編集デスク ポケモンカードゲーム攻略ライターの橋本ユアです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、話題沸騰中の新弾「インフェルノX」の開封結果や、レアカードを効率よく当てるためのサーチ方法が気になっていると思います。 特に今回は、リザードンSARやヒカリSARといった超人気カードが収録されているため、1パックごとの重さが勝負の分かれ目になると言われています。「サーチなんて本当にできるの?」「実際どのくらいの重さが当たりなの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、インフェルノXのサーチに関する具体的な重量ラインや、実際の検証結果に基づいた当たりハズレの傾向に関する疑問が解決しているはずです。
- インフェルノXを5BOX開封して分かった重量サーチのリアルな検証結果
- 0.01g単位で計測可能なデジタルスケールなど必要な機材と環境
- リザードンSARやヒカリSARを狙うための具体的な重量ラインの考察
- ビックカメラやトイザらスなど量販店での購入事情とシュリンクの有無
それでは解説していきます。
インフェルノXにおけるサーチの基本概念と重要性
ポケモンカードゲーム(ポケカ)における「サーチ」とは、パックを開封せずに中身のレアリティを予測する行為のことを指します。これには様々な手法が存在しますが、最も一般的かつ検証性が高いのが「重量サーチ(重さサーチ)」です。
「インフェルノX」においても、この重量サーチが有効かどうかは多くのコレクターが注目しているポイントです。なぜなら、今回のセットには「リザードンSAR」や「ヒカリSAR」といった、イラストアドバンテージが高く、市場価値も非常に高いカードが含まれているからです。これらのカードをピンポイントで引き当てることができれば、コレクションの充実度は飛躍的に向上しますし、アドレナリンが出る瞬間を味わうことができます。
レアカードが重くなる物理的な理由
そもそも、なぜレアカードが入っているパックは重くなるのでしょうか。その理由は非常にシンプルで、「光るカード(ホログラム加工されたカード)に使われているインクやフィルムの重さ」にあります。
通常のノーマルカード(C、Uなど)は紙にインクで印刷されているだけですが、AR(アートレア)、SR(スーパーレア)、SAR(スペシャルアートレア)、そしてUR(ウルトラレア)といった高レアリティのカードには、特有のキラキラとした加工が施されています。 この加工には金属質のフィルムや特殊な塗料が使用されており、微量ではありますが、ノーマルカードよりも確実に質量が増加します。
1パック5枚入り、あるいは7枚入りの構成の中で、1枚でもこの「重いカード」が含まれていれば、パック全体の総重量は重くなります。このわずかな差(約0.05g〜0.1g程度)を高性能なスケールで検知することで、当たりのパックを選別しようというのが重量サーチの根幹にあるロジックです。
インフェルノXにおけるパック構成と重量の傾向
今回の「インフェルノX」は、これまでの拡張パックと同様の傾向があると考えられますが、製造ラインや工場の違いによって、パックの糊(ノリ)の量やカードの裁断精度にバラつきが生じることがあります。 一般的に、ポケカのパック重量は以下の要素で構成されています。
- カード本体の重さ(5枚〜7枚分)
- パッケージ(アルミ蒸着フィルム)の重さ
- 封入時の糊(接着剤)の重さ
特に「糊の重さ」は厄介で、製造ロットによっては糊が多めに塗布されているパックが存在し、中身がノーマルカードのみであるにもかかわらず、重量が重く出てしまう「誤差」を生む原因となります。これを「ダミーの重いパック」と呼ぶこともあります。 今回の検証では、そうした誤差も含めて、実際にどの数値が出れば「当たり」と言えるのか、シビアな判定が求められます。
サーチ検証に必要な機材と環境の準備
サーチを成功させるためには、なんとなく重さを測るだけでは不十分です。0.01gの差が結果を大きく左右するため、適切な機材選びと測定環境の構築が不可欠です。ここでは、私が普段愛用している機材や、推奨される環境について解説します。
必須アイテム:0.01g単位で計測可能なデジタルスケール
まず絶対に用意しなければならないのが、「0.01g単位」まで計測できるデジタルスケール(はかり)です。 料理用などでよく使われる「1g単位」や「0.1g単位」のスケールでは、ポケカのサーチは不可能です。なぜなら、レアカードとノーマルカードの重量差は、場合によっては0.03g〜0.05g程度しかないこともあるからです。
