ゲーム評論家の桐谷シンジです。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
『Pokémon LEGENDS Z-A(ポケモンレジェンズZ-A)』、皆さんやり込んでいますでしょうか。私はストーリーを完走し、現在はエンドコンテンツの検証に明け暮れる日々を送っています。さて、今回のテーマは、12月2日のアップデートで突如として追加された「ミュウツー」の捕獲についてです。
この記事を読んでいる方は、追加ミッションの発生条件がわからなかったり、あるいはレベル70という高レベルで立ちはだかるミュウツーの圧倒的な力に苦戦し、捕獲がうまくいかずに悩んでいることと思います。伝説のポケモンの中でも最強格とされるミュウツーですから、一筋縄ではいかないのも無理はありません。
しかし、安心してください。適切な準備と知識があれば、必ず仲間にすることができます。この記事を読み終える頃には、ミュウツー捕獲に関する疑問が解決し、カロス地方最強の遺伝子をその手中に収める準備が整っているはずです。
- アップデートによる追加ミッション「プロジェクトコードM」の発生条件
- レベル70のミュウツーを安全に無力化するためのバトル構成
- 捕獲後のメガミュウツーX・Yの性能と使い分けの徹底分析
- 作中で語られるミュウツー誕生の秘話とメガシンカ失敗の謎
それでは解説していきます。
ミュウツー捕獲ミッション「プロジェクトコードM」の全貌
まずは、ミュウツーと遭遇するためのスタートラインについて解説します。多くのプレイヤーが「どこに行けば会えるのかわからない」と迷っているようですが、今回のイベントは自動発生ではなく、能動的なアクションが必要です。
不思議な贈り物での「キーストーン」入手がトリガー
今回のミュウツーイベントの核心となるのは、サイドミッション「EXサイドミッション プロジェクトコードM」です。このミッションをリストに出現させるためには、ゲーム内での特定の行動ではなく、まずはオンラインを介した「ふしぎなおくりもの」の受け取りが必須となります。
具体的には、メニュー画面の通信項目から「ふしぎなおくりもの」を選択し、「インターネットで受け取る」を実行してください。ここで、ミュウツーをメガシンカさせるための重要アイテムである「ミュツナイトX」および「ミュツナイトY」を受け取る必要があります。この2つのメガストーン(作中ではビー玉のような輝きを放つ石として描写されています)をポーチに所持していることが、イベント発生のフラグとなっています。これを受け取らずに現地に向かってもイベントは進行しませんので、必ず確認してください。
フラダリカフェでのセキュリティ解除
メガストーンを受け取ったら、ミアレシティにある「フラダリカフェ」へ向かいます。ここはシリーズファンにはお馴染みの場所ですが、今作でも重要なスポットとして機能しています。カフェ内にあるエレベーター、もしくは奥にある怪しげな石碑のような装置を調べると、主人公が所持している「ミュツナイトX・Y」にシステムが反応します。
「Rに反応して一部の電源が入った」というシステムメッセージと共に、セキュリティチェックが行われます。ここで「危険度の高いプロジェクトですがロックを解除しますか?」という問いかけに対し、「はい」を選択することで、正式に「プロジェクトM」が起動します。この演出は、かつてこの地で研究を行っていた組織の痕跡を感じさせる、非常にスリリングなものです。心の準備をしてから挑んでください。
レベル70ミュウツーとの死闘|捕獲を成功させるための準備と戦略
イベントが進行すると、いよいよミュウツーとの対面、そしてバトルになります。ここからは、高難易度の伝説戦を制するための具体的な攻略法を解説していきます。
敵のステータスと行動パターンを把握する
今回出現するミュウツーのレベルは「70」です。ストーリークリア直後のパーティで挑む場合、レベル差で圧倒される可能性があります。ミュウツーは特攻(Special Attack)の種族値が非常に高く、専用技「サイコブレイク」をはじめとする強力なエスパー技や、サブウェポンとして「はどうだん」などの格闘技を使用してくる可能性があります。
特に警戒すべきは、こちらの防御力に関係なく大ダメージを与えてくる高火力技です。生半可な耐久力のポケモンでは一撃で瀕死に追いやられるため、受け出しが成立するポケモンを選出する必要があります。また、捕獲イベント特有の緊張感の中で、相手のHPを削りすぎずに寸止めする技術も求められます。
