編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、第4弾アップデートで追加された「巨戟(きょげき)アーティア武器」の強化仕様や、取り返しのつかない要素、そして泥沼化必至の「厳選」について気になっていると思います。
特に今回はシステムが複雑怪奇で、一歩間違えると貴重なゴグマジオス素材をドブに捨てることになりかねません。 私自身、検証のために数本ほど犠牲にして枕を濡らしました。
この記事を読み終える頃には、複雑なテーブル仕様を完全に理解し、最適解の「巨戟アーティア」を作成するための道筋が見えているはずです。
- 巨戟化タイプの選択は不可逆のため慎重な判断が必要
- スキル抽選と復元ボーナスは「テーブル管理」で効率化が可能
- 厳選には最低2本以上のアーティア武器を用意して挑むべし
- 復元ボーナスは「EX枠」の数と武器種ごとの相性が最重要
それでは解説していきます。
第4弾アップデートの目玉「巨戟アーティア強化」とは
第4弾アップデートで実装された、古龍「ゴグマジオス」の素材を用いて行う、アーティア武器の最終強化形態。 それが「巨戟アーティア強化」です。
これまでのアップデートとは一線を画すのが、その強化システムの複雑さと、エンドコンテンツとしての深さ(という名の沼)です。
単に素材を投入してステータスを上げるだけではありません。 「タイプの付与」「スキルの抽選」「ボーナスの厳選」という3つのプロセスを経て、自分だけの最強武器を作り上げるコンテンツとなっています。
まずは、その基本仕様と、絶対にやってはいけない「取り返しのつかない要素」から解説していきましょう。
【重要】取り返しがつかない「激化タイプ」の選択
まず最初に警鐘を鳴らしておきます。 巨戟アーティア強化において、「激化(げきか)タイプ」の付与は一度行うと変更できません。
シリーズスキルやグループスキルは後から再抽選が可能ですが、この激化タイプだけは不可逆です。 ここで選択をミスすると、その武器は一生理想の性能にはなりません。 作り直すには、またベースのアーティア武器生産からやり直しになります。
激化タイプは以下の3種類存在し、それぞれステータス変動が異なります。 ゴグマジオスから入手できる「した位装置(恐らく『試作位相装置』等の誤変換と推測される重要素材)」を消費して付与します。
各タイプのステータス変動詳細
それぞれのタイプを選択した際の、具体的な数値変動は以下の通りです。
| タイプ | 攻撃力 | 会心率 | 属性値 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 攻撃激化 | +10 | -1 | 変化なし | 物理特化の安定択 |
| 会心激化 | -10 | +10 | -20 ~ +30 | 武器種により属性値変動幅が大きい |
| 属性激化 | 変化なし | -5 | +30 ~ +80 | 属性特化。太刀は+50を確認 |
評論家視点:どのタイプを選ぶべきか
結論から言えば、**「会心激化」は現状ほぼ「ナシ」**です。 攻撃力を10下げてまで会心率を10上げるメリットが、現在のダメージ計算式上、釣り合っていないケースが大半だからです。 リスクに対してリターンが見合っていません。
基本的には以下の2択で検討してください。
1. 攻撃激化を選ぶべきケース
- 大剣、ハンマーなどの物理モーション値が高い武器種
- 無属性運用、または状態異常属性の武器
- 復元ボーナス(後述)で、攻撃力や切れ味がEXで揃った場合
2. 属性激化を選ぶべきケース
- 双剣、弓、片手剣などの手数が多い武器種
- 属性値の変動幅が大きい武器(太刀の+50など)
- 復元ボーナスで属性強化EXを引けた場合
太刀に関しては、復元ボーナスの厳選結果を見てから決めるのがセオリーです。 「攻撃力41」のような物理寄りのボーナスなら攻撃激化。 逆に属性値が跳ねるボーナスなら属性激化を選びましょう。
この選択をする前に、必ず一度セーブデータをバックアップするか、慎重にシミュレーションを行うことを強く推奨します。
スキル付与システムと「グループスキル」の重要性
