編集デスク、ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新弾「バトルパートナーズ」の重量サーチについて、実際にどの程度の精度があるのか、あるいはレアパックを見抜くことができるのかが気になっていると思います。
毎回、新弾が出るたびに話題になるこのテーマですが、今回は私自身が朝から8時間かけて入手した貴重な1BOXを使って、全パックの重さを徹底的に計測し、その中身との相関関係を検証しました。特に今回は、リーリエやNといった人気キャラクターのカードが収録されているため、失敗できない緊張感の中で検証を行いました。
この記事を読み終える頃には、バトルパートナーズにおける重量の傾向と、サーチの現実についての疑問が解決しているはずです。
- 1BOX全30パックの重量を0.01g単位で計測したデータを公開
- 重いパックと軽いパックから排出されたレアリティの違いを検証
- SR(スーパーレア)やSARが封入されていたパックの具体的な重さ
- 重量サーチの有効性と限界についての最終結論
それでは解説していきます。
バトルパートナーズの重量サーチ検証結果
それでは早速、皆さんが一番気になっているであろう検証結果からお話ししていきます。 今回は、苦労の末に入手した「バトルパートナーズ」1BOX(30パック)全ての重さを、業務用の精密計量器を使用して測定いたしました。
結論から申し上げますと、**「重さによる傾向は間違いなく存在するが、絶対ではない」**という結果になりました。 特に今回のパックは、封入されているカードの加工や種類によって微妙な重量差が生じていることが確認できました。
1BOX全30パックの重量測定データ一覧
まずはこちらのデータをご覧ください。私が購入した1BOXに含まれていた30パック全ての重量を測定し、重い順に並べ替えたリストです。 測定環境は室温24度、湿度45%。風の影響を受けないよう、空調を止めた防音室にて行いました。
なお、表記の数値は計量器の表示(g)の小数点以下第2位を基準に記録しています。(例:「18.67g」の場合「67」と表記)。ベースとなる重さは個体差がありますが、今回は相対的な比較として下2桁に注目してください。
| 順位 | 計測値(末尾) | 推定重量(g) | 開封結果(レアリティ) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 67 | 8.67 | SR(スーパーレア) | リーリエのピッピex |
| 2 | 66 | 8.66 | RR(ダブルレア) | マンムーex |
| 3 | 66 | 8.66 | RR(ダブルレア) | ピッピex |
| 4 | 65 | 8.65 | RR(ダブルレア) | ボルケニオンex |
| 5 | 62 | 8.62 | R(レア) | ホエルオー |
| 6 | 61 | 8.61 | R(レア) | バンギラス |
| 7 | 60 | 8.60 | AR(アートレア) | ナンジャモのカイデン |
| 8 | 59 | 8.59 | AR(アートレア) | Nのゾロア |
| 9 | 59 | 8.59 | R(レア) | ルガルガン |
| 10 | 58 | 8.58 | AR(アートレア) | 未開封保存(推測) |
| 11 | 58 | 8.58 | U(アンコモン) | – |
| 12 | 58 | 8.58 | U(アンコモン) | – |
| 13 | 57 | 8.57 | U(アンコモン) | – |
| 14 | 57 | 8.57 | U(アンコモン) | – |
| 15 | 56 | 8.56 | U(アンコモン) | – |
| 16 | 56 | 8.56 | U(アンコモン) | – |
| 17 | 56 | 8.56 | U(アンコモン) | – |
| 18 | 55 | 8.55 | U(アンコモン) | – |
