどまでに制限されているのは、企画段階での歪みを強く感じざるを得ません。 武器の種類だけでなく、防具の厳選も含めてキャラクターを着飾らせ、強化していく面白さが欠落しているのは非常に惜しいポイントです。
体験版で露呈したアクション大味化と「両手斧ジャンプ攻撃」最強説
アクションRPGとしての戦闘バランスに関しても、体験版の時点で大きな懸念点が露呈しています。 本作は本来、敵の攻撃パターンを見極めてパリィや回避を行い、ソードスキルを叩き込むというテクニカルな戦闘を想定して作られています。
しかし、通常攻撃のモーションが全体的に非常にもっさりとしており、隙が大きいため、普通にコンボを振っているだけでは快適な戦闘が楽しめません。 そんな中、多くの攻略プレイヤーや配信者がたどり着いた最適解が、「両手斧のジャンプ攻撃を連打する」という大味な戦術でした。
両手斧を装備してジャンプし、空中から叩きつける攻撃は、一撃の威力が非常に高く、攻撃後の硬直(スキ)がほとんど存在しないという極端な性能をしています。 敵の攻撃をかわしながら空中から斧を叩きつけ続けるだけで、雑魚戦はもちろん、手強いボス戦すらも一切のパリィを使わずに完封できてしまいます。
この「ジャンプ斧最強伝説」は、スマブラのアイクがひたすら空中攻撃を繰り返す様子にそっくりで、アクションとしての深みを著しく損なっています。 せっかく多彩な武器種や連携アクションが用意されているにもかかわらず、一種類の極端なハメ技が最強になってしまっている戦闘バランスは、調整不足と言わざるを得ません。
SAOゲームに期待された「仮想世界アインクラッドの空気感」とのギャップ
PVを見た時点では、アインクラッドの広大なフィールドを、1人の野良プレイヤーとして自由に冒険できるオープンワールド風のゲームを期待した人が多かったはずです。 しかし実際の仕様は、シームレスなオープンワールドではなく、街でクエストを受注して各エリアへロードを挟んで転移する「インスタンス(ロビー)形式」でした。
街のグラフィックは綺麗に描かれているものの、街中を歩いているNPCの数は非常に少なく、話しかけても汎用的なセリフを返すだけなので、活気がまったくありません。 1万人が閉じ込められ、攻略組や中層のプレイヤーたちでごった返していたはずのアインクラッドの「生きている空気感」が、完全に欠落してしまっているのです。
さらに、フィールド探索の自由度も著しく低く、ちょっとした段差や崖から足を滑らせて落ちるだけで、即座に「落下死・引き戻し扱い」となってしまいます。 オープンワールドゲームのように壁を登ったり、高低差を活かして自由に探索したりすることはできず、見えない壁に阻まれるストレスばかりが目立ちます。
この仕様は、かつて大きな期待を集めながらも、予算不足や仕様の噛み合わなさでユーザーが離れてしまった『ブループロトコル(ブルプロ)』の失敗パターンを彷彿とさせます。 やりたいことの理想と、開発予算・技術力が全く釣り合っていないため、結果として非常に中途半端な仕上がりになっていると言わざるを得ません。
Echoes of Aincradと過去のSAOゲームや他社アクションRPGとの比較
ここで、本作EOAの価格と、過去のSAO家庭用ゲームシリーズ、および一般的な他社のアクションRPGとのクオリティバランスを表で比較してみましょう。
| 比較項目 | Echoes of Aincrad (EOA) | 過去のSAOゲーム(ホロウ・リアリゼーション等) | 他社の高品質アクションRPG (エルデンリング等) |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 通常版 8,910円 / 限定版 11,440円 | 通常版 約7,000円〜8,000円 | 通常版 約9,000円前後のフルプライス |
| マップ仕様 | クエスト選択型・インスタンスマップ | エリア移動型(疑似的な広大さの演出) | 完全シームレス・オープンワールド |
| 装備変更 | フィールドでの変更は一切不可 | メニューからその場でいつでも変更可能 | メニューからその場でいつでも変更可能 |