激化タイプ付与と同時に、または再抽選によって付与されるのが「シリーズスキル」と「グループスキル」です。 ここからは、エンドコンテンツの核となるスキル厳選について深掘りします。
付与される2種類のスキル
この強化では、以下の2つの枠にランダムでスキルが付与されます。
- グループスキル:特定のモンスター群や属性に関連するスキル
- シリーズスキル:防具のセット効果として発動するスキル
今回のアップデートで追加されたゴグマジオス防具のシリーズスキルも排出対象になっていることが確認されています。 つまり、防具を装備せずとも武器だけで強力なセット効果の一部を発動できる可能性があるということです。
狙うべき「当たり」スキル
現状の環境で狙うべきスキル構成は以下の通りです。
必須級:主の魂(ヌシのタマシイ)
グループスキル枠では**「主の魂」**が最低限の必須ラインです。 効果の詳細は省きますが、火力と生存能力を底上げする上で、このスキルの有無は決定的な差を生みます。 まずはこのスキルが出るまで粘るのがスタートラインと言えるでしょう。
理想枠:黒蝕竜の力(ゴア・マガラ)などの古龍系
シリーズスキル枠で狙いたいのは、やはり強力な古龍系のスキルです。
- ゴグマジオスのシリーズスキル:今回の目玉。重撃や粘着質の攻撃性能強化。
- ラギアクルスのシリーズスキル:雷属性強化など。
- 黒蝕一対(ゴア・マガラ):太刀などの特定武器種で爆発的なシナジーを生む。
「主の魂」+「黒蝕一対」の組み合わせが引ければ、太刀使いにとってはゴールと言っても過言ではありません。
厳選の核心「テーブル管理」仕様を徹底解剖
ここからが本記事の最重要パートです。 巨戟アーティアのスキル抽選および復元ボーナス抽選は、完全ランダムではなく**「テーブル方式」**が採用されています。
この仕様を理解していないと、無駄に素材を消費し、いつまで経っても当たりが出ないという地獄を見ることになります。
テーブル方式とは何か
簡単に言えば、「次に何が出るかが予め決まっているリスト」のことです。 リセットしてやり直しても、同じ手順を踏めば必ず同じ結果になります。
例えば、ある武器で抽選を行った結果が「A→B→C」だった場合、セーブせずにリセットして再度同じことをすれば、何度やっても「A→B→C」の順で排出されます。 これが「テーブルが固定されている」状態です。
複雑な仕様:テーブル進行の「全武器共通」ルール
今回の巨戟アーティア強化が厄介なのは、**「テーブルの進行が全武器で共通している」**という点です。
これはどういうことか。具体例で解説します。
- 武器Aで抽選を4回行う(結果:A1, A2, A3, A4)
- リセットする(セーブしていないので状態は戻る)
- 武器Bで抽選を1回行う(結果:B1)
- その後、武器Aで抽選を行う
この場合、武器Aで排出される結果は「A1」ではなく**「A2」**になります。 なぜなら、手順3の「武器Bでの1回抽選」によって、内部的な抽選カウンター(テーブル)が1つ進んでしまったからです。
つまり、「どの武器で抽選を行っても、裏側にある『抽選回数カウンター』は共通で進んでいく」という仕様なのです。 この仕組みを利用することで、素材を節約しながら効率的に「当たり」を探すことが可能になります。
【実践編】素材を節約する「テーブル厳選」フローチャート
上記の仕様を利用した、具体的な厳選方法をステップバイステップで解説します。 この方法は、スキル抽選だけでなく、復元ボーナスの強化抽選でも全く同じ手順が使えます。
準備するもの
- 厳選したいアーティア武器:最低2本以上(推奨3~4本)
- 大量の強化素材(した位装置など)
- 大量の資金(ゼニー)
- 時間と忍耐力
厳選の手順
STEP 1:1本目の武器で「未来予知」をする
まず、メインで強化したい「武器A」を使って、10回程度連続で抽選を行います。 ここで出た結果をメモしておきます。 もし、この10回の中で「神引き」があれば、その回数(例:7回目)を記録してリセットし、STEP 4へ飛びます。
STEP 2:リセットして「捨て回」を作る
