編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ランクマッチで急増している「あるポケモン」の存在や、M次元ラッシュクリア後の報酬について気になっていると思います。 特に、環境トップであるゼルネアスへの対策に頭を抱えているトレーナーも多いのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、ヒスイヌメルゴンの真の強さと、現環境での運用方法についての疑問が解決しているはずです。
- M次元ラッシュクリアでヒスイヌメルゴンが解禁される
- はがね・ドラゴンの複合タイプがゼルネアスに圧倒的有利
- 技構成は「てっていこうせん」を軸にしたフルアタ構成が推奨
- エアームドとの相性補完でサイクル戦を制する
それでは解説していきます。
ヒスイヌメルゴンがZランクマッチで使用可能に
多くのプレイヤーが驚愕したニュースが飛び込んできました。 「M次元ラッシュ」をストーリーまでクリアし、一定期間経過することで、なんとヒスイヌメルゴンがZランクマッチで使用可能になるという情報です。
これまで本編では未解禁とされていたヒスイの姿が、このタイミングで投入されることは環境に巨大な地殻変動をもたらします。 私自身、情報を耳にしてすぐに検証を行いましたが、図鑑ナンバーが原種ヌメルゴンと共有されている仕様をついた、ある種のサプライズ実装と言えるでしょう。
同時にヒスイクレベースの使用も確認されており、ヒスイ地方のポケモンたちが現代の対戦環境、特にカロス地方を舞台とした「ZA」の環境でどのように暴れるのか、非常に注目が集まっています。 まずは、このポケモンの入手条件と、なぜ今話題になっているのかを深掘りしていきましょう。
M次元ラッシュクリアが解放の鍵
ヒスイヌメルゴンを入手するためには、サイドコンテンツである「M次元ラッシュ」の攻略が必須となります。 このモードは高難易度コンテンツとして知られていますが、クリア報酬としてヒスイの姿のポケモンが解禁されるという仕様は、やり込み勢にとっては嬉しい悲鳴と言えるでしょう。
多くのプレイヤーがランクマッチの環境に飽きを感じ始めていたシーズン3終盤。 このタイミングでの投入は、運営による意図的な環境メタであると考えられます。 特に、後述するゼルネアス一強環境に風穴を開ける存在として、ヒスイヌメルゴンはデザインされています。
入手直後は育成リソースが不足しがちですが、即戦力としてランクマッチに投入する価値は十分にあります。 私が入手した個体も、基礎ポイントを調整し、すぐに実戦投入しましたが、そのスペックの高さには驚かされました。
ヒスイヌメルゴンのスペックと強さの秘密
なぜヒスイヌメルゴンがこれほどまでに騒がれているのか。 その最大の理由は、原種とは異なる「はがね・ドラゴン」という優秀すぎる複合タイプにあります。
このタイプ構成は、すべてのタイプ相性の中で最も耐性が優秀な組み合わせの一つと言われています。 半減以下に抑えられるタイプが非常に多く、特に現環境で猛威を振るうフェアリー技を等倍で受けられる(本来は弱点だがはがねで相殺)点が評価されています。 いや、それ以上に「はがね技」を一致で打てる点が、対フェアリーにおいて決定的な役割を持つのです。
原種ヌメルゴンとの種族値比較
ここで、原種ヌメルゴンとヒスイヌメルゴンの能力値を比較してみましょう。 この数字を見れば、役割の違いが一目瞭然です。
| ステータス | 原種ヌメルゴン | ヒスイヌメルゴン | 特徴 |
|---|---|---|---|
| HP | 90 | 80 | 若干低下したが耐久指数は高い |
| 攻撃 | 100 | 100 | 物理型も可能な数値を維持 |
| 防御 | 70 | 100 | 大幅上昇 物理耐久が実用圏内に |
| 特攻 | 110 | 110 | 高火力を維持 |
| 特防 | 150 | 150 | 最強クラス 特殊受けとして健在 |
| 素早さ | 80 | 60 | 低下したがトリックルーム適性向上 |
表を見て分かる通り、最大の変更点は「防御」の大幅な上昇と「素早さ」の低下です。 原種ヌメルゴンは物理耐久に不安がありましたが、ヒスイの姿は殻にこもることで物理方面も盤石になりました。 特防150という数値は、伝説のポケモンであるミュウツーやゼルネアスの特殊攻撃すら余裕を持って耐えうる数値です。