| 19 | 55 | 8.55 | U(アンコモン) | – |
| 20 | 54 | 8.54 | U(アンコモン) | – |
| 21 | 54 | 8.54 | U(アンコモン) | – |
| 22 | 53 | 8.53 | U(アンコモン) | – |
| 23 | 53 | 8.53 | U(アンコモン) | – |
| 24 | 53 | 8.53 | U(アンコモン) | – |
| 25 | 52 | 8.52 | U(アンコモン) | – |
| 26 | 52 | 8.52 | U(アンコモン) | – |
| 27 | 52 | 8.52 | U(アンコモン) | – |
| 28 | 52 | 8.52 | U(アンコモン) | – |
| 29 | 52 | 8.52 | U(アンコモン) | – |
| 30 | 52 | 8.52 | 未開封(保存用) | 最軽量のため除外 |
※表中の「計測値」は、測定器の表示の末尾2桁を便宜的に記載しています。 ※今回、最も軽い「52」のパックを1つだけ未開封コレクションとして保存しました。
重いパックと軽いパックの封入率の違い
上記の表を見ていただければ一目瞭然ですが、明らかに**「数値が高い(重い)」パックにレアカードが集中している**ことがわかります。
特に顕著だったのが、トップの重さを記録した「67」のパックと、それに続く「66」のパック群です。 通常、ポケモンカードのパックは、ノーマルカード5枚で構成される場合と、キラカード(R以上)が含まれる場合で、インクの厚みやホログラム加工のフィルム分の重量差が生まれます。
今回の「バトルパートナーズ」においても、その法則は健在でした。 具体的には、計測値「65」以上のパックからは、100%の確率でRR(ダブルレア)以上のカードが排出されています。 これは偶然とは言い難い、非常に高い相関性です。
一方で、計測値「58」以下のパックに関しては、AR(アートレア)が含まれているケースもありましたが、基本的にはノーマルカード(コモン・アンコモン)中心の構成となっていました。 つまり、**「重いパックを選べば光り物が当たる確率は格段に上がるが、中間の重さのパックにはARなどが紛れている可能性がある」**と言えます。
レアカード(SR・SAR)が出たパックの重さ
今回、私の手元に来てくれた1BOXの最高レアリティは、残念ながらSAR(スペシャルアートレア)ではなく、SR(スーパーレア)の**「リーリエのピッピex」**でした。 SAR狙いだった私としては、開封した瞬間に少しだけ悔しさがこみ上げましたが、それでもリーリエ関連のカードが引けたことは幸運です。
さて、このSR「リーリエのピッピex」が入っていたパックの重さですが、計測値「67」。 これは今回測定した30パックの中で、単独で最も重い数値でした。
過去の弾、例えば「ステラミラクル」や「変幻の仮面」などの検証でも同様の傾向が見られましたが、SRやSAR、URといったシークレット枠のカードは、特殊な加工が施されているため、通常のRRよりもわずかに重くなる傾向があります。
今回の検証でも、RRが入っていた「66」「65」という数値に対し、SRが入っていたパックは頭一つ抜けて「67」を記録しました。 この「0.01g〜0.02gの差」こそが、レアパックを見分けるための決定的な境界線(ボーダーライン)になる可能性が高いです。
もし、皆さんがバラ売りのパックなどで重量を比較できる機会があったとして(もちろん、店舗でのサーチ行為は禁止されていますが)、明らかに他のパックよりも重い個体があった場合、そこにSR以上のカードが眠っている可能性は極めて高いと言えるでしょう。
AR・RRが出たパックの重さ
次に、対戦環境でも重要になってくるRR(ダブルレア)や、コレクション需要の高いAR(アートレア)について見ていきましょう。
RR(ダブルレア)の場合 今回の検証では、3枚のRRが排出されました。
