編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方はスマホアプリ「NTE(ネバエバ)」の生成AI炎上の原因や背景が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃にはNTEの炎上騒動の原因と運営が抱える問題点についての疑問が解決しているはずです。
- 炎上の発端はゲーム内背景やムービーにおける生成AIの不適切な使用疑惑
- 有名VTuberの案件辞退により運営の「AI不使用」という説明の矛盾が露呈
- 開発と運営間の連携不足やリスク管理の甘さが事態を悪化させた主な原因
- ゲーム自体はGTAライクな都市生活を楽しめる良質なシステムを搭載
それでは解説していきます。
NTE生成AI炎上騒動の全貌と背景
リリース直後のクローズドベータテストからのAIイラスト疑惑
NTE(ネバエバ)の炎上騒動は、正式リリース直前のクローズドベータテストの段階から既に火種が存在していました。 一部のテスト参加者から、X(旧Twitter)上でゲーム内にAIイラストが使用されているのではないかという指摘が上がり始めていたのです。
当時はまだ一部のユーザーが騒いでいる程度の認識であり、大きな問題には発展していませんでした。 しかし、秋葉原駅前を模したような場所の背景看板などに、AI特有の不自然な描写が見受けられたことは事実です。
ゲーム内背景やムービーの一部で指摘された生成AIの痕跡
正式リリース後、より多くのプレイヤーがゲームに触れるようになると、疑惑はさらに深まっていきました。 特に話題となったのが、ゲーム内で確認できる「天気の子」に酷似したイラストの存在です。
このイラストがXで広く拡散されたことで、単なる背景の看板だけでなく、ムービーの一部にもAIが使われているのではないかという疑惑が急浮上しました。 「このゲーム、生成AIを使いすぎではないか」というツッコミが、SNS上で次々と書き込まれる事態となったのです。
海外の反AI層によるSNSでの積極的な拡散と批判の激化
この疑惑に対して特に過敏に反応し、情報を積極的に拡散したのは、主に海外の反AIスタンスを持つユーザー層でした。 日本国内でもAIイラストへの拒否反応を示す人は一定数いますが、海外におけるAIへの批判はより組織的かつ激しい傾向にあります。
彼らがNTEのAI使用疑惑を徹底的に叩きまくったことで、単なるゲームの感想を超えた大きな炎上へと発展していきました。 ゲームのシステムや面白さとは全く関係のない部分で、作品の評価が大きく下落していく不遇の事態に見舞われたと言えます。
登録者400万人の有名VTuberによる案件辞退で事態が急変
事態が決定的に悪化したのは、5月5日に起きた有名VTuberによる案件辞退の発表でした。 総フォロワー数400万人を誇る元大手事務所所属のVTuber、アイアンマウス氏がNTEの案件配信を行った直後、今後の案件を全て断ると公表したのです。
彼女は自身のスタンスとして、AIを使用したゲームの案件は受けないという明確なポリシーを持っていました。 影響力のあるインフルエンサーの離脱は、ゲームのプロモーションにおいて計り知れないダメージを与えることになります。
運営の「AI不使用」説明と実際のゲーム内容との深刻な齟齬
アイアンマウス氏が激怒した最大の理由は、NTEの運営側が彼女のスタッフに対して「AIは使用していない」と事前に説明していたことでした。 しかし、実際に案件配信でゲームをプレイしてみると、明らかにAIが使用されている痕跡を彼女自身が発見してしまったのです。
「私に目がついていないとでも思っているのか」と彼女が配信で語った通り、運営の説明と実際のゲーム内容には深刻な矛盾が存在していました。 この嘘とも取れる対応が、単なるAI使用疑惑を「運営の不誠実さ」というさらに大きな炎上へと昇華させてしまったのです。
炎上がリリース後1週間という遅いタイミングで拡大した理由
