編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、本作『ポケモンレジェンズ Z-A』で復活を遂げた最強の忍、メガゲッコウガの育成論や努力値調整が気になっていると思います。特に今作では対戦環境がガラリと変わり、従来の常識が通用しない場面も増えてきました。私自身、ランクマッチで数百戦運用し、最適解を模索し続けてきました。
この記事を読み終える頃には、あなたのパーティにフィットする最強のメガゲッコウガの努力値振りと、ランクマで勝ち抜くための具体的な戦術の疑問が解決しているはずです。
- 高速アタッカー性能を最大化するCS・ASぶっぱ調整
- 環境メタを意識した両刀型の最適解と技構成
- クエーサー社やサビ組事務所を活用した最高効率育成
- メガカケラとドーピングアイテムの資金運用術
それでは解説していきます。
メガゲッコウガの基本スペックと今作での立ち位置
『ポケモンレジェンズ Z-A』において、メガシンカというシステムが再構築され、その筆頭として注目を浴びているのがメガゲッコウガです。まずは努力値を振る前に、このポケモンがなぜ強いのか、そして今作の環境でどのような立ち位置にいるのかを深く理解する必要があります。ここを理解していないと、ただテンプレート通りの数値を振っただけの「動かない彫像」になってしまいます。
圧倒的な素早さと火力の両立:種族値データ解析
メガゲッコウガの最大の魅力は、やはりその圧倒的な「素早さ」と「火力」の両立にあります。通常のゲッコウガの時点でもトップクラスの素早さを誇りますが、メガシンカすることによってその数値はさらに跳ね上がります。
以下に、メガゲッコウガの種族値を可視化し、その脅威を分析します。
| ステータス | ゲッコウガ | メガゲッコウガ | 増減 | 解説 |
|---|---|---|---|---|
| HP (H) | 72 | 72 | ±0 | 耐久ラインは平均以下。等倍の高火力技で確1を取られるレベル。 |
| 攻撃 (A) | 95 | 145 | +50 | 物理アタッカーとして一線級の数値に。ガブリアス(A130)を大きく超える。 |
| 防御 (B) | 67 | 67 | ±0 | 物理耐久は紙。先制技(マッハパンチ等)が致命傷になりうる。 |
| 特攻 (C) | 103 | 153 | +50 | 特殊火力も超一級品。伝説のポケモンに匹敵する数値。 |
| 特防 (D) | 71 | 71 | ±0 | 特殊耐久も低いが、Bよりはマシ。不一致弱点なら耐える可能性も。 |
| 素早さ (S) | 122 | 132 | +10 | この+10が環境を分ける。130族(カプ・コケコ、メガゲンガー)を抜けるかが重要。 |
| 合計 | 530 | 640 | +110 | 一般ポケモンとしては破格の合計値。 |
このデータから読み取れるのは、「攻撃性能は神レベルだが、耐久は紙レベル」という極端な性質です。 ランクマッチにおいて「上から殴れる」という事実は、それだけで勝率に直結する重要な要素です。特に今作の環境には、カロス地方特有の強力なフェアリータイプや、耐久力の高い鋼タイプが多数存在します。それらを相手にする際、相手が行動する前に致命傷を与えたり、あるいは「とんぼがえり」で有利対面を作り直したりできるアドバンテージは計り知れません。
素早さ132族の優位性と環境のSライン
素早さ種族値「132」という数値は、対戦環境において非常に絶妙かつ強力なラインです。以下に、PLZA環境における主要な素早さランキング(S種族値)をまとめました。
- S150: メガフーディン
- S145: メガスピアー
- S135: メガライボルト、メガミミロップ
- S132: メガゲッコウガ
- S130: カプ・コケコ、メガゲンガー、サンダース
- S126: ファイアロー(疾風の翼)
- S125: マニューラ
- S122: ゲッコウガ(通常)
- S120: メガボーマンダ
見て分かる通り、激戦区である「130族」をわずか「2」上回っています。これにより、カプ・コケコやメガゲンガーに対して、性格補正と努力値を最大まで振っていれば確定で先制できます。この「確定先制」こそが、メガゲッコウガを採用する最大の理由の一つです。 逆に言えば、素早さ努力値を少しでも削ると、これら130族に抜かれて即死するリスクが発生します。これが、後述する努力値調整で「Sぶっぱ(252振り)」を強く推奨する根拠となります。
特性「へんげんじざい」と「きずなへんげ」の仕様理解