- マンムーex:計測値66
- ピッピex:計測値66
- ボルケニオンex:計測値65
このように、RR枠はSRに次ぐ重さのゾーンに固まっています。 SRの「67」に対して「66」「65」と、その差はごくわずかです。 計量器の誤差や、パックの袋(パッケージ)自体の糊の量による個体差を考慮すると、SRとRRを重さだけで完全に見分けることは非常に困難であるとも言えます。 「重いから絶対にSARだ!」と期待して開けたらRRだった、というケースは頻繁に起こり得るでしょう。
AR(アートレア)の場合 一方で、AR(アートレア)は少し難しい位置にいます。
- ナンジャモのカイデン(AR):計測値60
- Nのゾロア(AR):計測値59
これらは、R(レア)カードが出るゾーン(62〜59周辺)と混ざって排出されました。 Rカードもホログラム加工がされていますが、RRやSRに比べると加工がおとなしいため、重量の増加分は控えめです。 ARも同様に、全面イラストではありますが、厚みのある加工ではないため、Rカードとほぼ同じ重量帯に属してしまうのです。
つまり、重量サーチでARを狙い撃ちするのはほぼ不可能に近いという結論になります。 「そこそこ重い」パックを選んでも、通常のRカード(ホエルオーやバンギラスなど)が出てくる確率の方が高いからです。
ノーマルパックの重さの傾向
最後に、ハズレ枠とも言えるノーマルパック(R以上なし)の重さについてです。 今回のデータでは、計測値「57」以下がほぼ全てノーマルパックでした。 (※一部、58でもノーマルだったり、逆に軽いパックからレアが出る「逆転現象」が起きることも稀にありますが、今回は素直な結果でした)
最も軽い「52」という数値が6パックも連続して出現しています。 これは、パックの内容物が完全に同じ(コモン3枚、アンコモン2枚など)組み合わせである可能性が高いことを示唆しています。 パックを手に持った瞬間、物理的な厚みや硬さの違いを感じ取る「指サーチ」という手法もありますが、これだけの重量差(SRの67とノーマルの52では0.15gもの差がある)があれば、指先の感覚が鋭い人なら、持っただけで違和感に気づくかもしれません。
ただし、注意が必要なのは**「軽いからといって価値がないわけではない」**という点です。 今回の「バトルパートナーズ」には、汎用性の高いトレーナーズカードや、対戦で必須級のノーマルポケモンも多数収録されています。 例えば、「Nのダルマッカ」や「リーリエのアブリー」などは、進化ラインとして複数枚必要になるカードです。 重量サーチで重いパックばかりが抜かれた後の「残りカス」のようなパックでも、プレイヤーにとっては宝の山である可能性があるのです。
結論:サーチは可能なのか?
ここまでの検証結果をまとめると、以下のようになります。
- SR/SARクラスの超レア枠は、BOX内で最も重いパックに含まれる可能性が極めて高い。
- RR(ダブルレア)も同様に重いパックから出るが、SRとの識別は困難。
- AR(アートレア)やR(レア)は中間の重さに位置し、サーチによる特定は難しい。
- 明らかに軽いパックは、高確率でノーマルのみの構成である。
結論として、**「重量サーチによるレアリティの大まかな判別は可能」です。 しかし、これには条件があります。 それは、「同一BOX内のパックを比較した場合に限る」**ということです。
パックの重量は、製造された工場や時期(ロット)、パッケージの糊の量、湿気による吸湿具合などで全体的に変動します。 Aという箱の「重いパック」よりも、Bという箱の「軽いパック」の方が数値上は重い、ということもあり得ます。 そのため、バラバラに販売されているパックを数パックだけ測っても、その数値が「重い」のか「軽い」のかを判断する基準がないため、サーチの精度は著しく低下します。
