編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、話題の新作『オクトパストラベラー0(オクトラ0)』を購入しようか迷っている、あるいはプレイ中で「あとどれくらいで終わるんだろう?」とクリアまでの所要時間が気になっていると思います。
特に今作は、シリーズ初となる「キャラメイク」や「タウンビルド」といった新要素が盛り込まれており、従来のシリーズファンでもボリューム感が掴みづらいのが正直なところでしょう。また、同時期に『メトロイドプライム4』などのビッグタイトルも控えているため、プレイ時間の配分に悩むゲーマーも多いはずです。
この記事を読み終える頃には、あなたのプレイスタイルに合わせたクリア時間の目安と、本作の真のボリューム感が把握でき、安心して冒険に没頭できる疑問が解決しているはずです。
- メインストーリー完走までは約50時間前後が目安
- やり込み要素を含めると100時間を超える圧倒的ボリューム
- 新要素「タウンビルド」への没頭度で時間は大きく変動する
- シリーズ初のキャラメイクと単独主人公制で没入感が段違い
それでは解説していきます。
クリア時間の目安:オクトパストラベラー0の基本ボリューム
メインストーリークリアまでの平均時間
結論から申し上げますと、メインストーリーを一直線に追いかけてクリアするだけでも、およそ50時間前後のプレイ時間を要します。
これは、会話イベントをしっかり読み、適度なレベル上げを行い、迷うことなく進んだ場合の標準的なタイムです。 私が実際にプレイした感触としても、近年のJRPGの中では標準的、あるいはややボリューミーな部類に入ると感じました。
なぜ「50時間」という時間がかかるのか、その内訳を紐解いてみましょう。
- 広大なフィールド移動と探索
- ボス戦における戦略的な長期戦
- 随所に挟まるイベントシーン
- 装備の更新やアビリティ習得などのメニュー操作
これらが積み重なり、決して短くはない、しかし長すぎてダレることのない絶妙な50時間となっています。 特に今作は、従来の「8人の群像劇」から「1人の主人公による王道ストーリー」へと構成が変化しています。 そのため、物語の密度が一点に集中しており、中だるみすることなくエンディングまで駆け抜けられる設計になっています。
もしあなたが、「週末に少しずつ進める」タイプのプレイヤーであれば、約1ヶ月〜1ヶ月半ほど楽しめる計算になります。 フルプライスのゲームとして、十分に元が取れる満足感を得られるでしょう。
完全クリア(コンプリート)にかかる時間
一方で、本作の真骨頂である「やり込み要素」を全て網羅しようとすれば、プレイ時間は優に100時間を超えます。
ここで言う「完全クリア」とは、以下のような状態を指します。
- 全てのサブクエストの達成
- タウンビルド(街づくり)の施設最大強化
- 隠しダンジョン・裏ボスの攻略
- 最強装備の収集
- キャラクターのアビリティ全開放
特に今作の目玉である「タウンビルド」は、時間を忘れさせる魔力を持っています。 素材を集め、施設を建て、NPCを招き入れる。このサイクルにハマると、メインストーリーを放置して何十時間も街づくりに没頭してしまうことでしょう。
私の体感では、タウンビルドに凝り始めた時点で、クリア時間は青天井になると感じています。 「100時間オーバー」というのはあくまで目安であり、こだわりの強いプレイヤーであれば150時間、200時間と遊び続けることも決して不可能ではありません。
過去作と比較しても、この「横への広がり(寄り道要素)」の深さはシリーズ随一と言えます。 HD-2Dで描かれた美しい世界に長く浸っていたい人にとって、これほど嬉しい悲鳴はないでしょう。
過去シリーズとのプレイ時間比較
ここで、歴代『オクトパストラベラー』シリーズと、今作『0』のボリューム感を比較してみましょう。 シリーズ経験者の方は、この表を見ることでより具体的なイメージが湧くはずです。
| タイトル | メインクリア目安 | コンプリート目安 | ストーリー構成の特徴 |
|---|---|---|---|
| オクトパストラベラー (初代) | 60時間 | 80~100時間 | 8人の物語を並行して進める |
| オクトパストラベラーII | 70時間 | 100~120時間 | 8人の物語+クロスストーリー |
| オクトパストラベラー0 (今作) | 50時間 | 100時間以上 | 単独主人公+タウンビルド |
表を見て気付く方もいるかもしれませんが、メインストーリーのクリア時間自体は、過去作(特にII)に比べて若干コンパクトになっている印象を受けます。
これは、「8人全員分の第1章〜第4章を巡る」という従来の強制的な周回構造がなくなったためです。 しかし、その分**「100時間以上」の枠に含まれる密度が濃くなっています**。