今作のメガゲッコウガを語る上で欠かせないのが特性の仕様です。過去作から調整が入っている部分もあり、ここを勘違いしていると努力値の振り方を間違えます。
基本的には、技を出す直前にそのタイプに変化する「へんげんじざい(またはリベロと同様の効果)」を前提とした運用がメインになります。これにより、すべての攻撃技をタイプ一致(威力1.5倍)で放つことが可能です。
- 攻撃面のメリット: すべての技がタイプ一致補正(1.5倍)乗算。実質的に種族値以上の火力を発揮。
- 防御面のメリット: 相手の技に合わせてタイプを変えることで、弱点を消したり半減で受けたりするテクニカルな動きが可能。
- 例:相手の「10まんボルト(電気)」読みで「ダストシュート(毒)」や「れいとうビーム(氷)」を使う → 電気技が等倍になる。
- 例:相手の「格闘技」読みで「かげうち(ゴースト)」を使う → 格闘技を無効化(透かす)。
努力値を攻撃(A)や特攻(C)に極振り(252振り)することで、このタイプ一致補正が乗り、等倍相手でも強引に突破できる火力を手に入れることができます。耐久無振りのアタッカー同士の対面であれば、水手裏剣のような先制技ですら致命傷になり得るのです。
物理型か特殊型か、それとも両刀か
メガゲッコウガの種族値は攻撃と特攻が共に高く設定されています。これが育成の自由度を高めると同時に、トレーナーを悩ませる要因でもあります。
- 物理型: 「ダストシュート」や「けたぐり」といった高威力なサブウェポンが魅力。特にフェアリータイプへの打点を持てるのが大きい。
- 特殊型: 「ハイドロポンプ」「あくのはどう」「れいとうビーム」といった安定かつ広範囲な技が揃う。威嚇の影響を受けないのが強み。
- 両刀型: 両方のメリットを享受できるが、努力値調整がシビアで耐久が紙になる。
本記事では、これら全ての型に対応した努力値調整を紹介していきますが、まずは自分が「どの技をメインに据えたいか」をイメージしながら読み進めてください。
物理アタッカー型(ASベース)の努力値調整
まずは、環境に多い特殊受けを崩壊させるための「物理アタッカー型」について解説します。意表を突く高火力で、相手の計算を狂わせるのがこの型の醍醐味です。
努力値配分:ASぶっぱの哲学
もっともシンプルかつ強力なのが、攻撃(A)と素早さ(S)に最大まで振り切るスタイルです。
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50想定) | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 0 | 147 | 奇数調整(4n-1等は考慮不要なレベルで耐久が低い) |
| 攻撃 (A) | 252 | 197 | 物理火力の最大化。確定数をズラすため必須 |
| 防御 (B) | 4 | 88 | 先制技(カイリューの神速など)への乱数耐え意識 |
| 特攻 (C) | 0 | – | (下降補正) |
| 特防 (D) | 0 | 91 | – |
| 素早さ (S) | 252 | 202 | 最速130族抜き(実数値200)を確実に抜く |
【性格】: ようき(素早さ↑ 特攻↓) または いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓)
基本的には「ようき」推奨です。激戦区の素早さラインにおいて、最速であることは何よりも優先されるべきステータスです。 「いじっぱり」にすると攻撃実数値は「216」まで伸びますが、素早さ実数値が「184」まで落ちます。これは最速115族(ライコウ、アグノム等)と同速になり、120族以上のポケモンに抜かれる致命的なデメリットとなります。明確な仮想敵(低速サイクル崩しなど)がいない限りは「ようき」を選びましょう。
物理型のダメージ計算リスト(目安)
「ようきAS252振り」における、主要な環境ポケモンへのダメージ計算です。
- ダストシュート
- H252カプ・レヒレ: 82.4%〜98.3%(確定2発、ステロ込みで高乱数1発)
- H4カプ・コケコ: 104.7%〜124.6%(確定1発)
- H252マリルリ: 99.5%〜117.8%(超高乱数1発 93.7%)
- HB特化ニンフィア: 102.9%〜121.7%(確定1発)
解説: フェアリーへの殺意が凄まじいです。特にニンフィアなどの特殊受けをワンパンできるのは物理型最大の特権です。
- けたぐり(威力は相手の重さ依存)
- H252バンギラス: 112.0%〜133.3%(確定1発)