10回やっても当たりが出なかった場合、セーブせずにゲームを終了し、ロードし直します。 次に、サブの「武器B」を使って、先ほどと同じ回数(10回)抽選を行います。 これは「テーブルを進めるため」の行為です。 念のため、武器Bでも当たりが出ないか確認しますが、基本的にはテーブルを進めるための「捨て回」です。
STEP 3:セーブして次へ進む
武器Bで10回抽選し終えたら、一度セーブします。 これで、内部的なテーブルは10回分進んだ状態で確定しました。 再びSTEP 1に戻り、次の10回分の未来予知を行います。
STEP 4:本命を引き当てる(調整)
STEP 1の最中、例えば「7回目」に武器Aで大当たりが出たとしましょう。 そうしたらリセットします。 リセット後、「武器B(またはC)」を使って6回抽選を行います。 これにより、テーブルが6つ進みます。
その直後に「武器A」で1回抽選を行うと、先ほど確認した「7回目の結果(大当たり)」が出現します。 これにて厳選完了、セーブして確定です。
複数本同時並行のメリット
武器を3本、4本と用意すると効率が上がります。 10回の1セットの中で、 「武器Aの7回目はゴミだが、武器Cの7回目は神スキルかもしれない」 という確認ができるからです。
一度のテーブル進行で、複数の武器の未来を確認できるため、手持ちのアーティア武器が多ければ多いほど、少ない試行回数(テーブル進行数)で当たりを引ける確率が高まります。 素材とお金に余裕があれば、基盤となる武器を一気に揃えてから厳選を始めるのが「プロの攻略法」です。
復元ボーナス強化:狙うべき「EX」の世界
スキルと並んで重要なのが「アーティア復元ボーナス」の再抽選です。 ここにも明確な「当たり」と「ハズレ」が存在します。
ボーナスの種類とレアリティ
復元ボーナスには以下の種類とランクがあります。
- 基礎攻撃力強化:Lv1 / Lv2 / Lv3 / EX
- 会心率強化:Lv1 / Lv2 / Lv3 / EX
- 属性強化:Lv1 / Lv2 / EX
- 切れ味強化:Default / EX
当然ながら、狙うべきは**「EX」**です。 通常はLv1などが選ばれますが、低確率で最上位のEXが選出されます。 ボーナス枠は全部で5枠ありますが、全てをEXにするのは天文学的な確率になるため現実的ではありません。
厳選の妥協ラインと目標
現実的なゴールラインは**「3枠EX」**です。
しかし、ただEXが3つあれば良いわけではありません。 武器種ごとの相性を考慮する必要があります。
例:大剣の場合
- 必須:切れ味強化EX(紫ゲージの長さ確保のため)
- 必須:基礎攻撃力強化EX
- 推奨:会心率強化EX(抜刀会心などの兼ね合い)
もし「3枠EX」が出たとしても、その中身が「属性・属性・会心」だった場合、無属性運用の大剣にとっては「ハズレ」です。 逆に、「切れ味EX・攻撃EX・攻撃Lv3」のような構成の方が、実戦値は遥かに高くなります。
「切れ味EX」の重要性
多くの近接武器において、「切れ味強化EX」は人権と言っても過言ではありません。 MHWsの環境では、紫ゲージの有無と長さがダメージ倍率に直結します。 切れ味EXを引くことで、匠スキルを削って他の火力スキルを盛れるようになるため、実質的なスキル自由度が跳ね上がります。
まずは「切れ味EX」を含んだ上で、合計2~3枠のEXを目指すのが、精神衛生上も良い塩梅でしょう。
各武器種別:おすすめ巨戟アーティア構成例
ここからは、私が評論家として推奨する、各武器種ごとの理想的な巨戟アーティアの構成例を紹介します。 ご自身のメイン武器に合わせて参考にしてください。
大剣・ハンマー(一撃重視)
- 激化タイプ:攻撃激化
- グループスキル:主の魂
- シリーズスキル:ゴグマジオス(重撃効果狙い)
- 復元ボーナス:切れ味EX / 攻撃EX / 攻撃EX(またはLv3)
- 解説: とにかく物理火力を高める構成。会心激化による攻撃力ダウンは、モーション値の高いこれらの武器では致命傷になりかねないため避けます。切れ味EXで紫ゲージを維持し、溜め攻撃を叩き込むスタイルです。
太刀・操虫棍(バランス型)
