編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ポケモンZA(レジェンズゼットエー)のランクマッチ、特に新環境である「M次元ラッシュ」において、コノヨザルをどのように育成すれば勝てるのか、その最適解が気になっていると思います。従来の「ふんどのこぶし」連打型が通用しにくい現環境で、どのような技構成や立ち回りが求められているのか、悩みは尽きないはずです。
この記事を読み終える頃には、ランクマッチで上位を目指すためのコノヨザルの運用方法、具体的な技構成、そして苦手な相手への対策まで、コノヨザルに関する疑問が解決しているはずです。
- 新環境「M次元ラッシュ」対応の最適技構成
- いのちのたま×ドレインパンチによる無限回復戦術
- ゴーストダイブを活用した「まもる」貫通の立ち回り
- メジャーポケモン(ラグラージ・エアームド等)への対策
それでは解説していきます。
コノヨザルの基本性能と現環境の立ち位置
ポケモンZAのDLC「M次元ラッシュ」環境において、コノヨザルはその評価を大きく変えつつあります。パルデア地方で猛威を振るった「ふんどのこぶし」による受け攻めスタイルから、より攻撃的かつテクニカルな物理アタッカーへと進化を遂げました。まずは、その基礎となるスペックと、なぜ今コノヨザルが注目されているのか、その背景を深く掘り下げていきましょう。
種族値から見る物理アタッカーとしての素質
コノヨザルの種族値は、耐久と攻撃のバランスが非常に高水準でまとまっています。
| ステータス | 数値 | 順位(全体) | 評価 |
|---|---|---|---|
| HP | 110 | 16位 | 非常に高い。物理・特殊双方の耐久を底上げする基盤。 |
| 攻撃 | 115 | 106位 | 高水準。性格補正やアイテムで補強することで破壊力が増す。 |
| 防御 | 80 | 191位 | 平均的だが、HPの高さにより実質的な物理耐久は高い。 |
| 特攻 | 50 | 376位 | 不要なステータスが低く、無駄のない配分。 |
| 特防 | 90 | 142位 | 意外と高い。不一致の特殊技なら余裕を持って耐える。 |
| 素早さ | 90 | 133位 | 激戦区の90族。スカーフや積み技での調整が重要になるライン。 |
| 合計 | 535 | 133位 | 準伝説級に迫る高スペック。 |
特筆すべきはHP110という数値です。これはアタッカーとしては破格の耐久力であり、相手の攻撃を一度耐えてから反撃するというスタイルを確立させています。また、攻撃115は現環境の物理アタッカーとして決してトップクラスではありませんが、技の威力や特性、そして今回紹介する「ビルドアップ」などの積み技と組み合わせることで、数値以上の火力を叩き出すことが可能です。
素早さ90族というラインは、ポケモン対戦において「抜ける相手と抜けない相手」がはっきり分かれるラインです。最速にするか、あるいは耐久に厚く振って行動回数を確保するか、トレーナーの腕が試される部分でもあります。
複合タイプ「かくとう・ゴースト」の優秀な耐性
コノヨザル最大の特徴の一つが、「かくとう・ゴースト」という固有の複合タイプです。この組み合わせは攻守において非常に優れた補完性を持っています。
- 無効タイプが2つ(ノーマル・かくとう): 特に「ノーマル」と「かくとう」を無効化できる点は極めて強力です。相手の「しんそく」や「インファイト」読みで無償降臨(ダメージを受けずに交代出し)できる機会が多く、サイクルの潤滑油としても機能します。
- 攻撃範囲の広さ: ゴースト技と格闘技を両方半減以下に抑えられるポケモンは非常に少なく(ヒスイゾロアークなどごく一部)、等倍以上で攻撃を通せる範囲が極めて広いです。これにより、技構成の自由度が高まり、相手に安易な受け出しを許しません。
現環境における「ふんどのこぶし」の評価変化
従来のコノヨザルといえば、被弾するたびに威力が上がる専用技「ふんどのこぶし」が代名詞でした。しかし、ZAの「M次元ラッシュ」環境では、以下の理由からこの技の優先度が相対的に低下しています。
- 高速アタッカーの増加: 被弾する前に倒される、あるいは被弾回数を稼ぐ余裕がない高速・高火力環境になっています。
- ギミックの多様化: 相手を強制的に流す技や、状態異常を撒く戦術が増え、居座って殴り合う展開が作りづらくなっています。
- 回復ソースの重要性: 単に殴り合うだけではジリ貧になることが多く、場持ちを良くするための回復手段が必須となっています。
