編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられている、あの伝説のタイトルの「復活」に関する質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、最新作『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち リイマジンド』を買うべきかどうか、そして今作が自分の期待に応えてくれる内容なのかが気になっていると思います。
シリーズ屈指のボリュームと「重厚(あるいは鬱)」なストーリーで知られる7作目が、現代の技術でどう生まれ変わったのか、その真髄を徹底的に解剖しました。
この記事を読み終える頃には、あなたが予約ボタンを押すべきか、それとも様子を見るべきかの疑問が完全に解決しているはずです。
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戦闘開始までの時間短縮と超高速テンポの実現
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二つの職業を同時に就ける新システムによる戦略深化
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物語の分岐と一部シナリオ削除がもたらす賛否の行方
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未経験者でも遊びやすい現代向けRPGへの完全刷新
それでは解説していきます。
ドラクエ7リメイクの魅力と基本情報
ドラクエ7リメイクの概要と特徴
本作『ドラゴンクエストVII リイマジンド』は、シリーズの中でも特に異彩を放つ「石板を巡る旅」を現代のクオリティで再構築した作品です。
オリジナル版はPlayStationで発売され、その圧倒的なテキスト量と、最初の戦闘まで数時間を要するスロースターターな構成が語り草となってきました。
今回のリメイクでは、そうした「古き良き(あるいは不便な)」要素を徹底的に見直し、現代のプレイヤーがストレスなく物語に没入できるような調整が施されています。
最大の特徴は、単なるグラフィックの向上に留まらず、システム面での抜本的な改革が行われている点です。
「リイマジンド(再想像)」の名が示す通り、過去作をなぞるだけでなく、新しい解釈やシステムがふんだんに盛り込まれています。
ドラクエ7リメイクのストーリー性の深掘り
ドラクエ7の最大の魅力は、なんといっても「短編集」のような構成で進む濃密な人間ドラマにあります。
石板を使って過去の世界へ飛び、そこで起きている問題を解決し、現代に戻ってその結果を確認する。
このサイクルが基本ですが、7の物語は決して「めでたしめでたし」で終わらないのが特徴です。
救ったはずの村が現代では滅んでいたり、英雄として称えられた者が悲劇的な結末を迎えていたりと、人間の業や時の残酷さを描くエピソードが数多く存在します。
今回のリメイクでは、これらのエピソードに「分岐」という新たな要素が加わりました。
プレイヤーの選択によって、救えなかったはずの命が救えるかもしれない、あるいは別の悲劇が生まれるかもしれないという、実質的な「新作」としての側面も持ち合わせています。
ドラクエ7リメイクの評価と賛否両論の背景
ドラクエ7は、全シリーズの中でも特にファンの評価が分かれる作品です。
その理由は、あまりにも膨大なプレイ時間と、石板探しという作業感の強さにありました。
「石板が見つからなくて詰んだ」という経験を持つ当時のプレイヤーも少なくないでしょう。
しかし、その苦労の先にある重厚なストーリー体験は、他の追随を許さないほど強烈なものでした。
リメイク版では、この「作業感」という弱点を克服し、「ストーリー体験」という長所を最大化する方向で調整が進められています。
一方で、原作の「不便さも含めた空気感」を愛するファンからは、利便性の向上や一部シナリオのカットに対して慎重な意見が出ているのも事実です。
ドラクエ7リメイクの対象ハードとスペック比較
今作は最新世代のコンソールおよびPC向けに最適化されており、かつての3DS版リメイクとも一線を画す進化を遂げています。
まずは、オリジナル版(PS)、3DS版、そして今回のリイマジンド版の違いを表で確認してみましょう。
| 項目 | オリジナル版 (PS) | 3DSリメイク版 | リイマジンド版 |
| 戦闘システム | ターン制(一括入力) | ターン制(一括入力) | ターン制(個別行動順) |
| 最初の戦闘まで | 約2~3時間 | 約1時間 | 約30分 |
| 職業システム | 熟練度制(単一) | 熟練度制(単一) | 職業掛け持ちシステム |
| 石板探し | ヒントなし(過酷) | 石板レーダーあり | ガイドライン完全統合 |
| 移動速度 | 標準(徒歩) | ダッシュ追加 | 乗り物・ファストトラベル強化 |
| グラフィック | 2D/3D併用 | デフォルメ3D | フォトリアル寄り3D |
このように、数値で見ても今作の「快適さ」へのこだわりが伺えます。
ドラクエ7リメイクの開発コンセプト
開発陣が掲げているのは「誰もが最後まで完走できるドラクエ7」です。
原作のクリア率は、その長大さゆえに他のナンバリングタイトルよりも低い傾向にありました。
