編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、迫りくる「Gレギュレーション落ち」による環境の激変や、愛用しているデッキがどうなってしまうのか、次は何が強くなるのかが気になっていると思います。
慣れ親しんだカードたちが使えなくなるのは本当に寂しいですし、デッキを組み直すのは大変ですよね。 でも、大丈夫です。 変化は新しい楽しみの始まりでもありますから。
この記事を読み終える頃には、新環境に向けた準備と、次に握るべきデッキの方向性についての疑問が解決しているはずです。
- サーフゴーやサーナイトなど主要デッキが姿を消す
- ナンジャモやカウンターキャッチャーの喪失で「逆転」が困難になる
- ドラパルトexは構築を変えて環境トップに残る可能性が高い
- タケルライコexはオーリム喪失により大幅な弱体化が懸念される
それでは解説していきます。
Gレギュ落ちで消える「環境の覇者」たち
これまで私たちの対戦環境を支配し、あるいは支えてくれた多くのポケモンたちが、Gレギュレーション落ち(スタン落ち)によってスタンダードレギュレーションから姿を消すことになります。
これは単なるカードの入れ替わりではなく、ポケカの「戦い方」そのものが根底から覆るほどの大事件です。
まずは、このレギュ落ちによって、環境から完全に退場、あるいはコンセプトの崩壊を余儀なくされる主要なポケモンたちについて、深く掘り下げて解説していきます。
サーフゴーex、サーナイトex、悪リザードンexの消失
現環境(Gレギュ環境)を語る上で欠かせないのが、「サーフゴーex」「サーナイトex」「悪テラスタルリザードンex」の3大巨頭です。 これらのデッキは、大会の上位入賞常連であり、多くのプレイヤーが対策に頭を悩ませてきた存在でした。
まず**「サーフゴーex」**についてです。 特性「ボーナスコイン」による圧倒的なドロー性能と、「ゴールドラッシュ」による青天井の火力。 これらがGレギュレーションのカードであるため、デッキの核となるアタッカーとシステムの両方を同時に失うことになります。 サーフゴーexがいなくなることで、これまで「HPラインを無視した一撃必殺」を警戒しなければならなかった環境が変化します。 特に、耐久力はあるけれど火力が中打点、といったポケモンたちが息を吹き返す可能性がありますね。
次に**「サーナイトex」**です。 特性「サイコエンブレイス」による、トラッシュからの無限エネ加速。 これがなくなる影響は計り知れません。 サーナイトデッキは、ダメカンをのせるというリスクを負いながらも、フワンテやサケブシッポといった非ルールポケモンを高火力アタッカーに変貌させる戦術が強力でした。 この「ダメージ操作」を軸にしたテクニカルなデッキタイプ自体が消滅することになります。 これにより、細かいダメージ調整やHP管理が苦手だったデッキタイプが、相対的に強化されることになるでしょう。
そして、環境の王**「悪リザードンex」**。 特性「れんごくしはい」による、進化時の即時エネ加速と、後半になればなるほど火力が上がる「バーニングダーク」。 このカードの存在が、「中盤以降に逆転する」という今のポケカのゲームメイクを象徴していました。 リザードンexが落ちることで、炎エネルギー主体のデッキは大きな転換期を迎えます。 もちろん、他のリザードン(例えばメガリザードン等の新しいカード)が登場して軸が変わる可能性はありますが、あの圧倒的な「理不尽なまでの捲り性能」を持ったリザードンはいなくなります。
これらのデッキが消えることで、環境は「一撃必殺・高耐久・逆転」というキーワードから、別のフェーズへと移行していくことになるでしょう。
鉄のカイナex、テツノイバラexら「未来」ポケモンの退場
「未来」カテゴリーのポケモンたちも、Gレギュレーションに含まれる多くのカードが使用不可となります。 特に影響が大きいのが**「テツノカイナex」と「テツノイバラex」**です。