そこで考案されたのが、今回解説する「ビルドアップ」+「ドレインパンチ」+「ゴーストダイブ」を軸とした、自己完結型のサステイン(持続)アタッカー型です。
【ランクマ無双】おすすめ技構成と持ち物
ここからは、実際にランクマッチで無双するための具体的な構成を紹介します。この構成は、耐久力と攻撃力を同時に高めつつ、相手の防御手段を貫通してダメージを与えることを目的としています。
確定技:ドレインパンチ
威力75 / 命中100 / PP10 / かくとう / 物理 効果:与えたダメージの半分を回復する
本育成論の核となる技です。 「インファイト」のような高火力技ではなく、あえて威力控えめの「ドレインパンチ」を採用する理由は、**「場持ち性能の最大化」**にあります。
- 無限回復コンボ: 後述する「ビルドアップ」で攻撃ランクを上げ、「いのちのたま」でさらに火力を1.3倍にすることで、威力75とは思えないダメージを叩き出します。ダメージが増えれば回復量も増えるため、相手と殴り合っているだけでこちらのHPが全快近くまで戻るという現象が起きます。
- 確定数のズレ: 相手は「あと一発で倒せる」と計算して攻めてきますが、ドレインパンチによる回復でその計算を狂わせることができます。これにより、本来負けるはずの対面で撃ち勝つことが可能になります。
確定技:ゴーストダイブ
威力90 / 命中100 / PP10 / ゴースト / 物理 効果:1ターン目に姿を消し、2ターン目に攻撃。「まもる」「みきり」を無視して攻撃できる。
ZA環境でコノヨザルを使うなら、絶対に外せないのがこの技です。「シャドークロー」や「ふんどのこぶし」ではなく、溜め技である「ゴーストダイブ」を採用するメリットは計り知れません。
- 「まもる」貫通性能: ダブルバトルや、シングルにおけるターン稼ぎの「まもる」を完全に無力化します。相手が守るタイミングで攻撃を通せるため、安全圏だと思っている相手を狩ることができます。
- ダイマックス・テラスタル・メガシンカ枯らし: 姿を消しているターンは無敵状態となるため、相手の強力なターン制ギミック(メガシンカのターン消費や、壁のターン消費など)を安全にやり過ごすことができます。
- 高火力一致技: 威力90は安定しており、ゴーストタイプ特有の通りの良さも相まって、メインウェポンとして申し分ありません。
選択技(推奨):かみなりパンチ
威力75 / 命中100 / PP15 / でんき / 物理 効果:10%の確率で相手をまひさせる
3つ目の攻撃技枠として最も推奨されるのが「かみなりパンチ」です。 格闘・ゴーストの範囲を補完する上で、この技は以下の役割を果たします。
- 対 飛行タイプ: エアームドやギャラドスなど、格闘技を半減・無効化してくる飛行タイプへの打点となります。特にエアームドは物理受けとして出てきやすいため、打点がないと詰んでしまいます。
- 対 水タイプ: 環境に多いラグラージ(水・地面だが草結びがない場合の削りとして)やミロカロス、ヘイラッシャへの有効打となります。特にヘイラッシャは物理耐久が非常に高いですが、弱点を突くことで強引に突破口を開けます。
補助技:ビルドアップ
変化技 / PP20 / かくとう 効果:自分の「攻撃」と「防御」を1段階上げる
この型のエンジンとなる技です。 物理アタッカー対面でこの技を一度でも積むことができれば、勝率は跳ね上がります。
- 物理耐久の要: 防御が上がることで、相手の物理技を余裕を持って耐えられるようになります。HP110の種族値と相まって、要塞化します。
- 火力増強: 攻撃ランクが上がることで、ドレインパンチの回復量が増加し、さらに耐久力が高まるという好循環(シナジー)を生み出します。
持ち物:いのちのたま
効果:技の威力が1.3倍になるが、攻撃するたびにHPが1/10減る
一見すると、耐久を重視するこの型とはアンチシナジー(相性が悪い)に見えるかもしれません。しかし、実際は最高のパートナーです。
- デメリットの相殺: 「いのちのたま」の反動ダメージは、「ドレインパンチ」の回復効果で容易に帳消しにできます。それどころか、威力が1.3倍になることで回復量も増えるため、実質的な耐久力は上がります。
- 火力不足の解消: 種族値115は現代基準ではそこまで高くないため、火力補正アイテム無しでは押し切れない場面が多々あります。「いのちのたま」を持つことで、確定数をずらし、受けに来たポケモンを強引に突破することが可能になります。
性格と努力値配分の最適解