「面白いのに、長すぎて挫折した」というプレイヤーを一人も出さない。
そのために、テンポを極限まで引き上げ、現代のタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する層にも届くような設計がなされています。
それでいて、物語の本質である「心に刺さるビターな結末」は損なわないよう、慎重に再編されているのが本作のスタンスです。
ドラクエ7リメイクのグラフィックの進化
今作のビジュアルは、DQ11の流れを汲む美麗な3Dグラフィックへと進化しています。
特に注目すべきは、過去の世界と現代の世界で、同じ場所でも空気感が全く異なる点です。
過去の世界はどこか重苦しく、魔王の影を感じさせる色彩設計がなされているのに対し、現代は開放的で明るい雰囲気が強調されています。
キャラクターの等身も上がり、表情の変化も豊かになったことで、各エピソードの感情移入度は格段に向上していると言えるでしょう。
ドラクエ7リメイクの音楽と演出
すぎやまこういち氏の名曲たちが、フルオーケストラ音源で蘇るのはファンにとって最大の喜びの一つです。
特に戦闘曲のイントロの疾走感は、今作の高速な戦闘テンポに完璧にマッチしています。
また、演出面ではカットシーンの映画的手法が取り入れられており、重要な分岐点でのキャラクターの葛藤がよりダイレクトに伝わるようになっています。
変更点と新システムの徹底分析
戦闘システムの進化とバースト技
今回の戦闘システムで最も注目すべきは、DQ11に近い「ターンが回ってきたキャラから順に行動を選択する」形式への変更です。
これにより、敵の行動を見てから回復するか攻撃するかを判断できるようになり、戦術の柔軟性が飛躍的に高まりました。
さらに、新要素である「バーストシステム」が戦闘を熱くさせます。
攻撃を受けたりダメージを与えたりすることで溜まるゲージを消費し、職業ごとの強力な「バースト技」を繰り出せます。
主人公なら「鉄壁の守り」、マリベルなら「魔力暴走」など、戦況を一変させる力を持っています。
職業システムの「掛け持ち」という革新
これまでのドラクエシリーズの常識を覆すのが、この「職業掛け持ちシステム」です。
一人のキャラクターが同時に二つの職業の熟練度を上げ、かつそれぞれの特性を併せ持つことができます。
例えば「戦士」と「魔法使い」を掛け持てば、魔法戦士のように呪文を唱えつつ剣を振るうスタイルが初期から可能です。
これは、上級職への転職条件を満たすための時間を大幅に短縮するだけでなく、プレイヤーごとに唯一無二の育成論を可能にしています。
初級職のバランス調整と新特技
今作では初級職でも十分に戦えるよう、習得特技が大幅に強化されています。
特に「戦士」の強化は目覚ましく、低レベルから強力な範囲攻撃やメタル対策技を習得します。
一方で「僧侶」は蘇生呪文の習得が早まるなど、パーティの安定感を支える役割がより明確になりました。
モンスターの心と装備のインフレ
原作にあった「モンスター職」は廃止されましたが、その代わりに「モンスターの心」を装備品として扱うシステムが導入されました。
1キャラにつき2つまで装備可能で、これによりステータスの大幅な底上げや特殊な耐性の付与が行えます。
中には「3ターンに1度無敵になる」といった、これまでのドラクエのバランスを破壊しかねないほど強力な効果を持つ心も存在します。
これは、敵側もそれ相応に強化されていることを示唆しており、ハクスラ的な楽しみ方も期待できそうです。
キャラクターの役割と初期状態の変更
今作では、仲間が加入した時点で何らかの職業に就いている設定になっています。
これにより、ダーマ神殿に到達する前でも、キャラクターごとの個性が際立つようになりました。
キーファは最初から「近衛騎士(戦士の上位互換)」的な役割を持っており、序盤の頼もしさがより強調されています。
マリベルの魔法使いとしての火力も、序盤から実感できるバランスになっています。
フィールド探索と石板ガイド
「石板が見つからない」という問題に対し、今作は完璧な回答を用意しています。
メインストーリーに必要な石板は、マップ上にガイドが表示されるだけでなく、近づくとキャラクターが反応してくれるようになっています。
また、フィールドの移動速度そのものが向上しており、広大なマップを探索するストレスが激減しました。
「冒険をしている感」はそのままに、面倒なだけの移動が排除された形です。
UIと操作性の現代化
メニュー画面や装備画面も一新され、非常に直感的になりました。
複数の装備候補を比較する際のUIも洗練されており、数値の変化が一目でわかります。
特に「おまかせ装備」の精度が向上しており、初心者でも迷うことなく最強の状態で冒険を進められます。
スマホや携帯機でのプレイを意識した、文字の大きさや視認性の高さも評価ポイントです。
テンポ設定とオートバトル
戦闘中の演出速度を「超速」に設定すると、文字通り一瞬で1ターンが終わります。
これに強化されたAIによるオートバトルを組み合わせれば、レベル上げの作業感はほぼゼロになります。
忙しい社会人でも、隙間時間で着実にキャラクターを成長させられる設計は、現代のゲームとして必須の進化と言えるでしょう。
アイテム収集と小さなメダル
シリーズ恒例の「小さなメダル」も、より見つけやすい場所に配置されるなどの微調整が行われています。
