編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「ドラクエ7リイマジンド」の購入を迷っている、あるいはプレイ中でクリア後の評価や、原作からの変更点が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、本作のクリアにかかる時間やシステムの変化、そしてクリア後に後悔しないための育成方針など、ドラクエ7リイマジンドの全ての疑問が解決しているはずです。
- クリア時間は約40時間と原作より大幅に短縮されテンポが劇的向上
- 戦闘速度の高速化やショートカット機能により快適性が現代基準に進化
- 職業システムが一新され「技を忘れる」仕様と「職業掛け持ち」が攻略の鍵
- ストーリーの削減はあるが、キーファ離脱などの演出が大幅に強化されている
それでは解説していきます。
ドラゴンクエストVII リイマジンド クリア時間とボリューム感
ついに発売された『ドラゴンクエストVII リイマジンド』。私も寝る間を惜しんでプレイし、エンディングまで到達しました。 まずは多くのゲーマーが最も気にしているであろう「プレイ時間」と「ボリューム」について、実体験をもとに解説します。
40時間で完結する濃密な冒険体験
結論から言うと、クリアまでのプレイ時間は約30時間〜40時間でした。 私は動画撮影や検証を行いながらのプレイで約40時間でしたので、ストーリーを一直線に進めれば30時間台でのクリアも十分に可能です。
原作のPS版『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』をプレイしたことがある方なら、この数字に驚愕するのではないでしょうか。 原作は「クリアまで100時間越えは当たり前」と言われるほどの超長編RPGでした。石版集めに奔走し、長いダンジョンを攻略し、気づけばプレイ時間が膨れ上がっていたあの感覚。 それが今作では、半分以下の時間でエンディングまで辿り着けるようになっています。
しかし、これは決して「内容が薄くなった」わけではありません。 無駄な移動やレベリングの時間、戦闘の待ち時間が極限まで削減された結果、純粋にストーリーと冒険を楽しむ時間だけが抽出された「濃縮還元」のような40時間になっています。
中だるみ一切なしの絶妙なゲームバランス
RPGにおいて最も恐ろしい敵は、ボスではなく「中だるみ」です。 特にドラクエ7は中盤、レベルが上がりにくく、装備の更新も停滞する時期があり、そこでモチベーションを失うプレイヤーも少なくありませんでした。
しかし、今回のリイマジンド版ではその心配は無用です。 シナリオを進めれば自然とレベルが上がり、新しい町に着くたびに強力な装備が手に入るよう調整されています。 『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』のような、ストーリー進行とキャラクター成長が完全にリンクした現代的なレベルデザインが採用されています。
クリア時点での想定レベルは40前後。 常に「次の展開が見たい」「強くなった実感がある」というポジティブなサイクルで遊び続けられるため、40時間が一瞬に感じられるほどの没入感がありました。
劇的に進化した「テンポ」と「快適性」の評価
本作を語る上で外せないのが、圧倒的な「テンポの良さ」です。 「リイマジンド(再構築)」の名に恥じない、現代の忙しいゲーマーに最適化された快適なシステムについて深掘りします。
倍速を超えた「爆速」バトルシステム
戦闘のテンポは、過去のドラクエシリーズと比較してもトップクラスです。 「バトルスピード超早い」に設定し、作戦を「ガンガンいこうぜ」にしておけば、雑魚戦は数秒で終わります。
- フィールドアタックの実装:弱い敵であれば、シンボルエンカウントする前にフィールド上で攻撃して一撃で倒せます。これにより、探索のテンポが削がれることがありません。
- 高速戦闘演出:呪文や特技のエフェクトも短縮され、ダメージ表示のウェイトもありません。
この「サクサク感」は、レベル上げや熟練度稼ぎのストレスを大幅に軽減しています。 「戦闘が面倒だから避ける」というRPG特有のストレスがなく、むしろ爽快感を持って敵をなぎ倒していけるのは大きな評価点です。
十字キーによる直感的なショートカット機能
UI(ユーザーインターフェース)周りの改善も目を見張るものがあります。 特に便利だったのが、十字キーに割り当てられたショートカット機能です。
| ボタン操作 | 機能 | 解説 |
|---|---|---|
| 十字キー 左 | まんたん | メニューを開かずに即座にHPを全回復。探索中の回復の手間がゼロに。 |