コノヨザルをランクマッチで活躍させるための、数値調整について解説します。
性格は「いじっぱり」が推奨
おすすめの性格は、攻撃に上昇補正がかかる**「いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)」**です。
- 理由1:回復量の確保 ドレインパンチの回復量は与えたダメージに依存します。そのため、素早さを上げるよりも火力を極限まで高め、一発の回復量を増やす方が、結果として生存率が高まります。
- 理由2:仮想敵の突破 耐久ポケモン(カバルドン、ヘイラッシャ等)を相手にする際、あと少し火力が足りないという事態を防ぎます。
次点で「ようき(素早さ↑ 特攻↓)」も選択肢に入りますが、今回のビルドアップ型においては、先に積んで受けることを前提とするため、いじっぱりの方がコンセプトに合致しています。
努力値はHAベースで耐久確保
努力値配分例:
- HP (H): 252 (ぶっぱ)
- 攻撃 (A): 252 (ぶっぱ)
- 素早さ (S): 4 (余り)
調整の意図:
- HP全振り: コノヨザルの最大の長所であるHPを最大化し、物理・特殊両方の耐久を確保します。これにより、不一致弱点程度なら一発耐えて、ビルドアップやドレインパンチに繋げることができます。
- 攻撃全振り: ドレインパンチの回復効率と、ゴーストダイブの決定力を最大化します。
- 素早さ余り: 同族対決(90族)や、激戦区の素早さラインを意識して少しだけ振りますが、基本は耐久と火力にリソースを割きます。
もし、特定の仮想敵(例えば最速サーフゴーなど)を抜きたい場合は、HPを削って素早さに回す調整も有効ですが、まずは扱いやすいHAぶっぱから始めることを強く推奨します。
実践での立ち回りとダメージ計算
では、実際にランクマッチの戦場でどのように動かすのか、具体的なシチュエーションを想定して解説します。
基本的な立ち回り:ビルドアップからの展開
- 対面操作: 有利な対面(物理アタッカーや、有効打のない耐久ポケモン)を作ります。
- 積みの起点: 相手の交代際や、物理技読みで「ビルドアップ」を使用します。これで攻撃と防御が1.5倍になります。
- 要塞化と攻撃:
- HPが減っている場合 → 「ドレインパンチ」で攻撃しつつ回復。
- 相手が守りに入りそうな場合 → 「ゴーストダイブ」で貫通攻撃。
- 弱点を突ける場合 → 「かみなりパンチ」等で攻撃。
このループに入れば、物理主体のパーティ相手には単騎で3タテ(3匹全員倒すこと)も珍しくありません。
対 ラグラージ・エアームド戦
VS ラグラージ(水・地面) 環境に多いラグラージですが、タイプ相性的には有利ではありません。しかし、この型なら勝てます。
- 立ち回り: 初手でラグラージと対面した場合、相手は「あくび」や「ステルスロック」などの搦手を使ってくることが多いです。こちらは構わず「ゴーストダイブ」を選択します。あくびを打たれたとしても、ゴーストダイブでターンを消化しつつ大ダメージを与えられます。その後、ドレインパンチで回復しつつ削り切ります。地震などの物理技は、ビルドアップを積んでいれば痛くありません。
VS エアームド(鋼・飛行) 物理受けの代名詞ですが、コノヨザルには「かみなりパンチ」があります。
- 立ち回り: エアームドは「てっぺき」や「ボディプレス」を狙ってきますが、こちらは先に「ビルドアップ」を積みます。相手の防御が上がっても、「かみなりパンチ」は弱点が入るため、急所に当たる確率や追加効果の麻痺も期待しつつ、殴り勝つことができます。相手が「はねやすめ」をするタイミングを読んで攻撃を重ねましょう。
対 ガブリアス・ミロカロス戦
VS ガブリアス(ドラゴン・地面) 高火力物理アタッカーの代表格です。
- 立ち回り: 相手は「じしん」や「げきりん」を撃ってきます。ここで重要なのが、ビルドアップを一回積めるかどうかです。積んでしまえば、ガブリアスの攻撃は耐えられます。その後、相手の攻撃を耐えつつ「ドレインパンチ」で回復。相手が「つるぎのまい」をしてきた場合は、こちらも殴り合いに応じるか、「ゴーストダイブ」で攻撃を透かしに行きます。
VS ミロカロス(水) 特殊耐久が高いポケモンですが、物理耐久はそこまで高くありません。
- 立ち回り: 「かみなりパンチ」が刺さります。相手の「ねっとう」による火傷が怖いですが、火傷を引かなければ押し切れます。もし火傷してしまった場合、従来の「からげんき」採用型なら有利になりますが、この型の場合は苦しくなります。その場合は、一度引いて特殊アタッカーに任せるのが無難です。