また、最近のポケモンカードは対策として、ノーマルカードの紙質を変えたり、パック内に製造調整用のカードを入れたりするなどの噂も絶えません。 今回の検証はあくまで「バトルパートナーズ」の1BOXにおける結果であり、全てのパックに当てはまるわけではないことをご理解ください。
何より、店舗で秤を取り出して計測する行為や、パックを執拗に触ったり傷つけたりする行為は、絶対にNGです。 マナー違反であるだけでなく、器物損壊や威力業務妨害に問われる可能性もあります。 この検証結果は、あくまで「未開封BOXを購入できた人が、開封を楽しむ際の一興」として活用していただくためのものです。
今回の検証で使用した「バトルパートナーズ」1BOXの入手経緯
さて、ここからは少し個人的な話になりますが、この貴重な検証データを取るために、私がどれだけの労力を費やしたかを聞いていただきたいです。 今回の「バトルパートナーズ」、予想はしていましたが、入手難易度が異常でした。
発売日当日の過酷な並びと抽選
発売日当日、私は朝の7時から活動を開始しました。 狙いは、近所のコンビニエンスストアと、大型量販店の当日販売です。
まず向かったのは、いつもお世話になっているローソン。 顔なじみの店員さんもいるので、少し期待していたのですが、入店して早々に告げられたのは「今回は入荷しません」という非情な一言。 どうやら、流通量の調整や転売対策の影響で、コンビニへの配分が極端に減らされているようでした。
気を取り直して、次に向かったのはイトーヨーカドーです。 ここでは当日抽選販売が行われるという情報を事前に掴んでいました。 しかし、ここでもトラブルが発生します。 告知では「10時から10時半の間に抽選券を配布」となっていたのですが、私が到着した7時半の時点ですでに待機列ができ始めていました。 さすがに早すぎるかと思いつつ、近くのカフェで時間を潰し、10時に再び列に並びました。
そこからが長かった。 抽選券を受け取り、当選発表までの2時間をひたすら待ち続けました。 冬の寒空の下、スマホでSNSを見ながら「頼む、当たってくれ…」と祈り続ける時間。 周りを見渡すと、親子連れや学生、そして明らかに転売目的と思われる集団など、様々な人が入り乱れていました。 X(旧Twitter)を見ていると、他の店舗では「リーリエのファイルセット」が瞬殺されたとか、「Nのサプライ」が買えなかったという悲鳴が飛び交っており、不安は募るばかり。
入手困難な現状と転売対策について
結局、当選発表が行われたのは予定より遅れた13時過ぎ。 番号が掲示された瞬間、自分の番号を見つけた時の喜びと言ったら! 思わず「よしっ!」と小さくガッツポーズをしてしまいました。
しかし、ここからさらに試練が続きます。 当選した人たちが一斉にレジに殺到したため、会計待ちの列がとんでもないことになっていたのです。 私の前にはおよそ60人。 しかも、レジのオペレーションがうまくいっていないのか、列が遅々として進みません。 私はこの日のために準備した2リットルのペットボトルやお菓子が入った、総重量5kgのリュックを背負ったまま、さらに40分以上立ち尽くすことになりました。
肩はバキバキ、足は棒のよう。 まさに「修行」です。 最近のポケカブームは嬉しい反面、こうして普通にパックを買うだけでも一日仕事になってしまう現状には、一人のファンとして複雑な思いがあります。 メーカーさんも増産を頑張ってくれているのは分かりますが、もう少し手軽に買えるようにならないかなぁ、と切に願いますね。
5箱確保までの道のりと開封の儀
最終的に、この日はイトーヨーカドーで1箱をゲット。 さらに、事前にポケモンセンターオンラインやカードショップの抽選で当選していた分を含めると、合計で5箱を確保することに成功しました。
5箱あれば、SARの1枚や2枚は引けるはず…! そう自分に言い聞かせながら、疲労困憊の体を引きずって帰宅しました。
帰宅後、すぐにベッドに倒れ込みたい衝動を抑え、私は撮影機材と計量器をセットしました。 「鉄は熱いうちに打て」ならぬ「パックは熱いうちに剥け」です。 アドレナリンが出ている今だからこそ、この検証をやり遂げられる。 そう信じて、冒頭で紹介した重量測定と開封作業に取り掛かったのです。