素早さが下がったことは一見デメリットに見えますが、後攻で動くことで相手の攻撃を受けてから高火力技を叩き込む「重戦車」としての運用が可能になりました。 また、相手の素早さ操作技の影響を受けにくく、マイペースに戦場を支配できる点も、今の環境にはマッチしています。
環境トップ「ゼルネアス」を1撃で粉砕する破壊力
今回紹介するヒスイヌメルゴンの最大の役割対象。 それは、Zランクマッチの覇者であるゼルネアスです。
ゼルネアスは「ジオコントロール」という積み技により、特攻・特防・素早さを一気に2段階上昇させる怪物です。 一度積まれてしまえば、生半可なポケモンでは止めることができず、そのまま3タテ(3匹全員倒されること)されることも珍しくありません。 しかし、ヒスイヌメルゴンはこのゼルネアスに対して、明確な回答を持っています。
必殺技「てっていこうせん」の採用理由
今回の構成で核となる技が、はがねタイプの最強技「てっていこうせん」です。 威力140、命中95という破格のスペックを持つこの技は、使用後に自分のHPが最大HPの半分(本作の仕様によっては1/4のケースも報告あり)減るというデメリットがあります。 しかし、このデメリットを補って余りあるメリットが存在します。
それは「確定1発」の範囲です。 ゼルネアスが耐久に振っていようが、ジオコントロールを積む前であれば、ヒスイヌメルゴンの命の珠てっていこうせんで、一撃で吹き飛ばすことが可能です。
「攻撃して自主退場する」という動きも、サイクル戦においては有利に働きます。 相手のゼルネアスを処理した後、自らHPを削って後続のエースポケモンを無償降臨させる。 この動きができるだけで、勝率はグッと高まります。
対ゼルネアス ダメージ計算
具体的なダメージ計算を見てみましょう。 ヒスイヌメルゴン(C特化・命の珠) vs ゼルネアス(H振り想定)
| 技名 | ダメージ割合 | 確定数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| てっていこうせん | 100.0%〜 | 確定1発 | ジオコン前なら問答無用で撃破 |
| ラスターカノン | 65.0%〜80.0% | 確定2発 | 積まれる隙を与える可能性がある |
| ヘビーボンバー | 40.0%〜 | 乱数2発 | 物理型の場合。威嚇等で変動あり |
この表からも分かる通り、ラスターカノンでは火力が足りず、返しのムーンフォースや気合玉で押し切られるリスクがあります。 しかし、てっていこうせんならば、そのリスクをゼロにできます。 「当たれば勝ち」という強引な勝ち筋を作れるのが、この型の最大の魅力です。
技構成と持ち物の詳細解説
今回使用するヒスイヌメルゴンの具体的な構成を解説します。 私が実際にランクマッチで使用し、勝率8割を叩き出した構成です。
性格:ひかえめ(特攻↑ 攻撃↓) 持ち物:いのちのたま 努力値:HP252 特攻252 余り防御 技構成:
- てっていこうせん
- 10まんボルト
- れいとうビーム
- まもる
それぞれの採用理由を深く掘り下げていきます。
10まんボルト:対ギャラドス・水タイプへの遂行
ヒスイヌメルゴンは、はがねタイプを持つことで水技を等倍で受けてしまいます。 そのため、ギャラドスやシャワーズといった高耐久水タイプを呼びやすい傾向にあります。 そこで輝くのが「10まんボルト」です。
特にギャラドスに対しては4倍弱点となり、ダイマックス(もしくはメガシンカ等)されていない限りは致命傷を与えられます。 シャワーズに対しても、瞑想を積まれる前に削りを入れる重要な打点となります。 また、エアームドやテッカグヤといった、同族のはがね・飛行タイプへの打点としても欠かせません。
れいとうビーム:対ドラゴン・地面タイプへの回答
はがね・ドラゴンタイプの天敵といえば、じめんタイプです。 特にガブリアスやランドロスは、タイプ一致の「じしん」でヒスイヌメルゴンをワンパン圏内に追い込んできます。 これらへの対抗策として「れいとうビーム」は必須級のサブウェポンです。