「やらされる」時間の長さではなく、「やりたくてやってしまう」時間の長さ。 それが『オクトパストラベラー0』のボリューム設計の特徴と言えるでしょう。 メインだけサクッと楽しみたい人も、骨の髄までしゃぶり尽くしたい人も、どちらも満足できるハイブリッドな構成に進化したと評価できます。
時間泥棒となる新要素:タウンビルドとキャラメイク
自由度の高いタウンビルド機能
本作のプレイ時間を大きく左右する最大の要因、それが新実装された**「タウンビルド(街づくり)」**機能です。
これは単なるオマケ要素ではありません。ゲームの進行において極めて重要な、そして恐ろしく中毒性の高いシステムです。 従来のRPGでよくある「復興イベント」のような受動的なものではなく、プレイヤーが主体的に街を設計できる点が特徴です。
- 施設の建設と配置
- 武器屋、道具屋だけでなく、畑や牧場なども設置可能。
- 配置によって効率が変わるため、シムゲーム的な思考も求められます。
- NPCの勧誘と配置
- 世界中を旅して出会った人々を、自分の街に住まわせることができます。
- 住人によって街の発展度や入手できるアイテムが変化します。
- 資源管理と生産
- 畑で作物を育て、それをアイテムに加工するクラフト要素。
これらの要素が、メインストーリーの合間に絶妙に差し込まれます。 「あと少し素材が集まれば、新しい武器屋が建つ」「あのNPCを勧誘してから次のダンジョンに行きたい」 そう考えているうちに、気づけば数時間が経過していることもしばしば。
『あつまれ どうぶつの森』や『マインクラフト』、あるいは『ダーククラウド』のような「自分の拠点を作る」楽しさが好きな人であれば、この機能だけで数十時間は遊べてしまうでしょう。 このタウンビルドこそが、クリア時間を「50時間」から「100時間」へと引き上げる最大の要因なのです。
自分だけの主人公を作れるキャラクターメイキング
もう一つの大きな時間消費ポイント、それがシリーズ初となる**「キャラクターメイキング」**です。
ゲーム開始直後、ここで数十分〜1時間ほど足止めを食らうプレイヤーも多いのではないでしょうか。 今作では、固定された8人の主人公から選ぶのではなく、プレイヤー自身が分身となるアバターを作成します。
- 見た目のカスタマイズ
- 髪型、顔のパーツ、肌の色など、HD-2Dのドット絵とかわいい立ち絵の両方に反映される細かな調整が可能。
- 出自とステータス設定
- 生まれや職業(ジョブ)の初期設定を選ぶことで、序盤の攻略難易度やイベントの会話内容が微妙に変化します。
「世界にただ一人の主人公」を作れるという点は、没入感を高める上で非常に大きな効果を上げています。 過去作では「このキャラの設定はこうだから」と一歩引いて見ていた物語も、自分自身のアバターが主人公になることで、より自分ごとの冒険として捉えられるようになります。
こだわりの強い人は、ここで何度も作り直したり、理想の見た目を追求したりするでしょう。 この「準備の時間」もまた、ゲームの楽しさの一部であり、総プレイ時間に含まれる愛すべき時間と言えます。
ストーリー構成の刷新と没入感
8人から1人へ:単独主人公制の採用
『オクトパストラベラー』というタイトル(8人の旅人)にも関わらず、今作『0』では主人公が1人に固定されています。 これについては発売前から賛否両論ありましたが、実際にプレイしてみると、この変更がストーリーの「太さ」と「テンポ」に大きく貢献していることがわかります。
従来の「8人それぞれの短編集を集めたような構成」は、自由度が高い反面、どうしても物語の繋がりが薄く、盛り上がりのピークが分散してしまうという弱点がありました。 しかし今作では、1人の主人公の視点を通して、世界の謎や大きな運命のうねりを描く「王道JRPG」のスタイルを採用しています。
これによるメリットは以下の通りです。
- 感情移入のしやすさ
- 視点がブレないため、物語の展開に深く入り込めます。
- 中だるみの解消
- 「次のキャラの第1章をやらなきゃ…」という作業感がなくなり、常にメインの目的意識を持って進められます。
- 仲間との絆の描写
- 旅の途中で出会う仲間たちとの関係性が、より深く、ドラマチックに描かれます。
「オクトパスじゃないじゃないか」という声もありますが、実際に遊んでみると「これぞ求めていた冒険だ」と感じる人は多いはずです。 1本の太い幹があるからこそ、枝葉であるサブクエストやタウンビルドが活きてくる。 そんな計算された構成になっています。
クエスト追跡機能とファストトラベルの快適性
ボリュームが大きいゲームで懸念されるのが、「次にどこに行けばいいか分からない」「移動が面倒くさい」というストレスです。 しかし、『オクトラ0』ではこの点に対する配慮も完璧です。
- クエスト追跡機能
- メインクエスト、サブクエスト共に、目的地がマップ上に明確に表示されます。
- 「何をすればいいか忘れた」という事態が起きにくく、久しぶりの起動でもスムーズに復帰できます。
- ファストトラベルの充実
- 一度訪れた街やダンジョンの入り口には、瞬時に移動可能。