- H4メガガルーラ: 78.4%〜92.8%(確定2発)
- H252ヒードラン: 84.8%〜100.0%(超低乱数1発 6.3%)
解説: 鋼・岩・ノーマルへの打点。バンギラスを一撃で粉砕できるのが魅力。ヒードランには少し足りないため、少し削ってから入れる必要があります。
- たきのぼり
- H4ウルガモス: 100.6%〜119.2%(確定1発)
- H252ヒートロトム: 85.3%〜101.2%(低乱数1発)
解説: 命中100の安定打点。20%の怯み効果も、Sの速いゲッコウガなら試行回数を稼ぎやすく強力な勝ち筋になります。
物理型の強みと採用技候補の詳細
物理型にする最大の理由は「ダストシュート」の存在です。メガゲッコウガの天敵であるフェアリータイプに対して、タイプ一致の高火力毒技を叩き込めるのは唯一無二の強みです。
- ダストシュート
- メリット: 威力120。フェアリー、草への最大打点。毒の追加効果(30%)も優秀。
- デメリット: 命中80。外した瞬間に負けに直結するリスクがある。
- けたぐり
- メリット: 鋼タイプやノーマルタイプへの打点。重量級に対して威力100〜120が出る。
- デメリット: 軽い相手(カミツルギなど)には威力が低い。
- かげうち
- メリット: 先制技。ゴーストタイプになることで、カイリューの「しんそく」や格闘技を無効化(透かし)できるテクニカルな技。
- デメリット: 威力が40と低い。あくまでトドメ用や透かし用。
- とんぼがえり
- メリット: サイクル戦の要。物理技なのでA振りの恩恵を受けやすい。不利対面からの脱出。
- デメリット: 相手の「さめはだ」や「ゴツゴツメット」のダメージを受ける。
- いわなだれ / がんせきふうじ
- メリット: リザードンYやウルガモスへの打点。がんせきふうじはS操作も可能。
- デメリット: 命中不安や威力の低さ。
物理型は「見えない勝ち筋」を作りやすいのが特徴です。相手が「特殊型だろう」と高を括って特防の高いポケモン(ラッキー、ハピナス、チョッキ持ち等)を後出ししてきた瞬間に、物理技で返り討ちにする快感は、この型でしか味わえません。
特殊アタッカー型(CSベース)の努力値調整
次に、最もメジャーで汎用性の高い「特殊アタッカー型」です。技範囲の広さと命中の安定感から、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる構成です。
努力値配分:CSぶっぱの安定感
こちらもAS型同様、特攻(C)と素早さ(S)への極振りが基本となります。
| ステータス | 努力値 | 実数値(Lv50想定) | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| HP (H) | 0 | 147 | 奇数調整 |
| 攻撃 (A) | 0 | – | イカサマのダメージ軽減のため低い方が良い(A個体値0推奨) |
| 防御 (B) | 0 | 87 | – |
| 特攻 (C) | 252 | 205 | 特殊火力の最大化 |
| 特防 (D) | 4 | 92 | ダウンロード対策でB<Dになるよう調整 |
| 素早さ (S) | 252 | 202 | 最速 |
【性格】: おくびょう(素早さ↑ 攻撃↓)
特殊型の場合、攻撃のステータスは不要どころか、相手の「イカサマ」や「混乱自傷」のダメージを増やすデメリットになり得ます。そのため、性格は「おくびょう」一択と言っても過言ではありません。 また、余りの4を特防(D)に振ることで、実数値をB87 < D92とします。これにより、ポリゴン2などの特性「ダウンロード」対策(特防より防御が低いと特攻が上がる)を施すのが、玄人の嗜みです。もしBに振ってしまうと、B88、D91となり、Cが上がってしまい受からなくなる可能性があります。
特殊型のダメージ計算リスト(目安)
「おくびょうCS252振り」における、主要な環境ポケモンへのダメージ計算です。
- れいとうビーム
- H4ガブリアス: 178.2%〜210.8%(確定1発)
- H4メガボーマンダ: 159.0%〜189.4%(確定1発)
- HD特化サンダー: 58.8%〜70.0%(確定2発)
- H252カバルドン: 66.9%〜79.0%(確定2発)
解説: 4倍弱点を持つドラゴンや地面タイプに対して圧倒的。サンダーなどの耐久型も2発で落とせる火力を持ちます。
- あくのはどう
- H252ギルガルド(シールド): 53.8%〜64.6%(確定2発)
- H252クレセリア: 50.2%〜59.0%(確定2発)