| 十字キー 上 | 飛空石(乗り物) | 即座に乗り物に搭乗可能。フィールド移動のストレスを極限まで排除。 |
| 十字キー 下 | 転職(ダーマの神殿) | どこでもダーマ神殿の神官にアクセス可能。わざわざ神殿に戻る必要なし。 |
特に「十字キー下で転職」は革命的です。 「今のボスに勝てないから職業を変えよう」「熟練度が溜まったから次に行こう」と思った瞬間に実行できるため、編成を試行錯誤する楽しさが格段に向上しています。
シナリオの再構築:カットと追加の是非
リメイク作品で常に議論の的となるのがストーリーの変更です。 本作でも大胆なカットと追加が行われていますが、個人的には「英断」だったと感じています。
削除されたエピソードとその影響
発売前から話題になっていましたが、「プロビナ」や「クレージュ」といった一部のシナリオがカットされています。 原作ファンとしては「あのエピソードがないのか」と寂しく思う部分もありますが、全体を通してプレイすると、これが中盤のテンポアップに大きく貢献していることがわかります。
原作では似たようなお使いイベントが続くこともありましたが、今作では物語の核心に触れるエピソードが連続するため、ダレることがありません。 また、カットされたシナリオのボスモンスターとは別の場所で戦える救済措置も用意されており、開発陣の「戦闘の楽しみは奪わない」という配慮が感じられました。
深みを増した「キーファ離脱」の演出
ドラクエ7最大の衝撃イベントである「キーファの離脱」。 原作では「種泥棒」などと揶揄されることもあった唐突な別れでしたが、今作ではここが非常に丁寧に描かれています。
- キーファの葛藤
- ユバールの民との交流
- 主人公との別れの言葉
これらが追加演出やムービーによって深く掘り下げられており、「なぜ彼がそこに残る決断をしたのか」が痛いほど伝わってきます。 原作をプレイ済みの方こそ、このシーンでの印象がガラリと変わるはずです。「ただのワガママ」ではなく「一人の男の決断」として受け入れられる、感動的な名シーンへと昇華されています。
体験版で期待された「分岐」の真実
体験版のウッドパルナ編ではストーリー分岐があったため、「本編でも全ての町で分岐があるのでは?」と期待されていた方も多いでしょう。 しかし、製品版ではシナリオ分岐はごく一部に限られています。
基本的には原作通りの一本道ですが、演出やセリフ回しが強化されているため、物語への没入感は損なわれていません。 「マルチエンディングのドラクエ7」を期待しすぎると肩透かしを食らうかもしれませんが、リニアな物語としての完成度は高まっています。
賛否両論?一新された「職業システム」の徹底解説
システム面で最も大きく変化し、かつプレイヤーを悩ませるのが「職業システム」です。 ここは攻略に直結する重要なポイントなので詳しく解説します。
「職歴技」廃止と「技を忘れる」仕様
本作では、3DS版と同様に**「人間職で覚えた呪文・特技は、転職すると忘れる」**という仕様が採用されています。 (※一部の基本職で覚える技や、引き継ぎ可能な技を除く)
これにより、「全ての職業を極めて最強キャラを作る」という育成ができなくなりました。 「ゴッドハンド」になれば「勇者」の技は使えませんし、「魔法使い」の呪文は「戦士」では使えません。 この仕様変更により、各キャラクターに「役割(ロール)」を持たせることが重要になり、パーティ編成の戦略性が増しています。
新システム「職業掛け持ち」のメリットとデメリット
シナリオ中盤から解禁される新システム「職業掛け持ち」。 2つの職業を同時にセットして育成できる画期的なシステムですが、これには大きな罠があります。
【デメリット:ステータスの低下】 育成中の職業をセットすると、その職業のステータス補正がかかるため、弱い職業をセットしていると戦力が大幅にダウンします。 例えば「戦士」+「笑わせ師(育成中)」のような組み合わせにすると、HPや攻撃力が下がり、雑魚戦ですら苦戦を強いられることになります。
【攻略のコツ】 シナリオ攻略中は、無理に2枠とも育成枠にするのは危険です。
- 枠1:メイン火力職(バトルマスターなど)
- 枠2:育成用職(熟練度稼ぎ用) このように、片方は戦力を維持できる職業にしておくのが鉄則です。
クリア後を見据えた最強職業考察
40時間遊んで分かった、本作における「最強職業」とその理由を解説します。 クリア後の裏ダンジョン攻略を目指すなら、以下の育成ルートを強く推奨します。
物理火力の頂点「ゴッドハンド」
物理アタッカーは最終的に「ゴッドハンド」一択と言っても過言ではありません。
- 理由1:バースト技「分身」
- 本作独自のシステム「バースト」発動時に使える「分身」が強力すぎます。
- ターン消費なしで分身でき、次の攻撃が2回判定になるため、瞬間火力が凄まじいです。