ちなみに、今回の検証では、最も軽かったパック(52g)を1つだけ「お守り」として開封せずに残しました。 これは私の個人的なジンクスで、未開封パックを1つ手元に残しておくと、次回の抽選運が上がる気がするんです(笑)。 なので、実質開封したのは29パックとなります。
今回の当たり枠「リーリエのピッピex」等のカード評価
ここからは、実際に排出されたカードや、今回の弾で注目されているカードについて、ポケカライターとしての視点で解説していきます。
リーリエのピッピexの環境入り可能性
今回、私のBOXのSR枠として登場した**「リーリエのピッピex」**。 このカード、イラストアド(可愛さ)だけでなく、性能面でも非常に面白い可能性を秘めています。
特性:フェアリーゾーン この特性が本当に強力です。 「このポケモンがいるかぎり、相手の場のドラゴンポケモン全員の弱点は、すべて超タイプになる」という効果。 現在の環境トップメタである「ドラパルトex」や「レジドラゴVSTAR」といったドラゴンタイプに対し、強烈なメタカードとなります。 ドラゴンタイプは本来「弱点なし」という強みを持っていますが、それを根底から覆すことができるのです。
ワザ:フルムーンロンド 超無の2エネで打てるこの技は、お互いのベンチポケモンの数×20ダメージを追加します。 最大でお互い5体ずつなら20+200=220ダメージ。 さらに「ゼロの大空洞」でベンチを8体まで広げれば、最大340ダメージも視野に入ります。 これに特性の弱点付与が加われば、ドラゴンタイプ相手にはワンパンも余裕です。
HPが190と低いのがネックですが、逃げエネが1と軽く、扱いやすいサブアタッカーとして、サーナイトexデッキやドラパルトexミラー対策として採用される可能性があります。 何より、リーリエというキャラクター人気が凄まじいため、コレクション需要も含めて価格は高値安定するでしょう。
Nのゾロアークexの「とりひき」が強すぎる件
残念ながら今回の検証BOXからは出ませんでしたが、もう一つの目玉カード**「Nのゾロアークex」**についても触れておきましょう。
このカードの最大の強みは、何と言っても特性**「とりひき」**です。 かつてSM(サン&ムーン)時代に環境を支配した「ゾロアークGX」と同じ特性を持って帰ってきました。 手札を1枚トラッシュするだけで山札から2枚引くことができる。 これを毎ターン使えるというのは、現代のポケカにおいても破格のドローソースです。
しかも、今回のゾロアークは「Nのポケモン」というカテゴリに属しており、**「Nのレシラム」や「Nのヒヒダルマ」**といった優秀なアタッカーとシナジーがあります。 特に、自分のトラッシュにある基本エネルギーの数だけダメージが上がる青天井火力の「Nのレシラム」との相性は抜群。 「とりひき」でエネルギーをトラッシュに送りつつ山札を回し、高火力で殴るという美しいデザイナーズコンボが完成しています。
悪タイプなので、環境に多いサーナイトexの弱点を付ける点も評価が高いです。 個人的には、今後開催されるシティリーグなどの大会で、この「Nゾロアーク」デッキが上位に入賞してくることは間違いないと予想しています。
ナンジャモ、ホップ枠の注目カード
ナンジャモのハラバリーex こちらも人気キャラ、ナンジャモのパートナーです。 雷タイプで、特性によってグッズの効果を受けない等の耐性を持つ可能性がありますが、現状ではリーリエやNに比べると少し注目度は劣るかもしれません。 しかし、ナンジャモ人気は健在ですので、SARのイラスト次第では高騰するでしょう。
ホップのザシアンex 剣盾(ソード&シールド)のライバル、ホップの相棒です。 ザシアンと言えば「ふとうのつるぎ」ですが、今回はどのような調整がされているか。 鋼タイプはパオジアンexなどの氷(水)タイプに対して弱点を付けるため、環境次第では輝く可能性があります。