ガブリアスに対しては4倍弱点となり、タスキさえなければ一撃で処理できます。 また、カイリューやボーマンダといった飛行・ドラゴン勢に対しても刺さります。 本来苦手な相手に対して、交代読みでれいとうビームを当てることで、サイクルを一気に崩壊させることが可能です。
まもる:様子見とHP管理の要
フルアタ(4つ全ての技が攻撃技)構成も魅力的ですが、私はあえて「まもる」の採用を強く推奨します。 理由は3つあります。
- 相手のZ技やダイマックス技を透かす 今の環境は大技の打ち合いです。 相手の切り札を「まもる」で防ぐことができれば、それだけでアドバンテージを得られます。
- こだわりアイテム持ちの確認 相手がこだわりスカーフやハチマキを持っているかを確認するために、一旦守ることで技を固定させ、安全に後出しするための情報を得ることができます。
- 集中砲火を防ぐ(ダブルの場合) シングルでも、相手の「とびひざげり」等のリスクある技をスカすことで、自滅を狙うことができます。
特に今回のヒスイヌメルゴンは、サイクル戦の中で何度も場に出す運用が想定されるため、不用意な被弾を避ける「まもる」の価値は非常に高いです。
相性補完に優れたパートナー「エアームド」
ヒスイヌメルゴン単体でも強力ですが、ポケモンバトルはチーム戦です。 このポケモンの弱点である「じめん」「かくとう」を完璧にカバーできる相棒が必要です。 それが「エアームド」です。
物理受けとしてのエアームド
エアームドは防御種族値が非常に高く、タイプも「はがね・ひこう」であるため、じめん技を無効化できます。 ヒスイヌメルゴンに対して飛んでくる「じしん」を読んでエアームドに交代する動きは、古来より伝わる鉄板のムーブですが、現代の環境でもその強さは健在です。
また、エアームドが苦手とする「ほのお」「でんき」技は、ヒスイヌメルゴンが高い特殊耐久で受け止めることができます。 この2体の相性補完は芸術的と言えるほど完成されており、相手に「どちらを攻撃すれば通るのか」という強烈な択を迫ることができます。
実際の対戦でのサイクル回し
例えば、相手の初手がガブリアス、こちらがヒスイヌメルゴンの場合。 相手は迷わず「じしん」を選択します。 ここでこちらはエアームドにバックします。 じしんは無効化され、相手はエアームドに対して有効打がない場合、交代を余儀なくされます。
逆に、相手が特殊アタッカーのサンダー等を出してきた場合。 エアームドでは受けきれませんが、ヒスイヌメルゴンなら「10まんボルト」も「熱風」も余裕を持って耐え、返しの技で反撃できます。 この「受けのスイッチ」を繰り返すことで、相手を疲弊させ、最後に「てっていこうせん」でフィニッシュを決める。 これがこの構築の勝利の方程式です。
実戦レポート:Zランクマッチでの活躍
実際に私がZランクマッチに潜り、ヒスイヌメルゴンを使用した際のレポートをお届けします。 理論だけでなく、現場で何が起きたのか。 生々しい対戦の記録から、その強さを感じ取ってください。
ケーススタディ1:対ゼルネアス軸
初手、相手はゼルネアス。こちらはヒスイヌメルゴン。 相手は「ヌメルゴン? 原種か? ならばジオコントロールの起点にしてやる」と考えたのでしょう。 交代もせず、居座りを選択してきました。
私は迷わず「てっていこうせん」を選択。 命の珠の反動ダメージと共に放たれた極太の光線は、HP満タンのゼルネアスを一瞬で蒸発させました。 相手は思考停止したのか、しばらく次のポケモンが出てきませんでした。 おそらく、ダメージ計算が狂い、戦術が根底から崩壊したのでしょう。
これが「初見殺し」の強さです。 ヒスイヌメルゴンがランクマで使えること、そしててっていこうせんの火力を知らないプレイヤーには、この上なく刺さります。
ケーススタディ2:対雨パ(カイオーガ・ラグラージ等)
相手は雨パ。 高火力の水技で押し切る構築ですが、ヒスイヌメルゴンは水技を等倍で受けつつ、高い特防で耐え忍びます。 相手のハイドロポンプを「まもる」でPP枯らししつつ、隙を見て「10まんボルト」で反撃。
特に雨下の必中暴風などを平然と耐える姿は、まさに要塞。 ラグラージが出てきた際はエアームドに引くことで地面技を透かし、サイクル戦で完封勝利を収めました。 特性「そうしょく」であれば草技も無効にできますが、今回は火力重視のため採用していません。それでも十分な耐久力です。