捕獲要員としての最適解ポケモン
私が推奨する捕獲要員は、「あくタイプ」を含み、かつ耐久力が高いポケモンです。ミュウツーの主力であるエスパー技を無効化できるあくタイプは、この戦いにおいて圧倒的なアドバンテージを持ちます。
バンギラス(またはその系統)
カロス地方でも入手可能な600族。あく・いわタイプであるためエスパー技を無効化できます。さらに砂嵐による特防上昇効果もあり、特殊攻撃主体のミュウツーに対して鉄壁の要塞となります。「かみくだく」などのあく技で弱点を突けますが、倒してしまわないよう、威力調整ができる「みねうち」要因を別途用意するか、天候ダメージで削るなどの工夫が必要です。
ミカルゲ
ゴースト・あくタイプで、弱点がフェアリーのみという優秀な耐性を持ちます。ミュウツーからの有効打がほとんどないため、長期戦になっても安定して回復アイテムを使ったり、ボールを投げるチャンスを作ったりできます。「さいみんじゅつ」を覚えさせておけば、眠り状態にして捕獲率を大幅に上げることも可能です。
状態異常の活用とボールの選定
『LEGENDS』シリーズの捕獲システムにおいて、状態異常は捕獲率に大きく影響します。特に「ねむり」や「まひ」は有効です。HPを赤ゲージ(残り2割以下)まで削った上で、状態異常を付与すれば、モンスターボールやスーパーボールでも十分に捕獲可能です。
しかし、ここは伝説のポケモンへの敬意を表して、ハイパーボールや、もし所持していればマスターボールの使用も検討すべきでしょう。ただ、今回のイベントに関しては、バトルに勝利さえすれば捕獲確定、あるいは非常に捕まえやすい補正が掛かっているという報告も上がっています。「投げたらあっさり捕まった」というケースもありますが、万が一に備え、レポート(セーブ)は戦闘直前の、ミュウツーの姿が見える位置で必ず書いておくことを強く推奨します。
「接近」によるイベント進行の罠
一点、注意が必要なのはイベント進行のトリガーです。フラダリラボのような空間でミュウツーと対峙することになりますが、不用意に近づきすぎると自動的にムービーやバトルに突入してしまいます。「もっと良いアングルで写真を撮りたい」「手持ちの並び替えをしたい」と思っても、一定距離に入ると強制進行するため、準備はエリアに入る前、あるいはミュウツーが見えた瞬間に距離を取って行うのが鉄則です。
メガミュウツーX・Yの性能評価と使い分け
見事ミュウツーを捕獲すると、その個体は最初から「ミュツナイトX」あるいは「Y」を持たせることでメガシンカが可能です。ここでは、それぞれのメガシンカの特徴と、評論家視点での使い分けについて解説します。
ステータス比較と運用方針
まずは、それぞれのステータス傾向を整理しました。
| 項目 | 通常ミュウツー | メガミュウツーX | メガミュウツーY |
|---|---|---|---|
| タイプ | エスパー | エスパー・かくとう | エスパー |
| 特徴 | バランス型 | 物理特化・格闘追加 | 特攻特化・超火力 |
| 攻撃 | 110 | 190 | 150 |
| 特攻 | 154 | 154 | 194 |
| 素早さ | 130 | 130 | 140 |
| 特性 | プレッシャー等 | 不屈の心 | 不眠 |
メガミュウツーX:物理で粉砕する格闘の覇者
メガミュウツーXの最大の特徴は、タイプに「かくとう」が追加され、攻撃種族値が全ポケモン中トップクラスの「190」に跳ね上がることです。見た目も筋肉質でマッシブなフォルムに変化し、手足のプロテクターが屈強な戦士を思わせます。
運用のコツ 本来特殊アタッカーのイメージが強いミュウツーですが、X運用をする場合は「ドレインパンチ」や「サイコカッター」、「れいとうパンチ」などの物理技構成にする必要があります。かくとうタイプが追加されることで、あくタイプへの対抗手段を得られるのが最大のメリットです。物理受けのハピナスやカビゴンといったポケモンを、物理格闘技で正面から粉砕できる爽快感はXならではです。性格は「ようき(素早さ↑)」や「いじっぱり(攻撃↑)」が推奨されます。
メガミュウツーY:原点にして頂点の特殊アタッカー
一方のメガミュウツーYは、ミュウツー本来のスマートなシルエットをより先鋭化させ、小柄ながらも圧倒的なオーラを放つ姿になります。頭部から伸びる管のような部位が特徴的で、よりエイリアン的な意匠が強まっています。