**「テツノカイナex」**の技「ごっつぁんプリファイ」は、サイドを1枚多く取るという、ポケカのルールに干渉する強力すぎる効果を持っていました。 このカードの存在により、「HPの低い非ルールポケモン」は常に狩られる恐怖と隣り合わせでした。 テツノカイナexがいなくなることで、HP120以下の非ルールポケモンを軸にしたデッキや、進化前のたねポケモンを並べるデッキが、以前よりも安心して展開できるようになるはずです。 雷弱点のポケモンたち(ルギアVSTARやパルキアVSTARなど)にとっても、これは大きな追い風と言えますね。
また、**「テツノイバラex」**の退場も環境に大きな変化をもたらします。 特性「イニシャライズ」によって、ルールを持つポケモンの特性を全て止めるという強力なロック性能を持っていました。 このカード1枚で詰んでしまうデッキも多かっただけに、このロックが解除されることで、特性に依存したコンボデッキや、システムポケモンを多用するデッキが動きやすくなります。
さらに、彼らを支えてきた**「ミライドンex」**もレギュ落ちとなります。 特性「タンデムユニット」による雷たねポケモンの展開力は、先行1ターン目からの圧倒的な盤面形成を可能にしていました。 これにより、速攻型の雷デッキ(ミライドンデッキ)というアーキタイプそのものが、環境から姿を消す、あるいは大幅な弱体化を強いられることになります。
雷タイプ特有の「速攻」と「サイド複数取り」というプレッシャーがなくなることで、ゲームのスピード感は少し落ち着くかもしれません。
キュワワーやウッウなど「ロストゾーン」軸の崩壊
長きにわたり環境に居座り続けた「ロストゾーン」軸のデッキも、ついにその歴史に幕を下ろすことになります。 正確にはFレギュレーションから続くギミックですが、Gレギュレーションに含まれるロスト関連パーツの喪失が決定打となります。
特に影響が大きいのが、やはりアタッカーやサポートカードの喪失です。 ロスト軸は、「ウッウ」の「おとぼけスピット」による序盤の安定した削りや、「ヤミラミ」(Fレギュですが、再録等がなければ同時に考慮)によるダメカンばら撒きが驚異でした。 もしこれらのカードが完全に使えなくなれば、サイドを1枚しか取られない非ルールポケモンで戦いながら、リソースを管理して詰めていくという戦い方が非常に難しくなります。
ロストバレットのような、相手に合わせてアタッカーを変える万能型のデッキがいなくなることで、環境の「メタ読み」は少しシンプルになるかもしれません。 「とりあえずロストに勝てるかどうか」というデッキ構築の基準がなくなるからです。
ピジョットexは生き残るが就職先がない問題
ここで面白いのが**「ピジョットex」**の存在です。 特性「マッハサーチ」は、毎ターン好きなカードを1枚手札に加えられるという、歴代最強クラスのサーチ特性です。 このカード自体はまだレギュレーションに残る可能性があります(あるいは再録等の兼ね合いで)。
しかし、最大の問題は「就職先がない」ということです。 これまでは、**「悪リザードンex」**デッキの相方として、不思議なアメを共有しながら2進化ラインを立てる構築が主流でした。 リザードンという最強の相棒を失ったピジョットexは、果たしてどのデッキに入ればいいのでしょうか?
単体で機能するカードではありますが、2進化ポケモンであるため、デッキの枠を大きく使います。 リザードン級の「立てば勝てる」レベルの2進化アタッカーが新環境に現れない限り、ピジョットexはその強力な特性を持て余してしまうかもしれません。 もしかすると、**「ドラパルトex」**と組む形が模索されるかもしれませんが、ドラパルトはドローソースよりも攻撃の手数を優先したい傾向があるため、必須級になるかは未知数です。
テラスタルを持つ**「ゲッコウガex」**デッキなどで採用されるケースもありましたが、あくまでマイナーな部類。 ピジョットex愛用者の私としては、新たな相棒の登場を心待ちにしたいところです。
トレーナーズの大量離脱が招く「逆転不可能」な世界
ポケモンの入れ替わり以上に、ゲーム性に深刻な影響を与えるのが「トレーナーズ」のレギュレーション落ちです。 特にGレギュレーションには、現在のポケカの「逆転要素」や「安定感」を支える屋台骨とも言えるカードが集中していました。
これらがなくなることで、新環境は「先行逃げ切り」が有利な、よりシビアなゲームになることが予想されます。
ナンジャモ、カウンターキャッチャーのレギュ落ち
最大の衝撃は、間違いなく**「ナンジャモ」と「カウンターキャッチャー」**の喪失です。