- ロード時間も比較的短く、ストレスフリーな移動が実現されています。
これらの快適なシステム(QoL向上)のおかげで、純粋なプレイ時間の多くを「移動」や「迷子」ではなく、「遊び」に費やすことができます。 50時間や100時間という数字は、無駄な引き伸ばしではなく、純度の高いゲーム体験の積み重ねであると言えるでしょう。
戦闘システムと育成の深み
進化したブレイク&ブースト
シリーズの代名詞とも言える**「ブレイク&ブースト」**システムは今作も健在です。
- ブレイク:敵の弱点を突いてシールドを削り、無防備な状態にする。
- ブースト:ターン経過で溜まるBP(ブーストポイント)を消費し、行動を強化・連続化する。
この基本システムに、新たなジョブやアビリティ、そしてタウンビルドで開発したアイテムなどの要素が加わり、戦略性はさらに増しています。 雑魚戦ですら、効率よくブレイクして1ターンで殲滅するパズル的な快感があり、強敵とのボス戦では、いつブーストを切るかという手に汗握る駆け引きが楽しめます。
戦闘のテンポ自体は良好ですが、ボス戦は歯ごたえがあるため、1戦あたり15分〜20分かかることもザラにあります。 この「熱中する戦闘時間」も、全体のボリュームを構成する重要な要素です。 単なる作業ゲーにならず、常に思考を巡らせる必要があるため、プレイ時間以上に「遊んだ!」という満足感(あるいは疲労感)を得られるでしょう。
終わらない育成要素
キャラクターの育成も底が見えません。 レベル上げだけでなく、ジョブポイント(JP)を使ったアビリティの習得、サポートアビリティの組み合わせ、装備の厳選など、強化の手段は多岐にわたります。
特に今作では、タウンビルドで特定の施設を建てることで、特殊な装備やアビリティが解禁される要素もあります。 「あのスキルを覚えるために、まずは畑を拡張して、素材を集めて…」といった具合に、育成と街づくりが連動しているため、育成モチベーションが途切れることがありません。
全キャラクターを最強の状態にしようと思えば、それこそ200時間あっても足りないかもしれません。 育成好きのプレイヤーにとっては、まさに「時間泥棒」なゲームデザインとなっています。
実際のプレイヤーの声:ボリュームに関する評価
ここでは、先行してプレイしているユーザーや、ネット上のレビューから見えてくる「ボリュームに関する生の声」を分析します。
肯定的な意見
- 「無駄な水増しがなく、密度が濃い」
- 以前の作品で感じた「全員分のストーリーを見るための作業感」がなくなり、純粋に物語と探索を楽しめるという声が多数。
- 「タウンビルドが楽しすぎて本編が進まない」
- 良い意味での悲鳴です。自分のペースで遊べるサブコンテンツの充実ぶりが高く評価されています。
- 「100時間遊べるRPGとしてコスパ最強」
- 昨今のゲーム価格上昇の中で、これだけ長く遊べるなら安いものだという意見も見られます。
懸念点・否定的な意見
- 「8人の群像劇が好きだった人には物足りないかも」
- ボリュームの問題というよりは、構成の好みの問題ですが、「8通りの人生」を楽しみたい人には、1本道が少し寂しく感じることもあるようです。
- 「やり込み要素が多すぎてコンプリートが大変」
- 社会人プレイヤーからは、嬉しい反面、時間が足りないという悩みも。ただし、マイペースに進められる設計なので、大きな不満には繋がっていないようです。
全体として、「ボリューム不足」を嘆く声は皆無に等しいです。 むしろ、「要素が多すぎて遊び尽くせるか心配」という贅沢な悩みが支配的です。
まとめ
『オクトパストラベラー0』のクリア時間とボリュームについて徹底解説してきました。 最後に、この記事の要点をまとめます。
- メインストーリーのクリア時間は約50時間が目安
- 王道のJRPGとして十分な満足感が得られる長さです。
- やり込み要素を含めると100時間を超える
- タウンビルド、サブクエ、裏ボスなど、クリア後の世界も広大です。
- 「タウンビルド」と「キャラメイク」が時間の鍵
- これらにどれだけこだわるかで、プレイ時間は倍以上に膨れ上がります。
- 単独主人公による濃密な物語体験
- 過去作とは異なる「太い」ストーリーラインが、中だるみのない冒険を約束します。
- QoLの向上でストレスフリー
- 移動や探索の快適性が上がっており、プレイ時間のほとんどを「楽しい時間」として過ごせます。
もしあなたが、『メトロイドプライム4』などの他作品との兼ね合いで迷っているなら、こうアドバイスします。 「まずはメインストーリー50時間を目標に遊び、気に入ったら街づくりで沼にハマればいい」
体験版のセーブデータ引き継ぎも可能ですので、まずは無料で序盤の雰囲気を味わってみるのも良いでしょう。 HD-2Dの美しい世界で、あなただけの街を作り、あなただけの冒険を紡ぐ。 そんな贅沢な時間が『オクトパストラベラー0』には待っています。
この記事が、あなたの購入の決断やプレイの参考になれば幸いです。 それでは、良き旅を!