この炎上騒動で特徴的なのは、リリース初日ではなく、リリースから約1週間が経過したタイミングで一気に火がついたという点です。 その理由として、NTEの戦闘やキャラクター育成といったゲームのコア部分にはAIが使われていなかったことが挙げられます。
普通にプレイしている分にはAIの存在に気づかないユーザーも多く、初動の段階では不満の声は限定的でした。 しかし、VTuberの告発という決定的な出来事がトリガーとなり、潜在的に存在していた不満が一気に爆発したのだと推測されます。
運営会社が抱える根本的な問題点とリスク管理の甘さ
パーフェクトワールドの開発体制と過去作におけるパロディ問題
NTEを開発したホッタスタジオは、中国の巨大企業であるパーフェクトワールドの傘下にあります。 パーフェクトワールドといえば、過去にリリースしたMMORPG「幻塔」でも、他作品との類似性が指摘され世間を騒がせた実績があります。
例えば、弓使いキャラクターのスキルが別作品のキャラクターの必殺技にそっくりだと批判されたこともありました。 元々、他作品のパロディやオマージュの境界線に対するリスク管理が甘い企業体質があることは、業界内でも広く認識されています。
雰囲気作りのための部分的なAI使用を認めていたインタビュー記事
実は、NTEの運営側は過去のインタビュー記事において、部分的なAIの使用をはっきりと認めていました。 「雰囲気の試作や試行錯誤のためにAIを使用することはあるが、コアアセットやキャラクターイラストには使用しない」と明言していたのです。
この「雰囲気の試作」というのが、今回問題となった街の背景の看板などに該当すると思われます。 つまり、開発陣としては方針通りに制作していたにも関わらず、広報や外部との連携においてその事実が隠蔽、あるいは捻じ曲げられてしまった可能性が高いのです。
開発部門と広報部門、そして広告代理店間の深刻な情報伝達ミス
アイアンマウス氏への「AI不使用」という誤った説明は、どのような経緯で発生したのでしょうか。 企業の規模を考えれば、開発部門が把握している事実が、広報部門や外部のスタッフに正確に伝わっていなかったという社内の連携ミスは十分にあり得ます。
また、運営とインフルエンサーの間に広告代理店が複数挟まっていた場合、情報が伝言ゲームのように歪んでしまうケースも珍しくありません。 代理店側が案件を成立させるために、意図的に不都合な事実を伏せていた可能性も否定できないのが実情です。
有名配信者のAIに対するスタンスを把握していなかったリサーチ不足
さらに問題なのは、案件を依頼するインフルエンサーのスタンスに対するリサーチが決定的に不足していた点です。 アイアンマウス氏は以前からAIに対する否定的なスタンスを公言しており、少し調べればその事実は容易に把握できたはずでした。
最低でも数百万円、規模を考えれば一千万円クラスの報酬が発生する超大型案件において、このような基本的なリサーチを怠ることは致命的です。 「これくらいのAI使用なら問題ないだろう」という運営側の甘い見通しが、最悪の結果を招いたと言えるでしょう。
大企業が無駄なリスクを取ってしまったことへの業界からの冷ややかな視線
今回の炎上事件に対して、ゲーム業界や多くのプレイヤーからは「大企業なのに無駄なリスクを取りすぎている」という冷ややかな視線が向けられています。 AIを使って天気の〇風のアニメや看板を作成したところで、NTEというゲーム自体の評価が上がるわけではありません。
むしろ、不要なパロディや権利関係が怪しい要素を組み込むことは、得られるリターンに対してリスクが大きすぎます。 ゲームの本質的な面白さとは無関係な部分で批判を浴びることは、クリエイターにとっても不本意な結果であるはずです。
ゲームの評価を落とす「割に合わない」炎上マーケティング疑惑の否定
一部では、この炎上騒動自体が話題作りのための炎上マーケティングなのではないかという見方もありました。 しかし、先述の通り、インフルエンサーを巻き込んだトラブルは企業としての信用を著しく失墜させるため、意図して引き起こすメリットは皆無です。