**「ナンジャモ」**は、序盤の手札事故解消から、終盤の手札干渉(ハンデス)まで、1枚で何役もこなす最強のサポートでした。 特に、サイドを先行されている状況で相手の手札を減らし、逆転の糸口を掴む動きは、現代ポケカの基本戦術でした。 これがなくなるということは、負けている側が相手の動きを止める手段を失うことを意味します。
さらに**「カウンターキャッチャー」**。 サイド負けしている時に限り、サポート権を使わずに相手のベンチポケモンを呼び出せるこのグッズは、ナンジャモとセットで使われることで凶悪な逆転コンボを生み出していました。 「ナンジャモで手札を細くして、カウンターキャッチャーで逃げられないポケモンを縛る」 この黄金パターンが消滅します。
これにより、「サイドを先行されたら、そのまま押し切られて負ける」という展開が頻発するでしょう。 これまでは「序盤はあえてサイドを取らせて、後半まくる」という戦術(リザードンなどが得意としていました)が有効でしたが、新環境では通用しなくなる可能性が高いです。
代用カードとして「ジャッジマン」や「アンフェアスタンプ」、あるいは「ボスの指令」などが挙げられますが、ナンジャモやカウンターキャッチャーほどの「使い得」な性能ではありません。 デッキ枠を圧迫してまでこれらを採用するか、あるいは「逆転は諦めて攻め切る」構築にするか、プレイヤーの構築力が試されます。
ペパー、ワザマシン エヴォリューションの消失
デッキの安定感を支えていた**「ペパー」もいなくなります。 グッズとポケモンのどうぐを同時にサーチできるこのサポートは、特定のコンボパーツを揃えるのに不可欠でした。 特に相性が良かったのが「ワザマシン エヴォリューション」**です。
後攻1ターン目から、ペパーでエヴォリューションを持ってきて、ベンチを一気に進化させる。 この動きによって、2進化ポケモン主体のデッキ(リザードン、サーナイト、ドラパルトなど)は、不思議なアメに頼らずとも安定して盤面を作ることができました。
ペパーとエヴォリューションがセットで消えることで、2進化デッキの構築難易度は劇的に跳ね上がります。 これまでは「とりあえずペパー4枚」でなんとかなっていた部分が、今後はドローソースの配分や、進化ラインの枚数調整など、シビアな調整を求められることになります。
これにより、**「マシマシラ」や「オーロンゲ」**といった、エヴォリューションを戦略の核にしていたデッキは、構築を1から見直す必要に迫られるでしょう。 もしかすると、環境から姿を消す可能性すらあります。
ネストボール、バトルVIPパス級の展開札への影響
Gレギュレーション落ちの影響は、ボール系のグッズにも及びます。 **「ネストボール」**自体は再録され続けているので残る可能性が高いですが、もしレギュレーションの区切りで一時的にプールから消えるようなことがあれば、たねポケモンの展開力はガタ落ちします。 (※現状の情報の整理として、ネストボールはGレギュ収録ですが、SVシリーズの基本グッズなので継続して使える可能性が高いです。しかし、ここでは「もし使えなくなったら」あるいは「それに準ずる展開札の喪失」という視点で考察します。)
より深刻なのは、「なかよしポフィン」(これはHレギュ以降なので残りますが)で呼べない、HP70以上のたねポケモンを展開する手段です。 Gレギュレーションには、展開を補助する優秀なシステムポケモンやグッズが多く含まれていました。
例えば、「メタモン」(へんしんスタート)などが落ちると、特定のデッキはスタートの安定感を失います。 また、テラスタルポケモンを並べるのに一役買っていたギミックが減ることで、初動の遅れが致命傷になるゲームが増えるでしょう。
オーリム博士の気迫、メロコなどエネ加速手段の激減
エネルギー加速手段も、Gレギュレーション落ちで大打撃を受けます。
筆頭は**「オーリム博士の気迫」です。 古代のポケモン2匹にエネルギーをつけながら、カードを3枚引く。 加速とドローを兼ね備えたこのパワーカードがなくなることで、「古代」カテゴリーのデッキは壊滅的な被害を受けます。** 特に**「タケルライコex」**デッキにとっては死活問題です。