- H4メガメタグロス: 89.1%〜105.1%(乱数1発 31.3%)
解説: 等倍範囲が広く、通りが良い。ギルガルドやクレセリアといった高耐久エスパー・ゴーストに対する安定打点。20%の怯みを引けば、確定数を無理やりずらせます。
- ハイドロポンプ
- H252カバルドン: 120.9%〜142.3%(確定1発)
- H4バシャーモ: 151.2%〜178.2%(確定1発)
解説: 命中不安さえ目を瞑れば最強の火力。等倍でも相当な負担をかけられます。
- くさむすび(威力は相手の重さ依存)
- H252カプ・レヒレ: 54.2%〜64.4%(確定2発)
- H252スイクン: 56.0%〜66.6%(確定2発)
- H252メガギャラドス: 50.4%〜60.3%(確定2発)
解説: 苦手な水タイプへの対抗策。特に重量級の水タイプ(ギャラドス、スイクン、ラグラージ)に刺さります。
特殊型の強みと採用技候補の詳細
特殊型の魅力は、何と言っても「れいとうビーム」や「あくのはどう」といった、命中100でかつ追加効果も優秀な技が揃っている点です。
- ハイドロポンプ
- メリット: 最大火力(威力110)。外しのリスクはあるが、抜き性能を高めるなら必須級。
- デメリット: 命中80。ここぞという場面で外す「ドロポン外し」はポケモンの風物詩。
- なみのり / ねっとう
- メリット: 命中100。ねっとうは30%火傷が強力で、物理アタッカーを機能停止にできる。
- デメリット: 威力が90(ねっとうは80)と控えめ。確定1発ラインが大きく下がる。
- あくのはどう
- メリット: 命中100。20%の怯み効果が凶悪。Sの高いゲッコウガが撃つことで無限の勝ち筋を生む。
- デメリット: 威力80と少し低い。
- れいとうビーム
- メリット: ドラゴン、草、地面、飛行に刺さる必須サブウェポン。4倍弱点狙いで多くのドラゴンを沈黙させる。
- デメリット: 鋼や水タイプには半減される。
- くさむすび
- メリット: 水タイプや地面タイプへの打点。特に重量級の水タイプ(ラグラージ、カバルドン等)に有効。接触技ではないのでゴツメも触らない。
- デメリット: 軽い相手(ロトム等)にはダメージが出ない。
- みずしゅりけん
- メリット: 特殊技扱いになった先制技。連続技(2〜5回)なので「きあいのタスキ」や「みがわり」に強い。
- デメリット: 威力が安定しない。
特殊型は「計算できる強さ」があります。物理型のような命中不安や相手の防御力に左右される要素が少なく、ダメージ計算通りの戦果を期待しやすいのが最大のメリットです。
上級者向け:両刀型(ACS調整)の極意
ここからは、物理と特殊の両方の技を採用する「両刀型」の調整について解説します。ランクマッチ上位帯で勝ち抜くためには、この複雑な調整が必要になる場面が多々あります。
なぜ両刀にするのか?:環境メタの観点
「ダストシュートは入れたいけど、メインウェポンは特殊の水技がいい」「れいとうビームでドラゴンを見つつ、ハピナスやラッキーをけたぐりで突破したい」。こういった欲張りな要望を叶えるのが両刀型です。
しかし、努力値は合計で510までしか振れません。AとCの両方に振れば、当然耐久や素早さを削る必要が出てきます。メガゲッコウガの場合、耐久は元々無いに等しいので削れますが、素早さは削れません。つまり、AとCの配分バランスが非常にシビアになります。
努力値配分例:役割対象特化の詳細調整
【性格】: むじゃき(素早さ↑ 特防↓) または せっかち(素早さ↑ 防御↓)
両刀型の場合、素早さを上げつつ、攻撃か特攻のどちらかを下げない性格を選ぶ必要があります。
- むじゃき: 防御は維持、特防ダウン。先制技(物理)が多い環境ならこちら推奨。
- せっかち: 防御ダウン、特防維持。ダウンロード対策や特殊技読みで繰り出すならこちら。
一般的には、カイリューの「しんそく」やミミッキュの「かげうち」等の物理先制技への耐性を少しでも残すため、防御を下げない**「むじゃき」**が採用されやすい傾向にあります。
調整案①:対フェアリー・ドラゴン混合型(ダストシュート採用)
- 目的: カプ系(レヒレ、テテフ、コケコ)をダストシュートで処理しつつ、ガブリアスやランドロスを冷ビで処理する。
| ステータス | 努力値 | 実数値 | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| 攻撃 (A) | 148 | 184 | H252カプ・レヒレをダストシュートで最低乱数以外1発(93.7%) |