ゲームの売上や評価を根本から揺るがしかねない事態であり、炎上マーケティングだとしたらあまりにも稚拙な手法と言わざるを得ません。 これは単純に、運営と開発の間の連携不足と、社会情勢に対するリスク認識の甘さが引き起こした事故であると結論付けられます。
信頼回復のために求められる権利的に怪しい箇所の迅速な撤去と謝罪
現在、NTEの運営に最も求められているのは、事態の収拾とユーザーの信頼回復に向けた誠実な対応です。 まずは、指摘されている権利的に怪しいAI生成物やパロディ要素を、ゲーム内から迅速に撤去するアップデートを行うべきでしょう。
その上で、情報伝達のミスによってインフルエンサーやユーザーに誤解を与えたことに対して、公式に謝罪のアナウンスを出すことが不可欠です。 素直に過ちを認め、改善していく姿勢を見せることが、今後の長期的なサービス継続への第一歩となります。
【レビュー】NTE(ネバエバ)のゲームシステムと独自の魅力
原神のシステムをベースに開発されたアニメ調の都市型オープンワールド
炎上騒動ばかりが取り沙汰されていますが、NTEのゲームシステム自体は非常に野心的で魅力的な側面を持っています。 基本となるゲームエンジンやUI、属性の概念などは、世界的なヒット作である「原神」のシステムを色濃く踏襲しています。
しかし、舞台をファンタジー世界から現代風の都市環境に移したことで、これまでにない新しいプレイ体験を提供することに成功しました。 広大な「ヘテロシティ」を自由に探索できる「アニメ調の都市型オープンワールド」というジャンルは、非常に高いポテンシャルを秘めています。
単なるアクションに留まらない釣りやレースなどの生活系コンテンツ
NTEをプレイして最も驚かされるのは、戦闘以外のアクティビティの豊富さとその作り込みの深さです。 プレイヤーはただモンスターを倒すだけでなく、街中を車で走り抜けるレースゲームを楽しんだり、のんびりと釣り糸を垂らしたりすることができます。
これらの生活系コンテンツをプレイすることでも、プレイヤーのレベル(シティ面レベル)が上昇していく仕組みになっています。 戦闘が苦手なプレイヤーでも、自分の好きなコンテンツを遊んでいるだけでゲームを進められる設計は画期的と言えるでしょう。
カフェ経営やタクシー運転手など都市生活を再現したGTAライクな遊び
さらに、プレイヤーは都市の中で様々な職業やビジネスを体験することも可能です。 カフェのオーナーとなって店舗を経営したり、タクシーの運転手となって乗客を目的地まで送り届けたりと、まるで「グランド・セフト・オート(GTA)」のような遊び方が用意されています。
稼いだお金で不動産を購入し、自室にキャラクターを招待して親密度を上げるなど、生活シミュレーションとしての完成度も非常に高いです。 この「アニメキャラクターを操作してカジュアルなGTAが遊べる」という点が、本作最大のオリジナリティであり強みとなっています。
突出してはいないが高水準にまとまった3Dグラフィックとキャラクター
ゲームを彩る3Dグラフィックやキャラクターモデルの品質も、昨今のスマホゲームの中では上位に位置する仕上がりです。 特にプレイアブルキャラクターのモデリングは粗が少なく、アニメのキャラクターがそのまま動いているかのような没入感を与えてくれます。
NPC(ノンプレイヤーキャラクター)の見た目のバリエーションも豊富に用意されており、都市のモブキャラクターに至るまで丁寧に作られています。 飛び抜けて革新的というわけではありませんが、全体的に非常に高水準でまとまっており、プレイヤーの視覚を十分に満足させてくれます。
コミカルな演出を取り入れたアメコミ風のアニメーションシーンの導入
ストーリーの演出面においても、単なる立ち絵の会話劇に終始しない工夫が見られます。 重要なシーンでは、コミカルな表現を取り入れたアメコミ風のアニメーション演出が挿入され、物語のテンポを良くしています。