さらに、炎タイプを支えていた**「メロコ」や「マグマの滝壺」(F? G? 再確認が必要ですが、環境的な炎支援カードとして)、汎用的な「学習装置」**などもレギュ落ちの対象となります。 これにより、エネルギーを盤面に貯める速度が全体的に低下します。
水タイプにおいても、「セグレイブ」(極低温)がいなくなる影響は大きいです。 手張り権以外でエネルギーをつける手段が減るため、大量のエネルギーを必要とする「パオジアンex」のようなデッキは、存続が難しくなるでしょう。
エネルギー加速手段の減少は、そのまま「ゲームスピードの低下」を意味します。 少ないエネルギーで技が打てるポケモンや、自力でエネ加速できるポケモンの評価が相対的に上がることになるはずです。
【考察】ドラパルトexデッキの生き残り戦略
さて、ここからは生き残るデッキ、特に環境トップ候補である**「ドラパルトex」**について考察していきます。 ドラパルトex自体はHレギュレーション以降のカードなので残りますが、取り巻きのパーツがごっそり抜けるため、構築を大きく変える必要があります。
妨害型から「超攻撃型」へのシフト
これまでのドラパルトexデッキは、手札干渉(ナンジャモ)やエネ破壊、あるいはピジョットexによるコントロールを絡めながら、じわじわと相手を追い詰める「盤面支配型」が主流でした。
しかし、ナンジャモやカウンターキャッチャーといった「相手を止めるカード」がなくなる以上、中途半端な妨害は意味をなさなくなります。 そこで予想されるのが、「超攻撃型(アグロ)」へのシフトです。
序盤から「ムズムズカフン」などで時間を稼ぐのではなく、最短でドラパルトexを立てて、「ファントムダイブ」を連打する。 この動きをより尖らせる必要があります。
「ふしぎなアメ」と「カースドボム」の活用
構築の鍵となるのは、**「ふしぎなアメ」への依存度を高めることと、「ヨノワール(カースドボム)」**ラインの採用です。
ワザマシン エヴォリューションがなくなるため、ドロンチを経由してゆっくり進化する余裕はありません。 「ふしぎなアメ」を4枚フル投入し、2ターン目に確実にドラパルトexを着地させる構築が求められます。
そして、打点不足を補うために、**「サマヨール」「ヨノワール」**の特性「カースドボム」を積極的に組み込むことになるでしょう。 ファントムダイブの200ダメージ+ベンチへのばら撒きに加え、カースドボムで自爆しながらダメカンを乗せることで、相手の主力ポケモンを気絶させたり、システムポケモンを壊滅させたりする動きが強力です。
自分からサイドを取らせてしまうデメリットはありますが、ナンジャモがない環境では「相手の手札を増やしてしまうリスク」よりも「盤面を崩壊させるメリット」の方が上回ると考えられます。
ジャミングタワーの優先度低下と新スタジアム
これまでドラパルト対策として、あるいはドラパルト自身が採用していた**「ジャミングタワー」**。 これは主に「ワザマシン エヴォリューション」や「森の封印石」を封じるためのカードでした。 しかし、それらのどうぐ自体が環境から減るため、ジャミングタワーの優先度は下がります。
代わりに採用されそうなのが、「ロケット団の参上」のような手札干渉系のスタジアムや、火力を底上げする「バトルコロシアム」、あるいはテラスタルポケモンを支援する新しいスタジアム(ゼロの大空洞など)です。
特に、自分の展開を助けつつ、相手のスタジアムを割れるカードの価値が上がります。 スタジアムの枠が空くことで、デッキ構築の自由度は少し上がるかもしれません。
【考察】タケルライコexデッキの苦境と再生
現環境で猛威を振るっている**「タケルライコex」**デッキ。 青天井の火力と高いHPで最強の一角でしたが、Gレギュ落ちで最大の試練を迎えます。
オーリム博士喪失による「エネ供給不足」
前述の通り、**「オーリム博士の気迫」**がなくなることが全てです。 これまでは「手張り+オーリム」で1ターンに3枚分のエネルギーを用意し、いきなり210ダメージ以上を叩き出すことが可能でした。
この動きができなくなると、タケルライコexは「ただの燃費の悪い大砲」になり下がってしまいます。 スナノケガワexの特性でトラッシュから加速する動きも重要でしたが、そもそもトラッシュにエネを送る手段や、スナノケガワ自身を展開する手段も細くなります。
「ハラバリーex」と「ナンジャモ」のコンボ?