| 特攻 (C) | 108 | 187 | H4ガブリアスをれいとうビームで確定1発 |
| 素早さ (S) | 252 | 202 | 最速キープ |
| HP/B/D | 0/0/0 | – | 余りなし |
- 解説: 最もバランスが良い調整です。A148振りにより、ダストシュートの実質威力が保証されます。Cは削れていますが、れいとうビームは4倍弱点を突くことが前提なので、これでも十分なオーバーキル火力が出ます。
調整案②:対受けループ破壊型(けたぐり・くさむすび採用)
- 目的: バンギラス、ラッキー、ハピナス、ヤドランなどの高耐久受けポケモンを崩す。
| ステータス | 努力値 | 実数値 | 調整意図 |
|---|---|---|---|
| 攻撃 (A) | 44 | 171 | H252バンギラスをけたぐりで確定1発 |
| 特攻 (C) | 212 | 200 | 特殊火力を可能な限り高く維持(H252ヤドランをあくのはどうで確2) |
| 素早さ (S) | 252 | 202 | 最速キープ |
| HP/B/D | 0/0/0 | – | – |
- 解説: Aを最低限(バンギ確1ライン)に抑え、残りをCに回した形です。これにより、特殊アタッカーとしての汎用性を保ちつつ、特定の物理弱点を持つ受けポケモンだけをピンポイントで狩ることができます。
耐久調整とSラインの考察(玄人向けコラム)
ここでは「ぶっぱ」以外の選択肢について、少しマニアックな考察を行います。
HP調整の美学
メガゲッコウガは耐久が低いとはいえ、HPの数値を微調整することで生存率が変わる場面があります。
- 16n-1調整(実数値143 or 159)
- 天候ダメージ(砂嵐、あられ)や火傷ダメージなどの定数ダメージが最小になる調整。
- HPに努力値を振る余裕はほぼないため、個体値を調整するか、少しだけ努力値を振る必要がありますが、AやCを削るリスクと天秤にかける必要があります。
- 奇数調整
- HP実数値を奇数にすることで、ステルスロックのダメージを4回耐えられるようにする等のメリットがあります。
- 無振りで実数値147(奇数)なので、基本はそのままでOKです。
素早さを落とす選択肢はあるか?
結論から言うと、**「ほぼ無い」**です。 Sを削って耐久に回したところで、確定耐えできる技はほとんど増えません。それよりも、同速対決(相手のメガゲッコウガ)や、130族とのスピード勝負を放棄するリスクの方が遥かに大きいです。 唯一例外があるとすれば、「めざめるパワー(炎)」などを採用するために個体値を妥協せざるを得ない場合(S個体値30等で実数値が下がる)ですが、PLZAでめざパが存在するか、または王冠システムですごいとっくんが可能かによります。基本は最速(S252)が絶対正義と考えてください。
ポケモンレジェンズZAにおける努力値の効率的な稼ぎ方
さて、理想の努力値配分が決まったところで、実際にゲーム内でどのように努力値を振るべきか、本作『ポケモンレジェンズ Z-A』特有のシステムに沿って解説します。
本作では、努力値振りはストーリークリア後の「やり込み要素」として位置づけられており、効率的な手法を知っているかどうかで育成時間が数時間変わってきます。
1. ドーピングアイテムを使う(最高効率・金策必須)
私が最も推奨する方法は、ドーピングアイテムによる即時強化です。 これらは、各地のポケモンセンター内ショップ(フレンドリィショップ)で購入可能です。
- マックスアップ (HP+10)
- タウリン (攻撃+10)
- ブロムヘキシン (防御+10)
- リゾチウム (特攻+10)
- キトサン (特防+10)
- インドメタシン (素早さ+10)
【仕様解説】 1個で努力値が「10」入ります。 過去作では「努力値100までしかドーピングできない」という制限があった時代もありましたが、現在は**「252(最大)」まで全てドーピングで上げることが可能**です。 つまり、252振るためには26個必要となります。(26個 × 10 = 260 ですが、上限の252で止まる仕様になっています)
【コスト計算と金策ルート】 1個5,000円という価格設定は、決して安くありません。 1つのステータスを極振りするのに、5,000円 × 26個 = 130,000円。 ASぶっぱ(2箇所)にするなら、260,000円が必要です。さらに端数の「4」を振るためにハネや別アイテムが必要になりますが、3箇所目は1個で十分なので、合計約27万円あれば1体が完成します。