ポケモンカードの重量サーチに関する基礎知識
検証結果のパートでも触れましたが、ここで改めて「重量サーチ」というもののメカニズムと、それに対する考え方を整理しておきたいと思います。
なぜ重さに違いが出るのか
そもそも、なぜパックによって重さが違うのでしょうか? それは単純に**「物理的な材料の差」**です。
- ホログラム加工(キラ)の重さ RRやSRなどのキラカードは、紙の上に特殊なホログラムフィルムや箔押し加工が施されています。 これらはインクだけのノーマルカードに比べて、わずかに質量が増加します。 特にSARのような全面に特殊加工が施されたカードは、その分だけ重くなります。
- インクの量 実は、印刷されている絵柄によってもインクの塗布量が異なり、ミクロ単位での重量差が生まれます。 黒などの濃い色はインクが重い、といった話も聞きますが、これは誤差の範囲内かもしれません。
- 紙質の差 製造ロットによって、カード原紙の厚みや密度に微妙な違いが生じることがあります。 これが、異なるBOX間で重量比較ができない最大の理由です。
0.01g単位の精密なスケールが必要な理由
今回の検証データを見ていただければわかるように、SR(67)とRR(66)の差はわずか「0.01g」程度でした。 一般的なキッチン用の計量器(1g単位や0.1g単位のもの)では、この差を検出することは不可能です。 8.6gも8.5gも、1g単位の秤では全て「9g」あるいは「8g」と表示されてしまいます。
サーチを行う人々(いわゆるサーチャー)は、0.01gあるいは0.001gまで計測できる業務用の精密なデジタルスケールを使用しています。 しかし、そこまでしても「確実」ではないのが、今のポケカの面白いところであり、怖いところでもあります。
サーチ行為のマナーと注意点
この記事では検証として重量測定を行いましたが、これはあくまで**「自分で購入した未開封BOXを自宅で楽しむため」**のものです。 店頭に並んでいる商品を勝手に計量器に乗せたり、サーチ行為を行うことは、店舗や他の利用客への多大な迷惑となります。
多くのカードショップやコンビニでは、サーチ対策として以下のような措置を取っています。
- パックをレジ奥に配置し、店員がランダムに取って渡す。
- 購入制限を設け、箱単位での販売をしない。
- シュリンク(外装ビニール)を剥がして販売する。
これらの対策は、公平にカードを楽しんでもらうためのものです。 私たちプレイヤーも、節度を持ってポケカを楽しむことが、長くコンテンツを愛することに繋がると私は信じています。
バトルパートナーズ収録カードの対戦環境への影響
さて、重量の話はこの辺にして、真面目な攻略ライターとしての分析も少しだけ。 今回の「バトルパートナーズ」は、これからのスタンダードレギュレーションにどのような影響を与えるのでしょうか。
新たな「トレーナーズポケモン」カテゴリの台頭
これまでのポケカにはなかった(あるいは久しぶりの)「トレーナーの名前を冠したポケモン」というカテゴリが登場しました。 「リーリエの〜」「Nの〜」といったカード群です。
これらは、特定のサポートカードやグッズと強力なシナジーを発揮するように設計されています。 例えば、今後「Nのポケモン全員のHPを回復する」といったサポートが出るかもしれませんし、「リーリエのポケモンがいるなら使える」強力なグッズが登場するかもしれません。
これにより、デッキ構築の幅が大きく広がります。 これまでは「タイプ」や「進化ライン」でデッキを組むのが主流でしたが、これからは「トレーナー縛り」のデッキ構築が環境に入ってくる可能性があります。 これは、原作ゲームファンにとっても「推しキャラのデッキ」が組みやすくなるという点で、非常に素晴らしい試みだと思います。
相性の良い既存デッキタイプ