では、タケルライコは死滅するのか? 一つの可能性として、「ハラバリーex」(またはそれに準ずるカード)との組み合わせが考えられます。
情報ソースでも触れられていましたが、サポートに依存せずにエネルギーを供給できるシステムが必要です。 例えば、「アカマツ」(Hレギュ以降)を使えば、山札からエネルギーを加速できますが、オーリムほどの爆発力はありません。
そこで注目したいのが、被弾することでエネ加速や反撃ができるポケモンや、**「ガラスのラッパ」**のようなグッズによる加速です。 ただ、ガラスのラッパは無色テラスタル専用なのでタケルライコには使えません。
現状のプールで見ると、かなり厳しいと言わざるを得ませんが、「ゼロの大空洞」でベンチを広げ、「オリジンパルキアVSTAR」(もし残れば)や、他のエネ加速特性持ちのポケモン(サーフゴーがいなくなるので競合は減る)と組ませる「多色バレット」のような形に進化するかもしれません。
殴り合い環境での立ち位置
逆転要素が減る新環境は、基本的に「先に殴ったもん勝ち」の殴り合い環境になります。 その点において、タケルライコexの「高耐久・高火力」というスペック自体は非常に優秀です。
もし、新しいサポートやグッズで「ターン1回のエネ加速」さえ確保できれば、環境トップに返り咲くポテンシャルは十分にあります。 例えば、「きらめく結晶」で技のコストを下げたり、「ネオアッパーエネルギー」(エーススペック)を上手く使ったりと、構築の工夫次第で生き残る道はありそうです。
Gレギュ落ち後の新環境メタ予想
これまでの考察を元に、Gレギュ落ち後の環境がどうなるのか、大胆に予想してみます。
「先行逃げ切り」のアグロ環境へ
何度も繰り返しますが、ナンジャモとカウンターキャッチャーの不在は決定的です。 「序盤にリードを許しても大丈夫」という甘えは許されません。 先行2ターン目から確実にサイドを取り進められるデッキが覇権を握ります。
そのため、進化の手間がない「たねポケモン主体のアグロデッキ」や、進化するとしても「ふしぎなアメ」で最速着地するデッキが評価されます。 逆に、2回進化が必要で、盤面完成に3〜4ターンかかるようなスローペースなデッキは、完成する前にサイドを取りきられて負けるでしょう。
相対的に強化される「殴り合い」デッキ
妨害手段が減ることで、純粋なポケモンのスペック勝負になります。 「ルギアVSTAR」(Fレギュが落ちると消えますが、もし残るなら最強候補)や、**「レジドラゴVSTAR」**のような、盤面さえ完成すれば圧倒的なパワーで押し切れるデッキが暴れる予感がします。 (※注:VSTAR系はFレギュなので、Gレギュ落ちのタイミングでは既にいないはずですが、ここでは「パワー系デッキ」の概念として捉えてください。H以降で言えば、ドラパルトや新しい伝説ポケモンなどが該当します。)
また、**「カビゴンLO(コントロール)」**のような、相手を詰ませるデッキは、構成パーツ(マンタイン、クチート、ロトムなど)の多くを失うため、一度環境から消えるでしょう。 これにより、対策カード(入れ替え札など)を減らした、より攻撃的な構築が可能になります。
新しい「システムポケモン」の台頭
ビーダル(はたらくまえば)がもし落ちれば(Fレギュ)、ドローソース不足は深刻です。 Gレギュのキルリア(リファイン)も落ちます。 となると、Hレギュ以降の**「イキリンコex」(F,G落ちの影響を受けない新規なら)や、「ミュウex」**(G落ちなら消える)に代わる、新しいドローエンジンが必要です。
ここで注目されるのが、**「ノココッチ」や「ホーホー」**のような、地味ながら展開を支えるポケモンたち。 あるいは、これから登場するであろう新弾のカードに、強力なシステムポケモンが含まれている可能性が高いです。
まとめ:変化を恐れず、新しい相棒を見つけよう
長くなりましたが、Gレギュレーション落ち後の環境考察でした。
最後に改めてポイントを整理します。
- **逆転不可能:**ナンジャモ・カウキャ落ちで「先行逃げ切り」が絶対正義に。
- **構築の簡略化:**ペパー・エヴォリューション落ちで、複雑なギミックよりシンプルな強さが求められる。
- **ドラパルト一強?:**多くの天敵が消え、自身は生き残るドラパルトexが環境の中心になる可能性大。
- **新カードへの期待:**失われた穴を埋める強力なカードが、必ず新弾で登場するはず。
私自身、1000万円以上をポケカに費やしてきましたが、レギュレーション変更の時期が一番ワクワクします。 今まで日の目を見なかったカードが急に輝き出したり、全く新しいデッキタイプが生まれたりするからです。
「あのカードが使えなくなるから辞めようかな…」なんて思わないでください。 貴方の新しい相棒は、ストレージの奥底や、これから発売されるパックの中で待っています。
この記事が、皆さんの新環境への準備のヒントになれば嬉しいです。 新しい環境でも、一緒にポケカを楽しみましょうね! (リーリエの旦那、橋本ユアでした。)
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。柔らかい語り口ながら、ガチプレイヤー視点の鋭い考察に定評がある。





