0.1g単位のスケールでは、例えば「8.54g」のパックも「8.50g」のパックも、四捨五入されて同じ数値として表示されてしまう可能性があります。これでは、微妙な当たりのラインを見極めることはできません。 Amazonなどで「キッチンスケール 0.01g」や「精密計量器」と検索すれば、1,000円〜2,000円程度で購入できるものが多数ヒットします。高いものである必要はありませんが、必ず「0.01g」というスペックを確認して購入しましょう。
測定誤差を減らすための環境づくり
精密なスケールを用意しても、測定環境が悪ければ正確な数値は出ません。特に以下の点には注意が必要です。
- 風の影響を排除する エアコンの風や扇風機の風が直接当たる場所で計測すると、スケールの数値が安定せず、プラスマイナス0.05gほどの誤差が生じることがあります。窓を閉め、空調の風が当たらない無風状態で計測しましょう。
- 水平な場所で行う 傾いた机の上や、不安定な場所(ベッドの上など)で計測すると、重力が均等にかからず、正しい数値が出ません。硬くて平らなテーブルの上で計測するのが鉄則です。
- キャリブレーション(校正)を行う スケールによっては、分銅を使って数値をリセット(校正)する機能がついているものがあります。長期間使っていると数値がズレてくることがあるため、定期的に校正を行うか、あらかじめ重さが分かっている硬貨(例:1円玉はちょうど1.00g)を載せて、ズレがないか確認すると良いでしょう。
実録:インフェルノX 5BOX開封検証の結果と分析
ここからは、実際に入手した「インフェルノX」5BOX分のデータをもとに、サーチの実践結果とその分析を行っていきます。今回の検証にあたり、複数の店舗を回ってパックを回収してきました。
入手ルートと当日の状況
今回の検証用パックは、以下の店舗で確保しました。
- ビックカメラ
- トイザらス
- ゲオ(GEO)
- 晴れる屋2(ハレツー)
合計で5BOX分です。内訳としては、シュリンク(外装ビニール)付きが2BOX、シュリンクなしが3BOXという結果でした。
特筆すべきは購入時の状況です。発売日当日の朝、池袋のトイザらスへ向かった際、ポケモンセンター周辺に信じられないほどの長蛇の列ができていました。「インフェルノXの再販待ちか?」と思いきや、どうやら同日から開始された「スカーレット・バイオレット」のゲーム内で受け取れる色違い伝説ポケモンの配布キャンペーンが重なっていたようです。 朝から並ぶ疲労感、寒暖差による体調の変化(最近夜は涼しいのに昼間は暑いなど)と戦いながらの回収作業でした。ポケカ攻略ライターとしての執念で集めましたが、複数の店舗を買い回るのは本当に体力が要ります。
特にビックカメラで購入した分については、珍しく「シュリンクは剥がされているが、箱のまま渡される」という形式でした。通常はパック制限であったり、箱回収されたりすることも多いですが、店員さんの裁量なのかオペレーションの変更なのか、箱ごと手に入ったのはラッキーでした。
測定開始:重量の分布と狙い目ライン
帰宅後、昼食を挟んで一息ついた夕方3時頃、猛烈な眠気と戦いながら測定を開始しました。 まず、全体の重量をざっと測ってみたところ、明確な「軽いパック」と「重いパック」の傾向が見えてきました。
- 最軽量ライン:8.51g前後
- 怪しいライン:8.55g〜8.58g前後
- 最重量ライン:8.60g以上(?)
これまでの経験則から言えば、通常弾の場合、レアカードが含まれるパックは「8.58g」付近から出現する確率が高い傾向にあります。 今回もその法則に従い、まずは基準となる「一番軽いパック(8.51g)」を1パックだけ確保し、残りの重いパックを開封していく作戦を取りました。
開封結果①:予想外の展開
まず手始めに、8.55gという「重くもなく軽くもない、中間層」のパックを開封しました。 私の予想では、ここはまだレア枠が出るには少し軽い数値です。しかし、結果は驚くべきものでした。
なんと、**SR「ギーマ」**が出現しました。
これは非常に興味深いデータです。通常であれば、SR以上のカードはもう少し重いパック(8.58g以上)に入っていることが多いのですが、今回は8.55gという比較的軽めの数値からSRが出てきました。 この要因として考えられるのは、以下の2点です。
- サポートSR(トレーナーSR)の重量特性 ポケモンのSRやSARに比べて、サポートSRはイラストの面積に対するホロ加工の比重や、インクの質が若干異なる可能性があります。そのため、そこまで重くならなかったのかもしれません。
- パックの個体差(糊の量)が少なかった パック自体の袋や糊がたまたま薄い個体であり、その分カードの重さがプラスされても、総重量としてはそこまで跳ね上がらなかったパターンです。