ケーススタディ3:苦手な格闘タイプとの遭遇
ルカリオやエルレイドといった格闘タイプとの対面。 ここは素直に引くのが正解ですが、エアームドが過労死している場面もありました。 その際、HPが満タンであればインファイトを一発耐え、返しの「てっていこうせん」や「だいもんじ(今回は不採用だが選択肢)」で相打ちに持ち込むことも可能です。
しかし、やはり格闘は鬼門。 サブウェポンに「きあいだま」を持つ特殊アタッカー(ミュウツーやフーディン等)にも注意が必要です。 それでもD150の数値は伊達ではなく、不一致のきあいだま程度なら耐えてしまうのが恐ろしいところです。
シーズン4以降の環境変化とヒスイヌメルゴン
まもなくシーズン3が終了し、新たなシーズン4が始まります。 新環境では、セグレイブやデンリュウといったポケモンの使用率上昇が予想されています。
対セグレイブ性能
セグレイブはこおり・ドラゴンタイプ。 ヒスイヌメルゴンは、セグレイブのメインウェポンである氷技もドラゴン技も等倍以下で抑え込むことができます。 一方、こちらからは「てっていこうせん」が抜群で刺さります。 物理耐久も上がっているため、つららばり等の連続技にもある程度耐性があります。 次シーズンでもヒスイヌメルゴンは「メタのメタ」として機能するでしょう。
対パラドックス・準伝説
今後解禁されるであろうパラドックスポケモンや準伝説に対しても、はがね・ドラゴンの耐性は腐ることがありません。 特にハバタクカミのような高速フェアリーアタッカーに対して、後出しから安定して狩れるポケモンは貴重です。 ヒスイヌメルゴンを育成しておくことは、将来の環境への投資とも言えます。
運用上の注意点とカスタマイズ案
完璧に見えるヒスイヌメルゴンですが、運用にはいくつかの注意点があります。 それを理解し、適切にカスタマイズすることで、より勝率を高めることができます。
HP管理のシビアさ
「てっていこうせん」や「命の珠」の反動で、HPがゴリゴリ削れていきます。 そのため、長期戦を行う場合はHP管理が非常にシビアになります。 もしサイクル戦を重視し、場持ちを良くしたいのであれば、持ち物を「たべのこし」や「とつげきチョッキ」に変更するのも一つの手です。
- とつげきチョッキ型: 変化技(まもる)が使えなくなりますが、特殊耐久がさらに1.5倍になります。 特殊アタッカーとの打ち合いでは負け知らずの要塞となります。 この場合、技構成は「ラスターカノン」「りゅうせいぐん」「だいもんじ」「10まんボルト」等のフルアタになります。
- たべのこし型: 「たてこもる(防御UP技)」や「とける」を採用し、要塞化する型です。 ボディプレスを採用すれば、防御に振った努力値を攻撃に転用できます。 詰ませ性能は高いですが、ゼルネアスをワンパンする役割からは外れます。
素早さの低さをカバーする
素早さ種族値60は、激戦区の下に位置します。 上から殴られることが前提となるため、被弾回数が増え、急所に当たる事故も増えます。 また、相手の「みがわり」展開に対して後手に回ることが多いため、音技(バークアウト等)の採用も検討の余地があります。
まとめ
ヒスイヌメルゴンの衝撃的な解禁は、Zランクマッチの環境を大きく変えました。 特に対ゼルネアス性能においては、右に出る者はいないと言っても過言ではありません。
- 入手方法:M次元ラッシュをクリアし、解禁を待て。
- 役割:対特殊アタッカー、特に対フェアリー(ゼルネアス)の最終兵器。
- 戦術:命の珠てっていこうせんで、積まれる前に粉砕する。
- 構築:エアームド等の物理受け・地面無効枠と組ませる。
もしあなたが、今のランクマッチで勝ち悩み、伝説のポケモンのパワーに押しつぶされそうになっているなら。 今すぐM次元ラッシュをクリアし、この殻にこもったドラゴンを相棒に迎えてください。 その圧倒的な耐久と火力は、あなたのレートを確実に押し上げてくれるはずです。
環境は常に変化しますが、優秀な耐性と種族値を持つポケモンは決して腐りません。 ヒスイヌメルゴンは、今シーズンの覇権を握る鍵であり、次シーズン以降も形を変えて生き残るポテンシャルを秘めています。 さあ、あなたも鋼鉄の輝きと共に、ランクマッチの頂点を目指しましょう。