苦手なポケモンと対策
無敵に見えるこの型も、万能ではありません。
- 特殊高火力アタッカー(ハバタクカミ、テツノツツミ等): ビルドアップで特防は上がらないため、特殊技の高火力弱点を突かれると一撃で沈む可能性があります。これらに対しては、テラスタル(鋼や炎など)で耐性を変えるか、裏のポケモンで受ける必要があります。
- 「おにび」持ち(ロトム、ラウドボーン等): 物理アタッカーの天敵です。火傷になると攻撃が半減し、ドレインパンチの回復量も激減するため機能停止します。
- 「アンコール」持ち: ビルドアップをアンコールされると、何もできずに起点にされます。
進化条件と育成の効率化
これからコノヨザルを育成する方のために、進化条件と効率的な育成フローをまとめました。ZA環境でも基本は変わりませんが、復習しておきましょう。
マンキーからオコリザルへの進化
- 進化条件: Lv.28にレベルアップ 特に難しい条件はありません。ストーリー進行中であれば自然に到達します。野生でオコリザルを捕獲してスタートするのも効率的です。
ふんどのこぶし20回の効率的な消化方法
オコリザルからコノヨザルへの進化条件は特殊です。 「ふんどのこぶし」を20回使用してレベルアップ
戦闘中に技を20回当てる必要はありません。「使用」すればOKです。
最高効率の手順:
- オコリザル(Lv.35以上で「ふんどのこぶし」を習得)を用意する。
- ゴーストタイプのポケモンがいるエリア、もしくは「かかし(訓練場)」に行く。 ※ZAでは訓練場や特定のNPC相手にかかし打ちができる場所がある場合、そこが最適です。
- ゴーストタイプ相手に「ふんどのこぶし」を連打する。 効果は「無効」になりますが、使用回数にはカウントされます。 これにより、PPを回復しに戻る必要もなく、敵を倒してしまう心配もなく、最速で20回消費できます。
- 20回使い切ったら、ふしぎなアメなどでレベルを1つ上げる。
これで即座に進化完了です。
他の型との比較考察
最後に、今回紹介した「ビルドアップドレパン型」以外との比較を行い、なぜ今この型が強いのかを再確認します。
スカーフ型との違い
こだわりスカーフ型
- メリット: 素早さ1.5倍で、ドラパルトやハバタクカミの上から「命がけ」や「シャドークロー」を撃てる。
- デメリット: 技が固定されるため、受けポケモンに交代されると起点になりやすい。また、サイクル戦で消耗しやすい。
ランクマ上位では、相手のパーティも耐久調整されていることが多く、スカーフ命がけが決まらない(HPが足りない)ケースが増えています。そのため、現環境ではスカーフ型よりも、場に居座って圧力をかけ続けるビルドアップ型の方が、安定した勝率を叩き出しやすい傾向にあります。
ふんどのこぶし特化型がZAで微妙な理由
前述の通り、「ふんどのこぶし」は被弾回数が必要です。 ZAのM次元ラッシュ環境では、メガシンカポケモンの再登場や、火力のインフレにより、「何度も殴られて耐える」という行動自体がリスクになっています。 一撃で瀕死級のダメージを受けることが多いため、受動的に威力が上がるのを待つよりも、能動的に「ビルドアップ」で耐久と火力を上げ、「ドレインパンチ」でリソースを管理する方が、理にかなっているのです。
まとめ
今回は、ポケモンZA「M次元ラッシュ」環境における、ランクマ無双コノヨザルの育成論を紹介しました。
記事のポイントを振り返ります。
- 技構成は「ドレインパンチ・ゴーストダイブ・かみなりパンチ・ビルドアップ」が結論。
- 持ち物は「いのちのたま」一択。自傷ダメージはドレインパンチで回収し、火力を底上げする。
- ゴーストダイブで相手の「まもる」やギミックを貫通し、一方的にアドバンテージを取る。
- 性格は「いじっぱり」でHA振り。物理耐久を要塞化し、殴り合いに絶対的な強さを誇る。
このコノヨザルは、使っていて非常に楽しいポケモンです。相手の計算を狂わせ、絶望的な状況からドレインパンチ一本で全回復まで持っていく爽快感は、他のポケモンでは味わえません。
「ふんどのこぶし」に頼らない、新しいコノヨザルの強さ。ぜひあなたのパーティにも取り入れて、ランクマッチの荒波を「M次元ラッシュ」のごとく駆け抜けてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
筆者情報
筆者:桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。