「ギーマ」は渋い魅力を持つキャラクターで、個人的には好きなカードですが、今回の狙いはあくまで「リザードンSAR」や「ヒカリSAR」。ここでのSR消費は、嬉しい反面、BOX内のSR枠を使ってしまったという焦りも生じます。
開封結果②:重いパックの正体
次に、今回測定した中で最も重かったパックを開封しました。 期待が高まります。「これこそがSAR、あるいは2枚箱(SR以上が2枚入っている箱)の可能性があるのではないか?」と胸を躍らせて開封。
結果は、**R(レア)「レシラム」**でした。
これは「サーチあるある」の一つ、**「ただのレアカードなのにやたらと重いパック」**に遭遇してしまったパターンです。 レシラム自体は伝説のポケモンであり、カードの加工も通常のノーマルよりは凝っていますが、SRほどの重量はありません。 なぜこれが一番重かったのか。考えられるのは「糊(ノリ)の量が異常に多かった」か「湿気を吸っていた」、あるいは「製造上の誤差で紙厚があった」などです。 測定値だけで判断すると「大当たり」に見える数値でも、開けてみるまでは分からない。これがサーチの難しさであり、また面白さでもあります。
その他の開封結果とARの傾向
今回の開封では、SR枠として「ギーマ」の他に、**SR「カブ」**も確認されました。 「インフェルノX」のサポートSR枠は「ヒカリ」「ギーマ」「カブ」の3種類と言われていますが、私の引きは完全に「おじさん寄り」になってしまいました。ヒカリには振られてしまったようです。
また、AR(アートレア)に関しては以下のカードが出現しました。
- マメバッタ
- ワンパチ
- ザシアン
ARはパック重量にそこまで大きな影響を与えないことが多く、8.52g〜8.54gあたりの中途半端な数値からポロっと出ることが多いです。 今回もその傾向通りで、明確な「重いパック」として判別するのは難しかったです。 個人的には「ポッチャマ」や「ルンパッパ」のARも狙っていたのですが、今回は縁がありませんでした。特にカルボウのARも存在するようで、最近のカルボウ系統(ソウブレイズ、グレンアルマ)の優遇っぷりには目を見張るものがあります。
インフェルノXの注目カードと評価
開封結果は少々ほろ苦いものとなりましたが、パックから出てくるカード自体は非常に魅力的です。ここで、「インフェルノX」に収録されている注目カードについて、攻略ライターの視点で解説します。
リザードンSAR:不動の王者
今回のトップレアは何と言っても「リザードンSAR」です。 リザードンというポケモン自体の人気が凄まじいのはもちろんですが、SAR(スペシャルアートレア)特有の、物語性を感じさせるイラストは圧巻です。 炎の激しさと、王者の風格を漂わせる佇まい。コレクターならずとも、一枚は手元に置いておきたい至高のカードと言えるでしょう。 重量サーチにおいても、このカードは特殊加工の面積が広いため、パック重量が重くなる傾向が強いと推測されます。もし8.60gを超えるような異常値が出たら、リザードンSARの可能性を疑っても良いかもしれません。
ヒカリSAR:高騰必至のヒロイン
トレーナー枠での一番人気は「ヒカリSAR」です。 『ダイヤモンド・パール』および『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』のヒロインとして絶大な人気を誇る彼女。 ポケカにおいて女性トレーナーのSR/SARは「かわいさ」が価格に直結する傾向があります。今回のイラストも、彼女の快活さと可憐さが表現されており、非常に評価が高いです。 私が引いた「ギーマ」や「カブ」も渋くて格好良いのですが、市場価値やコレクション需要という点では、やはりヒカリには及びません。
その他の注目枠
- ロトムEX 汎用性の高い特性を持っていることが多く、プレイヤー需要が高いカードです。
- メガサメハダー、メガミミロップ メガシンカポケモンたちも収録されているようです。特にSRの加工映えするデザインが多く、コレクション需要が見込めます。
- イグニッションエネルギー 新しい特殊エネルギーカードでしょうか。名前からして炎タイプとの相性が良さそうで、リザードンデッキの強化パーツとして期待されます。
量販店での購入と「箱」の状態について
今回の検証で触れた「ビックカメラ」や「トイザらス」での購入事情についても深掘りしておきます。
シュリンクの有無がもたらす意味
最近のポケカ販売では、転売対策として「購入時に目の前でシュリンク(外装ビニール)を剥がす」というオペレーションが一般的になっています。 今回、私が購入した5BOXのうち、3BOXはシュリンクなしでした。 シュリンクがないと「中身が入れ替えられているのではないか?」と不安になる方もいるかもしれませんが、大手量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、トイザらスなど)で購入したものであれば、店員さんがレジで剥がした直後のものなので、封入率は基本的に守られています。