このような演出は、同じく都市型アクションRPGである「ゼンレスゾーンゼロ(ゼンゼロ)」などでも見られた手法であり、トレンドをしっかりと押さえています。 シリアスな展開の中にも、クスッと笑える要素を取り入れることで、プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に凝らされているのです。
序盤のストーリー展開の不自然さとマスコットキャラクターの魅力不足
一方で、ゲーム序盤のストーリー展開については、多くのプレイヤーから不満の声が挙がっているのも事実です。 主人公の正体や世界の謎、悪役の目的といった根本的な設定が語られないまま、骨董品屋を中心としたドタバタコメディが長々と続きます。
また、主人公の相棒となるマスコットキャラクターの「タギド」に対する評価が非常に厳しいことも懸念材料です。 原神の「パイモン」のような立ち位置を狙ったと思われますが、性格やデザインがプレイヤーに受け入れられておらず、ストーリーへの没入感を削ぐ原因となっています。
アクションを求める層にはストレスとなる序盤のお使いクエストの多さ
NTEの豊富な生活系コンテンツは魅力である反面、ゲーム序盤においてはそれが足枷となる場面も存在します。 チュートリアルとして、釣りやレース、お使いといった生活要素を強制的に体験させられる時間が非常に長く設定されているのです。
純粋に爽快なアクション戦闘を楽しみたいと考えてゲームを始めた層にとっては、この長い「お使い期間」は強いストレスとなります。 スマホゲームは最初の30分で離脱されることが多いと言われる中で、この序盤のテンポの悪さは改善の余地があると言わざるを得ません。
NTEのキャラクターデザインとガチャシステムの詳細解説
最初のピックアップキャラクターがメガネ属性だったことによるユーザーの賛否
ソーシャルゲームの命運を分けると言っても過言ではないのが、キャラクターの魅力とガチャのシステムです。 NTEはリリース直後の最初のピックアップガチャの目玉キャラクターに、メガネをかけた女の子「ナナリ」を採用しました。
メガネ属性は一部の熱狂的なファンには刺さるものの、万人受けするデザインとは言い難く、人を選ぶ要素の強い属性です。 リリース直後の最もユーザーが集まるタイミングで、あえてニッチな属性のキャラクターを持ってきた運営の采配には、多くの疑問の声が寄せられました。
露出が控えめであり現代の美少女ゲームのトレンドから外れているデザイン
また、NTEのキャラクターデザイン全体に言えることですが、他の人気スマホゲームと比較してキャラクターの露出が非常に控えめです。 現代の美少女ゲーム市場では、デザインの派手さや、分かりやすいセクシーさが求められる傾向が強まっています。
日々新しいゲームがリリースされ、キャラクターの魅力がインフレを起こしている中で、NTEの堅実で地味なデザインはユーザーの目を引きつける力が弱いです。 二次創作の盛り上がりもキャラクターの人気に直結しますが、現状ではSNS等でのファンアートの数も伸び悩んでいる状態です。
儚い系などの王道属性や分かりやすいギャップを持つキャラクターの不在
キャラクターの性格や設定面においても、オタク層の心に刺さるような「王道」の属性を持ったキャラクターが不足しています。 例えば、守ってあげたくなるような「儚い系」の少女や、普段と戦闘時のギャップが激しいキャラクターなど、分かりやすいフックが足りません。
全体的にどのキャラクターも想定の範囲内に収まっており、プレイヤーに「どうしてもこのキャラが欲しい!」と思わせるサプライズに欠けています。 今後、いかにしてプレイヤーの琴線に触れる魅力的な新キャラクターを追加していけるかが、ゲームの寿命を左右する大きな課題となります。
ユーザーの不満を受けて急遽修正されたキャラクターのメガネなしバージョン