また、メダル王の景品が今作のバランスに合わせてリバランスされており、早期に入手することで攻略が劇的に楽になるアイテムが追加されています。
収集要素そのものが、単なるやり込みではなく「攻略の手段」としてより機能するようになっています。
シナリオ削除と追加要素の是非
削除された3つの町と物語の影響
公式から発表されている「クレージュ」「リートルード」「プロビナ」のシナリオカットは、既存ファンに最も大きな衝撃を与えました。
特にリートルードの「時間がループする町」は、ドラクエ7のテーマを象徴する屈指の人気エピソードであったため、落胆の声も少なくありません。
しかし、開発側は「単純な削除ではなく、物語の密度を高めるための再編」と説明しています。
これらのエピソードで語られるはずだった重要な設定やキャラクターの繋がりは、他の町や追加エピソードに統合されている可能性があります。
分岐システムによる「もしも」の物語
今作の目玉であるストーリー分岐は、特にウッドパルナのような初期のエピソードから影響を及ぼします。
原作ではどうあがいても救えなかった人物を救うルートが用意されており、それによって現代の世界の姿も大きく変わります。
これは「ドラクエ7はこうあるべき」という固定観念を打破し、何度も周回してプレイする動機付けになっています。
過去の選択が数十年、数百年の時を経てどう結実するのか、そのバリエーションを網羅する楽しみが生まれました。
アイラ早期加入とキーファ再会
仲間の加入タイミングの変更も大きなポイントです。
特にアイラが物語の中盤、伝説の盾を探すあたりで早期加入するようになったのは、パーティ編成に大きな幅を持たせています。
また、公式プロモーションでも触れられている「年老いたキーファ」との再会シーン。
原作では離脱後の描写が少なく、ファンの間で長年議論されてきたキーファの「その後」に明確な答えが提示されます。
これは、かつてキーファの離脱に涙し、怒った当時の子供たちへの、時を超えたラブレターのような演出です。
闘技場とやり込み要素の刷新
カジノやモンスターパークが削除された代わりに、新たな拠点として「闘技場」が登場しました。
ここでは、育てたキャラクターや仲間にしたモンスター(あるいはモンスターの心)を使って、過酷な勝ち抜き戦に挑めます。
報酬には、本作最強クラスの武器や防具が用意されており、クリア後のエンドコンテンツとしてのボリュームも十分確保されています。
カジノの代わりに導入された「ラッキーパネル」のミニゲーム化も、手軽にレアアイテムを狙える要素として健在です。
DLCと追加ボス(ロト三部作との繋がり)
有料DLCとして、竜王、シドー、ゾマといった歴代の魔王と戦えるコンテンツが発表されています。
これらを倒すことで、ロトシリーズの装備品が手に入るなど、ファンサービス的な要素も充実しています。
「なぜ7の世界に彼らが現れるのか」という理由にも、本作独自の設定が用意されているとのこと。
やり込み派にとっては、これ以上ない挑戦状となるでしょう。
シナリオカットの真の意図を考察
なぜ人気のエピソードをカットしたのか、そこには「テンポの追求」という冷徹な判断があったと推測されます。
原作の7は、あまりにも長すぎて後半の物語の勢いが失速しがちでした。
中盤の冗長な部分を削ぎ落とし、ラスボスであるオルゴ・デミーラとの因縁をより鮮明に描き出す。
そのための「外科手術」が行われたのだと考えれば、この決断は作品全体の完成度を高めるための英断だったのかもしれません。
現代向けに修正されたテキストと表現
20年以上前の作品ということもあり、現代のコンプライアンスや倫理観に合わせた表現の修正も行われています。
しかし、7の毒気や、人間の嫌な部分を描くような「エグみ」はあえて残されているようです。
「優しくなったけれど、牙は失っていない」という、絶妙なバランスのテキスト調整が期待されます。
エド・パルナから始まる新章
ウッドパルナの分岐によって、現代の町の名が「エド・パルナ」に変わるなど、名称の変化も楽しめます。
こうした細かい変化が、プレイヤーの「自分の選択で世界を変えた」という実感に繋がっています。
一つの石板、一つの選択が、世界地図を少しずつ塗り替えていく感覚は、今作でより強固なものとなりました。
買う価値があるのか? 桐谷シンジの最終結論
あなたは買うべきか? チェックリスト
本作を買うべきかどうか迷っている方のために、簡単な判断基準を作成しました。
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買うべき人
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ドラクエ7を未プレイだが、名作だと聞いている人。
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ストーリー重視で、ビターな物語を楽しみたい人。
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職業育成やカスタマイズが大好きな人。
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過去に挫折したが、今度こそクリアしたい人。