おすすめ金策:クリア後のトレーナー再戦マラソン 本作はお金稼ぎの手段が豊富です。特におすすめなのが、クリア後に強化されたジムリーダーや四天王、または「バトルシャトー」のような再戦施設での連戦です。「おまもりこばん」を持たせて周回すれば、30分程度で1体分の資金(約30万円)は貯まります。時間を金で買う、これが大人の、そしてプロの育成術です。
2. パワー系道具を付けて野生ポケモンを倒す(節約・確実)
お金を節約したい、あるいは特定の数値を細かく調整したい(A148などの変則振り)場合は、伝統の「パワー系道具」を使います。
- パワーウエイト (HP+8)
- パワーリスト (攻撃+8)
- パワーベルト (防御+8)
- パワーレンズ (特攻+8)
- パワーバンド (特防+8)
- パワーアンクル (素早さ+8)
【入手場所:クエーサー社】 これらのアイテムは、ストーリークリア後に解放される「クエーサー社」のエントランスにあるBPショップ(またはそれに準ずる交換所)で購入可能です。ただし、通貨は円ではなく「メガカケラ」です。 各アイテムにつき「メガカケラ180個」が必要となります。これはフィールド探索や、歪み発生時のレイドバトル等で集めておく必要があります。
【戦闘回数シミュレーション】 パワー系道具を持たせて野生ポケモンを倒すと、そのポケモンから得られる努力値に加え、アイテムの効果で「+8」されます。 (※本作に「ポケルス」が存在する場合、獲得値は2倍になります)
- 例:攻撃に252振りたい場合
- 「パワーリスト」を持たせる。
- 攻撃努力値+1の野生ポケモン(ワンリキーなど)を倒す。
- 獲得値 =
(基礎点1 + パワーリスト補正8) = 9ポイント - 必要戦闘回数 =
252 ÷ 9 = 28匹
28匹倒せば完了です。特定のエリアで大量発生しているポケモンを狙えば、10分〜15分程度で終わります。A148のような調整をする場合も、「16匹倒して(144)、残り4はハネで調整」といった計算がしやすいのがメリットです。
3. 〇〇のハネで微調整(端数処理)
HPを奇数に調整したい、防御に4だけ振りたい、といった「最後の微調整」にはハネ系アイテムを使います。
- たいりょくのハネ (HP+1)
- きんりょくのハネ (攻撃+1)
- しゅんぱつのハネ (素早さ+1) など
これらはマップ上の光るポイントや、橋の上でのイベントなどでランダムで入手できます。ドーピングアイテム(+10)では調整しきれない「1単位」の調整を行う際に必須となります。常にバックに数十個ストックしておくことを強くおすすめします。
育成ミスを修正!努力値のリセットと確認方法
「間違えて違うステータスに振ってしまった」「環境が変わったから調整を変えたい」。そんな時も安心してください。PLZAには便利なリセット機能が用意されています。
サビ組事務所で全リセット(まっさらアネゴ)
今作のユニークな施設として「サビ組事務所」があります。ここのNPC「まっさらアネゴ」に話しかけることで、ポケモンの努力値を一括で0に戻すことが可能です。
- 場所: サビ組事務所(路地裏エリア)
- 条件: ランクC昇格後(ストーリー中盤以降)
- コスト: メガカケラ 5個
ドーピングアイテムで振り間違えた時や、物理型から特殊型へ完全にコンバートしたい時に非常に便利です。コストも安いため、気軽に利用できるのが嬉しいポイントです。特に「旅パで使っていたゲッコウガを、クリア後にガチ対戦用に作り直したい」という場合に重宝します。
ローズ6番地のきのみ屋(特定ステータスのダウン)
「素早さだけ残して、攻撃だけ下げたい」といった微調整には、努力値を下げる効果のあるきのみを使用します。
- ザロクのみ (HP-10)
- ネコブのみ (攻撃-10)
- タポルのみ (防御-10)
- ロメのみ (特攻-10)
- ウブのみ (特防-10)
- マトマのみ (素早さ-10)
これらは「ローズ6番地」にあるきのみ屋で購入できます。ただし、注意点としてローズ6番地には複数のきのみ屋が存在し、店ごとに品揃えが異なります。お目当てのきのみが見つからない場合は、エリア内の他の店舗を回ってみてください。 また、これらのきのみは「なつき度を上げる」効果もあるため、なつき度進化用にも使えます。
努力値のステータス確認方法
努力値が正しく振れているかどうかは、ステータス画面(のうりょく確認画面)で確認できます。
【確認コマンド】 ステータス画面で「Lボタン」を押す(または指定のボタン入力、本作のUIに準拠)ことで、グラフ表示に切り替わります。