ただし、**「箱のまま渡される」のか、「パックのみ渡される(箱は回収)」**のかは店舗によって異なります。 今回のビックカメラのように「シュリンクは剥がすが箱ごとくれる」場合、箱に記載されている製造番号とパックの製造番号が一致しているか確認することができます。 一方で、箱なしでバラのパックを渡される場合は、複数のBOXの余りを寄せ集めたものである可能性もゼロではありません。その場合、BOXに1枚確定と言われているSR枠が出ない(あるいは2枚出る)といったイレギュラーな事態が発生することもあります。
朝一の行列と競争率
トイザらスでの行列のエピソードでも触れましたが、ポケカの発売日は依然として戦争状態です。 今回はゲームの配布イベントと重なったことでカオスな状況になっていましたが、人気セットの発売日には、抽選販売に外れた人々が当日販売分を求めて早朝から並ぶのが日常茶飯事です。 複数の店舗を回る「回収ルート」を事前に構築しておくことが、数を確保するためには重要です。体力勝負になるので、前日はしっかりと睡眠をとることを強くお勧めします(私は睡眠不足でフラフラでしたが…)。
結論:インフェルノXのサーチ攻略法まとめ
今回の5BOX開封検証を通じて見えてきた「インフェルノX」の攻略法をまとめます。
狙うべき重量の目安
- 8.58g以上:SR、SAR、URの期待大。ただし、糊の多いR(レア)の可能性もあるため過信は禁物。
- 8.55g前後:SR(特にサポートSR)が出る可能性あり。今回の「ギーマSR」の事例から、このラインも無視できないことが判明。
- 8.52g〜8.54g:AR(アートレア)やRR(ダブルレア)が潜んでいるゾーン。
- 8.51g以下:ノーマルパックの可能性が高い。
失敗しないための心構え
- 「重い=当たり」とは限らない 今回の「レシラム」のように、重くてもただのレアというパターンは往々にしてあります。ぬか喜びしない強いメンタルが必要です。
- 0.01gの差を侮らない 8.55gと8.58gでは、中身の期待値が異なります。精密なスケールでしっかりと測定し、記録をつけることが精度向上の鍵です。
- 体調管理も重要 眠い状態で測定や開封を行うと、判断力が鈍ります。また、開封結果に一喜一憂しすぎて疲れてしまっては本末転倒です。私が今回、眠気に襲われながら動画を撮る羽目になったように、万全の状態で挑むことが楽しむための秘訣です。
今後の展望とアドバイス
「インフェルノX」は、リザードンという強力なIPを擁しているため、今後も長く愛されるセットになるでしょう。 もしこれから購入を検討している方がいれば、まずは信頼できる店舗でBOX購入を目指すのが基本です。バラパックで購入する場合や、フリマアプリなどで購入する場合は、今回紹介したようなサーチ済み(レアが抜かれた後の残りカス)であるリスクも考慮しなければなりません。
自分でパックを選べるコンビニエンスストアなどで購入する機会があれば、こっそりと重さを比べることはマナー違反とされることが多いですが、手に持った感覚で「お、これは少し厚みがあるかも?」と感じる研ぎ澄まされた感覚を養うのも、ポケカライフの楽しみの一つかもしれません(もちろん、商品を傷つけたり、長時間占有したりするのはNGです)。
今回の開封では、残念ながら本命のリザードンSARには出会えませんでしたが、ギーマやカブといった渋いおじさまトレーナーたちとの出会いがありました。これもまた、ランダム封入の醍醐味です。 皆さんの開封結果はいかがでしたでしょうか?もし「この重さでこれが出た!」というデータがあれば、ぜひ共有していただけると嬉しいです。
季節の変わり目で、昼夜の寒暖差が激しい時期です。私のように体調を崩さないよう、皆様もお体には十分気をつけて、良きポケカライフをお送りください。
この記事のまとめ
- 機材選び:0.01g単位のデジタルスケールが必須。風のない水平な場所で測る。
- 重量ライン:8.58g以上が激アツだが、8.55g付近からもSRが出るケースを確認。
- 落とし穴:一番重いパックがただのR(レシラム)だった事例もあり、過信は禁物。
- 購入環境:量販店ではシュリンク剥がしが基本。朝の行列にはゲーム特典などの外部要因も絡むため情報収集が大切。
筆者情報
橋本ユア フリーランスのトレカ攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いトレカに携わるが、主にポケカ、遊戯王、ワンピ、デュエマを得意とする。特にポケカが好きで、総課金額は1,000万円以上。自称リーリエの旦那。