運用のコツ 特攻種族値「194」という数値は、ゲームバランスを崩壊させかねないほどの火力です。基本的には通常ミュウツーの運用の延長線上で使えますが、その火力が段違いです。「サイコブレイク」の威力が凄まじく、等倍相手ならほぼ一撃で葬り去ります。また、素早さも140に上昇するため、多くの高速アタッカーの上を取れるようになります。性格は「おくびょう(素早さ↑)」や「ひかえめ(特攻↑)」で、特殊技を中心に構成するのがベストです。個人的には、ミュウツーらしい圧倒的な「念動力」を感じられるYの方が、使用していて「伝説を使っている」という高揚感が高いと感じます。
「プロジェクトコードM」が示唆する衝撃の真実
今回の追加コンテンツが素晴らしいのは、単に強いポケモンが手に入るだけでなく、『ポケモンX・Y』やアニメシリーズなどで断片的に語られてきた「ミュウツー生成の背景」に新たな光を当てている点です。
メガシンカしなかった理由の解明
ミッションクリア後の会話イベントで、とあるキャラクター(署長代理やフレア団関係者を思わせる人物)から、非常に興味深い話を聞くことができます。 かつてフレア団は、ミュウツーの強大なエネルギーを最終兵器に利用しようと画策し、「ななしの洞窟」に出現したミュウツーを確保していました。しかし、当時彼らがどれだけ研究しても、ミュウツーの謎を解明することはできませんでした。
その最大の理由として語られるのが、「メガストーン(X・Y)を使っても、当時はメガシンカしなかった」という事実です。 これは衝撃的です。なぜなら、今回の主人公が持っている石には反応したからです。作中の仮説では、ミュウツー自身が戦闘に備えてエネルギーを溜め込む「休眠状態」にあったため、外部からの刺激(メガストーン)を受け付けなかったのではないかとされています。あるいは、主人公という「信頼できるトレーナー」との絆が、メガシンカの鍵だったのかもしれません。
科学によって生み出された悲しき兵器
ミュウツーが「フジ老人」とされる科学者によって生み出されたという噂や、遺伝子研究の末に生まれた生命体であるという設定も、改めてゲーム内で触れられます。 「プロジェクトM」という名称自体が、Mewtwoの頭文字であると同時に、Monster(怪物)やMega(メガシンカ)を意味していたのかもしれません。フラダリラボの冷たい金属質の床の上で、人間によって生み出され、利用されようとしたミュウツーと対峙するとき、プレイヤーは単なるデータ以上の重みを感じるはずです。
捕獲後に見せる、パルレ(ポケモンとのふれあい)での反応も見逃せません。メガミュウツーXの状態でベンチに座らせると、意外にも無防備に寝ている姿を見ることができます。また、Yの状態でなでると、その小さな体躯がいかに強大なパワーを秘めているか、デザインの妙を感じ取ることができるでしょう。戦闘マシーンとして生まれた彼らが、主人公の前でのみ見せる「生物としての顔」。これこそが、本DLCの最大の報酬と言えるかもしれません。
まとめ
今回のミュウツー捕獲イベントは、難易度こそ高いものの、事前の準備と対策を行えば確実にクリアできる内容となっています。また、その報酬であるメガミュウツーX・Yは、今後のレイドバトルや対戦環境においてもトップメタに君臨し続けるでしょう。
以下に、今回の攻略の要点をまとめます。
- 開始条件の確認を怠らない 必ず「ふしぎなおくりもの」でメガストーン2種を受け取ってから、フラダリカフェへ向かってください。これがなければ何も始まりません。
- 対ミュウツー戦は「あくタイプ」が鍵 レベル70の猛攻を耐えるには、タイプ相性での無効化が最も安全です。バンギラスやミカルゲなど、エスパー技を透かせるポケモンを育成して挑みましょう。
- 捕獲用アイテムは惜しまない 長期戦はジリ貧になります。HPを削ったらすぐに眠らせ、ハイパーボールを連投しましょう。捕獲率自体はイベント補正で高くなっている可能性がありますが、油断は禁物です。
- メガシンカの使い分けを楽しむ 物理のX、特殊のY。それぞれの特性を理解し、自分のパーティに足りない要素を補う形で運用しましょう。個人的には、フィールド探索での連れ歩きも含めて、両方のフォルムを愛でてほしいと思います。
『LEGENDS Z-A』の世界は、まだまだ多くの謎を秘めています。今回のミュウツーイベントも、カロス地方の歴史のほんの一部を切り取ったに過ぎません。しかし、最強の遺伝子を手に入れたあなたなら、この先どんな困難なミッションが待ち受けていようとも、きっと乗り越えられるはずです。
それでは、良きポケモンライフを。カロス地方のどこかで、またお会いしましょう。