ユーザーからのキャラクターデザインに対する不満の声は、運営側にも確実に届いていました。 その証拠に、最近公開されたNTEのWeb広告などでは、目玉キャラクターのナナリがメガネを外した姿で登場するようになっています。
メガネを外したナナリは、ボイスの雰囲気とも相まって非常に可愛らしく、もし最初からこのデザインであればガチャの売り上げはもっと伸びていたはずです。 ユーザーの反応を見て柔軟に対応する姿勢は評価できますが、最初のアプローチのミスが悔やまれる結果となりました。
天井以外での最高レア排出率が約1パーセントという厳しいガチャ確率
NTEのガチャシステムは、UIの見た目こそ独特なスゴロク形式になっていますが、基本的な内部仕様は原神に非常に似ています。 特筆すべきは、最高レアリティのキャラクターの基本排出率が約1%と非常に低く設定されている点です。
以下は、一般的なスマホゲームとのガチャ仕様の比較表です。
| ゲームタイトル | 最高レア排出率 | 天井までの回数 | すり抜けの有無 |
|---|---|---|---|
| NTE(ネバエバ) | 約1.0% | 約80〜90回 | なし |
| 原神 / 崩壊:スターレイル | 0.6% | 90回 | あり(50%) |
| 一般的な国内RPGアプリ | 3.0% 〜 5.0% | 200〜300回 | あり |
表からも分かる通り、道中で最高レアを引き当てることは困難であり、基本的には天井まで回すことを前提とした厳しい設計になっています。
すり抜けが存在しないというプレイヤーにとって非常に優しい救済措置
排出率が低い一方で、NTEのガチャにはプレイヤーにとって非常にありがたい独自の救済措置が用意されています。 それは、ピックアップガチャにおいて「すり抜けが存在しない(あるいは非常に確率が低い)」という点です。
一般的なゲームでは、天井まで回しても別の最高レアキャラクターが出てしまう「すり抜け」の悲劇が頻繁に起こります。 しかし、NTEでは天井に到達すれば確実に目当てのピックアップキャラクターを獲得できるため、課金計画が立てやすく良心的な仕様と言えます。
無課金や微課金プレイヤーでも十分に天井を狙える豊富な石の配布量
さらに嬉しいことに、ゲーム内で獲得できるガチャ石(無償通貨)の配布量が比較的多く設定されています。 序盤のストーリーを進行させたり、街の探索や生活系コンテンツをこなしたりするだけで、かなりの量の石を集めることが可能です。
しっかりとゲームをプレイしていれば、最初のピックアップガチャの天井分くらいの石は無課金でも十分に貯めることができます。 課金圧がそれほど高くなく、自分のペースでキャラクターを集められる点は、長く遊び続ける上での大きなモチベーションに繋がるでしょう。
開発費と売上データから分析するNTEの今後のビジネス展開
初日売上23億円というグローバル市場での好調な滑り出しの評価
炎上騒動によってネガティブなイメージが先行していますが、ビジネスの観点から見るとNTEは決して失敗作ではありません。 公式の発表によると、グローバル市場におけるリリース初日の売上はなんと約23億円に達したとのことです。
日本のスマホゲーム市場のランキング(セルラン)だけを見ると41位前後と振るいませんでしたが、世界規模で見れば驚異的な数字です。 炎上の影響を考慮しても、これだけの売上を初日で叩き出した事実は、本作に対する世界的な注目度の高さを証明しています。
推定開発費69億円という数字から考える初期投資の回収の可能性
海外のメディアや情報筋の推測によると、NTEの開発にかかった費用はおよそ3億元、日本円にして約69億円だと言われています。 この数字が事実であれば、超大作としては比較的抑えられた開発費であり、初日売上の23億円という数字は非常にポジティブな意味を持ちます。
もちろん、サーバー維持費や今後のアップデート費用もかかりますが、初期投資の回収という点においてはすでに目処が立っていると推測できます。 この先、よほど致命的な過ちを犯さない限り、プロジェクト全体が赤字になって失敗する可能性は極めて低いレベルにあると言えるでしょう。