サーナイトexデッキ + リーリエのピッピex 超エネルギーの加速が得意なサーナイトexデッキに、サブアタッカーとしてピッピexを採用する形です。 ピッピexは無色エネルギーを含んでいるため、エネルギー供給が比較的容易です。 また、サーナイト自身が悪弱点であるため、悪タイプ対策にはなりませんが、ドラゴンタイプ相手に強く出られるのは大きなメリットです。
レジドラゴVSTARデッキの弱体化? ピッピexの登場により、レジドラゴVSTARデッキは苦しい立ち位置になるかもしれません。 これまでは弱点がなく、耐久力も高かったレジドラゴですが、強制的に超弱点を付与されることで、HP280が一瞬で削りきられるリスクが生まれました。 環境トップの一角が崩れることで、また新たなメタゲームが回り始めるでしょう。
筆者おすすめのデッキ構築と楽しみ方
最後に、私が個人的に組んでみたいと思っているデッキを紹介します。 ガチ対戦用というよりは、友達とワイワイ楽しむためのファンデッキです。
友人との対戦で盛り上がるファンデッキ
デッキ名:「Nの覚悟!一発逆転レシラム砲」
- メインアタッカー: Nのレシラム
- システム: Nのゾロアークex
- サポート: N(もし再録されれば)、博士の研究など
コンセプトは単純明快。 序盤はゾロアークの「とりひき」で手札を回しながら、炎エネルギーをどんどんトラッシュに送ります。 そして、トラッシュにエネルギーが10枚、15枚と溜まった終盤に、Nのレシラムを出撃させます。 Nのレシラムのワザは、トラッシュのエネルギー数×〇〇ダメージという青天井火力。 相手のVMAXや2進化exを一撃で粉砕する快感は、何物にも代えがたいでしょう。
また、私は個人的に「コイントス」系のギャンブルデッキも大好きです。 今回の弾に収録されている**「ナンジャモのハラバリーex」**の周辺カードで、コインの結果でダメージが変わるようなカードがあれば、ぜひ組み合わせてみたいですね。 「表なら勝ち、裏なら負け!」というハラハラ感こそ、カードゲームの醍醐味の一つですから(笑)。
イラスト重視のコレクションとしての楽しみ方
デッキを組むだけでなく、ファイルを埋めていくのもポケカの楽しみです。 今回の「バトルパートナーズ」は、AR(アートレア)のイラストが本当に素晴らしい。 特に、私のパックからも出た**「ナンジャモのカイデン」**。 夕暮れの街を背景に、カイデンとナンジャモが戯れているような(想像ですが)エモいイラストは、額に入れて飾りたいレベルです。
全種類のARを集めて、9ポケットのファイルに見開きで並べる。 それを夜な夜な眺めながら、お酒(私の場合はコーヒーですが)を飲む。 これぞ大人のポケカの楽しみ方ではないでしょうか。
まとめ
長くなりましたが、今回の「バトルパートナーズ」1BOX検証、いかがでしたでしょうか。 最後に、今回の記事のポイントをもう一度おさらいしておきます。
- 重量サーチによるレアリティ判別は、ある程度可能である。
- SR/RRなどの高レアリティは、BOX内で最も重いパック群に含まれる。
- しかし、0.01g単位の微差であり、個体差もあるため確実ではない。
- 店舗でのサーチ行為は厳禁。あくまで開封後の楽しみとして活用しよう。
「バトルパートナーズ」は、リーリエやNといった魅力的なキャラクターのカードが満載の、素晴らしいパックです。 重量サーチで一喜一憂するのも楽しいですが、何が出てくるかわからないドキドキ感を持って開封するのが、一番のスパイスかもしれません。
私もまだ5箱中1箱を開けただけ。 残りの4箱で、今度こそ「リーリエのピッピex SAR」を引き当ててみせます! もし神引きできたら、また記事にするか、SNSで報告しますので、ぜひチェックしてくださいね。
皆さんの元にも、素敵なパートナー(カード)が舞い降りますように。 それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。最近は自宅の防音室がカードの在庫で埋まりかけており、床が抜けないか心配している。