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「if」の物語に興味がある、柔軟なファン。
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様子見・スルーすべき人
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「原作の不便さ」こそがドラクエの味だと思う人。
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一部のシナリオカットがどうしても許容できない人。
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昔ながらの「一括入力のターン制」に強いこだわりがある人。
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最新のグラフィックよりも、ドット絵や当時の質感を愛する人。
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ドラクエ7リメイクの総評
結論から申し上げます。
今作『ドラゴンクエストVII リイマジンド』は、**「シリーズ史上、最も遊びやすく、最も感情を揺さぶるドラクエ7」**として完成しています。
原作の持つ圧倒的な熱量を、現代の洗練されたシステムという器に注ぎ込んだ、まさに究極のリメイクです。
シナリオカットやシステムの変更は、すべて「プレイヤーが物語の結末まで辿り着くため」の手段。
その意図を理解し、新しいドラクエ7を受け入れる準備があるなら、これほど充実したRPG体験は他にありません。
攻略ライターとしての私見
個人的には、「職業掛け持ちシステム」によるカスタマイズ性の高さが、これまでのどの作品よりも面白いと感じています。
「この組み合わせなら、このバースト技が強い」といった考察の余地が無限にあり、発売後は寝不足になることが確定しています。
また、キーファの再登場という、長年のファンの宿題に一つの決着をつけた姿勢も高く評価したいです。
これは、スクウェア・エニックスが「今、ドラクエ7を作る意味」を真剣に考え抜いた結果でしょう。
発売までに準備しておくべきこと
まずは、公式サイトの体験版をプレイすることをお勧めします。
ウッドパルナの物語を終えるまでのデータは製品版に引き継げるだけでなく、早期プレイ特典として「小さなメダル」が数枚手に入ります。
また、今回の「掛け持ちシステム」に備えて、どのキャラをどの職業のルートに乗せるか、今のうちから妄想を膨らませておくのが一番の楽しみ方です。
私の方でも、発売後すぐに「最強職業ルート徹底解説」を公開する予定ですので、そちらも楽しみにしていてください。
購入特典とバージョンの選び方
デジタルデラックス版には、48時間の早期アクセス権が付帯しています。
「一刻も早く世界を救いたい」「ネタバレを避けたい」という熱心なファンなら、このデラックス版一択でしょう。
通常版でも十分なボリュームがありますが、闘技場DLCなどを含めた総額を考えると、デラックス版の方がコストパフォーマンスに優れています。
ロト装備を序盤から使いたいという方も、特典内容をよく確認してください。
今後のドラクエシリーズへの影響
本作の成功は、今後のドラクエのリメイクの在り方を大きく変えるでしょう。
「原作に忠実であること」と「現代向けに作り直すこと」。
その二つの難題に対し、今作は「リイマジンド」という明確な答えを提示しました。
これが評価されれば、続く8や9のリメイクも、より大胆で魅力的なものになる可能性が高まります。
その意味でも、本作をプレイすることは、ドラクエの未来を見届けることと同義なのです。
最後に
『ドラゴンクエストVII』は、私にとっても非常に思い入れの深い作品です。
あの頃、テレビの前で石板を探し続けた日々。
キーファとの別れに呆然とした放課後。
そのすべての記憶が、この最新作で美しく塗り替えられようとしています。
未経験の方も、かつてのエデンの戦士たちも。
ぜひ、この生まれ変わった世界で、自分だけの「答え」を見つけてください。
まとめ
今回のレビューでは、最新リメイク『ドラゴンクエストVII リイマジンド』の全貌を、公開情報を基に徹底解説しました。
原作の良さを活かしつつ、不満点を徹底的に削ぎ落とした今作は、まさに「ドラクエ7の完成形」と言っても過言ではありません。
システムの大幅な変更や、一部シナリオの削除といった大胆な決断は、すべて「最高のプレイ体験」のために捧げられています。
買う価値は十二分にあります。
あとは、あなたがその手にコントローラーを握り、失われた世界を取り戻す旅に出るだけです。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ
フリーランスのゲーム攻略ライター。
慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。
幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドブロック系のゲームを得意とする。
最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。


