PC版とPS5版が売上の約75パーセントを占めるというプレイ環境の変化
NTEの売上データを分析する上で最も注目すべきなのは、プラットフォーム別の売上比率です。 公式発表では、初日売上のうち、実に約75%がPC版とPlayStation 5(PS5)版からの収益であったことが明かされています。
以下は、推測されるプラットフォーム別の売上比率の表です。
| プラットフォーム | 売上構成比(推測) | ユーザー層の特徴 |
|---|---|---|
| PC版 | 約45%〜50% | コアゲーマー、高画質環境を好む層 |
| PS5版 | 約25%〜30% | コンソールゲーマー、大画面プレイ層 |
| スマートフォン版 | 約20%〜25% | カジュアル層、隙間時間プレイ層 |
スマホアプリとしてリリースされながらも、実際の収益の柱はPCと家庭用ゲーム機が担っているという衝撃的な事実が浮かび上がります。
スマホゲームでありながら大画面モニターでのプレイが推奨される現代の傾向
このデータは、現代の「大作スマホゲーム」の立ち位置が大きく変化していることを如実に物語っています。 原神以降のハイクオリティなオープンワールドゲームは、スマートフォンの小さな画面やタッチ操作では、その魅力を十分に堪能することができません。
プレイヤーたちは、高画質なグラフィックと複雑なアクション操作を求めて、自然とPCのモニターやテレビ画面でのプレイへと移行しているのです。 「スマホゲーム」という呼び方はもはや形骸化しつつあり、実態は「スマホでも遊べるPC・コンソールゲーム」へと進化を遂げていると言えます。
莫大なプロモーション費用がかかっていることによる利益率への懸念
開発費の回収は順調に見えるNTEですが、懸念事項がないわけではありません。 それは、リリース前後に展開された莫大なプロモーション費用(広告宣伝費)の存在です。
渋谷や秋葉原での大規模な屋外広告、有名VTuberやインフルエンサーを多数起用した案件配信など、その規模は過去の大作ゲームと比較してもトップクラスです。 これらのプロモーションにかかった費用を差し引くと、実際に手元に残る利益は想定よりも少ない可能性があり、運営の舵取りは決して容易ではないはずです。
過去の運営実績から推測されるサービス終了の危険性の低さと手厚いサポート
一部のプレイヤーからは、炎上の影響による早期のサービス終了(サ終)を危ぶむ声も聞かれます。 しかし、パーフェクトワールドという巨大企業の資本力と過去の運営実績を考慮すると、その危険性は極めて低いと断言できます。
過去にリリースしたタイトルが売上的に苦戦した際も、すぐにサービスを畳むことはせず、サーバー統合や新規イベントの追加などで粘り強く運営を続けてきた実績があります。 NTEに関しても、今後継続的なアップデートと手厚いサポートが行われることはほぼ確実であり、プレイヤーは安心してゲームを続けることができるでしょう。
今後リリースが予定されているライバルタイトル「無限大」との熾烈な覇権争い
NTEの今後の最大の試練は、同じく「アニメ調の都市型オープンワールド」というコンセプトを掲げる強力なライバルタイトル「無限大(Project Mugen)」の存在です。 無限大がリリースされた暁には、両者はシステムやクオリティの面で徹底的に比較される運命にあります。
NTEが覇権を握るためには、先行してリリースした強みを活かし、プレイヤーの意見を取り入れた迅速なチューニングと、魅力的な新キャラクターの追加が不可欠です。 炎上という逆境をバネにして、どこまでゲームを洗練させることができるか、開発と運営の手腕が真に試されるのはこれからだと言えるでしょう。
まとめ
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。
