| ハクスラ要素 | 武器のみ(ランダムMOD合成あり) | 武器・防具・アクセサリー多数(厳選あり) | 武器・防具・遺灰・魔法など極めて多彩 |
| 街・NPCの活気 | スカスカで、モバイルゲームのようなチープさ | NPCが多数徘徊し、疑似MMOの賑わいがある | 世界観に応じた配置、濃密なストーリー進行 |
この比較表を見れば一目瞭然ですが、EOAは9,000円近いフルプライス(通常価格)を設定しているにもかかわらず、そのクオリティは現代の基準からすると非常に低いです。 過去のSAOゲーム、例えば『ホロウ・リアリゼーション』などは、グラフィックこそ今作より劣るものの、街の賑わいやNPCとの交流、ハクスラ装備の多彩さはEOAを遥かに凌駕していました。
現代のゲーム市場において、他社のAAA級フルプライス作品(カプコン、フロム・ソフトウェア、スクウェア・エニックス等)と比較した場合、EOAの戦闘アクションやシステムは、3,000円程度のミドルプライス(中規模・インディー級)の出来栄えに留まっています。 かつての『ブループロトコル』と同様に、開発予算や工数の制限から、ユーザーが求める理想像に対して妥協に Compromise を重ねた結果のクオリティ不足が目立ってしまっています。
Echoes of Aincradを今から購入するべき人と様子見推奨の分岐点
以上の不満点や限界を踏まえた上で、このゲームを今すぐ予約して買うべき人と、一旦様子を見て世間の評価を待つべき人の明確なボーダーラインを提示します。
まず、「買うべき人」は、純粋にSAOというコンテンツの熱狂的なファンであり、アインクラッドの「イフルート(もしもの物語)」のストーリーそのものに強い価値を感じる人です。 オリジナル主人公がベータテストから参加し、イオリという新キャラクターと共に、キリトたちとどのような関係を築いていくのかという2次創作的なシナリオは、本作ならではの唯一無二の魅力です。 ゲーム部分がチープな3Dアクションであっても、紙芝居やイベントシーンによるキャラクター同士の掛け合い、ストーリーの続きさえ見られれば満足できる、という熱いSAOファンなら十分に楽しむ価値はあります。
一方で、「様子見するべき人(スルー推奨の人)」は、高品質なハクスラアクションRPGとしての面白さや、マルチプレイMMOのような賑やかな冒険を期待しているゲーマー層です。 フィールドでの装備変更不可という不条理な制限、単調で大味になりがちな戦闘バランス、そしてスカスカな街の空気感に、フルプライスの価値を見出すのは極めて困難です。 もし純粋なゲームとしての面白さを求めているのであれば、発売後にユーザーから装備制限のアップデート(アプデ)やバランス調整が入るかどうか、評判をしっかり確認してから購入を検討するのが賢明な判断と言えます。
まとめ
『ソードアート・オンライン』の家庭用ゲーム最新作『Echoes of Aincrad(EOA)』は、自分が主人公となってアインクラッドを体験できるという、素晴らしいコンセプトを掲げた作品です。 しかし体験版の時点で、フィールドでの装備変更が一切できないという「ハクスラの基本を根本から損なうシステム制限」が、多くのユーザーの爽快感を削いでしまっています。
通常版で約9,000円という強気のフルプライス価格に対し、ゲーム全体の仕様や戦闘のテンポ、マップの作りのチープさは隠しきれず、非常に人を選ぶ「ファン向けキャラクターゲーム」としての側面が色濃く出ています。 ストーリーの分岐や新キャラクターとの物語など、設定面での見どころは多いだけに、アクション部分やシステム周りの致命的な不便さが、発売後のアプデ等でどこまで改善されるかが、本作の評価の分水嶺となるでしょう。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應義塾大学を卒業後、大手出版社でのゲーム雑誌編集を経て、現在は独立してウェブを中心に活躍。 RPG、FPS、サンドボックス系のゲームを特に得意としており、仕様の細部にまで切り込む徹底した分析力と論理的なレビューに定評がある。 最近の個人的な悩みは、仕事の忙しさから趣味のプレイ時間が十分に確保できず、自宅の「積みゲー」が100作品を突破してしまったこと。
