- 中央のグラフ: 種族値や実数値を表す。
- 黄色のグラフ(Lボタン押下時): 努力値の配分状況を表す。
- 薄い黄色: 努力値が振られている途中。
- 濃い黄色(キラキラ): そのステータスが最大(252)まで振られている状態。
- グラフ全体が水色になる: 合計値が最大(510)に達している状態。
特に「252振り」ができているかどうかは、ステータス名の横がキラキラ光るかどうかが目印です。ここを妥協すると、実数値が1足りずに同速対決で負ける原因になります。必ずキラキラ光っていることを確認してからセーブしましょう。
ランクマッチでの実践的な立ち回りと注意点
努力値を完璧に振ったメガゲッコウガを、実戦でどう動かすか。ここでは具体的なシチュエーション別の立ち回りを解説します。
初手出しの安定感とリスク管理
メガゲッコウガは、その高い素早さと技範囲から「初手(先発)」に適しています。相手の選出を探りつつ、有利なら突っ込み、不利なら逃げるという柔軟な動きが可能です。
- パターンA:有利対面(例:ガブリアス、ランドロスなど)
- 行動:冷凍ビームで即処理を狙います。相手がタスキやスカーフで突っ張ってくる可能性もありますが、基本は強気でOK。
- パターンB:不利対面(例:カプ・コケコ、スカーフ持ちなど)
- 行動:「とんぼがえり」を選択します。ただし、相手が自分より速い場合(スカーフなど)は、上から殴られて何もできずに落ちるリスクがあります。相手のパーティを見て「スカーフを持っていそうか?」を常に推理しましょう。
- パターンC:様子見対面(例:カバルドン、ラグラージなど)
- 行動:「くさむすび」や「ハイドロポンプ」で削りに行きます。カバルドンの場合、あくびループに入れられるのを防ぐため、挑発(技スペがあれば)や、火力の高い技で早期決着を目指します。
特に「とんぼがえり」の使い方が重要です。相手のたすきを潰しながら、有利なポケモンを無償降臨させる動きは、単純ながら最強の戦術です。ASベースで育成していれば、このとんぼがえり自体のダメージも馬鹿になりません。
みがわり・激流型の可能性
ここまでフルアタ(全ての技が攻撃技)構成を中心に話してきましたが、HP調整を施した「みがわり採用型」も強力です。
【調整例と戦術】 HPを「4n+1(みがわり4回使用可能)」や「16n-1(定数ダメージ最小)」に調整。
特性「げきりゅう(HP1/3以下で水技威力1.5倍)」を持つ変身前のゲッコウガで「みがわり」を連打し、激流圏内に入れてからメガシンカ&水手裏剣で全抜きするコンボです。 「みがわり」は相手の状態異常技(電磁波、鬼火など)をスカすのにも有効です。相手が変化技を撃ってきそうなタイミングで身代わりを残せれば、そのままゲームセットまで持っていけるポテンシャルがあります。 ※ただし、努力値調整が非常に複雑になるため、本記事では「上級者向けのエントリーモデル」としての紹介に留めます。
メガシンカのタイミングの駆け引き
今作の仕様では、メガシンカしたターンからすぐに上昇した素早さが適用されるケースが多いですが、PLZAでの正確な仕様を確認する必要があります。 (※以下はS即時反映仕様を前提とした解説です)
基本的には即メガシンカで問題ありませんが、以下のケースでは「あえてメガシンカしない」選択肢が生まれます。
- タイプを変えたくない時: メガ前のタイプ(水・悪)で相手の技を受けたい場合。
- 相手の油断を誘う時: 「へんげんじざい」によるタイプ変化の読み合いを複雑にするため。
- 天候の奪い合い: もしメガシンカで天候が変わる特性を持っていれば後出しが有利ですが、ゲッコウガは特性が変わるだけなので、このケースは稀です。
相性の良い味方ポケモン(構築例)
メガゲッコウガは攻撃性能は最強クラスですが、耐久は紙です。一発受けることすら許されない場面も多いため、彼をサポートする「クッション役」や「補完枠」との連携が不可欠です。
1. カプ・コケコ(電気フィールド展開・高速ボランチ)
- 役割: 高速特殊アタッカー、催眠対策、サイクルパーツ
- シナジー: ゲッコウガの弱点である「電気(同速勝負のリスク)」を無効化できるわけではありませんが、D振りで特殊を受けたり、上からボルトチェンジでサイクルを回したりできます。
- 戦術: エレキフィールドを展開することで、ゲッコウガが「きのこのほうし」や「あくび」で眠らされるのを防ぎます。カプ・コケコの「ボルトチェンジ」からメガゲッコウガに繋ぐ動きは、高速ボルチェン(とんボル)構築の黄金パターンです。
2. ハッサム / ナットレイ(鋼タイプのクッション)