- 激化タイプ:攻撃激化 または 属性激化(ボーナス次第)
- グループスキル:主の魂
- シリーズスキル:黒蝕一対(ゴア・マガラ)
- 復元ボーナス:切れ味EX / 会心EX / 属性EX
- 解説: 太刀は手数もそこそこあり、属性の恩恵も受けやすいです。黒蝕一対による狂竜症克服時の会心ブーストを利用するなら、基礎会心率を盛るのもアリ。復元ボーナスで属性値が大幅に伸びるテーブルなら、属性激化にして特化させるのも強力な選択肢です。
双剣・弓(属性特化)
- 激化タイプ:属性激化
- グループスキル:主の魂
- シリーズスキル:ラギアクルス(雷)や 各属性強化系
- 復元ボーナス:属性EX / 属性EX / 会心EX
- 解説: 属性激化一択です。攻撃力が下がることよりも、属性値が+30~+80される恩恵の方が圧倒的に大きい。復元ボーナスも属性EXを最優先で狙いましょう。双剣の場合、切れ味EXがないと紫ゲージが瞬時に蒸発するので、切れ味ケアも必須です。
ガンランス(砲撃重視)
- 激化タイプ:攻撃激化
- グループスキル:主の魂
- シリーズスキル:砲術関連のスキル(もしあれば)
- 復元ボーナス:切れ味EX / 攻撃EX / 自由枠
- 解説: 砲撃レベルに依存するため、武器の攻撃力自体はそこまで重要ではないものの、突き攻撃も混ぜるなら攻撃激化が無難。最も重要なのは斬れ味消耗の激しさをカバーする「切れ味EX」です。これがないと話になりません。
厳選における注意点とメンタル管理
最後に、これから泥沼の厳選に挑むハンター諸君へ、いくつか注意点を伝えておきます。
1. オートセーブ設定を確認せよ
厳選作業(リセマラ)を行う際は、必ずオプションでオートセーブをOFFにしてください。 クエスト帰還時や装備強化時にオートセーブが入る設定になっていると、失敗した抽選結果が保存されてしまい、貴重な素材をロストします。 これは基本中の基本ですが、アプデ直後で興奮していると忘れがちです。
2. 「深追い」は破産への道
「5枠全てEXが出るまでやる」 「理想のシリーズスキルが出るまで寝ない」 こういった意気込みは立派ですが、確率を甘く見てはいけません。 全武器共通テーブルとはいえ、理想の組み合わせが「1万回先」にある可能性だってあるのです。 ある程度の妥協ライン(EX2つ、スキルは主の魂のみ等)を設け、まずは実戦投入できるレベルを目指しましょう。
3. 素材「した位装置」の枯渇問題
厳選にはゴグマジオスの「した位装置」を消費します。 これはゴグマジオスの討伐報酬や部位破壊で入手できますが、決してドロップ率は高くありません。 厳選に熱中するあまり、素材が尽きて再戦(再抽選)すらできなくなる事態は避けたいところ。 定期的にゴグマジオス周回を挟み、素材と資金を補充しながら気長に進めるのが、精神衛生上も健全です。
まとめ:巨戟アーティアはエンドコンテンツの極地
第4弾アップデートで追加された巨戟アーティア強化は、まさに「沼」と呼ぶに相応しいエンドコンテンツです。 しかし、その苦労の先には、既存の生産武器や覚醒武器をも凌駕する最強の性能が待っています。
記事の要点おさらい
- 激化タイプ:後戻り不可。物理なら「攻撃」、手数なら「属性」。「会心」は罠。
- スキル厳選:全武器共通テーブルを利用し、複数武器で効率よく「未来」を見る。
- 復元ボーナス:切れ味EXを確保しつつ、武器種に合ったEXを計3枠狙う。
この仕様を理解しているかどうかで、完成までの時間とコストが数倍変わってきます。 ゴグマジオスの周回は確かに過酷ですが、この記事を参考に最強の一振りを完成させ、ワイルズの世界をさらに楽しんでください。
皆さんのテーブルに「神引き」が訪れることを祈っています。 それでは、良きハンターライフを!
筆者情報
桐谷シンジ フリーランスのゲーム攻略ライター。 慶應大学卒業後、大手出版社を経て、現在に至る。 幅広いゲームに携わるが、主にRPG/FPS/サンドボックス系のゲームを得意とする。 最近の悩みは趣味の時間が取れず、積みゲーが100作品を超えたこと。 特に今回のゴグマジオス周回で睡眠時間が削られ、積みゲー消化がさらに遠のいている。