- 理由2:高ステータス
- HP、ちから共に最高水準で、雑魚処理からボス戦まで隙がありません。
主人公、アイラ、メルビンといった物理が得意なキャラは、迷わずゴッドハンドを目指しましょう。
必須級ヒーラー「天地雷鳴士」
本作の回復役における最重要職業です。その理由はたった一つ。
- 理由:唯一「ベホマズン」を習得する
他の職業(勇者や賢者含む)ではベホマラーまでしか習得できません。 クリア前のラスボス程度ならベホマラーでも耐えられますが、クリア後の強力なボス相手には回復量が足りません。 全体全回復のベホマズンを使える天地雷鳴士がパーティに1人いるかいないかで、難易度が劇的に変わります。
【転職条件の厳しさ】 天地雷鳴士になるには、「賢者」+「スーパースター」+「海賊」のうち2つをマスターする必要があります。 これは非常に長い道のりです。
【おすすめ育成ルート(マリベル)】
- 魔法使い & 僧侶 → 賢者
- 踊り子 & 吟遊詩人 & 笑わせ師 → スーパースター
- 賢者 & スーパースター マスター → 天地雷鳴士
このルートを意識して、序盤から計画的に熟練度を稼いでおくことを強くおすすめします。
モンスター職の廃止と影響
残念ながら、本作ではモンスター職が存在しません。 3DS版では「モンスター職で覚えた技は転職しても忘れない」というメリットがあり、やり込み要素の一つでしたが、今回は人間職のみです。
結果として、最終的なパーティ構成が「ゴッドハンド×3、天地雷鳴士×1」や「ゴッドハンド×2、勇者×1、天地雷鳴士×1」といった形に収束しがちです。 自由度は少し減りましたが、その分「どのルートで育成するか」というリソース管理の楽しさは残っています。
石版探しの変化と注意点
ドラクエ7の代名詞でもある「石版集め」。 ここにもリイマジンドならではの調整が入っています。
石版レーダーの廃止とリスト化
3DS版にあった、石版が近くにあると反応する「石版レーダー」が廃止されました。 その代わり、メニュー画面に「石版リスト」があり、まだ取っていない石版が世界のどこにあるかは分かるようになっています。
しかし、詳細な場所までは教えてくれません。 マップ上に石版アイコンは表示されるものの、民家のタンスの中や、死角にある宝箱などは自力で探す必要があります。 「大まかな場所は教えるから、あとは自分で探索してね」というスタンスです。
これは「冒険している感」を演出する良い調整とも言えますが、探索が苦手な人にとっては見落としが発生しやすいポイントです。 新しい場所に着いたら、まずはマップを開いてアイコンを確認する癖をつけましょう。
他シリーズおよび旧作との比較
本作『リイマジンド』を、旧作や他のドラクエ作品と比較して評価を整理します。
| 項目 | PS版(原作) | 3DS版 | リイマジンド版 |
|---|---|---|---|
| クリア時間 | 100時間以上 | 60〜80時間 | 30〜40時間 |
| グラフィック | 2Dドット+3D | 3Dデフォルメ | 高精細3D(DQ11Sに近い) |
| 戦闘テンポ | 遅い | 普通 | 爆速 |
| 転職仕様 | 技継承あり | 人間職× / 魔物職○ | 技継承なし(人間職のみ) |
| 石版探し | 超難解 | レーダーありで簡単 | リストあり・探索要素重視 |
| ストーリー | フルボリューム | 一部改変あり | カット&再構成・演出強化 |
こうして比較すると、リイマジンド版は「現代向けに最適化された決定版」と言えるでしょう。 特に時間の確保が難しい社会人ゲーマーにとって、このボリューム感と快適性は最大の魅力です。
まとめ
今回のレビューをまとめます。
- 時間は有限、面白さは濃縮:40時間でクリアできるテンポの良さは、現代のRPGとして正解。
- ストーリーの再構成は成功:一部カットはあるが、キーファ等の掘り下げにより物語の解像度は上がっている。
- 戦闘と育成は戦略的:技を忘れる仕様と職業掛け持ちにより、脳死プレイではない思考が必要。
- 計画的な育成が必須:特にクリア後を見据えるなら、早めに天地雷鳴士(ベホマズン役)の育成に着手すべき。
『ドラゴンクエストVII リイマジンド』は、かつて石版探しに挫折した人、長いプレイ時間に二の足を踏んでいた人にこそ遊んでほしい作品です。 原作へのリスペクトを持ちつつ、遊びやすさを極限まで高めた良リメイクでした。
もし、あなたがこれからプレイを始めるなら、「マリベルは天地雷鳴士を目指す」「石版はマップで必ず確認」。この2点だけ覚えておけば、後悔のない冒険が楽しめるはずです。
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。




