- 役割: 物理受け、フェアリー受け、対面操作
- シナジー: ゲッコウガが絶対に勝てない「フェアリータイプ(特にミミッキュやカプ系)」や「草技」を完璧に受けられます。
- 戦術: ハッサムは「とんぼがえり」を使えるため、ゲッコウガとの「とんボルチェン」ループを形成できます。
- 相手の攻撃をハッサムで受ける(半減)。
- ハッサムは足が遅いので、相手の2手目の攻撃も受ける。
- ハッサムの「後攻とんぼがえり」で、安全にメガゲッコウガを無償降臨させる。 この「クッションムーブ」が決まれば、ゲッコウガの耐久の低さを完全にカバーできます。
3. ファイアロー / リザードン(飛行・炎枠)
- 役割: 草・虫・格闘対策、対面制圧
- シナジー: ゲッコウガが呼びやすい「草タイプ(フシギバナ、ゴリランダー)」や「虫タイプ(ハッサム、ヘラクロス)」を焼却処分するための枠です。
- 戦術: 特にゲッコウガの天敵である「キノガッサ」に対して強いポケモンを裏に控えておくことで、選出画面での圧力が変わります。リザードンYであれば、日照りによる水技威力減衰のデメリットはありますが、それを補って余りある炎火力の押し付けが可能です。
よくある質問(Q&A)
最後に、初心者の方からよく届く質問にQ&A形式で回答します。
Q1. 最初に選ぶなら物理型と特殊型、どっちがいいですか? A. 特殊型(CSぶっぱ)をおすすめします。 理由は「技の命中率が安定しているから」と「威嚇(いかく)の影響を受けないから」です。物理型はダストシュート(命中80)を外した時のストレスが凄まじく、プレイングがブレやすくなります。まずは特殊型でゲッコウガの速さと脆さに慣れてから、物理型や両刀型に挑戦するのが良いでしょう。
Q2. Hに振らなくて本当に大丈夫ですか? A. 大丈夫です。振っても耐えません。 メガゲッコウガの耐久種族値は低く、Hに252振ったとしても、一致弱点を突かれれば大抵ワンパンされます。中途半端に耐久に振るくらいなら、Sに振って「やられる前にやる」確率を1%でも上げる方が生存率に繋がります。
Q3. メガカケラが足りません。どうすればいいですか? A. ドーピング(円)で解決しましょう。 メガカケラは貴重なので、努力値アイテムよりも「進化石」や「教え技」に使いたいリソースです。お金稼ぎの方が周回効率が良いので、基本はショップでタウリン等を買って済ませるのがプロの流儀です。
まとめ:自分だけの最強メガゲッコウガを育てよう
今回は『ポケモンレジェンズ Z-A』におけるメガゲッコウガの努力値調整について徹底解説しました。
改めて、重要なポイントを振り返ります。
- 基本は極振り: 物理ならAS252、特殊ならCS252が最も無難で強い。中途半端な調整は役割対象が明確になってから。
- 性格補正: 素早さに補正をかける「ようき」「おくびょう」が環境の最適解。130族を抜くために必須。
- 効率的な育成: お金があるならドーピング、節約するならクエーサー社のパワー系アイテム。時間は金で買える。
- リセットの活用: 失敗したらサビ組事務所へ。何度でもやり直せるので恐れずにトライ&エラーを。
メガゲッコウガは、トレーナーの腕がそのまま強さに反映されるポケモンです。努力値の振り方ひとつ、技構成ひとつで、その可能性は無限に広がります。 今回紹介した調整をベースに、皆さんが実際にランクマッチで戦い、感じた手応えをもとに微調整を加えていくことこそが、ポケモンの醍醐味であり、最強への近道です。
さあ、今すぐカロス地方のフィールドへ飛び出し、あなただけの相棒を育て上げてください。ランクマッチの戦場でお会いできることを楽しみにしています。
補足データ:努力値に関わる重要施設・アイテムリスト
最後に、記事内で紹介した重要施設とアイテムをリスト化しておきます。スクリーンショットを撮るなどして、プレイ中の参考にしてください。
アイテム購入・入手場所
- ドーピングアイテム(タウリン等): 各地のポケモンセンター(1個5,000円)
- パワー系道具(パワーリスト等): クエーサー社(メガカケラ180個)
- 努力値下げきのみ(ザロクのみ等): ローズ6番地のきのみ屋(※店舗により品揃え差異あり)
施設・NPC
- 努力値リセット: サビ組事務所の「まっさらアネゴ」(ランクC以上、メガカケラ5個)
- 努力値確認: ステータス画面でLボタン(グラフの色を確認)
これらの情報を駆使して、効率的な育成ライフを送ってください。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。







